第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) 作:ダークボーイ
「フィーネは今パレットチームとGで交戦中ね。まああれだけの出力なら逃がす事は無いでしょう」
「周り巻き込まないといいんだけど………」
紗羅檀からの報告に、響は出力過多なパレットチームの戦闘に一抹の不安を覚える。
「周辺の避難は完了している! 人的被害が無ければ、多少の物的被害は致し方ない!」
未来の翼が断言するが、そこで遠くから轟音のような音と共に、見えていたビル影が一つゆっくりと消えていく。
「………多少?」
「どんなのが来てるの………」
奏と翼がそこはかとなく不安を覚えるが、すぐに意識を目の前の巨大ノイズに向ける。
「あと一息だ!」
総攻撃を食らい、大きく揺らぎ始めた巨大ノイズを見た大神が全員に号令をかける。
「一気に行きます!」
「どいてろ、巻き込まれるぞ!」
そこで一気にケリをつけるべく、響と奏が聖詠を高らかに歌い上げる。
それに応じて、響のガントレット部分が長大化していき、奏のアームドギアが旋回を始める。
「はああぁぁ!!」
「LAST∞METEOR!」
響の突き出した拳が強烈な衝撃波を放ち、奏が振り下ろしたアームドギアが竜巻を発生させ、双方の攻撃が巨大ノイズに炸裂。
二人の装者の渾身の攻撃が決め手となり、巨大ノイズがとうとう体を大きく鳴動させながら崩壊していく。
「よおし!」
「なんとか片付いたな」
「こんだけ人手ありゃな」
巨大ノイズを撃破した事で、未来の装者達が胸を撫で下ろす。
「一体何がどうなってるの?」
「それを今から聞くんだろ。まずなんで宇宙人と戦ってるかだ」
この時代の装者が一息付きながら、取り敢えず何から聞くべきかを思案していた時だった。
「待テ! また来るゾ! しかも半端じゃなイ数が!」
上空のウィッチが叫ぶと、二人の装者を除いて全員が一斉に再度臨戦体勢に入る。
「あいつ、何言ってんだ?」
「501のエイラさんは予知能力が有るんです!」
「そんな人まで来てるの!?」
「いいから構えろ先輩!」
「雪音、そっちは過去の私だ」
装者達が円陣を組むように構えると、突如としてあちこちから一斉に大量のノイズが湧き出し始める。
「何だこの数!?」
「ソロモンの杖か! 気をつけろって言っといたのに!」
「後だ、行くぞ!」
「空戦部隊から市街地にも出没してるって連絡来てるわ! 自動的に作戦はFプランに移行!」
応戦する装者達に紗羅檀が更に最悪の情報を送ってくる。
「Fプランって?」
「現状投入されている戦力による分散撃破だ。できれば避けたかったが………」
「向こうにさっきのデカいのが複数いるぞ!」
翼が未来の翼に作戦内容を確認する中、奏が先程倒した巨大ノイズと同型の姿を会場の向こうに確認する。
「まずい、さすがにそれは想定外だ!」
「小型はウィッチ隊で対処します! 大型の方を!」
「パンツァー隊と艦娘隊も今向かってる! 10時方向の大型に帝国華撃団、2時方向には巴里華撃団が当たる!」
「私達は一番遠い奴だ、行くぞ!」
マイルズと大神が手早く役割分担し、未来の翼が装者達を先導して向かう。
「…立派になったな」
「何か言った?」
「いや」
その後姿を見た奏が思わず呟いたのを翼が聞き返すが、言葉を濁して後に続いた。
「ネイキッド・インパクト!」
「くっ!」
振り下ろされたハンマーをフィーネは障壁で阻もうとするが、そのままの体勢で後方へと文字通り吹っ飛ぶ。
「な、なんだこの出力は!? シンフォギア以上か!?」
障壁を張ったまま、背後にあったビルを1フロア貫通した事にフィーネは驚愕する。
「い、今の大丈夫かな!?」
「絶対手加減するなって言われてたでしょ?」
「月引っ張って落とそうととしたってホントかな………」
「月はともかく、今の一撃で壊れてないみたい」
本来人間相手に使う事なぞ微塵も想定されてないパレットスーツで戦う事に、パレットチームは若干ためらいも有ったが、前もってのアドバイスと、渡り合ってくるフィーネの戦闘力に考えを改める。
「何仕込んできてるか分からないって話だったよね!?」
「こちらも追撃するわ!」
そこに亜乃亜とエリューも対地攻撃でフィーネを狙うが、フィーネは障壁を貼りながらもそれをかわしていく。
「これだけ攻撃して、まだ平然と動けるなんて………」
「やっぱり只者じゃない」
わかばとひまわりが機敏に建物の影を利用して攻撃を避けるフィーネに、警戒を更に高める。
「どっち行った!?」
「あっち!」
「追いましょう!」
「うん」
逃すまいと低空飛行して追うパレットチームに、フィーネは更に速度を上げる。
「待て~!」
「アレ本当に人間!?」
驚異的な身体能力にパレットチームは必死になって追うが、フィーネが懐から何かを投じてくる。
「あれ、どこに向かって…」
「違う、ホーミング!」
フィーネが投じた大型の手裏剣のような物が、グングン加速しながらこちらに向かってくるのに気付いたひまわりがとっさにバリアでそれを防ぐ。
「何出してくるか分からないとも言われてた! 気をつけて!」
「これ以上逃さない!」
あおいが注意を促す中、わかばが一気に加速してネイキッド・ブレードを振りかざす。
「小娘共!」
フィーネが悪態を付きながら、奇妙に捻じくれた短剣を取り出してあおいの一撃を受け止めるが、出力が違いすぎて吹っ飛ばされる。
「今度こそ!」
「逃さないよ!」
油断なくネイキッド・ブレードを正眼に構えるわかばのそばで、他のパレットチームも得物を構える。
だが、吹き飛ばされたフィーネが動かない事に段々違和感を覚える。
「………あれ?」
「その、生きてる?」
「え、まさか………」
「いや、生きてる。多分何か…」
「フ、フフフ、フハハハ!」
吹き飛ばされ、建物に叩きつけられた状態でフィーネが突然笑い始めた事に、パレットチームは思わず身構える。
「本当に小娘ね。戦いって物を丸で理解していない」
「それって、どういう…」
フィーネの心底馬鹿にした口調に、あかねが聞き返そうとするが、フィーネが持ち上げた物に気付いて絶句する。
「私がこれを探してた事に気付きもしないなんて」
「あれって、ソロモンの杖!?」
「! 退避!」
フィーネが巧みに逃走しながら、弾き飛ばされたソロモンの杖を探していた事にようやく気付いたパレットチームだったが、至近でソロモンの杖を出したら絶対近寄るなと言われていた事をわかばがいの一番に思い出し、パレットチームは一斉に急上昇する。
「形勢逆転ね、小娘達が!!」
フィーネはまず使わないだろうと思っていたソロモンの杖の禁断コマンド、一斉召喚を入力。
それに応じて周辺におびただしい数のノイズが出現し始める。
「この数、相手出来るかしら?」
ほくそ笑むフィーネだったが、そこでRVからの対地攻撃がノイズの先陣を砕く。
「なんて事をしてるの!」
「こっちの風鳴司令に緊急連絡! 念の為避難地域を拡大! 上空からノイズの発生状態のアナライズを!」
亜乃亜がノイズに攻撃しつつ怒鳴る中、エリューが報告を入れながら同様にノイズを攻撃する。
「さあどうする? こちらにかまけてる暇はあるかしら?」
「だったら、仲間を増やせばいいのよ!」
「仲間?」
フィーネが訝しんだ所で、彼女の背後を旋風が突き抜ける。
「ドリル・インパクト!」
思わず振り向いたフィーネの視界に、右手にドリルを装備した小柄な少女が、そのドリルでノイズを一気に貫いていく光景が飛び込んでくる。
「な…」
「どりす、あまり出過ぎるな! 孤立するぞ!」
「パンツァー隊、攻撃開始!」
そのドリルの少女を戦闘に、手にシザーやライトと行った風変わりなツールを装備したパンツァー達が、一斉にノイズへと攻撃を開始する。
「そう来る可能性も考慮済みよ。だから、こちらもありったけの手勢を用意してたわ」
エリューがそう告げる中、間近の川を遡ってくる者達の姿が見えてくる。
「各艦、ノイズに照準! 撃て!!」
水上を滑る、種々の砲撃ユニットを装備した者達が、先頭を行く大型砲を装備した長身の女性の号令と共に、一斉に砲撃。
新たに現れた者達がノイズを次々と撃破していく様にフィーネは唖然とする。
「どこでこれだけの戦力を………」
「正直、あなたにかまけてる余裕も無いから、一気に片付けさせてもらうから!」
「ノイズはこちらで引き受けるわ!」
「りょ~かい!」
ノイズを他の者達が相手する中、パレットチームが再びフィーネに向かっていく。
「くっ!」
再度ソロモンの杖を向けて起動させようとしたフィーネだったが、突然杖が何かに奪われる。
「これは使わせないのだ!」
「卑怯かもしれないが、頂いていく!」
隙を伺っていたマオチャオとランサメントの二体の武装神姫が、フィーネからソロモンの杖を奪うとそれを持って素早く逃走していく。
「小娘どころかあんなおもちゃまで!」
「思いっきりいくよ!!」
次々起こる予想外の出来事に罵倒するフィーネに向かって、あかねはネイキッド・ラングを振りかざした………