Nighthawk 作:憑き燈
「は?全国模試?」
「そうだ。諸事情で全国順位一桁をとらなきゃいけなくなった」
上杉が唐突に話を切り出した。
どうせ五つ子絡みだろうな。しかし
「あー、まぁいけるんじゃない?今度のやつって、どうせ例のあそこの模試でしょ?まともな浪人生とか進学校は大体スルーしてるはずだし、難易度もそんなに高くないから」
「お前なぁ……」
やろうと思えばいけるレベルだろう。これが某〇台全国とかなら厳しいけど、幸いなことに低難易度な模試だ。
「当日僕は欠席するからね~。今年は実戦とオープンとプレだけ。あ、終わったら数学の問題だけ見せて!」
「お前はとことん自由だな!」
「苦労してる受験生を、同じ受験生の立場から嘲笑うのが受験の醍醐味だろう?」
「クズすぎる……」
「じゃ、またしばらく数学雑談はお休みかな?頑張ってね~」
「あぁ」
僕は僕で、やりたいことが色々あるんだ。
「で、模試はどうだったの?」
「全国3位だ」
「ふーん。上々じゃん」
「もう少し驚くとかないのか?」
「ごめん。あんまり興味がない」
「おい!」
「まぁまぁ。落ち着いて」
「……あぁ、そういえば、アイツらも成績上げたんだよ」
「例の五つ子ちゃんたち?」
「そうだ。案外、なんとかなるもんだぞ」
「それこそ興味がないね」
「何?」
「結局どこまでいっても、バカが凡人に成り上がった物語にしかならない」
「っ!確かにあいつらはバカかもしれないがな!」
「そこが、君と僕とを分ける分水嶺なんだろうさ。君は変わったよ。それが良い変化なのか、悪い変化なのかは知らないけどね」
「お前まで、武田みたいなことを言い出すんだな……俺は、この変化を良い変化だと断言できる!」
「あんなのと一緒にされるのは心外だけど、君がそういうんならそうなんだろう。どちらにしろ、僕には関係のないことだ」
「そうか……」
そろそろ潮時だな。
「僕はね、上杉。最近君に対する興味が徐々に薄れてきてるんだ。ここらで一度、縁を切ろうじゃないか」
「……は?」
「だから、絶縁だよ絶縁」
「ちょっと待て!ほぼ唯一と言っていい男友達が」
「友達?」
「……え?」
「僕は君を友達だと思ったことは一度もないよ」
「っ!じゃあ!今までのは一体なんだったんだ!」
「僕はあくまで仲間……いや、ある種の同類を探してただけだ。君はもうそこから外れかけているんだよ、上杉君」
「そんな一方的なっ!」
「最初に一方的に絡んできたのは君の方だろう?ハジマリが一方的なら、オワリも一方的であるべきだ。その方が面白い。今日からはただのクラスメイトだ。改めてよろしくね、上杉君」
「狂ってやがる……」