ゆるホロの日常。   作:窓風

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大体こんな日常。3

 

 

 

今週の土曜日はバイトもなし。こんな日は昼近くまでダラダラ寝ていたいよな。脳が起きてからかれこれ2時間は過ぎている。布団はとても恐ろしい生き物よ。しかし夕方にはフブキと誠が来るし適当に買い物に行っておきたい。そんでせっかくスーパーまで行くならあそこのラーメンを食べたい。決まりだ。

 

「よっし!買い物じゃ!」

 

顔を洗い歯を磨き、サッと私服に着替えて財布が入ったショルダーバッグを持ち外に出る。天気は良好、気温も問題なし。そんじゃ買い物にレッツゴー。あとタイガのちゅ〜るも買わんとな。

 

自転車で走ること15分。大きい通りに面したそこそこの大きさのスーパー…………の裏の路地の一角にあるラーメン屋。去年の買い物帰りにふと見つけたこのラーメン屋は、達筆な白字で『麺屋 ぼたん』と書かれた赤い暖簾がかかっており、店内に入ると質素な店内と美人店主が客を迎える。

 

「いらっしゃい。お、君か。」

「どもです。」

 

店主の獅白ぼたんさん。集中しているときの眼光は百獣の王そのもの。しかし普段は意外とゆるい感じの気のいい姉御だ。見え隠れするクールな雰囲気がとてもたまらない。余裕のある大人の女性。

 

「いいタイミングで来たね。ちょうど新作を作ってるとこだったんだ。試しに食べてみてくれない?」

「新作ですか。どんな感じなんです?」

「羊の骨から出汁を取ったスープとチャーシューの代わりに薄いラム肉を合わせたラムラーメン!味見はまだしてない。」

「してもろて。」

 

カッカッカッと笑いながら茹でた麺を湯切りする獅白さん。湯切りした麺をスープが入ってる丼に投入し、ネギとメンマ、海苔、チャーシュー風のラム肉を盛り付けていく。何度見てもいい手際だ。

 

「そうそう、ラミちゃんはどう?うるさくない?」

 

ラミちゃんというのは雪花ラミィさんのことだ。実は同じアパートの2つ隣の部屋に住んでいるOLのハーフエルフで、水色のロングヘアはとても美しい。酒(特に日本酒)が好きで部屋からは「おしゃけ〜」や「ししろ〜ん」など聞こえてくるため、なんかふわふわした印象を持っている。獅白さんがたまに遊びに来ていて、その度に(主にホラーゲームで)とてもいい悲鳴をいただいております。

 

「いえ、全然気にしてないですよ。むしろ愉快で聞いてて楽しいです。」

「ならよかった。はいよ、試作羊1号お待ち。」

「名前変わってません?」

 

出されたラーメンから漂うとても香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。とても食欲をそそられる。

 

「空きっ腹に効くでしょ?」

「えぇ、とても。ではいただきます。」

 

箸を取り手を合わせて合掌。すべてのわためぇに感謝を込めて。

 

 

 

 

「なんか寒気するぅ!」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

獅白さんのラムラーメンはとてもおいしくいただきました。スープまで全部美味かったので丼は空にしてきました。おかげで少し喉が渇いてます。美味しいラーメンを食べた今は、本来の目的である買い物をしている。と言っても主にお菓子類だが。

 

「ポテチは大きいの1つ、あとチョコレート系を………」

「あとワタシにも1つ頼むよ〜。」

 

菓子入れにしている引き出しに入ってた物を思い出しながらカゴにお菓子を入れていると、背後から若干カタコトな言葉で追加注文された。振り向くと俺よりも高い目線(といっても5,6cmくらいしか変わらないが)から見下ろすドラゴンが仁王立ちで立っていた。

 

「あまり高いのにしないでくださいよ?ココさん。」

「わーかってるって!」

 

同じ学校の1コ上の先輩、桐生ココ。聞くところによると身長180cm、Pカップ。これでも気合いで人型を保っている状態らしい。知り合いにデカイ人がいるけどいや充分デケェ。ジャージ越しでもわかる。日本語はカタコトだが物騒な言動もあるため、一部では極道のモンじゃないかとまで噂が立っている。今までドスとかチャカとか見た気がするけど気のせいですよね(震え声)。

 

「いたいた。デカイくせにすぐいなくなるんだからココは。」

「おめーが小せぇんだろかなた。」

 

ココさんの後ろから頭に手裏け……天使の輪を浮かべた小柄な(ココさんと並ぶとより一層小柄に見える)天使が買い物カゴを持って現れる。ココさんと同学年であり生徒会役員でもある天使の名は天音かなた。ココさんや他数名の同学年と特に仲が良く、見た目によらず握力は50kgもあるのだとか。たまに悪そうな顔も目撃されるため、天使ではなく悪魔かゴリラなのではないかという噂もある。

 

「愛川君もココに甘すぎ!」

「じゃあかなたさんにも何か奢りますよ。」

「あ、じゃあこれを………って違ーう!」

「オイオイオイオイ、可愛い後輩君がワタシらに尽くしてくれるって言ってるのにそれを断るのかァ?」

「言い方!それよりも買うもの全部入れたから会計すんぞ!」

 

学校でもよく繰り広げられるかなココ(オフver.)を眺めていると、かなたさんの持つカゴに鰹節やタコ足が入ってることに気づいた。

 

「お、タコパでもやるんですか?」

「おうよ。ワタシん家でな。お前も来るか?」

「残念ながら、俺もこの後友達が遊びに来るんで。また今度やりましょう。」

「ココ置いてくぞー!」

「わーかったよ!じゃ、また会おうぜ舎弟。」

「はい、また。」

 

互いに拳をぶつけ、ココさんはかなたさんを追ってレジの待機列に消えていった。今度は是非タコパに参加したい。

 

ドリンクコーナーに行き追加で2Lのジュースと500mLのコーラをカゴに入れ、アイスのコーナーに向かった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「なんでもう部屋にいんのかね?」

「おーっす。」

「お邪魔してまーす!」

 

買い物から帰ってくると部屋の鍵は空いていて、中からゲームを楽しむ男女の声が聞こえた。ドアを開けてみれば、誠とフブキが大乱闘していた。人のゲームをまぁ勝手に……。

 

「これはフブキのだ。お前のはなんもしてない。」

「持ち込んじゃったぜぇ!」

「いや別にいいんだけどさ。」

 

テンションが上がっているフブキを見つつ、買い物袋からお菓子やらアイスやらを引き出しや冷蔵庫にぶち込む。米は買い物に行く前に予約炊飯したから……よし、炊けてる。

 

「あ、来たときにはもう炊けてたから混ぜといたぞ。」

「お、サンキュー。」

 

炊けた米を確認して、2階のミオの部屋に行く。インターホンを鳴らすと部屋からパタパタと足音が聞こえ、ドアから髪を後ろで縛ったエプロン姿のミオが出てきた。

 

「よ。」

「愛川君!ちょうどよかった。お願いがあるんだけどいいかな?」

「おーけー。」

 

ミオの部屋に上がると、女の子の部屋らしいいい香りと飼い猫のタイガが俺を出迎えた。いつも「よぉタイガ。」と声をかけると短く鳴いて返事が返ってくるのは気のせいだろう。てかタイガはホント何回見てもデカイな。キッチンには鍋が温められており、今日の晩御飯であるすき焼きがその中に詰まっていた。

 

「お、これはまた美味そうだな。」

「そうでしょー。味見はまだなんだけど。」

「いやしてもろて。」

「嘘だって。」

「じゃあこれ持ってけばいいな?」

「うん、お願いしていい?」

「任せろ。」

 

クスクス笑うミオとそんなやり取りをして、鍋を俺の部屋まで運ぶ。両手が塞がっているため、ミオにドアを開けてもらう。

 

「テーブルの上にあるのよけてくれー。」

「鍋敷き置いとくね。」

「お、サンキュー。」

 

誠がテーブルの上の物をどかしてフブキが鍋敷きを置き、その上に鍋を置く。そして食器棚から人数分の皿と箸を出す。

 

「えーと、1、2、3、4、5………5?」

「お邪魔しまーす!」

「確かに4人にしては量多いなとは思ったけど、お前かまつり……」

「フブキと誠君から聞いて急遽参加しようと思ったの!」

「ミオは?」

「まつりちゃんが来ること聞いてるよー。」

「俺に連絡が来てないんだが?」

 

みんなで目を合わせて。

 

「「「「……ドッキリ的な?」」」」

「(ため息)…………まぁいいわ。ゆっくりしてけな。」

 

いぇーい!と夏色吹雪でハイタッチをする。頼むから連絡網に俺の名前を追加してくれ。

 

「じゃあトータル5人な。まつり、冷蔵庫から卵5個取ってくれ。」

「えー、まつりお客さんだよー?」

「働かざるもの」

「わかったよ、冗談だってー。」

 

まつりは笑いながら冷蔵庫から卵を取り出し、並べたそれぞれの取り皿に置いていく。その間にフブキがご飯を盛ってくれていた。助かるラスカル。唐突な追加メンバーだったが、これで晩御飯の用意が完了した。5人でテーブルに囲み、鍋の蓋を開ける。白い湯気とともに肉や野菜、椎茸などが姿を現し、一同の目はキラキラしている。

 

「じゃ、食べますか!」

「だな。」

「それでは手を合わせて、」

 

「「「「「いただきます!!」」」」」

 

 

ご飯の後はゲーム大会が行われ、レディースはミオの部屋、野郎は俺の部屋で夜を明かした。

 

 

 

 

 

 

「そういやどうやって俺の部屋に入った?鍵かかってたよな?」

通りすがりの天才魔法使い(お前をよくいじってる後輩)が魔法で開けてくれた。」

「あいつ…………」

 

 

 

 

 




とまあこんな感じでゆるく書いていこうかなと思ってます。
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