新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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今回、ちょっと変えています!


33 大嫌いで……大好き

蓮華side

 

屋上に乾いた音が響いた。それはかのんさんがすみれさんを叩いた音………………ではなく、紗桜莉さんが両手を叩いた音だった。

 

「とりあえずお互いの意見は言い終えたかな?」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「紗桜莉……悪いけどあんたがどう言おうと…………」

 

「まぁそうだろうね。自分から悪者になろうとしてるんだから、私がどう言っても仕方ないと思ってる」

 

「!?」

 

「悪者って……」

 

紗桜莉さんは……全部気がついてる?

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

すみれちゃんの突然の発言……どう考えてもおかしいと思っていた。だから色々と考えた結果……すみれちゃんはくぅちゃんのために自分から悪者になって、大会に勝とうとしている…………全くこう言うことでしか考え付かないんだから…………

 

「紗桜莉さんは……最初から分かっていたのですか?」

 

「すみれちゃんが本心からあんなことを言い出したんじゃないかって」

 

「うん、一応最後まで話を聞いたのは……かのんちゃんの思いとか聞きたかったって言うのもあったけど…………それでくぅちゃんから何かある?」

 

「!?」

 

「何言ってるのよ……私は…………」

 

「すみれちゃん、自分が悪者になろうとするなら、辛そうな顔をするのはやめた方がいいよ」

 

「…………」

 

「可可は…………」

 

「いい加減二人だけの問題にするのはやめた方がいいよ」

 

「……あんたは、全部分かってるのね……」

 

すみれちゃんは話すべきかまだ悩んでいた。どうしてこんなことを言い出したのか……それが誰の為なのかを……

 

「すみれちゃん……教えて……すみれちゃんは本当に一年生を抜いた状態で歌うべきだと思ってるの?」

 

「そんなの……そんなの……そんなのできるわけないでしょ!どれだけ練習頑張ってきたと思ってんのよ。朝から晩まで毎日毎日ラブライブのために…分かってるのよ……みんなで一緒に喜ぶために頑張ってきたことは…………でも……でも…」

 

「すみれ……9人でいいんですよ…」

 

ようやくくぅちゃんが口を開いた。このまま黙っていたら私の方で色々と言うか悩んでたけど……

くぅちゃんはすみれちゃんに近より、更に話を続けた。

 

「大切なのは全員で歌うことデス。みんなで最高のステージにすることなんデス」

 

「でも…でも!」

 

「可可は構わないって言ってるのにどうして余計なことばっかりするんデスカ?勝手に苦しんでるんデスカ?」

 

「嫌なの…アンタと一緒にいたいのよ…。3年間一緒にスクールアイドルやりきりたいの!」

 

すみれちゃんの想いは……かのんちゃんが言った言葉と同じ……みんなと一緒にやりたい。ううん、ここにいるみんなが望んでることだから…………

 

「私は……あんたがくれたあのティアラで救われたの…だからお礼がしたいの…私の力でアンタに最後までスクールアイドルを続けさせたいの…。上海に絶対帰らせたくないの…」

 

「上海?」

 

「どういう意味ですの?」

 

「帰っちゃうのよ…勝てないと…。結果残さないとこの子が…可可が連れ戻されちゃうの!いなくなっちゃうの!」

 

すみれちゃんは膝をつき……泣き出した。本当に大切だからこそ……どうにかしたいって思っていたから……すみれちゃんは……

くぅちゃんはそんなすみれちゃんの頬に触れ……

 

「ほんと…バカですね…」

 

「可可……」

 

「本当にすみれは余計なことばっかりするのですね。可可の嫌がることばっかり可可が決めたことに反対ばっかりして可可が言うことにいつもいつも口を挟んできて」

 

「うるさい!うるさい!うるさ…」

 

そっとすみれちゃんを抱き締めるくぅちゃん……驚くすみれちゃんにあることを呟いた。

 

「本当…大嫌いデス…大嫌いで…大好きデス…」

 

「う…う…あ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」

 

その日…夕日が屋上に差し込む中、すみれちゃんの泣き声が響いた。そしてくぅちゃんもまた泣き出すのであった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね……」

 

「私も……ごめん」

 

「へ?何が?」

 

帰り道、かのんちゃんとちーちゃんの二人が謝ってきた。別に謝ってもらうようなことされてないんだけど…………

 

「可可ちゃんの事とかすみれちゃんの事……」

 

「紗桜莉ちゃんはずっと前から気がついてたのに……私たちは……ね」

 

「あぁ気にしなくてもいいのに……別に」

 

「知らなかったとはいえ……私……すみれちゃんとあんな風に喧嘩しちゃったし……」

 

「仕方ないことだよ……誰だってそうするかも知れなかったし……それに……かのんちゃんが本当にみんなの事が大好きだって改めて分かったから」

 

「うん……」

 

「それとさ……あの時はかのんちゃんがあぁ言ったことを……私は嬉しいって思ったのと同時に……すみれちゃんが言ったことが許せないってちょっと思ったよ……」

 

「二人とも……気にしすぎ……あの後、すみれちゃんも謝ったんだしさ。もうこの話は解決!だよね」

 

「うん」

 

「そうだね!」

 

それにしてもすみれちゃんがあんな風に言い出すくらいまで追い詰められる程、くぅちゃんの家の件は進んでるのか~

他人が口を挟むことではないけど………………ちょっと私の方でも『オハナシ』しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、改めて大会に向けての練習メニューが完成され、すみれちゃんとくぅちゃんの仲も少しだけど変わりつつあった。ううん、かのんちゃんたちの絆がより深まったと言うべきかな?

 

「あの、紗桜莉……」

 

「何?くぅちゃん」

 

「昨日家族から電話があって……何だか怯えていたのですが…………」

 

「何か怖いことでもあったんじゃないの?」

 

「その…可可の友達から電話があって……」

 

「あぁ『オハナシ』しただけだよ」

 

「深く聞かない方がいいデスネ……はい……」




本編では神社で、ティアラも出てきましたが、こちらでは紗桜莉がすでに知っているから、屋上での話となりました!
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