新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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印象最悪なので、少しマイルドにしました


10 涙とみんながセンター

フェスが終わり、みんなで歩道橋に黄昏ていた。

 

「うぅ…」

 

「ここでいつまでたたずんでいるつもりよ」

 

「いいから黙っているデス!」

 

「優勝はできませんでしたけど…」

 

「そうだよ。2年続けて特別賞だって立派なことだと思うよ」

 

「すみません。きな子がうまくなかったせいですよね。先輩たちだけで歌っていればきっと…」

 

「そんなことない。何言ってるの」

 

「そうよ。みんなでステージに立っているんでしょ。誰のせいとか誰のおかげとかじゃない。みんなで作り上げるものでしょスクールアイドルって」

 

「すみれが言うと説得力ないですけどその通りデス」

 

「失敗は成功の準備運動!次はきっとうまくいきます!」

 

「可可先輩!はい!」

 

…………うん、物凄く居づらいんだけど…………

かのんちゃんたちは特別賞。蓮華ちゃんは二位。一位は私……うん、物凄く居づらいよ……

 

「紗桜莉さん、凄かったですね」

 

「えっと、何かごめんね」

 

「そんな紗桜莉ちゃんが謝ることじゃないよ」

 

「そうね。逆に謝られる方が辛いわよ」

 

「それだけ紗桜莉は会場にいたスクールアイドルたちよりも輝いていました」

 

「凄かったっす……あれが紗桜莉先輩の実力なんっすね」

 

「正直……私も本気でやりましたが……いえ、会場にいたアイドル全員本気でしたが……紗桜莉さんはそれを越えていました」

 

「うん、凄かった……」

 

「えっと……何と言うか……私も……」

 

あの時……私の中で物凄く集中していたからか、ただみんなを楽しませたい。そう言う気持ちが強かった。そして気がついたら、私のステージは終わっていた。あの時の感覚は……

 

「どうしたの?」

 

「ちーちゃん、何と言うか物凄く集中していて、世界がこう……変わる感じって……なんなんだろう?」

 

「うーん、もしかしてゾーンに入ったとか?」

 

ゾーンってあれだよね?スポーツとかでよく聞くやつだよね?スクールアイドルでゾーンって……

 

「それほど紗桜莉さんが集中していたと言うことですね」

 

「うーん……」

 

そうなのかな?

 

 

 

 

 

家に帰り、改めてフェスの順位を確認する。あの厄介なファンの子はスクールアイドルで、中学三年生だったのか。注目はされているけど……私や蓮華ちゃんの方が更に注目されてる……

 

「かのんちゃん、落ち込んでなきゃ良いけど……」

 

こう言うとき、一番気にしてそうなのはかのんちゃんだよね。心配だな~

そんなことを思っていると、外でかのんちゃんが誰かと話しているのが見えた。話してるのって…………

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

部屋でフェスについて記事を見ていた。紗桜莉ちゃん、蓮華ちゃんは勿論のこと、一番気になったのは三位の中学三年生のウィーン・マルガレーテ…………

 

「中学生……中学生に負けた……」

 

思った以上にショックを受けている自分がいる。ベッドに横たわるとカーテンの隙間からあるものが見え、私は急いで外に出ると、そこにはウィーンさんがいた。

 

「あなた…」

 

「ラブライブってすごい大会と聞いていたけどあなたたちが優勝候補ってことはそこまで大した大会じゃないみたいね。これなら問題なく勝てそう」

 

「違うよ!ラブライブはすごい大会!私たちは…優勝候補じゃない。私たちはたまたま優勝したすごい人の目に留まって褒められただけ。何も結果は残してない」

 

「じゃここに来たのは無駄足だったってわけね。少なくとも今日聴いた中ではあなたには才能があった。歌のね」

 

……何も言い返せない…………どうしたら……

 

「流石は3位入賞するだけはあるね。えっと……マルガリータさん」

 

不意に声が聞こえ、振り向くとそこには紗桜莉ちゃんが……と言うか……これやばいような……

 

「貴方は……」

 

「うんうん、すごいすごい。3位凄いねーえっ?私?優勝したけど?」

 

「えぇ、知っているわ。ダンスもなく、歌だけで……」

 

「所でこんな所で何してるの?かのんちゃんのストーカー?警察に連絡しておく?脅迫にストーカー行為してくる厄介なファンの……ドーン・マルガレーテさん」

 

「っ……」

 

わー夜空が綺麗だなー星って何であんなに綺麗なんだろー

 

「と言うか何かいつも高いところにいるけど、高いところが好きなの?日本の諺でこう言うのあるの知ってる?バカとなんとかは高いところが好きって?ドン・ムラサメ・マルガリータさんは要するにバカってことになるけど?反論はある?

 

「…………」

 

あの紗桜莉ちゃん、ウィーンさんが半泣きだけど…………

 

「あなたの事は覚えておくわ」

 

「こっちも覚えておくよ。いや、覚えておいて、かのんちゃんたちに害をなす存在なら……私は貴方を徹底的に追い詰めるって……よーく覚えておきなさい。ドン・マルガリータさん」

 

いや、もう泣きそうになりながらウィーンさん帰っていくけど……

 

 

 

 

 

 

次の日……

 

「ういっすーかのんちゃんって!?何か疲れてる顔してるけど……大丈夫?疲れ抜けてない?」

 

「いや、そうじゃなくって……紗桜莉ちゃんが……」

 

「紗桜莉ちゃんが?」

 

「物凄い煽りと言うか毒を……」

 

「あー」

 

ウィーンさん、大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

放課後の部室にて、かのんちゃん以外のみんなが集まり、

 

「気合い入れていくですよ!あくび禁止!打倒ウィーンです!」

 

ウィーン……あぁ昨日の……あの後かのんちゃんに怒られたんだよな~中学生泣かせちゃダメだって……いやだってね~

年上への口の聞き方を教えないと~

 

「おまたせ」

 

「うぃっす~!」

 

すると遅れてかのんちゃんがやって来た。

 

「ちょっといいかな?練習前にみんなに話したいことがあるんだけど……私たちまた結果を残すことができなかった。そんな私たちが優勝を目指す。本当にそれでいいの…」

 

かのんちゃんらしい悩みだな~でもそれでも目指すべき事は……

私が話そうとした瞬間、突然クラスメイトたちがクラッカーを鳴らし

 

「おめでとう~」

 

「みんな!」

 

「特別賞とったんでしょ!紗桜莉ちゃんは優勝だし」

 

「よかったね!」

 

「さすが!」

 

「でも本当は……」

 

「いいんだよ」

 

「えっ?」

 

「それでもいい」

 

「それでもいいんだよ」

 

 

 

私たちはみんなに案内され、そこにはこれまで受賞した際のトロフィーなどが飾られていた。

 

「これは…」

 

「去年1年間のこの学校の部活の成果」

 

「全然ないでしょ。入賞もほとんどないし。そりゃそうだよね。1年生しかいなかったんだから」

 

「かのんちゃんたちは自分たちのことまだまだって思ってるかもしれないけど」

 

「この学校の生徒にとっては誇りなんだよ。自慢なんだよ」

 

「Liellaこの学校のスーパースターなんだよ」

 

「私たちが……」

 

「スーパースター」

 

「このことは忘れないで欲しい」

 

「私たちはいつも誇りに思ってる」

 

「いつか一番輝くって信じてる」

 

「だからこれからも優勝目指してほしい!」

 

かのんちゃんの悩み……すぐ解決したみたいだね。

 

「ライブしましょう」

 

「えっ?」

 

「場所は決まり!ですよね?」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

ライブ当日、今回のライヴは私と蓮華ちゃんも一緒に参加することになった。

 

「私も参加して良いんですか?」

 

「うん!いいんだよ。私もみんなとやるときは大切な時だって考えていたから……これは……」

 

「特別なライブ……そうですよね」

 

蓮華ちゃんも笑顔を向ける。さぁて今日も楽しむぞ!

 

「みんな、今日はセンターはなしでいきたい」

 

「えっ?」

 

「センターはここにいる全員!そして結ヶ丘の生徒全員!この最高に素敵な学校全部!そういう気持ちを込めたいの」

 

「それじゃ……行こう!みんな!」

 

そして始まる私たちのライブ。みんな楽しんでくれてる。これがかのんちゃんたちにとって本当の始まりかもしれない。




ウィーンはその後、一人で泣きながら帰ると言う……
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