程度の能力を貰って転生したのでそれを活かす為にトレーナーになる 作:鏡餅丸
⏱選抜レース後⏱
「あー、疲れた」
普通にレースを見るだけなら、そんなにも疲れないが。
何十レースもある全てに能力を一レース事に使うと、こんなにも疲れるとは思わなかった。
だがまあ、その分だけ収穫はあった事だし言い分か。
「さて、まずは走ったウマ娘達いる所に行くか」
観客席を立ち去り、さっきまで選抜レースを走ったウマ娘達が居る所に向かう。
そして目的の場に着くと、既に先輩トレーナー達があっちこっちでウマ娘と話している。
「仕事が早いな、流石先輩方だ」
さて、俺も仕事をするか。
周りには同じ様な体操着を着たウマ娘達が沢山おり、ここから目的のウマ娘を探すのは本来苦労する。
だが能力を使えば、この中から目的のウマ娘を見つけるのは簡単だ。
「・・・・見つけた」
沢山いるウマ娘を搔き分けて右耳にマリンブルー色の小さなリボンを付けた、長い藤色の髪に紫の瞳のウマ娘に辿り着き話しかける。
「ちょっといいか」
「はい、貴方は?」
「初めましてメジロマックイーン。俺はトレーナーをしている動川穫だ」
「トレーナーさんですか。もしかして私の事をスカウトしにいらしゃったのですか?」
「概ね合っている」
「それは光栄ですわ。ご足労いただき、感謝いたします」
そい言ってメジロマックイーンは目礼する。
「けれど一つお聞きかせください。何故、私をスカウトしにいらしゃったのですか?」
「と言うと?」
「私、先程の選抜レースでは、メジロの名に泥を塗ってしまう様な、情けない走りしかお見せ出来ませんでした。だと言うのに、何故?」
メジロマックイーンは不安そうな目で、俺の方を見て来た。
確かに選抜レースでは七着と、あまりいい成績ではないのに話しかけてきたら怪しまれて当然か。
だがこれはチャンスだ。
素直な気持ちを伝え、自分の有能性も伝われば確実にスカウト出来る。
「コンディションが最悪なのに、諦めず走る精神力が気に入った」
「なるほど。精神的な面を見ていただいけたのですね。ありがとうございます。しかし私の調子は問題ありませんでしたわ」
「本当にそうか? 俺の推測では、体にストレスが残っているのと食事制限をしたのが、今回の敗因だと見受けられたが」
そう言うとメジロマックイーンが驚いた顔に変わる。
「何故、私が選抜レースの為にした事。食事制限をしたとお分かりになったのですの?」
「感じた精神力の割には余裕を感じられない。気を張り過ぎている。顔の血色が少し悪い。体が努力に追いついていない様に感じられた。等から推測したが、違っていたか?」
実際は能力を自分に使い、導き出した答えだがな。
もし能力が使えなかったら、分からなかったかも知れない。
「いえ、そのご推測の通りですわ。ですがそれが敗因とはどうゆう事でしょうか?」
「食と言うものは運動に置いて密接に関係している。必要な量を取らないと体に力が入らなくなり動きに支障をきたし。必要な栄養が取れないと体が脆くなり疲れも取れにくくなり。美味しい物を食べないと精神が癒されない。どんな理由があれど運動をするのであれば、食事をちゃんと取らなければいけない」
「分かってはおりますわ、ですからメジロのウマ娘たるもの、食生活を含む日々の生活も、完璧に整えていたつもりでいました」
「だが現に分かる人には分かるレベルで、栄養不足とそれによりストレスが体に残っている。自分を一度見直す事もトレーニングの一環、だからこれからそれを一緒にやろうじゃないか」
伝えたい事は伝えた、言える事は言った。
後は運とメジロマックイーン任せだ。
「はい、ありがとうございます。では、改めて」
メジロマックイーンの雰囲気が張り詰める。
「私はメジロのウマ娘。華麗に、優雅に、完璧に勝利する事をこの名に義務付けられておりますわ。私を担当すると仰るならば、貴方のもまた、メジロ家のトレーナーであるという自覚を持っていただかなければなりません。いかかです? その覚悟はおありかしら?」
「ない!」
「え」
「メジロマックイーン、いやここは敢えてマックイーンと呼ぼう。俺はマックイーンの夢や願いを叶えられる様に導く事に対してならば、何回でも覚悟を誓おう。だが俺はメジロ家に対して誓う覚悟は何一つない」
少し食い気味に言い過ぎたか?
そう思っているとメジロマックイーンは、少し顔を赤らめ咳払いをする。
「わ、分かりましたわ、それでは動川トレーナーさん。これより、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたしますわ」
メジロマックイーンは軽くお辞儀をした。
「こっちこそよろしく頼む、メジロマックイーン」
「動川トレーナーさん、私の事は先程の様にマックイーンとお呼びください」
「分かった、改めてよろしくなマックイーン」
「はい」
マックイーンは満面の笑みを浮かべる。
「それじゃあ、俺は他の娘をスカウトしに行って来る。明日はまたこのトレーニング用トラックで、会おう」
「分かりましたわ」
そう言ってマックイーンから離れ、スカウトしたい二人目の所に行く。
すでに能力で居場所が分かっているので、向かうとそこに居た。
「ちょっといいか」
そう言って両耳に赤い耳カバーと左に赤い線が左右に入った白い小さなリボン、頭に赤い鉢巻を巻いたピンクのポニーテールのウマ娘に話し掛ける。
「え~っと、誰?」
「初めましてハルウララ。俺はトレーナーをしている動川穫だ」
「へ~! トレーナーなんだ!」
「ああそうだ、よろしく」
「うん! それでわたしに何か用?」
ハルウララは好奇心と不思議そうな目で見て来る。
「お前をスカウトしに来た」
「スカウト・・・・・・? ええ~! わたしをスカウトしてくれるの!? ホントのホントに!?」
「本当に本当だ」
「やったー!! わたし、トゥインクル・シリーズ走れるんだ!!」
ハルウララが元気いっぱいに、ピョンピョンとジャンプし喜びを表現する。
「トゥインクル・シリーズにデビュー出来れば、いろんなレースでいっぱい走れるんだよね!」
「まあそうだが」
「そしたら、一着いっぱい取れるかも! うう~楽しみ~っ!!」
「ハルウララ」
「何? トレーナー」
「俺がトレーナーでいいのか?」
「うん! なとなくだけど。トレーナーについてくれれば、一着が取れそうな気がするんだ!」
ハルウララは満面の笑みで、質問に答えてくれた。
何を根拠にそう言っているのかは、分からないが。
確かに選抜レースで見たハルウララの走りを見て、一着にさせたいと思っている。
まあ要するに俺は、ハルウララの意地に惚れ込んだ一人と言う事だ。
「分かった目指そうぜ。いろんなレースで一着を」
「うん! わたし頑張る!」
「それと今後は俺の事を、動川トレーナーって呼んでくれ。そうしないと他のトレーナーと被るからな」
「分かった、動川トレーナー」
「それじゃそろそろ帰るから、明日またこのトレーニング用トラックで、メジロマックイーンって娘と一緒に待っていてくれ」
「分かった、それじゃバイバイ」
ハルウララは手を振り、俺はトレーニング用トラックを後にする。
その後ズボンの右ポケットから携帯電話を取り出し、たづなさんに掛けた。
「もしもし、たづなさん、動川だ」
【あら動川トレーナーさん、どうでしたか? 担当するウマ娘は決まりましたか?】
「ああ、メジロマックイーンとハルウララだ」
【メジロマックイーンさんとハルウララさんですね、分かりました。明日書類提出をお願いします】
「分かった、ところで推薦で俺が担当するウマ娘は決まりましたか?」
【はい決まりました、なので明日の昼の終わりがけくらいに、理事長室で紹介しますので来てください】
「分かりました、それじゃまた明日」
【はい、お疲れ様です】
携帯電話を切って、ズボンの右ポケットに入れる。
「明日の午前は皆勉強しているから。今から明日の午後までには、色々と準備して置かなくてはいけないな」
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