第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) 作:ダークボーイ
「目標確認しました」
「ホントにぶん投げたんだ………」
「予定通りね。ネット展開!」
「一応落とさないように!」
予定のポイントで待機していたソニックダイバー隊の指示に従い、ソニックダイバーレスキュー隊がネットを広げ、こちらに向かっってくる人影を待ち受ける。
「来るぞ、確保!」
瑛花の号令と共に、飛んできた人影がネットにキャッチされていく。
「人数全員確認しました」
「怪我も無いね、一応加減はしてたみたい」
可憐が人数を確認し、ヴァローナが負傷も無い事を確認する。
「君達は何者だ!? その武装は見た事も無いぞ!」
「我々は人類統合軍ソニックダイバー隊の者です。シンフォギア装者のサポートに来ました」
「どこの部隊だ! 聞いた事も無いぞ!」
「でしょうね。この世界の部隊じゃないもの」
「どういう意味だ!?」
いきなり文字通り投げ捨てられたVIP達が見たこともないソニックダイバーを見ながら声を荒げるが、ソニックダイバー隊を有る者は肩をすくめ、有る者は少し困り顔をする。
「我々の任務は、ネフィリムとの戦闘から貴方方を守る事です。戦闘終了までここで大人しくしてもらいたいのですが…」
「終了だと? 君達は完全聖遺物を鎮められると言うのか!?」
「一応それなりの戦力は整えてきてるから」
「まさか他にもシンフォギア装者がいるのか!?」
瑛花とエリーゼの説明にネットの上でVIP達は騒ぎ立てるが、どう言えば納得するかを皆悩む。
「あの、一条教官…」
「どうかした?」
「その、一人…」
そこでソニックダイバーレスキュー隊の一人がネットの中央、うずくまっていると思っていた将校の一人が何かもがいているのを指さす。
「一人はまってます………」
「ちゃんとネットの状態確認した?」
「レスキュー用の新品です。持ってくる前に確認しました」
「あ~、落ち方まずかったんじゃない?」
「それでもこうすっぽり行くかな~」
瑛花も見事にはまっている将校を見ながら首を傾げ、音羽とヴァローナが首から先が見事にはまっている将校を見ながら同じく首を傾げる。
「どうする? これなら静かだけど」
「そういう訳にもいきません。誰か手伝ってください」
エリーゼは放置を進言するが、可憐がなんとか引っ張り出そうと風神でもがいている将校の足を掴む。
「じゃあ私がもう片方を」
「注意してください。ソニックダイバーのフルパワーだと足が千切れかねませんので」
ソニックダイバーレスキュー隊の一人がもう片方の足を掴むが、可憐の注意に足を掴まれた将校が何かわめくが生憎とくぐもって詳細は聞こえない。
その将校が投げられる前に一番文句を言っていた、更には本来はセレナの死に暴言を言い放った相手だとは知りもしないまま、二機のソニックダイバーがその足を引っ張る。
「出力を最弱で維持してください。出ないと足を握り潰しかねないので」
「難しいですね………」
「あれ、何かひっかかって?」
「首しまってないよね?」
「肌の色変わってないから大丈夫じゃない?」
音羽とヴァローナが引っ張られている将校の状態を確認するが、身体的に異常は無いが、なぜかネットから抜けない。
「これ、で!」
業を煮やしたレスキュー隊の一人が出力を不用意に上げた瞬間、異音が響き渡る。
軍服のズボンが引き裂ける音と共に、ベルトでもひっかけたのか、ついでにパンツもボロキレとなったズボンと共に宙を舞う。
「キャ~~~!」
「うわあ…」
「ちょっと!?」
「す、すいません!」
いきなりの事態にその場を悲鳴が飛び交い、瑛花の叱責と謝罪も飛ぶ。
それでも将校の首は抜けなかった。
「お前ら!」
「申し訳ありません、予想外の事故で…」
「何やってんのよ………」
ほかのVIP達も声を荒げ、瑛花が頭を下げる中、様子を見に来たフェインティアが妙な状態になっている事に呆れる。
「仕方ない、ネット切ろう」
「オーニャー、間違って生身切らないようにね」
なるべくさらされている物を見ないように反対側に回り込みながら、音羽がMVソードを抜き、ヴァローナもWA666アマラジェーニを構える。
「動かないでくださいね~」
警告しながら音羽がMVソードをネットに突き刺すと、いきなり生えてきた切っ先に将校が激しくもがく。
「わあ! 動かないで! 危ないから!」
「一度黙らせる~?」
「どうやって!?」
「きゃあああ! すごく暴れてる!」
「ちょっと音羽!」
もがくのに合わせて揺れるのを見て再度悲鳴が上がる中、フェインティアがあきれ顔のままもがく将校へと近寄る。
「父さんが言ってたわ。詰まった時は押し込めばいいのよ」
フェインティアはそう言い放つと、片足を持ち上げ、何のためらいもなくもがく将校の尻を思いっきり踏みつける。
鈍い音と共に、将校の体が少しめり込み、もがいていた両足が硬直したかと思うと、そのまま全身が弛緩する。
「意外とうまくいかないわね」
「もう一度だマイスター」
「ストップ! ストップ!」
「それ以上はいけません!」
「あ、抜けた」
動かなくなった将校に向けて再度足を持ち上げたフェインティアと促すムルメルティアをソニックダイバー隊が慌てて止める中、力が抜けたせいか将校の首がやっとネットから抜ける。
「だ、大丈夫かな?」
「た、多分………」
「一応、そっちは踏んでないわね」
「お尻って痛覚が集中してるらしいけど?」
ソニックダイバー隊が恐る恐る完全に動かなくなった将校の無事を確認する中、フェインティアは自前のセンサーで一応問題が無い事を確認する。
「じゃ、私向こうに戻るから」
「少しダメージで失神しているだけのようだ。問題ない」
「いや、あの…」
「多分そいつよ、セレナに暴言吐いたって奴」
「じゃあいいかな~?」
踵を返すフェインティアとムルメルティアに音羽が何か言おうとするが、続いての一言にヴァローナが小首をかしげる。
「とにかくこっちはどうにかするから、気を付けて」
「トリガーハートの武装もどこまで有効か分かりませんし」
「ソニックダイバーじゃ相手出来ないだろうしね」
ソニックダイバー隊から見送られながら、フェインティアは目にも止まらぬ高速でFIS施設へと向かっていく。
(とんでもない連中が来た………)
その場に残されたVIP達の心中はその一言で一致していた。
「ターゲットキャプチャー!」
「なんてパワー!」
アンカー艦でネフィリムを文字通り引きずり出したクルエルティアとエグゼリカは、暴れるネフィリムをなんとか虚空に固定しようとする。
「さすがは完全聖遺物、トリガーハート二機がかりでも抑え込むのが精いっぱい………!」
「お願いします!」
もがくネフィリムをなんとか固定する中、エグゼリカは同じく宙で待ち構えた者達に叫ぶ。
「総員構え!」
居並ぶマイスター乙HiME達の中央に立つ五柱が一人、ナツキの号令で全員が一斉に長い槍のような武装を構える。
「放てぇ!」
号令と同時に、全てのマイスター乙HiME達が構える武装、マイスター乙HiMEの力をわざと不安定にさせる事でダメージを通す新兵器≪ノイズブレイカー≫のエネルギー弾がネフィリムに次々直撃し、ネフィリムの口からすさまじい絶叫がほとばしる。
「効果有り! 次の…」
「撃ちまくるのよ! あんなグロテスクな怪物!」
「それには賛成。下手したら腕食い千切られるって言うし」
ナツキが次の号令を出すより早く、ハルカの声とナオの声が重なり、砲撃が連続して放たれる。
「一応指揮官は私なのだが…」
「でも一切手加減せずに全力って言われてましたし」
「飽和攻撃は妥当だと思います」
思わずボヤいたナツキに隣にいたアリカとジュピジーがフォローしつつも、攻撃の手は緩めない。
次々と炸裂するマイスター乙HiMEの攻撃にネフィリムは絶叫を上げ、束縛するアンカーから逃れようとさらに激しくもがく。
「なんて奴! これだけ攻撃してるのに!」
「見た目程ダメージが与えられていないのかもしれん。もしくは耐久力が異常なのか………」
「確かすごいタフだって聞いて…あ!?」
出力ならNORN内でも有数のマイスター乙HiMEの飽和攻撃を食らってもまだもがいているネフィリムにハルカが思わず悪態をつき、ナツキが状況を監察しようとするが、そこでアリカの攻撃がネフィリムがもがいた拍子にアンカーに直撃、キャプチャーが外れてしまう。
「しまった…!」
「なんとか保持を…」
アンカーに誤射されたエグゼリカがアンカーを再度操作しようとし、クルエルティアが残ったアンカーでなんとか固定しようとするが、ネフィリムは残ったアンカーを強引に己の体の一部ごと引き千切って脱出、落下していく。
「逃げたわよ!」
「攻撃中止! 下を巻き込む! 地上部隊に一任しろ!」
ナオが思わず地上に落ちていくネフィリムにノイズブレイカーを向けようとするが、ナツキが慌ててそれを制止させる。
「追います!」
「皆さんはそのまま待機を!」
「分かった! ノイズブレイカーのダメージを確認! 再攻撃にそなえろ!」
トリガーハート二機がネフィリムを追う中、ナツキが再攻撃の準備を指示する。
「やはり早々予定通りにはいかんか………」
ナツキの呟きは、さらなる困難をもって上書きされる事を、知る者はいなかった………