蓮華side
ある日の教室にて、メイちゃんと四季ちゃんの二人がスクールアイドル部に入ったことでクラスの話題になっていた。
「スクールアイドル部へ入部!?」
「米女さんと若菜さんが!?」
「そうなんっすよ!そうなんっすよ!」
きな子ちゃんは喜びのあまり、二人の背中叩いてるけど……あれ、怒られたりしないよね?
「同じ学年の仲間が一度に2人も!」
「もっと応援しなきゃだね!」
「いつか3人の誰かがセンター取っちゃったりして!」
「いやいや~!まだまだ先輩には遠く及ばないっすよ~!」
「きな子ちゃん、少し落ち着こうか」
「はいっす、蓮華ちゃん」
「薊さんもソロアイドルとして、相花先輩と肩を並べるくらい凄いよね」
い、いや、私は……そんな……
クラスのみんながそんな風に話している中、隅の方で一人だけ何かを呟いているクラスメイトが……
「うぅ…まったく再生数が伸びない…いたた…引っ越しのバイトはオニですの…」
何だか腰を痛めてるみたいだけど……どうしたんだろう?
「見て!Liellaのフォロワーまた増えてるよ!」
「ほんとっす~!」
「Liella?なんと!いつの間にかこんなにフォロワー数が増えていたとは……そうですの。これを利用すれば…にゃは~マニーですの…マニーですの!あぎゃ!」
急に叫びだしたと思ったら……今度は変な悲鳴を……本当に大丈夫かな?
紗桜莉side
放課後、部室にて……
「じゃじゃ~ん!新たなメンバーを迎えるにあたり部室を拡大いたしました!」
「アンタ1人でやったわけじゃないでしょ」
「協力してくれた理事長と紗桜莉に感謝ですね」
「私たちやはり期待されているのね」
「まぁ私は頼まれたからね」
「因みに……変な改装とかは……」
「あはは、するわけないじゃん~」
そんなに信用ないかな?まぁバレないようにやってあるから大丈夫だけど……
「練習メニューも少しリニューアルしてみたよ。1年生も増えたしそれぞれに合ったところから始められたらいいかなって」
「さすがちぃちゃん!」
そう言えば……一年生は?
蓮華side
屋上できな子ちゃんたちと練習をしているけど……
「ひぃ~!さっきのステップ難しいっす!」
「私も…ってなんで四季は立ってられるんだよ!」
「私も結構ギリギリ」
「みんな、大丈夫?」
「蓮華ちゃんは本当にすごいっすね~」
「私は……まぁ前からやってたから……」
「……と言うか蓮華って、ソロアイドルの前は何処かのグループに所属してなかったか?」
「うっ!」
「そうなんっすか?」
メイちゃんが知っているのはまぁ当然だよね……うん、
「その…色々とあって…グループ抜けて…ソロアイドルに……」
「喧嘩とか?」
「喧嘩……だったらいいんだけど……」
あまりあの頃の事は思い出したくない……あんなこと……二度とごめんだ
「……わりぃな。嫌なこと聞いて」
「いや全然……いつか話せたら話すよ……」
私がなんて呼ばれていたとか……ね。
「何の話?」
すると急に千紗都さんが声をかけてきた。なんて答えれば……
「えっと、なんというっすか~」
「四季が割とダンスの練習で平気そうにしてるからって話ですよ」
「あ、そうなんだ。昔ダンスやってたの?」
「何も」
何とか話が逸れた。メイちゃん、ありがとう……
「ではもしかしてスクールアイドルの動画を見て家で練習したことが…」
「それは…」
「恥ずかしがらなくても大丈夫。ここにいるみんな全員やってるから」
「じゃあメイちゃんも?」
「嗜む程度に…」
「でもメイはそれだけじゃない」
紗桜莉side
音楽室に移動して、メイちゃんの隠れた特技……ピアノ演奏を聞かせてもらっていた。
「まぁこのくらいなら……」
「メイちゃんすごい!」
「これは作曲の新たな力になりますね!」
「無理無理無理。勘弁してくれよ」
「うらやましいっす!」
「メイ、音楽とアイドルが大好きだから」
「だからちょっとだけだって!」
そんな謙遜するようなことではないと思うけどな~ピアノが弾けるって言うの本当にすごいと思うし……
「それに比べてきな子は…」
「そんなことないでしょ」
「歌詞ノートに書き溜めてるの知ってるわよ」
「あれはいい言葉が思い付いたら書き溜めてるだけで全然…」
「私のピアノだって恋先輩に比べたら…」
「私のダンスも…」
「いいんだよそれで」
「既にみんな上手だったら私たち先輩の立場がないでしょ」
「頑張って練習して少しずつ伸ばしていけばいいの」
「まだ始まったばかりなんですから」
うーん、これは……後でちーちゃんに話してみるかな?
練習が終わり、ちーちゃんに話があるといい、いつものバイト先で話すことになった。
「自信?」
「そっ、一年生の子達を見ていると、自信がない感じがするんだよね」
「あー、それだと私たちの励ましの言葉も……」
「ちょっと逆効果だったかな?でも悪いとは言わないよ」
「紗桜莉ちゃんって、本当にいい子だよね」
「あんまり褒めないでよ……」
そんな風に純粋な目で褒められるのは慣れてないんだけど……
「あれ?一年生って事は蓮華ちゃんも?」
「うん、あの子は……自信がないと言うか……自分が凄いって誇れない感じなんだよね……それも根深いものみたいでね」
「誇れないか~確かにそんな感じが……」
「とりあえずちーちゃんにはそこら辺注意して見てあげて、あと出来たらあの子達がやりたいってことを尊重してあげてほしい」
「分かった。紗桜莉ちゃん」
にしても本当にどうしたらいいものか……一回ライブとか企画してかのんちゃんたちを閉じ込めるか?あの改装した部室なら可能だし……
なんてね
蓮華side
公園のベンチにて、きな子ちゃんたちはため息をついていた。理由は練習の時にかのんさんたちに言われたことだ
「とは言ったもののやっぱり2年生はすごい人ばかり」
「っすね…」
「来年の今頃になれば先輩たちみたいになれてるのかな?」
四季ちゃんは端末を取り出し、一年間続けた場合の予想データを見せてきた。
「到底無理」
「ううっ」
「何とかしないと」
確かに追い付くにはかなり頑張らないと……でもオーバーワークはしないようにと注意されてるし……私からも……
『貴方みたいに出来ると思わないでよ!』
『薊さんって名前の通りだよね』
あんなことになってしまいそうだよ……
夏美side
見つけたですの。あのスクールアイドル四人……
「くっくっく。あの4人がスクールアイドル部に入ったことで1年生からの人気が急上昇中。私ともあろうものがさっさと利用すべきでしたの」
まさか近くにマニーを生み出すものがあったなんて……
「Liellaのフォロワー数と動画の再生回数、そこにオニナッツのプロデュースによって起きる効果を加えると…にゃは~マニーですの……この世は全てマニーですの~!」
それじゃ早速明日から……
紗桜莉side
次の日、新たな一年生が部室にやってきた
「新たな…」
「1年生?」
「急に次々と…」
「それだけ1年生にも浸透したということでしょう!」
「ついに来たデスカ…」
「ついに9人なんだな!」
「そりゃそうでしょ。8の次なんだから」
「だからすみれは何も分かってないというのデス!スクールアイドルにおける"9"は絶対数!」
「そう!数々のレジェンドスクールアイドルたちが作り上げた"9"の奇跡!」
「そうなんっすか?」
「みたい」
「まぁ私が憧れているスクールアイドルの場合は、13人+1人だけどね」
それに聞く限りだと……街中でライブしたり、5校合同ライブを成し遂げたとか……
と言うかくぅちゃんとメイちゃん……聞いてないし
「これでついに!」
「Liellaもレジェンドスクールアイドルの資格を得たのデス!」
「あの~…」
「はい!?」
「盛り上がってるところ…」
「はい!?」
「申し訳ないのですが…」
その子から改めて話を聞くと、どうにも入部希望ではないみたいだった。
「えぇ~!?入部希望じゃないの!?」
「ぬか喜びかよ!」
「アンタたちが早合点しただけでしょ」
「それではどういったご用件で?」
「ふふ~ん、私 鬼塚夏美と申しますの」
「CEO?」
「それきな子も昔貰ったっす」
「知らないの?代表取締役社長。ショウビジネスの世界では常識よ?」
高校生で社長なんて……まるで青い眼の竜をこよなく愛する社長みたいな……
「紗桜莉……何か変なこと考えてない?」
「気のせいだよ……」
たまにすみれちゃんに考えを読まれるのどうしてだろうか?とりあえず話を聞かないと……
「つまり?」
「はい。動画配信を中心にした株式会社オニナッツの代表を務めさせていただいておりますの」
「社長?高校生なのに?」
「別に最近では珍しいことではないですのよ~」
「ですからご用件は?」
「はい。今日来たのはご相談がありまして」
「相談?」
「はい、実は……我が社でLiellaさんのプロデュースを担当させていただきたいんですの~!」
「プロデュースってなんすか?」
「簡単に言うと企画と宣伝」
「イエス!はい!その通り!動画を配信したり、ネットを使ってLiellaの魅力を外に向けて広げたり」
「なんか大人の世界だね」
「そんなことありませんですの!今や高校生でも自分でプロデュースしている人はたくさんいる時代!」
「たしかにそういったことを誰かにお願いできれば練習に集中できますね」
「イエス!」
「悪い話じゃないっす」
「待って。言っとくけどお金はないわよ私たち」
「分かっておりますの。ご心配なく」
夏美ちゃんは契約書を見せてきたけど……さっきの動画の再生数を考えると……これは……
夏美side
これで上手く乗せられていれば、いける!
「とりあえずサインを~」
このスクールアイドル部の代表の方にサインしてもらえば……
「かのんちゃん、待った」
「え?どうかしたの?」
この人は……聞いたことがあるですの……噂では敵に回したらとんでもない目に遭うと……
「夏美ちゃん、この契約書……漢字間違えてる」
「へ?」
確認すると……確かに間違えていたけど……そんなのは……
「別にこれぐらい……」
「ダメだよ。こう言うのは漢字間違えると効力無くなるからね」
「そうなんですの?」
「ちょっと貸して」
相花さんは端末を奪い取り、直ぐに返してくれた
「修正しておいたから、はい、かのんちゃん、サインしておいて」
「うん」
全く私の計画がバレたかと思ったですの。まっ、噂はあくまで噂だから、案外この先輩はバカなんですの
オニナッツの未来は、今後の展開次第です。特にマニーに拘る理由がなんなのか次第で……某復讐代行業並の目に……
感想待ってます!