新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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09 訴えることは大切

スクールアイドルを認めさせる方法を思いついたとくぅちゃんからメッセージをもらった。普通なら私も協力するべきなのだろうけど……

 

「我々に自由を!自由に部活動ができないなんて間違ってマス!部活動は常に皆に平等であるべきデス!そう思いますよね?さぁ皆さん!共に闘おうではありませんか!我々は若い!何だってできるんデス!」

 

何だろう?私はこの時ばかり他人でいたいと思い、二人のことを遠くから見ていた。いや、これは仕方ない。山車みたいなものに乗ったくぅちゃんが演説をし、それを引くかのんちゃん。

 

うん、関わりたくない……

 

「こういうことじゃないと思う…」

 

「かのんさん!私の作戦うまくいってますよね?」

 

「そだね~…」

 

「さぁ!紗桜理さんも!」

 

あー巻き込まれた……

 

「かのんちゃん!?」

 

「何してるの?」

 

「一応署名運動。自由に好きな部を設立できた方がいいよね…?」

 

「まぁ…」

 

「じゃあ署名して~」

 

「まずいよ!葉月さんにバレちゃったらどうするの!?」

 

「やるにしてももう少しこっそりやんないと…」

 

「へたすると音楽科に目をつけられちゃうよ!?」

 

クラスメイトの子が心配してくれているけど、まぁ間違ったことはしてない。

 

「別に間違ったことをやっているわけじゃ…」

 

「かのんちゃ~ん!」

 

するとちーちゃんがこっちに向かって走ってくる。どうしたんだろう?

 

「ちぃちゃん…」

 

「かのんさんのお友達デスカ?」

 

あぁくぅちゃんは初対面だっけ?というかあんなに慌ててどうしたんだろう?

 

「理事長が…理事長がぁ~!」

 

まさかの呼び出しって……こんなことある?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室に呼び出された私たち。そして理事長室にはポニテさんもいた。かのんちゃんがこうなったことを説明した。

 

「それで署名活動をしていたわけね?」

 

「はい。やりたいことがあるのに自由にできないのはおかしいと思いまして」

 

「葉月さん、設立の許可を出さなかったのは事実なの?」

 

「部活の自由を阻害したつもりはありません」

 

「しました!」

 

「スクールアイドルだけです」

 

「だからなんでそれだけダメだって言うのデス!?」

 

「理由は言ったはずです」

 

わー真っ当な意見言っているように思えて、全然自分の都合で動いてるように思えるよ。というか横目で私を見てるかのんちゃんとくぅちゃん……仕方ない。

私はポケットの中からあるものを取り出し、落とした。すると……

 

『本当にそう言えますか?スクールアイドルは今や多くの学校で活動が行われています。その状況の中であなたたちがこの結ヶ丘の代表として恥ずかしくない成績をあげられますか?音楽に関してはどんな活動であっても他の学校より秀でていないとこの学校の価値が下がってしまうのです。音楽活動に関しては他校に劣るわけにはいかない。どうしてもやりたいのであれば他の学校に行くことですね』

 

落とした拍子にうっかり再生ボタンが流れちゃった。いやーうっかりしてたな~ボイスレコーダー落とすなんて

 

「…………」

 

しばらく理事長室に沈黙が流れ………

 

「葉月さん、これは?」

 

「身に覚えが……」

 

「あ、声紋でしたら知り合いに鑑定してもらいますか?理事長」

 

「貴方は……」

 

「あれ?違うならしっかり鑑定してもらわないとだめじゃないですか。ねぇぽに……生徒会長(仮)さん」

 

「あなたはどこまで喧嘩を……」

 

「葉月さん、落ち着きなさい。貴方が一般生徒に対して退学を進めたことについては改めて話を聞くとしますが、あなた方のは話は分かりました。気持ちは分かりますが普通科の生徒がレベルがどうあれ音楽に興味を持つのを止める権限はありません」

 

「ですが母は…」

 

「お母さんはここでは関係ありません。分かりましたか?」

 

「はい…」

 

「本学の方針に沿ってスクールアイドルの活動を禁止はしませんただし葉月さんの言うとおり音楽はこの学校の大きな誇りです。課題を出します」

 

課題ね。まぁここまで話が進めたならいいかもしれない。

 

「澁谷さん、唐さんのお二人でヨヨギスクールアイドルフェスで一位を……取ってください」

 

「え?」

 

「あの、紗桜理さんは……」

 

「相花さんは怪我のことを考慮して今回は裏方に回ってください」

 

「怪我って……」

 

「え?」

 

かのんちゃんたち二人が私のことを見ている。後で後で話そうとしていたけど……

 

「もしかして話してなかったのですか?」

 

「はい、正直話そうと思っていましたが……このまま話さなくてもいいかと思っていました」

 

「そうですか……」

 

何とも言えない空気の中で私たちは理事長室を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中庭で私は二人に自分のことを話した

 

中学生のころ、事故にあい……大きなけがをしてしまった。今は普通に生活する分には困らないけど……激しい動きとかは出来ない

 

はっきりいって今の私には何の価値もない……そんなことを思っていた時に……あの人に会った。

 

「そうだったんだ……」

 

「知りませんデシタ」

 

「そんな顔をしないで……話す機会がなかったから……ただ私がソロにこだわるのは……グループのシンクロを見せられないからっていう気持ちがあるから……」

 

「シンクロ……」

 

「わかりマス。動きがシンクロした瞬間がどれ程すごいかを」

 

「ダンスとかできない……多分だけどスクールアイドルとしては邪道なのかもしれないけど……私は躍らずに……歌だけでスクールアイドルをしたい」

 

 

 




明かされた紗桜莉の秘密。次回もお楽しみに

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