第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) 作:ダークボーイ
「落ちてきたデス!」
「やはりそうそう都合よくはいかないようね………」
「来る!」
上空から落ちてくるネフィリムに向けて、装者達は構える。
轟音と共に着地か墜落か分からない状態で落ちたネフィリムだったが、舞い上がった土煙から即座に飛び出し、装者に襲い掛かろうとする。
だがそこに二つのアンカーが飛来し、ネフィリムを食い止める。
「データ通り………!」
「させません!」
ネフィリムはエネルギーの補充のため他の聖遺物、つまりシンフォギアを狙うと知っていて警戒していたクルエルティアとエグゼリカが、もがくネフィリムをなんとか抑え込もうとするが、空中と違い地面を駆け回ろうとするネフィリムの力は予想を超えていた。
「データ以上………!」
「抑えきれない!」
随伴艦の出力を上げるクルエルティアとエグゼリカだったが、そこに独特の起動音が響いてくる。
「Feuer!」
ドイツ語の号令と共に、一斉砲撃がネフィリムへと叩き込まれる。
砲撃の主、Bismarck級 1番艦 ビスマルクを先頭に陸戦ストライカー改造型艦娘用陸戦ユニットを装備した呉鎮守府艦娘達が一斉に攻撃を加えていく。
「攻撃の手をゆるめるな!」
「分かっとる! 艦載機のみんな、お仕事お仕事!」
砲弾再装填の間に、龍驤型1番艦 龍驤を中心に艦上戦闘機が次々ネフィリムへと襲い掛かるが、砲撃と違って艦上戦闘機の銃撃は左程効いてはいなかった。
「やはりあの程度では無理か…!」
「爆撃機出すで!」
ビスマルクが生半可な攻撃が効かない事を悟り、龍驤が再度艦載機を発進させるべく巻物を広げるが、そこでネフィリムのすさまじい咆哮が響き渡る。
いかな効果が有ったのか、至近で食らった艦載機がバランスを崩し、墜落する物まで出ていく。
「なんや!?」
「威圧でこれか………艦載機も距離を取れ! 聞いてた以上の怪物だ! こちらも射程ギリギリに…」
ネフィリムの潜在能力を危険視したビスマルクが部隊を下がらせようとするが、そこで周囲を見回したネフィリムがある方向を見るとアンカーを強引に引きはがしてそちらに猛ダッシュを始める。
「今度はどこに…」
龍驤がネフィリムの向かう先に視線を向け、そこにいる人影に気付く。
「あかん!」
「こっちに来る!」
「セレナ!」
距離を取ってネフィリムとの戦闘を見ていたセレナ達の元に、すさまじい勢いでネフィリムが向かってくるのに気付いたセレナは逃走は不可能と判断して臨戦態勢を取る。
「ダメよセレナ…」
「おっと、そいつは待った」
ナスターシャが制止しようとするが、そこで突然セレナの背後から声をかけられたかと思うと、セレナの顔の両脇を何かが高速で通り抜ける。
「え…」
その通り抜けた物が二本のマシンアームだと気付いたのは、マシンアームが向かってくるネフィリムを抑え込んでからだった。
「く、なかなか………だが!」
自分の背後から聞こえる声にセレナが振り向くと、そこにいる褐色の肌に眼鏡をかけた長身の女性がいる事にやっと気付く。
「これでも食らえ!!」
そのまま長身の女性はマシンアームを操作し、驚異的なパワーでネフィリムを持ち上げたかと思うと、そのままネフィリムをぶん回し始め、十分に回転が付いた所で上空へとぶん投げる。
「全砲照準! 撃てぇ!」
さらにそこでマシンアームと一緒に彼女が装備していた大砲が一斉発射、空中で回転しながらもがくネフィリムに直撃させる。
「すごい………」
「やはりいいなこれ、艤装に正式につけてもらうか?」
「自重を考えるでありますよ。ただでさえ海と勝手が違う陸上用艤装なのに、こんな無茶苦茶な追加艤装付けてるの貴女だけであります。こんなのつけて海上に出たら速攻で沈むでしょう」
ネフィリムをぶん投げた女性に続き、学生服に似た陸軍制服姿の女性が現れる。
「貴方達は…」
「呉鎮守所属、大和級二番艦の武蔵だ」
「特種船丙型 揚陸艦 あきつ丸であります。貴方方、特にセレナ殿の警護が我々の任務であります」
マリア(小)の問いかけに、武蔵とあきつ丸は名乗る。
「あんたの大きい方の姉さんは手が離せないからな。今回の私の仕事はあの怪物が向かってきたら投げ返す事だ」
「投げ…」
「む、目標まだ健在! 武蔵殿の大戦艦おろしを食らってまだ動けるとは!」
「予想の範疇だ。もっと離れるぞ! 次弾装填急げ!」
「ささ、博士もこちらに!」
武蔵がセレナとマリア(小)をまとめて抱き上げると艦娘用陸戦ユニット(戦艦用特大)で後方へと下がり、あきつ丸はナスターシャの退避を促す。
「一体あの子達は、未来で何をしてるの?」
「それは当人達から聞いてほしいであります。説明が極めて難しいものでして………」
「またこっち来るデス!」
「追い返すのには成功したようね」
「やっぱりあの技どこかで見た事あるような………」
セレナを、正確には彼女のアガートラームを狙ったネフィリムが武蔵に投げ返されるのを見た装者達が、改めて臨戦態勢を取る。
「目標は再度装者を狙ってくる! 包囲陣を展開!」
「これ重いし遅くてイヤなんやけどな」
ビスマルクの指示で艦娘達が装者を中心に反包囲をしこうとするが、海上と違って陸戦機動に苦労する。
「来た!」
装者達に襲い掛かろうとするネフィリムだったが、そこへ再度アンカーが今度は三つ飛来し、ネフィリムをキャプチャーする。
「捕らえた!」
「今度こそ逃さない!」
「もちろんよ!」
エグゼリカ、クルエルティアに戻ってきたフェインティアも加わり、もがくネフィリムを完全にキャプチャーする。
「攻撃!」
マリアの号令と同時に、シンフォギア、艦娘、更には上空のマイスター乙HiMEの攻撃が一斉にネフィリムへと叩き込まれていく。
「攻撃の手を休めないで! 過剰って事は全くないわ!」
「了解した! 撃ちまくれ!」
「攻撃範囲に留意! 巻き込むなよ!」
マリア、ビスマルク、ナツキの指示が飛び交う中、アームドギア、砲弾、ノイズブレイカーの攻撃が矢継ぎ早にネフィリムに撃ち込まれ、すさまじい咆哮も砲声に半ばかき消され、立ち上る爆炎がその姿を覆いつくす。
「だんだん当たってるか分からなくなってきたデス!」
「声がわずかに聞こえる、つまりまだ生きてる」
「もっとよ!」
すさまじい攻撃の応酬に、ネフィリムの姿が見えなくなってきているが、わずかに聞こえるネフィリムの絶叫に向かって装者達も攻撃を放ち続ける。
「なんてタフな…!」
「姫級より上ちゅう話はホントやな! 軽巡以下の奴は下がるで!」
戦艦クラスの主砲を何発も撃ち込んでいるのにも関わらず、未だ爆炎の中に蠢く影にビスマルクは歯噛みし、龍驤は用心して部隊を一部退避させる。
「あんた達、どいてなさい!」
上空で業を煮やしたハルカが、懐から大統領承認と刻まれた金色のキーのような物を取り出す。
「何でしょうか?」
「さあ?」
ジュピジーとアリカが首を傾げる中、ナツキは半ば直感で叫んだ。
「総員退避~~!!」
ネフィリムとの激戦が続く研究所の上空、マイスター乙HiME旗艦となっている空中戦艦の中で乙HiMEのマスター達が望遠やトリガーハート、武装神姫などからリアルタイムで送られてくる戦闘映像を見ていた。
そこでハルカが何かを取り出したのを見た彼女のマスター、エアリーズ共和国大統領、ユキノ・クリサントの顔色が変わる。
「ハルカちゃん、それは我が国の最新機密兵器! すぐにこの場から退避を! 防御態勢を…」
「そんなにまずい物なのかの?」
同乗していたマシロが訪ねる中、映像でハルカが黄金のキーを上空にかざすと、そこから光が上空へと延び、その先で何か巨大な球体のような物が形成されていく。
「まさか、あれがエレメント………」
「あんな巨大な!?」
「退避、退避だ!」
それがマイスター乙HiMEの常識からも外れた、とほうもなく巨大なエレメントだと気付いた他のマスター達も慌てる中、空中戦艦も退避を始める。
「何であの中将はいつも力任せなのだ!」
「あれでも一応セーブしてるんです………」
「そちらのも似たような物だぞ?」
マシロも慌てる中、ユキノはうなだれるが同じくマスターとして同乗していたミコトに呆れられる。
そんな中、巨大な球体がすさまじく巨大な輝くトゲ鉄球へとなっていくのを見ながら、ミコトは呟く。
「効けばよいが………」