第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) EP14

 

「イグナイトモジュール、抜…」

 

 イグナイトモジュールを発動させようとした瞬間、瀕死状態だったはずのネフィリムが今までで最高の速度で跳ね起き、マリアへと襲い掛かる。

 

(しまっ…)

 

 まさかそこまで動けるとは思わなかったマリアは反応が遅れ、ネフィリムが巨大な顎を開いて食らいつこうとする。

 だが直前、ネフィリムを横から弾き飛ばした者がいた。

 

「このぉ!」

「アリカ!?」

 

 ネフィリムが僅かに動いた事に気付き、マリアに襲い掛かろうとした瞬間とっさに反応出来たアリカが、全力でぶつかる事で何とか軌道をそらす。

 だがネフィリムは咆哮を上げながら、再度マリアに襲い掛かろうとする。

 

「まだ動けるのか!」

「攻撃を…」

「ダメだアリカにも当たる!」

 

 ようやく反応した者達が得物を構えるが、襲い掛かろうとするネフィリムをアリカが必死に抑え込むため、逆に手が出せない。

 

「こいつ! 大人しく…」

 

 瀕死とは思えない力強さで暴れるネフィリムを抑え込もうとするアリカだったが、ネフィリムの圧倒的なパワーの前にはあまりに困難だった。

 

「アリカ離れろ!」

「ダメです! 今離れたら!」

 

 ナツキが何とかネフィリムを狙うためアリカに退避を促すが、今まで以上に狂ったように暴れ狂うネフィリムを開放するのは危険と判断したアリカは離れようとしない。

 

「切歌! 調! イグナイトは中断! もっと弱らせて…」

 

 イグナイトモジュールを一度戻したマリアがアームを構えた時だった。

 ネフィリムは今まで一番の咆哮を上げ、アリカを振りほどいて大きく跳ね上がる。

 

「逃げ…」

「攻撃を…」

 

 包囲から一気に飛び出すような予想外の行動に全員が攻撃しようとした時、ネフィリムの目的を悟った。

 

「セレナ!!」

「だめえぇ!」

 

 ネフィリムの目的が、包囲の外から様子を見守っていたセレナだと気付いたマリアが絶叫する中、アリカも後を追って飛び出す。

 

「この…」

「くっ!」

 

 護衛についていた武蔵のマシンアームとあきつ丸の艦載機を強引に弾き飛ばし、ネフィリムは一気に迫る。

 

「え…」

「セレナ!」

 

 最大限に顎を開き、セレナをシンフォギアごと飲み込まんとするネフィリムからマリア(小)がかばおうとするが、死の顎が届くより早く、アリカが追いつく。

 

「セレナちゃんから、離れろ~!」

 

 アリカが叫ぶと同時に、まとっていたローブがピンクから蒼へと変化、結んでいた髪がほどけて広がっていく。

 アリカの切り札、≪蒼天≫モードがマスターの認証も無しに発動し、ネフィリムを後ろから抱え込んだアリカの体が一気に加速する。

 

「こいつを、遠くへ! 遠くへ!」

 

 ネフィリムを抱えたままアリカは更に加速。

 幼い姉妹の頭上を飛び越え、そのまま強引に弧を描きながら、上空へと向かっていく。

 

「なんて速度だ!」

「蒼天モードだ、我々でも追いつけん!」

「IS以上だ………」

「でもどこに向かっているデス?」

 

 アリカとネフィリムの姿がどんどん小さくなっていくのを、誰もが呆然と見送る。

 

「恐らく、ネフィリムが私達に手出しできない場所へ」

「それってつまり………」

「宇宙空間?」

 

 装者達も全く予想していなかった展開に、ただもはや蒼い光としか認識出来ないアリカを見守るしかなかった。

 

 

「こ、の!」

 

 もはや半狂乱としか言いようのない暴れ方をするネフィリムをアリカは抑え込もうとするが、そこですでに己が重力から解放されかかっている事に気付く。

 

(ここなら! でも私だけじゃこいつを倒せない………)

 

 マイスターローブの保護機構で成層圏でも活動出来るアリカは、最早大気もほとんど無い状態でも暴れるネフィリムをどうすべきか考える。

 

「どうにか、こいつにもっとダメージを!」

 

 もがき続けるネフィリムに弾き飛ばされそうになりながら、必死になって抑えようとする。

 弾かれながらも片手は外さず、強引に背中合わせになって逆さになったネフィリムの四肢を抑え込んだ時だった。

 

『RECOGNITION NEW SKILL』

 

 突然蒼天の青玉がその体勢を技として認識、同時にそれからどうするかを表示させていく。

 

『CREATOR LENA SAYERS。INPUT SKILL NAME』

「お母さんの技!?」

 

 くしくも、その体勢はかつて最高クラスのマイスター乙HiMEとしてその名を轟かせたアリカの母、レナ・セイヤーズがある強敵を撃破した時と全く同じだった。

 

「分かったお母さん! 食らえ、ブルーヘブン・ドライバー!!」

 

 顔に渾身の笑みを浮かべ、アリカはネフィリムを固定したまま、上昇に用いた加速を今度は急降下へと変更する。

 アリカとネフィリムは再度体に掛かる重力を糧に更に降下速度を増していき、その体が炎に包まれてもアリカは加速を落とそうとしない。

 

「行っけえぇ!!」

 

 

「降下を確認、更に加速中!」

「音速を軽く超えてる! 総員退避よ!」

「またか!」

「マイスター乙HiMEってのはこんなのばかりか!」

「いや、そういう訳では………」

 

 火の玉となって落ちてくる両者を確認したトリガーハート達の警告に、全員が再度落下予想地点から退避を行う。

 

「あのような速度で落ちてあの人は大丈夫なのですか?」

「恐らくは。アリカの母親が似たような事をやったと聞いた事が有る」

「親子そろってやらなくても………」

 

 再度吊られて退避しながらのナスターシャの至極当然な質問に、隣のナツキが説明すると、マリア(小)もある種当然の反応をする。

 

「来るぞ!」

「防御態勢!」

 

 着地、というか激突寸前で皆がシールドを張ったり防御の構えを取る中、すさまじい速度でネフィリムが地面へと叩きつけられた。

 再度研究所跡地に轟音と衝撃波が吹きすさび、巻き上げられた土砂が巨大なキノコ雲を形成していった。 

 

 再度アメリカのみならず周辺諸国で観測された不自然な地震波に、今度こそ核攻撃かと(以下略)

 

「………何か予定とだいぶ違うデス」

「仕方ないよ切ちゃん、やっぱりネフィリムは強いし」

「それを力技でねじ伏せてるけれどね………」

 

 装者達は当初の複数チームによる飽和攻撃からのトドメという予定が大幅に狂いつつ、ついでに周辺の被害も人的被害以外は予想を大幅に上回っている中、とにかく様子を確かめるべく落下地点へと向かう。

 ようやく土煙が晴れていく中、巨大なクレーターの中央でネフィリムを完全に決めているアリカの姿が現れる。

 逆さの状態で音速超過で叩きつけれたネフィリムは大きく体をひしゃげさせ痙攣していたが、やがてその口から大量の血液のような吐しゃ物を吐き出し、動かなくなった所でアリカは手を放す。

 そこへ落下の衝撃で巻き上げられたのか、研究所のパイプか何かの金属片がそばに落ちてきて、甲高い音をゴングがごとく響かせる。

 

「………ノックアウトなのデス」

「パーフェクトな、ね」

「まだよ」

 

 完全に動かなくなったネフィリムを見た切歌と調が頷くが、マリアは警戒しながらクレーターの中に降りる。

 

「あ、マリアさん! やりました! これ母さんの作った必殺技です!」

「すごい威力ね、けど離れてて。崩壊しないって事は、まだ完全に倒してはいないわ」

 

 蒼天モードから元の状態に戻ったアリカがはしゃぐ中、マリアは冷静にネフィリムを観察する。

 

「え、これで!?」

「聖遺物の破壊は長期の経年劣化以外は難しいのよ、特にこいつは強度と再生は他の聖遺物を遥かに上回っている。技術班の破壊装置は効きそうにないからこんな手を取ったのだし」

「わ、分かりました」

 

 慌てて離れるアリカを見送ると、マリアはアームを構える。

 

「待ってマリア姉さん!」

 

 そこへ戻ってきたセレナがクレーターの中へと降りてくる。

 

「私にもやらせて」

「………そうね、行くわよ」

 

 最後は己の手で、決意したセレナに微笑みながら、姉妹はアガートラームのアームを同時に構える。

 

『『SERENADE!』』

 

 姉妹の声と同時に、長大化した刃がネフィリムへと突き刺さる。

 二つの刃が深々と突き刺さったネフィリムは一度大きく痙攣したかと思うと、その体がゆっくりと崩壊していった。

 

「終わったわ、これで」

「そうだね………」

「セレナ!」

 

 大きく息を吐くマリアと頷くセリアの元に、マリア(小)がクレーターを滑り降りると駆け寄ってくる。

 

「大丈夫!?」

「ええ、ネフィリムは完全に破壊出来たみたい」

「まさか本当に倒せるなんて………」

 

 驚いている昔の自分とようやく実感が湧いてきたらしいセレナを見ていたマリアが、微笑してから口を開く。

 

「それじゃあ、ここからが本題なんだけれど」

「本題?」

「少しの間、セレナを貸して欲しいの」

『え?』

 

 突然の話に、幼い姉妹は同時に疑問符を浮かべた………

 

 

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