新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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40 かのんの答え

お姉さんと別れたあと、私は家に帰ってきた。

 

「ただいま」

 

「おかえり~ん?どうしたの?落ち込んだ顔してるわよ?」

 

私はお母さんに心配かけないように無理矢理笑顔を作る。

 

「そんなことないよ。ほら」

 

でもダメだった……色々と頭の中がぐるぐるしていて、つい泣いてしまった。

 

「たこ焼き買ってきた…」

 

 

私はお母さんとありあにちぃちゃんに言われたこと……私自身どうしたらいいのか悩んでいることを話した。

 

「かのんよく聞いて。あなたが留学が断ったことお母さんは反対してない。だって心配だし寂しくなるものでもねちぃちゃんの言いたいことがもう分かっているから悩んでいるんでしょ?」

 

「世界に歌を響かせる」

 

「あなたに来たこの話は誰にでも来るものじゃない。お母さんなら喜んで行っちゃうかな」

 

「それはお母さんが脳天気だから」

 

「そうかも。お母さんはかのんがどの道を選んでも応援する。だから後悔だけはしないようにね」

 

「うん」

 

後悔だけはしないように…か。フッと気が付くといつの間にかマルガレーテちゃんがいた。

 

「ん?マルガレーテちゃん?」

 

「ちょっとお時間いいでしょうか」

 

 

 

 

マルガレーテちゃんに買ってきたたこ焼きを出してあげると……

 

「はふっはふっ!」

 

「ごめん。あっためすぎちゃった?」

 

「おいしい」

 

「よかった」

 

なんと言うかいつもクールな一面を見せてるのに、こう言う子供みたいな所を見れるとは……

 

「なんで喫茶店なのにたこ焼き?」

 

「さっきちぃちゃんのお店の近く通ったから」

 

「ちぃ?あぁ…あの子に留学の詳しい話をしたの私よ。あなたが留学すれば私もついて戻ることができるの。家族からはかのんのもとで歌を学びなさいって言われていてね」

 

「そんなことに…」

 

だからちぃちゃんは……留学の詳しいことを知ってたんだ……

 

「それだけ評価されてるんだ、すごいなぁってあの子言ってた」

 

「やっぱり自分の話じゃないみたい」

 

私がそんなに評価されてるなんて…………

 

「あなたに来た話よ。あなただけに来た話。自分の力だけでウィーンに戻ってみせる。私ってば口先ばっかり。あなたに連れられて戻るのは正直嫌だけど自分の夢のためだからどんな方法でも条件でも私は構わない」

 

「私にとってLiellaや学校のことが自分の夢くらい大切な存在なの。私 結ヶ丘に入学してなければ歌をやめていたと思う。そんな大切な場所と仲間を失ってしまうのが正直怖いんだ」

 

「贅沢な悩みね」

 

「ごめん…」

 

「それなら留学しても恩返しはできる。むしろ留学した方があなたの学校の力になれるわ」

 

「えっ?」

 

「言ったでしょ。ウィーン国立音楽学校は世界的に有名なの。あなたが留学すれば必ず学校も注目される。世界中から結ヶ丘に入学を希望する生徒も集まるかもしれない。って勘違いしないでね。私はウィーンに戻れたらそれでいいの。でも飛び込んでみたら?とても大切なことよ」

 

飛び込んでる……か。そうしてみてもいいかもしれない

 

「所であの……紗桜莉って人は?」

 

「紗桜莉ちゃん?」

 

何で紗桜莉ちゃんの事を聞くんだろう?あぁそう言えば苦手だったね……

 

「昨日の深夜に出掛けてから帰ってきてないけど……」

 

学校も休んでるから……本当にどうしたんだろう?

 

「やっぱり……」

 

「やっぱり?」

 

「いやいやいや、そんな……そんなことしたら普通に捕まるだろうし……」

 

「紗桜莉ちゃん、本当に何処で何をしてるの…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

マルガレーテちゃんが帰ったあと、部屋で改めて私はパンフレットを読み返していた。

 

「歌を目指す人の憧れの場所…」

 

私が……選ぶべき道は…………私はベッドに寝転がり……

 

「夢……」

 

こんなとき紗桜莉ちゃんと話したら……何か解決するのかな?もしかしたら…………

電話を掛ければいいんだけど、電源が入ってないみたいだし…………

そんなとき、ちぃちゃんからメッセージが入った。学校に行かない?って……今からだよね?

 

 

 

 

 

「ん?かのん?」

 

「ちょっとだけ。すぐ戻る」

 

「すぐじゃなくていいわよ」

 

「えっ?」

 

「ちゃんと考えて答えを出しなさい」

 

「マンマルいってくるね」

 

 

 

 

学校に向かうまで私はどうするべきなのかを考え続けていた。私は…………

 

学校に着くとちぃちゃんが門を開けてくれて、中に入った。

 

「夜の学校ってワクワクするねぇ」

 

「怖いよ~」

 

真っ暗な学校……誰もいないはずなのに、明かりがついてる……彼処って……

 

「ん?理事長?」

 

「待っててくれるって」

 

理事長が…………

私はちぃちゃんの後を着いていくと部室にたどり着いた。中へ入ると……

 

「あっ」

 

「遅いわよ」

 

「かのん先輩に会いたくて来ちゃったっす」

 

みんながいた。そっか……

 

「ワガママ言ってごめんね。かのんちゃんが考えて出した答えもう一度確かめたくて」

 

「ううん見透かされてるなって。留学しないって決めたはずなんだけど」

 

「私やっぱりかのんちゃんに留学してほしい」

 

「ちぃちゃん…」

 

「かのんちゃんはみんなを元気にできるみんなに勇気を与えられるLiellaで一番のスーパースターそれって才能だと思う。だからその声をもっと遠くまでもっともっと遠くまで響かせてほしい」

 

ちぃちゃん……私はちぃちゃんの想いを聞いて……ここに来るまでに考えていた事を……答えを告げた。

 

「私ここに来る前に決めてきた。留学しようと思う。留学して結ヶ丘の代表としてこの学校がもっと有名になるように、そして自分自身がもっともっと成長できるよう挑戦してみる。だからみんなとは…」

 

「かのんがいたからここまで頑張ってこられた」

 

「私もです」

 

「もちろん可可もデス」

 

「きな子もっす」

 

「私も」

 

「Me too」

 

「悔しいけど私もですの」

 

「私も……」

 

「みんな…」

 

ちぃちゃん、可可ちゃん、すみれちゃん、恋ちゃん、きな子ちゃん、メイちゃん、四季ちゃん、夏美ちゃん、蓮華ちゃん……ありがとう。

 

「かのんちゃんがいないLiellaはLiellaじゃない。それが私たちの出した答え」

 

「ラブライブ優勝しましょう」

 

「それで夢に向かって踏み出しなさい」

 

「かのんの夢はみんなの夢デス」

 

「かのん先輩には思いっきり歌を響かせて欲しいっす!」

 

「決まりだね」

 

「うん…でもひとつだけお願いがあるの」

 

「ん?」

 

「お願い?」

 

「Liellaは続けてほしい。一人でも欠けたらLiellaじゃない。この9人でLiellaだって気持ちは分かるよ。私だってそう思う。でもやめてほしくない。私にとってLiellaは青春。この結ヶ丘から私がいなくなることでLiellaがなくなるのは嫌なんだ」

 

それに……もしかしたら……ウィーンに行った私にも聞こえてくるかもしれない。みんなの……Liellaの歌声が……

 

「でも考えられないっす。かのん先輩のいないLiellaなんて…」

 

「そんなことない。みんなすごくキラキラしてる。すごく素敵…みんなが結ヶ丘で歌っているって思えれば離れていても勇気がもらえる。Liellaを感じていられる」

 

「ふむ~。全国大会が終わったらLiellaは解散かと思ってたのに」

 

「やめられなくなっちゃったよ」

 

「ちぃちゃん…!」

 

「せっかくなら夏美がセンター取っちゃいますの!」

 

「頼もしいですねぇ」

 

「私もセンター争いなら負けないわよ!」

 

「よく言うデス」

 

「できるかな…」

 

「でもかのん先輩が背中を押してくれた」

 

「きな子やるっす!やってみるっす!」

 

「分かった。約束する」

 

「ラブライブ必ず優勝しよう!」

 

「それしかないわね」

 

「この9人で!」

 

「なんか熱くなってきた!」

 

「Me too」

 

「みんなで全力で歌おう!」

 

円陣を作るけど、蓮華ちゃんは入ろうとしなかった。

 

「蓮華ちゃんも」

 

「え、でも私は今回……」

 

「一緒のステージじゃなくても……心は一つだから……ここにいない紗桜莉ちゃんも同じ…………」

 

「酷いな~私を仲間はずれにするなんて」

 

「え?」

 

振り向くと扉の所に紗桜莉ちゃんがいた。

 

「ちょっと色々と動いてて、ようやく帰ってこれたよ」

 

「紗桜莉ちゃん…………」

 

泣きそうになりながらも、私は堪えた。紗桜莉ちゃんは笑顔で円陣に入り…………

 

「答えが決まったら、後は大丈夫だね」

 

「うん!」

 

ステージで歌うのは9人だけど、心は11人!

 

「結ヶ丘のために!Liellaのために!Song for Me!Song for You!」

 

『Song for All!』

 




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