第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 XD編(if) EP08

「な、何アレ………」

「巨大ロボット?」

「そうだよな………」

 

 会場下の地下施設、特異災害対策機動部二課のオペレーター達は市街カメラから表示されるエルラインの姿に呆然としていた。

 

「あの巨大ロボットから確かにガングニールの反応が出てます………」

「つまり、どういう事だ?」

「マルチバースによるパラレル存在、シンフォギア装者と光の救世主、両方の因子を持つ者達の力の結晶だ」

 

 弦十郎も目を疑う中、同じ声で答える相手に思わず皆が振り向き、絶句する。

 

「え………」

「今度は風鳴司令が二人!?」

「………状況的に考えて三年後のオレか」

「その通りだ」

 

 オペレーター達が再度絶句する中、二人の弦十郎は頷きあう。

 

「あら風鳴司令、こちらに来るのは作戦後のはずでは?」

「そのつもりだったが、かなり状況が悪化してると聞いてな」

「確かに、アレを使うのは文字通り最終手段のはずでしたし………」

 

 未来の弦十郎に香坂 エリカが問いかけ、その返答に彼女も思わず頷く。

 

「つまりアレがそちらの切り札か」

「ええ、光の救世主の切り札 エルライン。それに光の救世主の因子を持つ響さんの力を融合させたシンフォギアモード。正真正銘、対ノイズ用の最終兵器ですわ」

「出来れば使いたくはなかったが………」

「どうしてです?」

 

 香坂 エリカと未来の弦十郎の言葉に、オペレーターが思わず問い返す。

 

「あれ、情報操作や隠蔽出来るか?」

「無理だな………」

 

 未来の弦十郎の問に、過去の弦十郎が即答する。

 

「今でさえ情報操作の限界を迎えつつあるが、あのロボットで完全に決壊したかもしれん」

「だから使いたくなかった。悪いがそっちの始末はそちらに一任する」

「オレに押し付けるのか」

「オレだからな」

「………え~と」

 

 二人の弦十郎のやりとりにオペレーター達が微妙な表情をする。

 

「ともあれ、決着は近いですわ」

「そうね、アレを出した以上早くつけてもらわないと」

 

 香坂 エリカと肩にいたイーダが呟く中、画面の中では巨大な両者が激突していた。

 

 

「奏!」

「大丈夫か!」

 

 地面に寝かされ、芳佳とシスターエリカ二人がかりで治癒を受けている奏を二人の翼が心配そうに覗き込む。

 

「翼、私はもうダメかもしれない………」

「そんな事言わないで!」

「オイ!」

「巨大ノイズと巨大ロボが戦っている幻覚が見えてきた………」

 

 奏の呟きに二人の翼が思わず声を荒げるが、続く言葉に全員がしばし無言で、向こうで戦っている超巨大ノイズとエルライン・シンフォギアモードの方を見る。

 

「………えと、あのね奏」

「安心しろ、私達にも見えている」

「………あれ幻覚じゃないのか」

「幻覚じゃなく現実だ。私も話には聞いていたが………」

 

 気まずそうにする過去の翼に、未来の翼が説明していく。

 

「光の救世主の切り札、エルラインか。まさか本当に巨大ロボとはな」

「あの、響さんがあの中に入っていったような………」

「あいつもまた違う世界で光の救世主とやらなんだと。その力を持ってる奴はあのロボに乗れるらしい」

 

 未来の翼の説明に、クリスが補足してやる。

 

「これで大丈夫のはずです」

「念のために移送しましょう。サポート班の皆さ~ん!」

 

 芳佳とシスターエリカが手当を終え、移送の準備に入る。

 

「お任せよ~~~!!」

 

 そこに搬送用医療ポッドを携えたナース服姿の薔薇組がすごい勢いで向かってくる。

 

「何だよ、あれ………」

「お、ま、た、せ♪」

 

 傷はある程度治癒したが、まだダメージが残っている奏はこちらに向かってくるゴージャスなナース姿の薔薇組の姿に絶句するが、ドアップで顔を覗き込まれて色々限界を迎えて気を失ってしまう。

 

「あら、寝ちゃってるみたいね」

「今の内に安全な所へ」

「任せなさい。薔薇ウサギレスキュー隊の名にかけて、すぐに移送するわ」

「今度はお二人が互いに治した方いいですよ」

「分かりました~」

 

 失神している奏を手際よく搬送用医療ポッドに乗せると、薔薇組は来る時同様の勢いでその場を去っていく。

 その凄まじすぎる光景に、絶句したままだった過去の翼が無言で過ぎ去っていく薔薇組を指差す。

 

「あ~、言いたい事は分かる。アレはアレでもこちらのサポート部隊だ。なんでかすげえ色物ばかりいっけど、結構優秀だから」

 

 何かを言いたいが言葉が出てこないらしい過去の翼に、クリスがなんとか説明してやる。

 

「とにかく、あの大物は立花と神楽坂に任せよう。雪音はここに残って宮藤とフォンティーヌのガードを」

「OK先輩」

「私達は残った小物を急いで片付けるぞ」

「り、了解」

 

 未来の翼の指示にようやく我に帰った過去の翼が頷く。

 

「手際よくやるぞ。さもないと」

「さもないと?」

「あの巨大ロボが変形合体するそうだ」

「するの!?」

 

 

「さあ一気に行くよ~!」

「うん!」

 

 エルライン・シンフォギアモードの中でユナと響が気合を入れる。

 

「市民が避難済みとは言え、ここでの戦闘は被害が拡大します。なんとか相手を抑え込んで海上へ!」

「手伝うですぅ!」

 

 エルラインの中枢ユニットとなっているエルナーの指示にサブパイロットとなっているユーリィの気合も交じる。

 

「来ます!」

「任せて!」

 

 超巨大ノイズが複数の触手を突き出してくるが、響が操作してそれを次々と薙ぎ払っていく。

 

「フォースミサイル!」

 

 そこへユナが複数のミサイルを発射、のたうつ触手を撃破していく。

 

「なんとか懐に!」

「あれ抱えるのはちょっとヤダな~」

「言ってる場合ですか!」

 

 接近を試みる響にユナは見るからにグロテスクな超巨大ノイズに少し引くのをエルナーがたしなめる。

 そんな中、超巨大ノイズの一部が大きく歪むのを見たユナと響が同時に反応する。

 

「何か来る!」

「合わせて!」

 

 攻撃の予兆と判断した二人は響に合わせて拳を引き、そして一気に突き出す。

 

「ライトニング・シュート!」

 

 突き出された拳から発射されたビームが、超巨大ノイズが打ち出した巨大肉弾と激突、爆砕させる。

 

「このままだと、更に被害が拡大します! 早く海上へ!」

「ええい! ちょっとイヤだけど、ここから運び出そう!」

「うん!」

「調整はユーリィがするですぅ!」

 

 エルナーが周辺への被害がないかを確認する中、ユナと響がうなずきあい、ユーリィも同調する。

 そして、まず響の口から、それに重ねるようにユナの口からも聖詠が紡がれる。

 出力を更に増していくエルライン・シンフォギアモードは全身を輝かせながら超巨大ノイズに突撃、その巨体を両腕で抱え込む。

 

「飛ぶですぅ!」

 

 ユーリィの宣言と共にエルライン・シンフォギアモードは背部バーニアを吹かし、一気に空へと舞い上がる。

 

「海上周辺も避難は完了しています! こちらで指定したポイントまで!」

「分かったですぅ!」

 

 被害の少ない海上へと向かう中、エルナーの指示にユーリィが頷くが、超巨大ノイズはその巨体でもがき、触手を絡ませてくる。

 

「うわ、この!」

「離すもんか!」

 

 ユナと響は必死になりながらも、超巨大ノイズを離そうとしない。

 

「もうそろそろです! 二人共しっかり!」

「周辺にお船もいません!」

「じゃあここらで!」

「離れろ~!」

 

 エルナーとユーリィが安全を確認した所で、ユナと響が力を込めてエルライン・シンフォギアモードから超巨大ノイズを引き剥がす。

 巨大な水柱を立てながら超巨大ノイズは海面に落下し、それに相対してエルライン・シンフォギアモードも海面へと派手に水しぶきをあげながら着水する。

 

「それじゃあ、ここで一気に行くよ!」

「うん! 私達の力、見せてあげよう!」

 

 

「なんか、すごい事になってます………」

「世界中の軍事衛星がフル活動でガン見してますが………どうします?」

「どうすると言われてもな………」

「ほっておくしかないだろう」

 

 衛星からの映像と、リンクが繋がったNORNからの映像の双方から送られてくる、海上の大決戦を見ながら報告してきたオペレーター達に、二人の弦十郎が答える。

 

「そうだな、今更隠しようもない」

「今頃、世界中の軍上層部や首脳陣が自分の目と正気を疑うか、コーラとポップコーンを用意してるかもしれんな」

「オレも用意してきたくなったぞ」

「全てが片付いた後でな」

 

 最早驚愕を通り過ぎて達観の領域に達しつつある過去の弦十郎に、未来の弦十郎が苦笑する。

 

「こちらのサポート班から連絡が有りました。天羽 奏を搬送終了、多少ダメージはある物の、生命に問題は無いそうです」

「絶唱の負傷を治せる程の能力とはな………」

 

 香坂 エリカからの報告に、過去の弦十郎は胸を撫で下ろす。

 

「NORNの治癒能力者のNo2とNo3を用意していたからな。ただかなり無理をさせたようだ」

「あれ以上がいるのか」

「No1は今別件で動いてるから来れなかったがな。それとそろそろ決着が付きそうだ」

 

 

「たああぁ!」

 

 響の操作で繰り出される拳が、超巨大ノイズに次々と突き刺さる。

 超巨大ノイズの巨体が大きく揺らぐが、そのまま大きく体を振るって巨体其の物を叩きつけてくる。

 

「うわぁ!」

「くっ!」

 

 ユナが思わず悲鳴を上げる中、響はなんとかガードする。

 

「ユナさん!」「お返し! フォースミサイル!」

 

 ユーリィが心配そうに声を上げる中、ユナはミサイルを放って反撃するが、その半数は再度伸びてきた触手に阻まれ、半数は超巨大ノイズに炸裂するが大きなダメージにはならない。

 

「半端な攻撃は致命傷にはならないようですね………」

「変にタフだ~」

「じゃあ、一気に行こう!」

 

 エルナーの解析にユナがイヤそうな顔をするが、響はむしろ力を込めて構える。

 

「ユーリィ、出力上昇お願い! エルナー、空へ!」

 

 ユナもそれに合わせて指示を出す中、響の口から聖詠が紡がれ、ユナも合わせて歌う。

 同時にエルライン・シンフォギアモードが超巨大ノイズの攻撃を避けながら上昇を開始。

 高度が上がっていく中、二人の歌声と共にエルライン・シンフォギアモードが燐光を帯び始める。

 重なる歌声と共に燐光は更に輝きを増していき、聖詠がクライマックスになると同時にエルライン・シンフォギアモードはまばゆいばかりの輝きに包まれる。

 

「一気に行くよ!」

「うん!」

 

 聖詠を歌い上げた二人は、頷くとエルライン・シンフォギアモードを急降下させる。

 そのまま片足を突き出し、突き出された足を中心に輝きが収束していき、それは足を矢尻にした、巨大な光の矢へと変じていく。

 

「ライトニング~」「バスター」『キーック!!』

 

 天空から超高速で降ってくる巨大な光の矢に、超巨大ノイズはありったけの攻撃を繰り出すが、それは全て光の前に弾かれ、そして光の矢は超巨大ノイズの体を貫き、半ば以上を吹き飛ばして海面をえぐって盛大な水しぶきを盛大に拭き上げてようやく止まる。

 中央部を完全に失った超巨大ノイズの上下に残った部分が崩れ落ちたかと思うと一気に崩壊していく。

 

「敵超巨大ノイズ、撃破を確認しました!」

「やった~!」

「うん!」

「ユーリィお腹すいたですぅ~」

 

 エルナーの撃破確認にユナと響は手を取り合って喜び、ユーリィはいつもどおりに空腹を訴える。

 

「残っていた通常ノイズも掃討完了。オペレーション・エインヘリャル、Aパートの終了とします」

「じゃ、皆の所に戻ろう♪」

「そうだね!」

 

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