新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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ウィーンがビルド何て言うから……


35 本当の歌

「紗桜莉ちゃん、かのんちゃん呼びに行くの?」

 

「うん、あれから何だか様子が気になってね」

 

「そっか……」

 

ちーちゃんと二人でかのんちゃんの様子を見ると、かのんちゃんは会見でのウィーンって子の言葉を聞き返していた。

 

「マルガレーテちゃんのこと?」

 

「うんダメだね。ひとりでいると無駄に考えちゃう。お風呂そろそろだよね」

 

「1年生も頑張ってる。きっと大会までにみんなもっと上手になるよ」

 

「うん。みんなすごく頼もしいよ。それとは別に本当の歌って何なんだろう?」

 

「マルガレーテちゃんの…」

 

「言ってたでしょ。自分が本当の歌を教えるって。フェスでのデビューライブもSunny Passionさんを倒した地区予選もマルガレーテちゃんは歌・ダンスともに圧倒的だった」

 

「でもあれが本当の歌なのかな?」

 

「すごいと思うよ。自分の世界を完全に描けてる」

 

「マルガレーテちゃんもきっと歌が大好き。だからこそ歌で泣いたり笑顔になれたりする素晴らしさを知っているはず。なのにマルガレーテちゃんから伝わってくる気持ちは勝つ。ただそれだけが胸に刺さる。それがまるで氷みたいで…」

 

「かのんちゃん、ソロアイドルってどう言うものかわかる?」

 

「え?」

 

「ソロアイドルはユニットやグループとは違って、孤独なんだよ」

 

「孤独……それじゃマルガレーテちゃんがあんな風なのは……」

 

「孤独でも、楽しめてる人がいるのは確かだけど……あのウィーンっ子はただただ勝つためだけに全てを捧げてる感じだよ」

 

「勝つために……でもそれって……」

 

かのんちゃんが言いかけた瞬間、先にお風呂に入っていたくぅちゃんたちが声をかけてきた。

 

「お先~」

 

「さぁ行こう。1年生待たせちゃうよ」

 

ふっと恋ちゃんが何かに気がついた。私たちも見てみると……

 

「あら!」

 

「ん?」

 

窓の外を見ると、離れの電気がついていた。きっと一年生が……

 

「みんな…」

 

「さっきのマルガレーテちゃん見て練習しようって思ったんだね」

 

「なかなかやるじゃない」

 

「みんな素敵です」

 

「ねぇみんな」

 

「ん?」

 

「明日の練習メニュー、私が決めてもいい?」

 

かのんちゃんからの突然の申し出に私たちは特に反対することはなかった。

 

 

 

そして次の日、かのんちゃん提案の練習メニューは……

 

「今日は練習なし~!」

 

「え~!?」

 

「急にどうして!?」

 

「頑張るためには休みも大事」

 

「でも…」

 

「私たちは上手くなるために勝つためにと考えすぎていたのかもしれません」

 

「それを1回忘れたいんだ。歌も練習も全部忘れてみんなで楽しく遊ぼう!」

 

それから恋ちゃん、きな子ちゃん、メイちゃんは凍った湖の上でスケートを楽しんでいたけど、何だかきな子ちゃんが凄く悪そうな顔をして、メイちゃんが座る椅子を押していた。何だかきな子ちゃんのちょっとした内面が見えたような…………

 

すみれちゃん、くぅちゃん、四季ちゃんはと言うとワカサギ釣りをしたり、

 

かのんちゃん、ちーちゃん、夏美ちゃんは雪だるま作りから雪合戦をしていた。

 

そして私と蓮華ちゃんはと言うと……

 

「暖かいですね」

 

「でしょ。かまくらって意外と暖かいものなんだよ」

 

「初めて知りました!はぁ~」

 

「後は餅とか焼けば完璧なんだけどね~」

 

のんびりと話していると、蓮華ちゃんは急に思い詰めた顔をした。

 

「あの、今回……私たちも出るじゃないですか」

 

「うん、そうだね」

 

「その…何て言うか……」

 

蓮華ちゃんは自信がないのかな?仕方ないよね。過去のことがあるし、乗り越えたとは言えやっぱり緊張してるのかな?

 

「凄くワクワクしてます!私!」

 

「へ?」

 

「その、グループでのステージには良い思い出はなく、逆にソロアイドルも……何だか孤独で……でもそれは仕方ないって思っていて……」

 

「ソロアイドルが孤独か……」

 

「違うんですか?」

 

「違うよ。実は違うんだよ」

 

「え?」

 

「私も初めてライブをしたときは……凄く一人で寂しかったんだけど……」

 

あの時は恋ちゃんと鳥坂さんに私の思いを知って欲しいと思ってやったけど……それでも孤独感を感じていた。だけど……

 

「そんなときにね。かのんちゃんたちの姿を見て思ったの……あぁそうだったんだ。一人じゃない……みんながいてくれるから……私はってね」

 

「みんながいるから……そうですよね!」

 

蓮華ちゃんも色々と解決してみたいだね。すると突然雪玉がこっちに投げつけられてきた。

 

「紗桜莉ちゃん~」

 

「蓮華ちゃ~ん、こっちでみんなと雪合戦やろうっす~」

 

いつの間にかみんなで雪合戦してるし……仕方ない。私は雪の下から雪合戦最終兵装『ガトリング砲』を取り出した。

 

「さぁ!楽しもうか!」

 

「紗桜莉さん……それ、いつの間に持ち出していたんですか……」

 

蓮華ちゃんにつっこまれながら、みんなと雪合戦を楽しむのであった。

 

 

 

 

 

 

 

雪合戦を楽しんだあと、みんなでコテージに戻ると……

 

「はぁ~!遊んだ~!」

 

「東京大会前に遊んでみたなんて動画上げられないんですの。時間を無駄にしてしまったですの」

 

「でも1日全然違うことをしていただけなのにもうレッスンしたいなって思っちゃってるっす」

 

みんな、遊んだから更に練習をしてみたくなったみたいだ。すると上の方からギターの音が聞こえてきた。

 

「新しい曲…」

 

「遊んでただけだと思っていたけど」

 

「違った…」

 

「かのんの生み出そうとしている曲をみんなで完成させましょう」

 

「はいっす!」

 

「ワクワクしてきた!」

 

「これはバズる話題ですの!」

 

「みんなで作る歌」

 

それからみんなで分かれて、曲作り、振付け、衣装作り、そして練習をしていき…………

 

 

 

 

 

夜、私たちは焚き火の前に集り……

 

「できたっす。歌詞」

 

「振り付け決まった」

 

「曲も完成したぞ」

 

「衣装も考えてみたわよ」

 

「一生懸命頑張ってみんなに応援してもらってみんなと一緒に成長できる。スクールアイドルって本当に素敵だと思う」

 

「すっごく楽しくって」

 

「すっごく大変で」

 

「でもここにしかない喜びがあって」

 

「その気持ちが歌になって溢れる」

 

「Liellaって思えばずっとそうだったよね」

 

「それが私たちにとっての本当の歌なんじゃないかな」

 

「その言葉マルガレーテさんの…」

 

「本当の歌…」

 

「そう。本当の…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして大会当日、私たち11人は衣装をまとい、舞台袖で出番を待っていた。

 

「いよいよ始まるね」

 

「うん」

 

「澁谷かのん」

 

「あっ!」

 

出番を待っている私たちの前に現れたのは……えっと、ウィーンという子だった。

 

「マルガレーテちゃん…」

 

「私が本当の歌を教えてあげる。歌は力。そして私は未来を私自身でビルドする。歌の力で」

 

「違う…違うよ。そんなの本当の歌じゃない」

 

始まるウィーンって子のステージ……それは彼女のステージを見た全員が圧倒されている。だけど私からしてみても彼女のステージは…………冷たく……そして孤独だった。

 

「なんっすか?これは…」

 

「鳥肌立った…」

 

「勝者のオーラ」

 

「この後に私たちが…」

 

みんなも圧倒される中、かのんちゃんだけは違った。

 

「さぁ行こう。学校のみんなも見に来てくれてる。Liellaの歌を渋谷の街に響かせようよ」

 

かのんちゃんは私たちの本当の歌を見つけたからこそ、圧倒されていないんだね

 

「1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「10!」

 

「11!」

 

「結ヶ丘スクールアイドル部 Liella!たくさんの人に歌を届けよう!Song for Me!Song for You!」

 

『Song for All!』

 

始まる私たちのステージ……たくさんの人にこの歌を届けたい!

 

 

 

 

 

 

ライブが終わり、結果発表になった。私たちは…………

 




戦隊界隈のウィーン……ドンムラサメ
ライダー界隈のウィーン……ナイトローグ
ウルトラ界隈のウィーンは一体……やはりトレギアか

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