数ヶ月くらいに悩んでこれを書き上げましたが、そこまで進めれてないのが辛いですが必要な部分だし仕方ないよね!!
ギデオンで開催された≪超級激突≫はフィガロと迅羽の白熱した戦いに最終局面を迎えようとしていた。
そうフィガロが自身の持つ最強の武具である〈超級武具〉の【極竜光牙剣 グローリアα】を呼び出す。
「あれは……フィガロが勝負を決めにきたな」
「あれは〈超級武具〉ですね」
アークの隣に座る物理最強のエンブリオのレヴィアタンはそう言う。
「あぁ、俺やお前達が
そして会場は更なる緊張感を迎えようとしていた。
『面白いもの持ち出してるなァ、フィガロォ。ゲァハハハハハッハ!!』
迅羽が笑う。この場においてなお、笑う。
この闘技場で最もあの刃の威圧感を感じているだろう迅羽は笑っていた。
今は両者の攻防も止まり、笑い声は静寂な闘技場に響く。
「さて、迅羽はアレをどう相手にするのかな?」
「僕も迅羽と戦ってみたいな!」
「そうですねレヴィ」
レヴィは楽しそうに言いシュテルもそれを肯定した。
そして迅羽の笑い声もやがて鎮まり……。
『じゃあ、こっちも使うかナ!』
迅羽が袖から短剣を取り出した。それはこれまで武器として使っていた〈超級エンブリオ〉の義手を越える威圧感を出していた。
まるでフィガロが出した【グローリアα】と同じ威圧感を。
『【応龍牙 スーリン・イー】。テメェの得物と"同類"──オレたちが黄河に襲来した〈SUBM〉を狩ったときに手に入れた〈超級武具〉ダ』
「そうなるよな」
「当然の帰結ですね」
「アレが迅羽の〈超級武具〉か~♪」
迅羽が出した【スーリン・イー】にアークとシュテル当然といった風にレヴィは楽しそうに見ていた。
『が、このままぶつかればステータスが数倍になっているお前には敵わないのが道理だよナァ』
「そりゃ気付くよな」
「当たり前です。あそこまで分かりやすい結果が見えたのですから秘匿は無理でしょう」
アークの言葉にレヴィアタンはそう返す。
この戦いによってフィガロの〈超級エンブリオ〉の能力の"装備数反比例強化"に"戦闘時間比例強化"が大々的に判明したからだ。
だが、アークは別にフィガロは頑なに秘匿してた訳じゃないんだよな~と思っていた。
『けど安心しナ。オレの【応龍牙】はMPとSPを注いだ分だけ威力は上がル』
迅羽は【応龍牙】を構え、
『この一撃にオレの全力を注ぎ込ム──次が最後ダ』
宣言を皮切りに、再びの静寂。しかし、会場の緊張感は増大の一途。
フィガロの〈超級エンブリオ〉の力が込められていく【グローリアα】。
超級職である迅羽の莫大なMPとSPの全てが注ぎ込まれる【応龍牙】。
空間が破れるのではないかと危惧するほどに空気が張り積める。
その緊張感がMAXに達した時、フィガロと迅羽は同時に動いた。
2人の超音速を超えた動きに、観客はAGI型の戦闘職に就いているマスターでさえ最大に減速した結界越しですら目に映らない。
それが映ったのはごく一部の絶対強者の〈超級〉達のみであった。
その超音速かで行われた事の結果を言うならば。
宙を舞う2つの腕、フィガロの左腕と【応龍牙】を握った迅羽の右腕だった。
残った片腕でフィガロは【グローリアα】を握り締めながら、迅羽の懐へと飛び込む。
「隠し武器がありますね」
「あぁ」
シュテルの言うように迅羽は残った左腕をフィガロの胸に突き出す。そしてフィガロの胸に──"黄金の爪"が突き立った。
『殺ったゾッ!!』
「これは猿山のフィガロの敗けですね」
「──いや」
レヴィアタンがそう断定した横でアークは否定した。
「アイツのエンブリオはそれを覆すよ」
「?」
『──!?』
レヴィアタンは首を傾げたがその疑問はフィガロと迅羽を見たら判明した。
黄金の爪はフィガロの身体を貫通してなかったことに迅羽は驚いた。
皮膚を引き裂き、大胸筋を破り、心臓を潰し、背骨を砕き、背中から貫通するはずの黄金の鋭爪は、胸を突き入れたところで止まっていた。
「そういうこと」
「やはりここまで情報が判明したら分かりますか」
ベヘモットは納得したような声を上げ、シュテルはさすがにここまでバレたら分かるかと声を洩らす。
そう、皮膚は引き裂き、大胸筋を貫きながら、あるモノによって止められた。
〈超級エンブリオ〉の一撃を止められる物がそこにはあった。
それは──
それがどの試合でも使っていながら誰にも判明せず、そして必勝を期した迅羽が掴み損ね、今まさに貫けなかったフィガロの超級エンブリオの正体である。
『ありがとう。君は、素晴らしい敵だった』
フィガロは試合中に使っていた《フィジカルバーサーク》を解き、最高の敵手に賛辞を送り、
『《
──迅羽を脳天から一刀で両断した。
『ィィィッ!』
両断されても動こうとする迅羽に、
『──《
刃を返して切り上げられた【グローリアα】からの光の奔流──《爆龍覇》をも遥かに上回る熱量の光柱が放たれた。
「流石だよ。フィガロ」
アークは視界がホワイトアウトするほどの眩い光の中、健闘したフィガロへと賛辞の言葉を呟いた。
光によって何も見えなくなり、光は無音のまま、内部にいるものを蒸発させる。
そして光が過ぎ去った後にはただ一人、フィガロだけが立っていた。
「相手の迅羽は消し飛んじゃたね」
「そうですね」
『今回のメインイベントォ!超級激突の勝者はフィガロォォォ!!』
二拍遅れて、勝利を告げるアナウンスが聞こえる。
そして会場から歓声が上がる。
「茶番ですね」
決着に熱狂する周囲の者と全く異なる感想を、一人のメイデンが口にした。
けれど、聞く者によっては乱闘にでも発展しかねないその発言も、周りの熱狂の中では搔き消えて、殆ど誰の耳にも届いていない。
彼女の声を聞く者がいたのは……彼女の膝の上にいるベヘモットと隣に座る自分と同じ規格外の〈超級〉のアークとそのエンブリオの2人だけであろう。
(〈超級〉と〈超級〉のぶつかり合い。期待してなかったと言えば嘘になる。けれど蓋を開ければ……どちらも見るに堪えない。それでも本当に〈超級〉なのか、と問いたくなる。どちらも小細工に小細工、小枝に小枝。……みみっちい。最後の攻防以外、ろくに見られたものではない。心臓と手足なんて半端なモチーフだからその程度のことしか出来ないのか?貴様ら、それでも私やコイツと同じ……)
険のある表情で舞台を睨みながら、レヴィアタンは苛立ちを濃くする。
やがてそれが彼女の内側だけでなく、殺気となって外に発散されかけた時、
「止めろ」
「Know your role,and Shut your Mouth」
隣にいるアークと自身の膝の上に乗っているベヘモットから言葉を掛けられた。
「そうですね。少々口汚い内心でした。自重します。危うく晒しかけました」
「K」
「もう少し我慢を覚えさせた方がいいんじゃないのか?」
その言葉に再びレヴィアタンの殺気が出そうになるがベヘモットに膝を叩かれてそれをしまう。
「先の言葉の礼も次の戦争で返すとしましょう」
「そうかい」
レヴィアタンは舞台の様子を窺い、詰まらなそうに呟く。
「あぁ、始まってますね。第一王女が来てない以上、我々には関係がないのですが」
「お前らが動かないなら俺も動かないさ」
「spec」
「そうですね。それなら続けて観戦いたしましょう。これから始まる"座興"を」
レヴィアタンが言う座興にアーク達は動かない。……いや動けない。
何故なら動けば隣にいる物理最強の獣王が動くのが分かるからだ。
「まぁフランクリンの座興は失敗するさ」
「確定するように言うのですね」
隣にいる者が動かないのなら失敗すると断定のように言う理由は何かと思うレヴィアタンである。
「まぁ見てればその内分かるさ」
それに対してアークはそれ以上は何も言わずに舞台の方へと視線を向ける。
次もいつ更新するかは不明ですけど待っててくれるなら嬉しいですね。
次は皇国の性格最悪と言われてる超級のアイツが出てきます。