ゆるホロの日常。   作:窓風

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やっと本編?日常章です。
「大体こんな日常。」はこんな風に書きたいな(小並感)っていうウォーミングアップの章(のつもり)ですので、メインの日常章はここからになります。

実は初めて書いたの季節モノ。

UA10000overあざます!!!これからも楽しく妄想していきます!


ゆるっとダイアリー
お前のハロウィン何味?


 

 

 

 

 

 

 

この学校はちょっと変わっている、と思ったのはちょうど1年前。武術王、魔術王決定戦はまた別だが、クリスマスとかの世界的イベントを学校規模で好んで行うのだ。

ハロウィンも例に漏れず、10月31日の今日一日のみ、授業は通常通りあるが例の合言葉を教師陣に言うと、お菓子かそれに相当するモノをもらえるという学生にとってはfever dayになっている。逆に言うと教師陣の負担が半端ない日でもある。特にちょこ先生は涙目で配るもんだから罪悪感がある。それもまたいいが、流石に可哀想なので俺は遠慮しておいた。中には自ら悪戯を好む教師もいるとか……。この学校大丈夫か?

 

ま、そんなわけで今日は鞄にお菓子がまあまあ入っている。今日の授業も終わり、学校でのfever dayはもう終わりを迎えようとしている。ただし俺の場合はここからが戦場と言ってもいい。理由はお分かりだろう?

 

「杏ー、なんかお菓子ちょーだい。」

「もう少し可愛く言えないのかお前は。」

 

もはや日常の一部と化した来客。今日も学校から帰るとすぐにインターホンが鳴り、勝手にドアが開いたと思ったらシオンがブツ(お菓子)を寄越せと言わんばかりに右手を差し出してきた。渡すこと自体に不満はないがせめてtrick or treatくらいは言って欲しい。

 

内心文句を言いつつも、この時のために買いだめしておいたお菓子を渡す。菓子棚からチョコ玉を1箱取り出してシオンに渡すと、一瞬嬉しそうな顔をするがお菓子が気に入らなかったのかぶー、と文句をを言う。

 

「えぇー、シオンチキンナゲットが良かったなー。」

「ここはWac(ワクドナルド)じゃねぇ。」

「ま、仕方ないからもらっといてあげるー。」

 

俺の下腹部に紫色の魔法陣を一瞬展開させるとそれで本人は満足したのか、箒に乗って帰っていった。上着を捲って下腹部を確認するが特に何かされたわけでもないようだ。なんなんだ。

 

「「先輩ー!」」

 

シオンの謎行動に?を浮かべていると早くも次の来客が。ドアを開けるとねねポルがキラキラした目でこちらを見ている。

 

「今日は先輩からお菓子もらえる日だって聞きました!」

「ちなみに誰から?」

「トワ様。」

「あの人は…………。」

 

俺を困らせたいだけだろ。そういうとこ悪魔。また菓子棚から2個入りのペェの実を2袋出してねねポルに渡すと、元気にお礼を言ってスキップしながら帰っていく。おまるんなんて尻尾振ってたぞ。可愛い後輩達だ。

 

さて俺も何か食べようとした時、また来客が。ドアを開けると上級生の悪魔と天使が俺を見上げるように立っていた。

 

「こんかなたー。愛川君お菓子はー?」

「こんやっぴー!悪戯していいー?」

「直球ですね。」

 

また菓子棚を開けてチョコペェを一つ取り出してかなたさんに渡す。トワ様には筆箱から出した油性ペンを渡して右の手の甲を差し出す。

 

「え、愛川君これどういうこと?」

「そのままです。come on treat。」

「良かったねートワ。悪魔的所業の見せ所じゃん?」

「去年もそうだったじゃん!何?トワにはお菓子あげる価値がないってこと!?」

「いや、俺がトワ様の悪戯を受けたいってだけです。」

「えっキモ。」

「どうも。」

「強い。」

 

なんだかんだ言いつつも手の甲に落書きをしてくれるトワ様はマジ可愛い。そういうとこやぞ。はい、とペンを返されて手の甲を見るとトワ様のサインが書かれていた。これは……。

 

「トワ様の眷属になったみたいですね。」

「うぇ、あそっか…………。」

 

自分のやったことを考えトワ様は何を思ったのか、俺の右手を掴み手の甲を一発ペチンと叩くと「じゃあね!」と帰ってしまった。それを追うようにかなたさんもいなくなり、なぜ叩かれたのかわからない俺だけが取り残される。もしかしてトワ様恥ずかしくなったった?

 

トワ様の可愛さを再認識したところでまた来客。ドアの向こうには夏色吹雪。

 

「あいよ。」

「トリトリ!!」

「お菓子はねぇのら!」

「断定すんな。ちゃんとストックしてっから。」

 

フブキはルーナ姫の真似をなぜしたかわからんからスルー。もはや開けっ放しになってる菓子棚から原氏パイを2袋取り2人に渡す。すると俺の右手の落書きに気づいたフブキが何か物申したいことがあるようで、ジローッと半目で見つめてくる。

 

「えと、白上さん?」

「杏君、右手のサインは何?」

「トワ様の悪戯。」

「ふーーーーーーーん……………………。」

「お、ペンあるじゃん。悪戯しちゃお!」

「えっ、まつりおい!」

「フブキ両腕押さえて!!」

「あいよぉ!!」

 

妙に息の合った連携で上着を脱がされ、両腕を押さえられる。下手に動くと何されるかわからない、というかフブキの顔が近いためジッとする。すると頸の辺りにペンで何か書かれる。これは…………サイン?なんでまた。

 

「あ、もうちょっと屈んで。」

「あっハイ。」

 

微妙に書きにくいみたいだから言われた通りにする。

 

「はい、フブキ。」

「ん。」

 

描き終えるとペンはまつりからフブキに、変わらず両腕は押さえられたままで、左頬に落書き…………いやこれもサインだな。どうして。

 

キュキュッ、と描き終えるとようやく解放される。これで右手の甲、左頬、頸の3ヶ所に3人のサインが書かれたことになる。

 

「でなぜサインを書いたんだい?」

「杏を自分のモノって宣言してるようなものだからねぇ〜。トワちんが意識してやったのかはわからないけど。」

「あー……やっぱ?」

 

いや確かにその線も考えたけども。俺に限ってそんなことはないだろうと高を括っていたが、多少なりともそういうのはあるようだ。別にそれが嫌というわけではない。むしろありがたいくらいだ。ただ中学3年までの間で4回失恋を経験してるためその辺の感情がわからなくなってしまっているのが少しアレだが。どうも反応に困る。

 

「あと寄せ書きとかでも自分の名前書くでしょ?」

「俺は色紙じゃねぇのよ。」

 

そんなこともないのかもしれない。

 

じゃーねー、と夏色吹雪が帰るのを見届けてドアを閉めてハッとする。これじゃtrick and treatやんけ。あいつらだけなんか得しやがった。今度は俺がサインでも書いてやろうかと思った矢先にまたインターホンが鳴る。ホント今日に限って来客が多い。

 

ドアの向こうには………ってあれ?誰もおらんの?まさかこの時代にピンポンダッシュか?

 

と思った矢先、目の前に青白い鬼火が湧く。急に湧いたもんだから流石にビビる。と同時に悪戯の犯人も判明。しばらくしてこなかったからすっかり忘れてたわ。

 

「いい反応いただきましたぁ!」

「お前このっ。」

 

階段の陰からひょっこり顔を出したあやめのおでこを人差し指でツンっと小突くと、「あだっ」と小突かれたおでこを抑えて不服そうな顔をする。いや、先に仕掛けたのそっちよ?

 

「あーあ、お菓子あげようと思ってたのになー。悪戯されちゃあしゃーないなー。」

「あぁぁ!!ごめん!ごめんなさい!許してよぉ……」

 

すでに用意していたピーチ味のグミ一袋をチラつかせると、手の平ドリルで縋ってくる。よほどお菓子が欲しいのか手を伸ばしてくるのでグミを高い位置に持っていくと、ついていくようにあやめの手も上に伸びていく。はっはっは、かわ余。てか近い余。

 

「まぁ別にいいんだけどさ。ほい。」

「え、いいの?!やったぁ!!」

 

特に問題ないためグミをあやめに手渡すと、嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。ちょっと前にミオに「あやめに少し甘くない?」と言ったが俺も人のこと言えないかもしれん。まぁ可愛けりゃええか。

 

「お?ほっぺたどうした?」

「さっきフブキにやられた。あと頸がまつり、手の甲がトワ様に。」

「じゃあ余も書くー!」

「うっそだろ。」

「箔押しと直筆どっちがよい?」

「200%直筆。てかポストカードじゃねぇよ。」

 

フブキのサインに気づいたあやめが書きたいと言うので渋々了承。一体どこに書くのやら………いやおでこかい。

 

「さっきつつかれたお返しだよー。」

 

いやさっきのは鬼火の仕返しだったんだが、と言いかけて飲み込む。たぶんキリがない。あと顔近いって余さん。

 

「はいオッケー!ばいばーい!」

 

サインを書いて大満足したあやめはご機嫌に鼻歌を歌いながら帰りましたとさ。結果、treat and trick and treatとなりよくわからんことになった。終始可愛いからもう別にいっか。

 

 

 

 

「愛川君お菓子あるのらー?」

 

「先輩、trick or treatです!」

 

「愛川様ぁ〜………お菓子を恵んでくださいぃ〜……………」

 

「杏君お菓子ー!」

 

「悪戯しにきたよ〜。」

 

「かぷかぷされたいイケナイ子は誰かなー?」

 

 

 

 

と1人又は2人の来客が絶えない時間が30分以上続いた。ちなみに上のセリフは上からルーナ姫、るしあ、ちょこ先生、ノエルさん、おかゆさん、メル。他にもころねさんやぼたんさん、ミオにあくあなど本当にたくさん来た。AZKiさんが来た時は流石に心臓が飛び跳ねそうになったが。というかあれから身体中にサイン書かれるのだが?だから色紙じゃねぇんだって。

 

「すいちゃんはー?」

「今日も可愛いー!」

 

もう何人来たのかわからなくなった頃に、すいちゃんも来訪。お決まりの挨拶をしてチョコチップクッキーが5枚1組入ってるケースを渡すと、お返しのように2枚のチケットがすいちゃんの鞄から出てきて、そのうち1枚を渡される。中身はテーマパークの入場券だった。

 

「んぁ?すいちゃん、これ『revocパーク』の入場券?」

「そう。お姉ちゃんと行く予定だったんだけど、急用入っちゃってさ。折角だから誰か誘いなってことだったから。」

「え、それで俺と?そらとかおまるんって予定合わなかったん?」

「そーなの!なぜかみんな予定入っててさ。しかもこれ有効期限が今週いっぱいまでだし。」

「行くなら今週土曜か………。」

 

確か土曜は俺とすいちゃんは非番のはずだ。それに月一のパーティーはつい先週やったばかりだから特に何かやる予定は今のところない。しかしそらはともかくおまるんとかも予定が入ってるとはなんとタイミングが悪い。俺は別にいいんだがすいちゃんはどうなんだ………?

 

「………すいちゃんが良ければ、土曜日行くか?」

「えっいいの!?」

「お、おう。俺は構わないよ。」

 

すいちゃんは嬉しそうに詰め寄ってくる。近いです。なんか今日距離感近い人多すぎひん?

 

「やった!そしたら今週土曜日、駅に集合ね!」

「おっけ。時間は?合わせるよ。」

「朝9時集合!丸一日使って遊びまくるからね!」

「土曜日朝9時に駅集合ね。了解。」

 

携帯のメモ帳に詳細をメモしてチケットをもらう。白と水色と青の斜線が引かれたチケットを財布にしまい、用件が済んだとのことですいちゃんも帰るようなので玄関先で見送る。

 

「じゃまたな。」

「うん!じゃあね!」

 

心なしか足取りが軽そうに見えるが気のせいだろう。完全に見送りを済ませて部屋に戻りしばらく待つが、来客の気配はない。どうやらすいちゃんが最後だったようだ。

 

土曜にすいちゃんと2人でテーマパークに。………………あっ、これデートってヤツ?

 

「……………………………。」

 

……………いや、変に意識しない方がいい。じゃないと落ち着かない。とりあえず風呂入って整理するか。

 

ひとまず風呂に入るために上着を脱ぎ捨てて上裸になると、へその下に変な紋様があるのに気付く。下も脱いで下腹部を確認すると、紫色の字でサインが書かれていた。犯人はあの魔法使い(クソガキ)だ。あのとき遅効性の魔法かけてやがった。

 

「てかなんでココにやりやがった!色々ギリギリだぞ!」

 

もちろん他のサインと同様に、洗えば薄くはなれど完全に消えるのに3日かかった。

 

身体中のサインについては消えるまでの間クラスメイト達に「どういうことや!」と質問責めにされるのが目に見えたため、必死に言い訳を考えるハメになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「いひひっ♪」

 

沈みかけの陽を背にご機嫌な星が住宅街を駆けていく。胸中に秘める想いは一体なんだろうか。知り得るのは当人である彼女だけだ。

 




来客全員分書きたかったけどたぶん一万字超えると思ってセーブしたけどそれでも4000字オーバー。妄想って怖いねぇ。

とある方の小説のすいちゃんとのデート回に触発されたので追々すいちゃんとのデート回出したいと思ってます。
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