新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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ちょこちょこ蓮華の過去に触れていきます


19 薊の花

蓮華side

 

「よしよし、元気だったっす~」

 

四季ちゃんの強制ランニングマシーンで夏美ちゃんは疲れ果て、きな子ちゃんはペットの山羊(名前はクロミツ)を撫で回していた。

 

「死んだですの…」

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫なわけないですの。一体どれだけ練習すれば気が済むんですの~」

 

「仕方ないだろ。Liellaの力になるって決めたんだから」

 

「だからって…」

 

するとクロミツが夏美ちゃんを慰めようとしたのか、顔を近づけていた。

 

「うっ!」

 

「元気出せって言ってるっす」

 

「分かるのかよ…」

 

「もちろんっす!さぁ着替えたら練習っすよ!」

 

 

 

 

 

 

早速ランニングを始める私たち。夏美ちゃんも何とか付いていくけど……

 

「大丈夫?」

 

「これぐらい……まだまだ……」

 

そこまでしてやろうとするのって……何かあるのかな?もしかして大きな夢とか?

 

 

 

 

練習も終わり、きな子ちゃんの家に戻ると、凄いご馳走が待っていた。

 

「おかえりなさ~い!わざわざ遠くからありがとう。遠慮なく食べてね」

 

きな子ちゃんのお母さん……何と言うかきな子ちゃんに似てるな~

と言うか若すぎないかな?

 

「うまそう~!」

 

「大きな家…」

 

「ペンション経営してるっすからね」

 

「合宿にピッタリって感じだな」

 

「それにしても夏美ちゃん遅いっすね」

 

「なんか部屋にはいたみたいだけどな」

 

「それじゃきな子、呼んでくるっす!」

 

「それじゃ私も」

 

きな子ちゃんと一緒に夏美ちゃんを呼びに行くことになった。

 

「蓮華ちゃん、凄いっすね」

 

「えっ?何が?」

 

「だって、息を切らしたりもせず、練習についていってるっすから……今日は何とか頑張ってるっすが……」

 

「自信……ない感じ?」

 

「あはは、そんな感じっす」

 

だからこその合宿なんだろうけど……やっぱり……

 

「私は全然凄くないよ」

 

「へっ?」

 

「私はね……ソロアイドルをやり始めた理由は……逃げてきたからなんだ」

 

「逃げて来たっすか?」

 

「うん……夏美ちゃんにも逃げているようにしか思えないって言われたけど……本当にその通りだよ……」

 

「そんなこと……」

 

「…………私はね……薊の花なんだって……」

 

「薊?」

 

私はなるべく優しい表情で微笑んだ。そして…………

 

「夏美ちゃん、呼びに行こう」

 

 

 

 

 

 

夏美side

 

『オニナッツ~!今日はオニナッツ風 夏のスタミナスムージーをご紹介!』

 

この間の動画を確認するが……やはりと言うか……何と言うか……

 

「やっぱりスムージーネタでは全然稼げませんの」

 

たったの50再生……全然駄目ですの。やはり……

 

「ならば今日の練習動画をうまく加工して…」

 

『大人気スクールアイドル内紛!?』

 

これなら再生数を稼げますの!いや待て……もう少し……

 

「もう少し刺激的な方がいいかもれませんの」

 

『リエラ解散!?秒読み!?』

 

これなら見た瞬間、興味を持ち、みんな見始めますの!でも……

 

「う~ん…でも中身はただの練習風景ですの。まぁいっか。これで再生回数爆上がり~!マニーが転がり込んできますの~!」

 

「Liella解散…」

 

「うわぁ~!」

 

いつの間にきな子さんと蓮華さんが!?いや、動画の編集で気がつかなかったですの!?

 

「どうしたんっすか?」

 

「何でもないんですの。何でも…」

 

「もうご飯っすよ」

 

「今行きますの。すっかり編集に夢中で…」

 

「今日の練習風景っすか?」

 

「え、いえ。あの…大したものではないんですの。え~っと…あ、これですの」

 

「あっ!先輩たちのステージ!」

 

何とか誤魔化せた……ん?蓮華さん……何であんなに浮かない顔を?何か気になるですの……とは言え今は誤魔化している最中ですの!

 

「プロデュースに使えないかと思いまして」

 

確かこれは去年のライブ映像……街の人たちが協力したとか……

 

「このステージすごいっすよねぇ。メイちゃんたちとも話してたんっすけど きな子たちこれを超えるのが夢なんっす」

 

「夢?」

 

「きな子たちが入って1年生が増えたからこのステージを超えることができたって。Liellaはパワーアップしたって」

 

「それが夢?」

 

夢か……

 

「夏美ちゃんの夢は何なんっすか?」

 

「私?」

 

「CEOなんっすよね。何を目標にしてるんっすか?」

 

「別に特にないんですの」

 

「えっ?」

 

「強いて言えばお金をたくさん稼ぐことですの」

 

「なんで?」

 

「なんでって年を取った時に困らないようにですの」

 

夢なんて……何度も諦めた私には……

 

「さぁ今行きますの。先戻っててください」

 

「あ、うん」

 

「まったく。くだらないんですの」

 

夕食を食べようと庭に行こうと思ったけど、ちょっと気になる事があった。

蓮華さんに関して何かしら隠し事があるはずですの……

 

 

 

 

きな子side

 

 

 

 

かのんside

 

部室で夏美ちゃんが上げたばっかの動画を見ていた。これは……

 

「すご~い!」

 

「これ本気ったら本気!?」

 

「みたいです」

 

「こんなに人気があるんだ!」

 

「しかもコメントも高評価ばかり!」

 

「だから言ったのデス。恥ずかしがってないで積極的に動画もアップした方がいいって」

 

「よかった~!」

 

本当に良かった……きな子ちゃんたち、頑張ってるんだ……

 

「全く聞いてないデス…」

 

「1年生これなら自信つくかもしれないね」

 

「でもいいことばかりとは限らないわよ。逆に自信がつき過ぎちゃって…」

 

すみれちゃんはもしかしたらの話をしだした……

 

 

 

 

 

「アンタたちさ、そこ立たないでよ」

 

「今日からあなたたちはサポートメンバー」

 

「っす」

 

 

 

「なんてことに!」

 

いや、流石にそんなこと言い出さないでしょ……特にきな子ちゃん

 

「そんな曲がった性格しているのはすみれだけですよ」

 

「ツッコミ雑!」

 

「それよりもっと気になるのはあの夏美って子!あの子がわざわざ手伝うなんて何か企んでるとしか思えないんだけど!」

 

「私も気になっていました。一度ちゃんと夏美さんに話を聞くべきだと思います」

 

「でも北海道よ?」

 

「うーん、大丈夫だと思うよ」

 

「かのん、どうしてそう思うのデスか?」

 

「あんた、お人好しも……」

 

「えっと、お人好し……って言うのもあるけど……何となく大丈夫だと思う」

 

今はこの場にいないあの子を思い浮かべた。あの子ならきっと……

 

「ちぃちゃんはどう思う?」

 

「えっごめん。聞いてなかった」

 

「どうしたの?」

 

「あ、うん。ちょっとね。

これだけできるなら自信付けるためにハードルあげていいかもって」

 

ハードルを上げるって?どう言うことだろう?

すると紗桜莉ちゃんからメッセージが来た。今どこで何してるんだろう?と思いつつ、メッセージを見てみると……

 

「…………?」

 

何で紗桜莉ちゃん、強面の人たちと森に入っていくんだろう?あ、もしかしてこれは高地トレーニングとかそう言うのかな?それで周りにいる人たちが猟銃を持っているのは熊に対して用心しているからかな?うんうん




かのんちゃんはある意味信頼している主人公の紗桜莉は今回も出番がないという……
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