第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) 作:ダークボーイ
「そっちに中型一体!」
「任せろ!」
「行くよトゥルーデ!」
ミーナの固有魔法で補足された空中型ノイズに、バルクホルンとハルトマンの集中攻撃が叩き込まれて爆散する。
「後は!?」
「この空域のは今ので最後よ!」
「となると残るは、アレか………」
ペリーヌが素早く周囲を見回しながら問うが、ミーナが掃討を確認し、シャーリーが残った相手を見る。
「でっか~い」
「まあもっとデカいネウロイ相手にした事もあるけど」
ルッキーニがかなり離れているのにイヤでも目につく超巨大ノイズに率直な感想を述べ、シャーリーは目算で相手の大きさを比較していた。
「問題はあれは普通の人間は触っただけで死んでしまう危険物体だという事だ」
「しかも派手に攻撃してきてるしね~」
バルクホルンが連射した銃のダメージを確認しながら呟き、ハルトマンはマガジンを交換しながらボヤく。
「でもアレを倒さないと」
「ここの人達の迷惑になるね」
「し、しかしさすがにあの大きさは………」
サイト越しに相手を確認するリーネに、芳佳が回復ドリンクを確認しながら力説し、静夏はあいてのあまりの巨大さに生唾を飲み込む。
「下は片付いたゾ~」
「向こうはもう大丈夫です」
そこでエイラとサーニャが戻ってきたのを確認したミーナは固有魔法で他にノイズがいない事を確認して頷く。
「これより501統合戦闘航空団は超巨大ノイズに対処! フォーメーションはキャンサー、防戦に徹して地上への攻撃をなるべくこちらで受け持ちます!」
『了解!』
ミーナの指示を受け、501のウィッチ達が一斉に超巨大ノイズに向かっていった。
「攻撃が薄くなってきたな」
「上空でウィッチ達が防いでくれている。他のノイズの掃討が終わったのだろう」
「それでもこの手数かよ!」
防戦一方だった装者達が、超巨大ノイズの攻撃の半数を上空に展開し始めたウィッチ達がシールドや攻撃で防いでいる事に気付く。
「このまま一気に…」
「まだだ。こいつを完全に殲滅するには、まずは他のチーム全てと合流し、攻撃を完全に封じる必要が有る。下手に決め手を外せば、洒落にならない反撃が効かねん」
突撃しようとする響を、未来の翼が冷静に状況判断して制止する。
「………あれ、本当に私?」
「まあ、あたしの知ってる翼先輩は元からあんな感じだったけど」
過去の翼がこっそり聞いてくるのを、クリスが会ったばかりの事を思い出しつつ呟く。
「NORNに入る時にシンフォギアチームのリーダーに抜擢されたからな。まあちょっと揉めたけど…」
「話は後だ! 油断するな!」
『はい!』
未来の翼の叱責に過去の翼とクリスが思わず答える。
「しかし、あのサイズを倒すには絶唱しか…」
「手は幾つか用意してる! あたしらの任務は天羽 奏に絶唱を歌わせない事だ!」
「そうです! 私達に任せてください!」
「頼りになる後輩だな」
力説するクリスと響に奏が苦笑するが、二人の頬や額に流れる汗に気付いていた。
「おい未来の翼」
「なんだ奏」
「そのイグなんとかモード、あとどれくらい持つ?」
「何の事だ」
「ごまかすな。明らかに出力が異常だろ、って事は負荷もそれ相応なんだろ?」
「無理矢理装者になった人間には分かるか。だが、お前を守るくらいは出来る」
「けど…」
アームドギアを振り回しながら心配する奏だったが、そこで轟音と共に間近に大型蒸気トラックが急ブレーキと共に止まる。
「今度は何だ!?」
「帝国華撃団の切り札、双武ね。いよいよ決着が近いわ」
「済まないが援護を! さくら君!」
「はい大神さん!」
奏が仰天するのを紗羅檀が説明する中、大神とさくらが蒸気トラックのコンテナに乗り込み、そこから光武・二式よりさらに大型の霊子甲冑が起動する。
「詰めに入るぞ! Gプラン発動!」
「Gプラン?」
「上位ランカーによる飽和攻撃だ! 行くぞ!」
超巨大ノイズを包囲したNORNの戦士達が、大神の号令と共に半数が攻撃態勢を、半数が防御態勢を取る。
「私達は…」
「決まってるだろ!」
過去の翼が一瞬悩むが、奏が断言して聖詠を歌い上げながら、アームドギアを構える。
今だ続く超巨大ノイズの猛攻をウィッチ達が中心となって防ぐ中、残った半数がそれぞれの得物に力を込め、特に装者達の聖詠が高らかに響いていく。
「攻撃…」
大神が号令を出そうとした瞬間、突如として超巨大ノイズの攻撃が止む。
「あれ?」
「弾切れか?」
「警戒維持! 何か来るかも…」
シールドを張っていたウィッチ達が首を傾げる中、何らかの準備段階かと警戒した者達が超巨大ノイズを見上げると、その巨体が鳴動を始める。
「なんか揺れてる!?」
「何する気だ!」
「やられる前に!」
あまりに不気味な超巨大ノイズの鳴動に、誰もが困惑しながら攻撃しようとした時だった。
「!! 全員逃げロ! 降ってくるゾ!」
「降る?」
「何が?」
エイラがありったけの声で通信機に叫び、501の仲間達も一瞬判断に迷った瞬間、それは起きた。
鳴動していた超巨大ノイズがその身を大きく弛めたかと思うと、その頂点が噴火する。
おびただしい何かを噴出する超巨大ノイズに全員が呆気に取られるが、すぐにその意味を知る。
噴火するがごとき勢いで噴出する、おびただしいノイズの大群に。
「!! 攻撃中止! 作戦・山!」
「シールド全開! 一体でも多く受け止めて!」
大神が即座に攻撃から防御へと作戦を変更、ミーナが叫びながらもシールドを傘のように展開、上空のウィッチ達もそれに続くが、火山弾のごとき勢いでノイズが次々とその場に降り注ぐ。
「うわわ!?」
「た、退避!!」
「撃ち落としきれない!」
「全艦回頭! 最大速度で離脱!」
対ノイズ防御が低いパンツァーチームと艦娘チームが上空に攻撃しながら、大急ぎで撤退を開始。
「ドラマチックバースト!」
「だめ、多すぎる!」
「一体でも減らすのよ!」
RVにまたがったGの天使達が必死になって攻撃するが、噴出するノイズはあまりに数が多すぎた。
「ど、どうしよ!?」
「下がれ、援護する」
「まさかこんな手を打ってくるとは」
光の戦士、特にリーダーのユナが一番慌てる中、メンタルモデルや機械人達が防御を受け持ちながら、かろうじて距離を取る。
「作戦山を維持!耐えるんだ、必ず途切れる時は来る!」
「手近の華撃団と組んで! 攻撃は一任!」
大神とマイルズの指示が飛び交い、至近で逃げようもない華撃団は無数に降ってくるノイズに迎撃し、陸戦ウィッチ達がシールドでそれを援護する。
「こなくそ!」
「攻撃の手を止めるな!」
「分かってます!」
「けどこんなの………」
装者達が必死になって降ってくるノイズに向かって攻撃するが、後から後から降ってくるノイズの豪雨に活路を見いだせないでいた。
「持ちこたえろ! 無限に続くわけではないはずだ!」
「つっても!」
「きゃあ!」
未来の翼も必死になって剣を振るう中、クリスが聞こえてきた悲鳴にそちらを向くと、限界に達した陸戦ウィッチのシールドをノイズが突破し、とっさにそばにいた霊子甲冑がそのノイズを撃破する。
「このままだと、こっちも…」
それを見た過去の翼の呟きに、隣で槍を奮っていた奏がある覚悟を決める。
「悪ぃ、翼。どうやら運命って変えられないみてえだ………」
「え…」
「待て奏!」
奏の覚悟を悟った未来の翼が止めようとするが、奏は悲しげに微笑む。
「立花!」
「はい! ってうわ!」
未来の翼にうながされ、響が奏の元に向かおうとするが、そこに新たに降ってきたノイズに阻まれる。
「奏、だめえぇぇ!」
過去の翼も止めようとする中、奏は槍を大きく振るいながら、奏者達から一気に距離を取る。
そして、その口から装者の禁断の切り札である歌が紡がれる。
装者自身をも滅ぼす、絶唱の歌が。
放たれた絶唱が、上空から降り注ぐノイズの雨を触れる端から崩壊させていく。
「Lプラン! 頼む!」
未来の翼が叫び、それに応じて地上と上空から動く者がいた。
その中、奏は絶唱の反作用で全身に激痛が走るも、その呪われた歌を止めようとしない。
(私の命が尽きるのが先か、このデカブツを倒すのが先か………うっ………)
降り注ぐノイズを殲滅しつつも、さすがに超巨大ノイズまではなかなかダメージが通らないのを見た奏だったが、その意識が遠のき始める。
(ダメか………だがきっと翼達がこいつを倒してくる………痛みも感じなくってきた………)
「大丈夫です!」
「私達が治します!」
とうとう限界が来始めたかと思った奏だったが、突然掛けられた言葉に思わず振り返り、そこにいる柴犬の耳を生やしたウィッチと赤い霊子甲冑に気付く。
両者とも絶唱の範囲を強行突破してきたのか傷だらけだが、双方が触れる手から流れてくる力が、奏の体の痛みを消していく。
のみならず、自らが追ったはずの傷すら消えていく事に奏はやっとその意味に気付いた。
(治癒能力!? こいつら、私を助けるためにこんな無茶を…)
「シスターエリカさん! 防御は私のシールドでなんとかします!」
「芳佳さん、私達でです! ありったけを奏さんに!」
芳佳とシスターエリカのありったけの治癒が、絶唱と引き換えに失われそうになった奏の命を繋ぎ止める。
(どうやら、無茶は装者の専売特許じゃないようだな………)
予想以上に無茶をする異世界の戦士達に奏は内心苦笑するが、傷は治癒出来ても消せないダメージに限界が来、絶唱が途切れるとその場に崩れ落ちる。
『奏!』
「大丈夫です!」
「致命傷には至ってないはず!」
二人の翼が同時に駆け寄る中、自らの負傷を気にもとめずに芳佳とシスターエリカは治癒を掛け続ける。
「奏さんをお願いします! 後は、あいつを!」
「絶唱食らってもまだ立ってやがるぞ!」
響とクリスが未だ立っている超巨大ノイズに相対するが、相手はまだ致命傷には遠かった。
「巨大ノイズ、絶唱攻撃後も健在確認。最終プランを発動する!」
「立花! 神楽坂! すまん、後は頼む!」
大神の指示に続くように、未来の翼が通信先のユナと巨大ノイズに対峙する響へと声をかける。
『任せて! 思いっきり行くよ』
「任されましたぁ!」
『それじゃ響ちゃん! とっておき行くよ』
そこで届いてきたユナからの通信に、響は大きくうなずくと一度イグナイトモードを解除する。
そしてその口から聖詠が紡がれると、それに応じるように通信からもユナの歌声が響いてくる。
それに呼応するように、響の体が光に包まれると、突然どこかに飛んでいく。
「なんだ………?」
「しゃべらないで奏!」
「大丈夫、最後の切り札の使用許可が降りたらしい」
虚ろな目でそれを見た奏が首を傾げるのを、二人の翼が慌てて抑える。
だが奏の目は、こちらに向かってくる巨大な光の塊、そしてそれがみるみる形を成していくのを捉えてしまう。
そしてそれは、轟音と共に超巨大ノイズの前に降り立った。
『行くよ響ちゃん!』
『任せてユナちゃん!』
『ユーリィも手伝うですぅ!』
『エルライン・ノイ シンフォギアモード!!』
光の救世主の切り札、光のマトリクスの集合体であるエルライン・ノイに、光の救世主の因子を持つ響のガングニールの力が合わさった、青白の巨大ロボがその姿を表す。
その両腕に響のシンフォギアを思わせる黄色のガントレットが、その首にスカーフを撒いたエルライン・ノイ シンフォギアモードが拳を構える。
戦いは、とうとう最終局面を迎えようとしていた………