ボイスロイドを買ったのでさっそく犯す   作:お兄さマスター

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攻撃りたん 後半戦

 

 

 

 なんかイヤな夢を見た。

 

 布団から上半身を起こし、手元にあるスマホで確認した現在時刻に辟易しつつ、未だ高鳴ったままの心臓部に手を添える。

 まだ深夜の三時過ぎだ。

 本来はもっと睡眠時間を取るはずだったのに、すっかり目が冴えてしまってため息が出る。

 汗ばんだ服の首元をパタパタして、体を冷やした。

 …………はぁ。

 とりあえず一旦落ち着いて脳内を整理しよう。

 

 端的に言えば悪夢を見ただけだ。

 恐怖で思わず目を覚まし、現在の状況に至っている。

 俺は学校の教室にいた。

 すると突然サイレンが鳴り響いて、不審者の侵入を告げるアナウンスと共に、教室に拳銃を持った男が現れたのだ。

 まったくの荒唐無稽。

 あり得ないシチュエーションだろう。

 中学生が授業中ヒマな時に考える様な妄想そのものだ。

 まあ、妄想の中で不審者やらテロリストやらを颯爽とやっつける中学生と違って、夢の俺は怯えるばかりで無力だったわけだが。

 皆さんにはクイズをやってもらいます、だの何だのと、よく分からないことを口走ってクラスのみんなを脅していた。

 たぶん、両親を屠ったあの男と同じ顔をしていた気がする。

 どうせ夢だし深い意味はなかったのだろう。

 俺の記憶の中で最も恐怖している対象がその男だったから、偶然彼が不審者役に抜擢されたと言うだけの話だ。

 

『こんにちはっ!』

 

 あの時と同じように笑った男に銃口を向けられ、恐怖で何も考えられなくなった俺は震えながら目を閉じて……こうなった。

 

 

「はっ、ぁ……、っ……」

 

 首筋を水滴が伝う。

 冷房が効いてる部屋なのに異様な暑さで汗が次々と吹き出してくる。

 これが冷えて更に寒くなってしまうかもしれない。タオルでも持ってこようか。

 

「……お兄さん、大丈夫?」

 

 ふと、真横から優しい声音が聞こえてきた。

 そちらへ向くと寝起きっぽい雰囲気のずん子がいる。

 俺の荒い呼吸で起こしてしまったのか、意識はまだ若干ボーッとしているものの、こちらの様子がおかしいことには気づいているらしい。

 彼女はモソモソと立ち上がると、洗面台から白い拭きタオルを持ってきてくれた。

 

「はい、タオルどうぞ」

「……ありがとな」

 

 受け取って顔を拭う。

 ふわふわの生地が柔らかくて気持ちいい。

 これは確か茜が選んでくれたタオルだったっけ。

 俺の家にある体を拭くものがゴワゴワの硬いやつばかりで、ちょっと前に彼女からクレームが来てた。

 このタオルみたいに、彼女たちボイスロイドとの生活が始まってから、俺の周りではたくさんのものが少しずつ変化していっている。

 多分、俺自身も。

 

「怖い夢でも見ちゃったのかな」

「まぁ……そんなとこだ」

 

 特に何かを考えていたわけではないが、無意識に右腕をさすってしまっていた。

 そこにあるのは数センチほどの長さで残った、ずんだブラスターによる火傷の痕だ。

 

「……その火傷、まだ痛む?」

「まさか。もう痛くないよ」

 

 そうは言ってみたものの、彼女の表情はあまり明るくない。

 

「……ううん。ごめんなさい」

 

 俺の右手をそっと握るずん子。

 痛くはないが、はたからみれば痛そうに見える程度には、少しばかり派手な傷跡だ。

 結局は完治したわけだからわざわざ掘り返して謝る必要もないと思うのだが、怪我をさせてしまった張本人である彼女からすればそうではないらしい。

 

「この火傷、すぐに病院に行って治療して貰わないと危険な怪我だよね……? あたしたちを見つけるまでの数時間、どうしてたの?」

「一応病院には行ったけど、ずん子たちを探す時間が惜しかったから応急処置だけしてもらった感じだ。気の利く先生で助かったよ」

 

 確かに大幅な火傷は放置してたら往々にして命の危険に関わるものだが、俺が小学生だった10年前に比べてボイスロイドを生み出せるほど技術力が躍進した今の世界では、病院での応急処置もそこそこレベルの高いものを受けることが可能だ。

 今回の場合は先生に『今すぐ探さなきゃいけない人がいるんです』と無理を言って、翌日の受診の時間までは怪我の進行をストップできる特殊な軟膏を塗ってもらい、ずん子の捜索に当たっていた。

 怪我はあれ以上悪化しなかったのだ。

 あくまで止まったのは火傷の進行だけであって、損傷による激痛は翌日の受診まで続いていたが……まぁ、あれは俺が我慢すればいいだけの話だからな。

 改めて口にすることでもあるまい。

 

「……お兄さんはすごいよ。火傷、ずっと痛かったよね」

 

 バレてたわ。さすがお姉ちゃん。

 

「いや……ずん子たちが味わってきた苦痛に比べれば大した事じゃないって」

 

 この傷跡はボイスロイドを甘く見た自分への戒めとして受け入れていくつもりだ。

 そもそもずん子がブラスターで開幕ぶっぱをするに至った理由は、元を辿れば俺たち人間の仕業なのだから、むしろこれだけで済んだことを幸運に思った方がいい。

 

「そんなことない。絶対にそんな事ない。……あたしが言えた義理じゃないけど、やっぱりお兄さんには自分をもっと大切にしてほしいよ」

「ちょっ……ずん子?」

 

 彼女は握った俺の手をそっと自分の胸に当てた。

 ふにっ、と指先が軽く沈んで、柔らかい感触とずん子の体温が伝わってくる。

 

「こんなにも温かくて優しい手を……あたし、本当に酷いことした。勘違いとかきりたんのためとか、そんなの全然関係ない」

 

 ……いや、いやいや。

 シリアスに語ってるとこ悪いんだけど、ずん子に触らされてる胸の感触でまったく話が入ってこないんだが。

 

「お兄さんを傷つけた……それが紛れもない事実。有耶無耶にされていいことじゃないよ」

 

 お前が俺におっぱい触らせてることも有耶無耶にしちゃダメだろ。

 ……ゎ、うわ……やわらか……っ。

 寝巻きの生地が薄いせいで胸の柔らかさと体温が直に伝わってきやがる。

 温かくて優しいのはこのおっぱいのほうじゃない……?

 

「ず、ずん子、ちょっと……」

「ねぇ、お兄さん」

「はい」

「今日寝る前に三人で話したことだけど……本気にしていいからね」

 

 三人で話してたことって、たしか『お兄さんには何をされてもいい』って──えっ。

 何をしてもいいの?

 待ってくれ、何をしてもいいということは、つまり何をしてもいいということなのかい。

 例えばこのまま一心不乱に指を動かして、ずん子のふわふわマシュマロおっぱいを揉みしだいて最高の感触を堪能してしまっても許されるってことなのかよ。

 うそだろ。

 ………………。

 

「お兄さん……?」

 

 ……いや、一旦落ち着け。

 確かにずん子の提案は魅力的だ。

 断る理由など一切存在しないし、相手が行為を許してくれてるのなら素直に言葉の意味をそのまま受け取っても問題ないはず。

 ここで理性的に断っても俺が損をするだけだ。彼女たちの熱弁で『俺に感謝をしている』という事実が判明した以上、変に疑ったりはせず甘えてしまうのが吉。

 自分にしてきた性的な行為をダシに俺を脅してくる可能性も考えたが今回そこは考慮しないことにする。疲れるし。

 ラブコメの主人公じゃあるまいし、ここで性的な魅力のある提案を一蹴するのはバカのすることだ。

 えっちなことばんざい。

 これでハーレム完成だぜ。

 あくまで彼女たちが抱いているのは感謝の念であって、実際の好感度の程は定かではないが、少なくとも物理的な壁は崩れたわけだ。

 ゲームでやっていたような神のハーレム展開すらも、俺の指示一つで実現可能になってしまったらしい。ひゃっほい。

 

「…………」

 

 ──だが、少し待ってほしい。

 俺がまず最初に行いたかったのはあくまでメスガキのわからせだ。

 例えばなんでも言うことを聞いてくれるアカネチャンに『メスガキのフリをして』と頼んでから分からせてもそれは所詮俺の要望に則った"ごっこ"でしかない。

 理性的な問題ではなく、俺がちゃんと気持ちよくなれるかが重要なんだ。

 

「……じゃ、ずん子には後でやる耐久配信に付き合ってもらうからな」

「えっ? ……う、うん」

「頼むぞ」

 

 というわけで今夜の儀式は後のお楽しみに取っておくことにするぜ。

 ボイスロイドたちの前では弱そうに振る舞って、油断したアイツらが俺を舐めてかかった瞬間に、渾身の大人棒で全員堕としてやろう。

 ふはは、楽しみだ!

 

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