トリオンのアカデミア   作:くろとらです

1 / 6
1話 入学

 トリオンのアカデミア

 

 ────2月 雄英高校正門前

 

「遂にこの日がやって来たな!」

 

 青髪が特徴的な少年、水島青(ミズシマ アオ)はどこか緊張した面持ちで雄英高校の正門をくぐって行った。

 この日は、日本最高峰と呼ばれている雄英高校の入試日だ。ここ雄英高校はNo.1ヒーローオールマイトの母校でもあり、エンデヴァーやベストジーニストなど様々なプローヒーローを輩出している学校でもある。

 

 

 雄英高校の正門をくぐり、試験会場に向かって歩いていると青の後ろから怒鳴り声のようなものが聞こえてきた。

 

「なんだ?」

 

「おいデク!! 勝手に俺の前を歩いてんじゃねぇ!!」

 

「ご……ごめん、かっちゃん」

 

 は後ろを振り返った。後ろでは爆発頭の少年が緑のくせっ毛の少年に向かって怒鳴っていた。くせっ毛の少年は爆発頭の少年に怯えながらも謝るが、爆発頭の少年は"フン"と鼻を鳴らし試験会場へと向かって行ってしまつまた。

 

「…………勝手に前を歩くなって、どんだけ理不尽な奴なんだよ」

 

 青は爆発頭の少年の理不尽さに呆れながら試験会場へと向かって行った。

 

 

 

 入試の試験会場はまるで大学の講堂のようなものだった。まず、この場所で最初に行われることは筆記試験だった。

 筆記試験が始まると、ほとんどの受験生は頭を抱えながら必死に問題を解いていっている中青は特に頭を抱えることなくスラスラと問題を解いていっていた。

 青は実技試験だけでは無く筆記試験の対策もしていたため筆記試験は特に悩むことなく解くことができたのだった。

 筆記試験も終わり、1時間ほどの昼休憩を挟んだ後実技試験の説明が始まった。

 

『今日は俺のライブにようこそ!! エヴィバディセイヘイ!!』

 

『………………』

 

 静まり返っている講堂に大音声が響き渡った。実技試験の説明をするために現れたのはボイスヒーロープレゼント・マイクだった。

 プレゼント・マイクはヒーロー活動の他にラジオ等などメディアでも幅広く活動しているヒーローだが誰1人プレゼント・マイクの問い掛けには返答しなかった。

 

『こいつは実にシヴィーだな! 受験生のリスナーたち!! それじゃこれから気を取り直して実技試験の概要をサックと簡単にプレゼンするぜ!! アーユーレディ!』

 

 会場の無反応を他所にプレゼント・マイクは実技試験の説明を始めた。プレゼント・マイクの説明を簡単にまとめるとこうなる。

 実技試験の説明が終わり次第受験生たちはそれぞれ指定された"模擬市街地演習場"に向かい制限時間15分の間に3種類の仮想敵を倒して行きポイントを稼いで行くというもの。

 因みに、仮想敵は3ポイント、2ポイント、1ポイントと分けられていた。

 

「…………3種類? このプリントにはもう1種類の仮想敵が記載されてるけど、これはどうゆう事だ?」

 

「…………質問よろしいでしょうか!? この、プリントには4種の敵が記載されております! もし、これが誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!! 我々受験生は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」

 

 事前に配布されていた実技試験の説明用紙を見て青は疑問の言葉を口にした。説明用紙には4種類の仮想敵がはっきりと記載されていたのだ。

 すると、青の後方に座っていた眼鏡を掛けた受験生が手を挙げプレゼント・マイクに用紙に記載されていた4種目の仮想敵について質問をした。

 

『オーケーオーケー!! 受験番号7111番くんナイスなお便りサンキューな!! そのプリントに記載されている4種目の敵は0ポイント!! そいつは言わばおじゃま虫みたいな存在だ!! 0ポイント敵は各会場に1体だけ』

 

「0ポイント敵ね…………、なんか引っ掛かるな……」

 

「有難うございます!! 失礼致しました!!」

 

 眼鏡の受験生の質問にプレゼント・マイクは0ポイントのおじゃま虫だと答えた。この質問の答えに青は何処か疑問を抱いていた。

 

『さぁ俺からはこれで以上だ!! 最後にリスナーへ我が校の校訓をプレゼントしよう!! かの英雄ナポレオンは言った!! "真の英雄とは人生の不幸を乗り越えて行く者"と!! 更に向こうへPlus Ultra!! それではリスナーの諸君良い受験を!!』

 

 プレゼント・マイクからの激励とも取れる言葉を受け、受験生たちはそれぞれ指定された実技試験会場へと向かって行った。

 

 

 

 指定された会場Eエリアに到着した青は実技試験会場の大きさに驚きながらも簡単なウォーミングアップをしていた。

 他の受験生たちも青同様軽いウォーミングアップをしたり精神統一を図ったりしていた。

 

「もう、そろそろ実技試験始まるのかな?」

 

「さぁ、まだじゃないか? スタートのカウントも始まらないし」

 

『さぁ! 実技試験スタートだ!!』

 

 受験生たちがそんなことを話していると、目の前の実技試験会場の扉が音を立てて開き始めた。

 完全に試験会場の扉が完全に開き終わると同時にプレゼント・マイクの声が、市街地に響き渡った。

 この、突然のスタート合図に受験生たちが戸惑い挙動不審に周りを見渡す中、青だけは両手を後ろに伸ばした。

 

「ブースト!!」

 

「えっ? うわぁ!?」

 

「な……なんだ!?」

 

 プレゼント・マイクのスタート合図とともに青は個性であるトリオンを手のひらから集中的に放出し飛び出して行った。

 他の受験生たちはそれをただ眺めるだけだった。

 

『おいおい、どうしたぁ!? 実践じゃカウントダウンなんってねぇんだぜ!? 走れ走れ!! 既に賽は投げられてんだぞ!!?』

 

 ただ呆然としている受験生たちに向けてプレゼント・マイクがそう呼び掛けた。

 この、プレゼント・マイクの呼び掛けに我に返った受験生たちは慌てて青の後を追うように駆け出して行った。

 

「誰も来ないなおい。…………って早速お出ましかよ」

 

 他の受験生たちより先に飛び出して行っていた青は早速仮想敵と遭遇していた。

 

『標的補足!! ブッコロス!!』

 

「3ポイント敵か……。まぁ取り敢えず"アステロイド"!!」

 

 3ポイント敵が青に襲い掛かった。だが青はトリオンを細かい正方形に分け直線上に射出した。3ポイント敵はトリオンに次々と貫かれ粉々に破壊された。

 

「うん。"アステロイド"は通用するな」

 

 青は仮想敵に"アステロイド"が通用することを改めて認識した。その後も青は襲いかかってくる仮想敵をアステロイドで貫いて行き順調にポイントを稼いでいっていた。

 

 

 

 試験が始まりおよそ20分程度が経った頃、青の近くで銀髪のギザギザ歯の少年が仮想敵に囲まれ苦戦していた。これを見て青は流石に見捨てる訳には行かないと思い助けに向かった。

 

「おい、アンタ大丈夫か!? 俺はこっちの1ポイントを相手にするから、アンタはその2ポイントを頼む!!」

 

「お……おう!! 分かった!!」

 

 青は1ポイント敵を相手に銀髪の少年は2ポイント敵を相手にし2人で協力して5体の仮想敵を破壊した。

 

「じゃ、俺は行くからお互い試験頑張ろうな!!」

 

「おう!! ありがとうな!!」

 

 協力して5体の仮想敵を倒した後、ポイントを稼ぐためそれぞれ別の場所に移動した。

 青は銀髪の少年を助けた後、他の場所に移動し他の受験生を助けながら順調にポイントを稼いでいっていた。

 しかし、疲れてたのか青は一瞬気を抜いてしまった。そこを狙っていたかのように仮想敵が背後から襲いかかってきた。

 

「っ!! やばっ、シー…………」

 

 背後からの襲撃に気付き、咄嗟にトリオンでシールドを作り出し仮想敵の攻撃をガードしようとした時、青に襲いかかってきた仮想敵の動きが突然止まり、そのまま空中に浮いたのだった。

 

「な……なんだ?」

 

 突然空中に浮いた仮想敵を見て青は驚きの言葉を漏らした。そして、仮想敵はそのまま地面に叩き付けられた。

 青は唖然としながらも後ろを振り返ると、そこには灰色の髪の毛で左目が隠れている少女が立っていた。恐らく、仮想敵を空中に浮かせたのはこの少女の個性だろう。

 

「大丈夫? 怪我してない?」

 

「あ……あぁ、ありがとう」

 

「それは、良かった。じゃお互い頑張りましょう」

 

「あぁ」

 

 自身の窮地を救ってくれた少女にお礼の言葉を青は口にした。そして、少女から激励の言葉を受け青は再びポイント稼ぎと他受験生のサポートに向かった。

 

 

 

 実技試験も終わりに近づいて行った頃、エリアの中心部に0ポイント仮想敵が姿を現した。0ポイント敵はアニメなどに出てくるロボットと同様の大きさだった。

 

『さぁ、遂に0ポイントが姿を現したぞ!! ソイツは物凄くデカく、戦闘能力も高い!! 受験生諸君気を付けて挑めよ!!』

 

「イヤイヤ、こんなデカい奴に挑める訳ないだろう!!」

 

「早く逃げないと、潰されちまう!!」

 

「あんな、大きいロボットに勝てるわけが無いわよ!!」

 

「(確かに、あんだけデカいと攻撃は通じ無さそうだし、ここは他の受験生に便乗し逃げた方がいいな………………ん?)」

 

 プレゼント・マイクのアナウンスを聞き、0ポイント敵の姿を確認した受験生たちは恐怖に怯え一目散に逃げ出して行った。

 青もその光景を見て、その場を去ろうとしたが0ポイント敵の下で崩壊した建物の瓦礫に足を挟まれている少女の姿が目に入った。

 青は走っていた足を止め、振り返り0ポイント敵に向かって走り出した。

 

「(流石に、怪我をしている人を見て逃げ出す訳には行かないよ……)」

 

「お……おい、お前少し待ってて!! あんなデカブツとやろうとしてんのか? もし、そうなら考え直せって!!」

 

 そんなことを考えながら、0ポイント敵に向かっている青を頭にバンダナを巻いている少年が引き止めた。

 

「…………ヒーローが困っている人を見捨てるわけにはいかないだろう!!」

 

「"グラスホッパー!! "」

 

 そう言って青はトリオンを使って空中に足場を作っていき、0ポイント敵の頭上に到着した。青はそこから巨大なトリオンを作り出し0ポイント敵に向かって放った。

 

「これでも、くらいやがれ!! "メテオラ"!!」

 

 青の渾身の攻撃により、0ポイント敵は木端微塵に破壊されてしまった。

 

『終了!!!!!』

 

 青がトリオンの足場を使い地面に着地したとともに、会場中にプリント・マイクの実技試験の終了のアナウンスが響き渡った。

 青の雄英高校の実技試験はこうして無事に終わったのだった。

 

 

 

何時になるか分かりませんが次回作はどんな作品が読みたいか早めのアンケートをとってみます!

  • 暗殺教室
  • 食戟のソーマ
  • 魔法科高校の劣等生
  • ようこそ実力至上主義の教室へ
  • ぬらりひょんの孫
  • クレヨンしんちゃん
  • 響け!ユーフォニアム
  • 名探偵コナン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。