第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) EP01

 

 会場を熱気が包んでいた。

 人気ボーカルユニット・ツヴァイウィングの響き渡る歌声に、会場にいる誰もが熱狂する。

 だがその中で、ただ一人だけその光景を冷静に見ている者がいた。

 

「………そろそろだな」

 

 観客席の最奥、誰も気付かない場所でその人物はかぶっていたパーカーのフードを外す。

 もし熱狂している観客の誰かが気まぐれで振り向いたなら、驚愕しただろう。

 今まさにステージの上で歌っている人物と全く同じ顔をした人物がいる事に………

 

 

「どうした!」

「上昇するエネルギー内圧にセーフティーが持ちこたえられません!」

「このままでは聖遺物が起動、いえ暴走します!」

 

 

 突如として、ライブ会場の中央で爆発が起きる。

 悲鳴が響き渡り、ツヴァイウィングの二人も思わず歌を止めるが、直後に妙な事に気付く。

 爆発其の物が、なにか透明なシールドのような物で防がれている事に。

 

「何、あれ………」

「実験の失敗? けど………」

 

 だが、そのシールドの中で大型の異形、ノイズが出現した事で今度こそ本物の悲鳴が上がる。

 

「ノイズが、来る!」

 

 我に帰ったツヴァイウイングの一人、天羽 奏がその透明なシールドからノイズが飛び出してきた事に身構えるが、そこへ巨大な一閃がノイズの先陣を一撃で消失させる。

 

「え?」

「奏、あれ!」

 

 完全に予想外の事に奏が思わず声を漏らす中、ツヴァイウイングのもう一人、風鳴 翼がその攻撃の大本を指差し、絶句する。

 それを見た奏はその相手と自分の隣を数度視線を往復させる。

 ステージ衣装の翼とシンフォギアをまとった、二人の翼に。

 

「つ、翼が二人いる!?」

「そうだ、私は風鳴 翼。ただし、三年後のな」

「三年後の、私?」

「話は後だ、早くシンフォギアを纏え! そして奮起しろ! さもなくば、天羽 奏は今日、ここで死ぬ」

「死ぬ、私が!?」

「そうだ。私は、いや私達はその過去を変えるために来た」

 

 凛とした声で宣言しつつ、未来の翼は手にしたスイッチ、作戦開始を告げる次元信号発振器を起動させ、直後に彼女の背後に虚空に浮かぶ渦のような物が出現し、そこから次々と人影が飛び出す。

 

「501統合戦闘航空団、ノイズに攻撃を開始!」

「502統合戦闘航空団、上空防御! 避難者に近寄らせるな!」

「グラディウス学園ユニット、上空のノイズを殲滅!」

 

 飛び出してきたウィッチとGの天使達が一斉にノイズへと攻撃を開始、湧き出すノイズがその攻撃を食らい、次々と消滅していく。

 

「効いてる!? シンフォギアじゃないみたいだけど………」

「話は後! 私らも!」

 

 状況が全く飲み込めない翼に、奏は促して聖詠を開始、ツヴァイウイングの二人がシンフォギアをまとうと、その隣に未来の翼も降り立つ。

 

「おい翼!」

「何?」「何だ?」

「え~と未来の翼!」

 

 声をかけたら二人の翼に同時に反応され、少し言い直した奏はその手にガングニールのアームドギアを構えながら、戦闘を続けるウィッチや天使達を指差す。

 

「あいつらは何だ! なんでノイズと戦える!?」

「説明は後、とにかく仲間だ。もっと来るぞ」

「もっと?」

 

 ノイズと戦いながらも、奏と翼は不穏な言葉に首を傾げるが、虚空の渦からさらなる増援が出現する。

 

「マイルズ隊、避難民の脱出路を確保!」

「帝国華撃団は北ゲート、巴里華撃団は南ゲートを確保! 一体もノイズを近寄らせるな!」

 

 飛び出してきた陸戦ウィッチと霊子甲冑が、ノイズと戦いながら脱出路を確保していく。

 

「何か変なロボット出てきたぞ!」

「華撃団の霊子甲冑だ、頼りになる」

「私は未来で一体何を………」

「だりゃああ!」

 

 困惑が更に深まる奏と翼だったが、そこで気合と共にノイズを殴り飛ばしながらこちらに向かってくる人影に気付く。

 

「翼さん! そちらの状況は!?」

「第一段階は成功だ。初動は抑えられた」

「そいつ、装者か」

 

 その人物がまとっているのがシンフォギアだと気付いた奏だったが、それが自分の物と酷似しているのにも気付いた。

 

「あ、奏さんですか!? 初めまして! 今のガングニール装者で立花 響です!」

「言ってみればお前の後継者だ」

「こいつが?」

「奏の?」

「とりあえず後です! 今は一人でも犠牲者を出さないようにしないと!」

「つってもこの状況……」

 

 奏はノイズだけでなく、会場のパニックを懸念するが、そこで観客の間に妙な事が起きているのを見た。

 

「わああ!」

「押すな! 落ちる!」

「スロ~ム~ブ~」

 

 上層の観客席からパニックになった者達が落下するが、そこで突然動きがスローモーになり、床へと軟着陸する。

 

「え?」

「大丈夫!? 落ち着いて向こうへ! 詩織ちゃん、次はあっちへ! ユーリィ!」

「分かりました~」

「行くですぅ!」

 

 下に待ち構えていたプロテクターをまとった者達の姿に観客は呆然とするが、指示を出している少女に促され、避難を再開する。

 

「いやあ! 死にたくない!」

 

 ノイズにまとわりつかれそうになり、絶叫を上げる女性の首根っこが無造作に捕まれ、そのままスッポ抜かれる。

 

「は?」

 

 のみならず、その女性を救った相手、ドレス姿で三白眼の女性は無造作にノイズを素手で殴り飛ばす。

 

「急げ」

「は、はい!」

 

 女性は訳が分からないまま逃げ出すが、よく見れば同じようにノイズ相手に身を挺して、というより何故かノイズに触れられても平然としている者達が逃げる観客達を守っていた。

 

「おい、なんかノイズに触られてるのに平気な連中がいるぞ!」

「特にあっちのドレスの人と、そっちのスナ○フキンみたいな人がすごい………」

「あちらはメンタルモデル、そっちは機械人、あちらは確かユグドラシル…」

「簡単に言えば皆さんアンドロイドです! ノイズに触った程度じゃへっちゃらな人達を集めました!」

「殴り飛ばしてるのは論外ね」

「そこにも!」

 

 戦いながらも奏と翼に説明する未来の翼と響だったが、響の肩にいる武装神姫・紗羅檀の姿に更に困惑が深まっただけだった。

 

「待て、ここはいいとして原因は恐らく地下の実験だ!」

「知っている。未来から来たと言っただろう奏」

「そっちにもすでに仲間の人達が行ってます!」

「こちらより厄介になりそうだがな………」

 

 未来の翼の呟きの意味をこちらの奏と翼が今は知る事が無かった。

 

 

「うん?」

「風鳴司令、出来れば早く起きてもらえませんか」

 

 爆発が生じ、とっさに身構えた特異災害機動部二課司令、風鳴 弦十郎は目を開ける。

 そしてそこで、爆発で発生した崩壊が自分達の目の前で止まっている、正確には何かで阻まれている事に気付く。

 

「これは………」

「よろしくて? 私のテレキネシスもそろそろ限界…」

「ほとんど防いだのは私なんだけど」

 

 自分の目の前にシンフォギアと違うバトルスーツをまとった少女と、白衣にモノクルをかけた女性がいる事に弦十郎は眉をひそめる。

 

「どうやら、助けてもらったようだが、君達は何者だ?」

「ちょっとお待ちを」

 

 バトルスーツをまとった少女が突き出していた手を下ろすと、爆発で生じたガレキが落下していく。

 

「これでよし、申し遅れました。私、香坂財閥令嬢、香坂 エリカと申します」

「私はヒュウガ、霧の大戦艦のメンタルモデルよ」

「香坂?」

 

 聞き覚えある財閥、だが彼の記憶に該当する人物はいない事に若干不信感を覚えるが、それよりもまずする事が有った。

 

「被害状況を報告! 上はどうなっている!」

「ご心配なく、上は翼さんとこちらの仲間達が防いでますわ。ここも私の率いるエリカ7が各所で被害を防いでます」

「ま、問題はあるけどね」

 

 そう言いながら、ヒュウガは目の前で爆発の原因となった聖遺物を見る。

 

「さて、それでは失礼」

 

 ヒュウガは白衣の下から、奇妙なバズーカのような物を取り出して、今なお鼓動を続ける聖遺物・ネフシュタンへと向けて構える。

 

「それは…」

「こちらの技術班が開発した対聖遺物封印装置ですわ。正式名称は『バラす君三号』」

「封印って言うか破壊ですけれど」

「待て、聖遺物をそう簡単に…」

 

 弦十郎の制止も聞かず、ヒュウガはバラす君三号を発射、ネフシュタンへと直撃したかと思うと、凄まじい不協和音が周辺に響き渡る。

 

「何をしている!?」

「霊子コンデンサーによる振動弾頭増幅、うるさいのが難点ですけれど」

「仕方ないわよ、ここまで出力上げるの苦労したんだから」

 

 両手で耳を塞いでいるエリカに、ヒュウガはちゃっかりフィールドで防ぎつつ様子を見守り、やがてネフシュタンに大きな亀裂が生じ、そして崩壊が始まっていく。

 

「おい、何て事を!」

「生憎ですけれど、これは貴方の指示ですの」

「今ここで壊してしまった方が、後の問題は生じない、ってね」

「オレの? どういう事だ」

「私達の組織名はNORN、複数世界に渡って攻撃を繰り返すJAMに対抗するため、幾つもの組織が統合して作られた組織ですの」

「その中に貴方方も入ってますわよ、もっともここから三年後の話ですけれど」

「三年後、だと………」

「ほらアレが証拠ですわよ」

 

 弦十郎が疑惑を深める中、かろうじて生きていたモニターが上の様子を映し出し、状況が理解出来ないスタッフ達が絶句する。

 

「し、司令! 翼さんが!」

「二人いる!? しかも天羽々斬とガングニールの反応が二つずつ有ります!」

「何だと!? 間違いないのか!?」

「間違いが有ったら困りますね」

「そう、私達は今日ここで死ぬはずだった天羽 奏を救いに来たんだから」

 

 

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