そしてあんまり状況が進んでいない~ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ
アークやレヴィアタン達がそんな会話をしていた間、他の観客達も今起こっている異常事態に気付いていく。
何故ならば、試合が終わったはずなのにフィガロは迅羽にトドメを刺した体勢のまま微動だにせず、迅羽の方も試合が終わったにも係わらず復活する様子がみられない。
決着を迎えた結界の内部が、完全に停止していた。
「へぇ~。まさか姿を出してくるとはな」
「意外ですね」
アークとシュテルは闘技場に張られた結界──その上部の一点にいる一人の、否、一体の影を見て呟く。
「あれってペンギンの着ぐるみだよね」
「正確にはアデリーペンギンですよレヴィ」
「
シュテル、レヴィ、アークが話していると、そのペンギンはマイクを持った。
『はぁい!みなさんこんばんはぁ!いい勝負でしたねぇ!面白かったですねぇ!』
会場中の視線が自分に集まったのを感じたのか、ペンギンは喋りだした。
『さぁて!面白い勝負の後には伯爵や王女なのかの、面白くもない演説なり訓示なりがある予定でしたけどねぇ。そんなことは取り止めて代わりに面白いことをしましょう!』
「絶対にろくでもないことだな」
「そうだね」
「それ以外にありえません」
3人は即答で面白くないだろうと言った。それもそうだろう。
「何だ貴様は!!」
その時、ボックス席の中でも一際大きな席──貴賓席からペンギンへ
「何のつもりでこのイベントに泥を塗らんとする!」
「愉快犯かな?」
「面白さ?」
「弱者の考えなど知りません」
「もう少し優しくしてはどうですか?」
ギデオン伯爵の言葉にアーク、レヴィ、レヴィアタンがそれぞれ言うとシュテルがため息を吐きながら言った。
『ハッハッハ!言ったでしょう?面白いことをするつもりですよ』
そう言って──ペンギンは腹を抱えて笑って……自らの後頭部に手をやった。
『けれど、私が何者であるかは言ってませんからねぇ。教えましょう!』
そう言って──ペンギンの着ぐるみを着ていた奴は着ぐるみを脱ぎ捨てた。
『はーい、これが私の本体のハンサム顔でーす。なーんてねぇ』
そこから出てきたのは、アーク達の予想通りの相手、左手の甲に〈エンブリオ〉の紋章を持ち、皇国のクランランキングのトップにいる〈超級〉。
「貴様は、貴様は……!」
その正体にギデオン伯爵も驚愕と共に言葉を詰まらせている。
『おやおやぁ!どうやら私の名前をご存知の方々が沢山いるようですねぇ!』
「王国で知らない奴の方が少ないだろうな」
「最近始めた新人マスターくらいでしょうね」
そう、その相手は、
「なぜ貴様がここにいる……Mr.フランクリン!!」
『だぁぁぁいせぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁいッ!』
ギデオン伯爵の言葉にMr.フランクリンが笑顔で答えると同時に、どこかから花火が上がる。
「凝った演出だな」
「ベヘモット達とかが手伝ったの?」
「そんなわけないでしょう」
レヴィがベヘモットとレヴィアタンに聞くとレヴィアタンは嫌そうな顔をして答える。
『はぁい!私がこの国の王様とその他諸々をモンスターの餌にした張本人!ドライフ皇国の〈超級〉!ロボットとモンスタークリエイトの最先端!【大教授】のMr.フランクリンでぇす!』
「クランランキングにまともなトップはいないのか?」
「いないでしょうね」
そんなことをアークは呟き、シュテルはそれの返答を返した。
そして、フランクリンが名乗った直後、会場中から無数の矢と銃弾、攻撃魔法がフランクリン目掛けて放たれた。
「避けたな」
「身代わりのアクセサリー関連と後は《キャスリング》での一時的な避難でしょうね」
「《ライフリンク》は使ってない感じだね~」
「必要となれば使うでしょうね」
アーク達はその攻撃でフランクリンが死んだとは微塵も思っていない。むしろ攻撃したマスターが狙われるだろうと感じた。
結界の上で約100人分はあったであろう攻撃の雨。
『さっすが、脳筋の集まった決闘都市。判断が早いねぇ』
フランクリンはアーク達の予想通りに生きていた。
『言っておくけどねぇ!もう攻撃しないでほしいねぇ!君達も"監獄"行きにはなりたくないだろう?』
「まぁ正確には監獄行きの切符だけどな」
「それさえ、所詮は負けなければいいだけの話です」
フランクリンの言葉にアークと物理最強の片割れのレヴィアタンがそれぞれに言う。
すると、フランクリンの腕の中に一羽の小鳥が止まっており、
『──罷り間違ってこのおちびさんに当たったら一発で"監獄"行きだからねぇ』
フランクリンがそう言った直後、小鳥と入れ替わりフランクリンの腕の中に何かが現れる。
それは一人の少女。
その少女は、このアルター王国にとって重要人物の一人である──第二王女のエリザベート・S・アルターなのだから。
「まぁこれで攻撃する馬鹿はほとんどいないだろうな」
「理解してない者がいるのでは?」
「確か一人いたよね?」
「そこは用意周到なフランクリンだからな。大丈夫だろ」
アークとシュテルにレヴィの会話は普通では何を言ってるのかと思う者が大半の会話をしていた。
事実、隣にいるベヘモットとエンブリオのレヴィアタンは首を傾げていた。
『ご理解いただけたかなぁ?王族殺しは即"監獄"だからねぇ。気をつけて……ってぇ私が言えることじゃないかぁ!ハハハハハ!』
「フランクリンが言えたことではないな」
「そうですね」
「この国の王様を殺したの、アイツだしね」
腕の中のエリザベートの父親を殺したフランクリンは、面白いジョークでも言ったかのように高笑いした。