設定通りだと、山田世代が全員引退とかになるので。……なお岩田さんは90超えるらしいです。
「では、発表しよう。最初の一人は、東京スーパースターズから。誰もが知るスーパースター! 花は桜木、男は岩鬼。岩鬼正美じゃ! もちろん打順、ポジションは一番サードで岩鬼じゃあああっ!」
岩田監督が真っ先に紹介したのはタレント揃いの激戦区サード。強打者だらけの内野最激戦区だ。その中でも、人気実績能力で別格とも言える存在……それが東京スーパースターズ所属の岩鬼正美だった。
走力の速さに、鬼肩とも呼べる肩の強さ、守備の上手さに加え、プロ通算三割を超える打撃は長打力をも合わせ持つ。まさに別格の存在だ。ど真ん中を打てないという弱点があってこれだから規格外もよいところだろう。
◇◇◇
「きたあああっ! いの一番にワイを選ぶとこは、さすが岩田鉄五郎はんや。わかってるのう」
満面の笑みを浮かべ、岩鬼は山田太郎の背中をバシバシと叩く。
「だね。おめでとう岩鬼」
「さすがズラ。岩田鉄五郎はもう岩鬼の操縦桿を掴んだズラな」
殿馬が褒めたのは岩鬼ではなく、監督の方だった。
「上手いよな。伊達に歳は食ってない」
里中悟も頷き、微笑三太郎はその名の通り微笑んだ。
山田太郎、岩鬼正美、里中悟、殿馬一人、微笑三太郎。彼らは明訓五人衆と呼ばれる高校時代からのスーパースター選手である。甲子園に五度出場し、四度優勝。プロ入り後もそれぞれがタイトルをとり、そして今はまた同じチームに所属している。また、打倒明訓、打倒山田太郎を目指した同級生の多くがプロ入りし、各球団の主力となっている。まさに大当たり中の大当たりの世代だ。
彼ら山田世代は今年33歳になる年であり、ベテランの域に入っているが、まだまだ進化中で、未だ全盛期と言えるだろう。
先程東京ミラクルキャプテンズで話題になっていた代表全員山田世代というのも十分に考えられる最強世代と言えた。
「岩鬼には、ダイナミックなスケール感溢れるプレイをしてもらいたい」
岩田監督に言われるまでもなく、岩鬼が岩鬼らしくすれば、ダイナミックかつスケール感溢れるプレイになるだろう。
◇◇◇
「やはり山田世代からか。最初に呼ばれたのはサードの岩鬼さんでしたね」
「そりゃそうだろうな。走攻守を全てがとんでもなく高いレベルのスーパースター選手だからな。サンデースピリッツの新田明男さん【タッチ】や橘英雄【H2】も攻守において素晴らしいけど、やはり岩鬼さんは別格だろう」
同じ三塁を守る谷口は心からそう思う。体格に劣る谷口には岩鬼のような豪快なプレイは真似は出来ない。
「俺っちからすればサードはダントツでキャプテンなんですけどねぇ……」
谷口の一個下の後輩で、中学の頃からの谷口信者である丸井にとってサードは谷口しか考えられないらしい。
「そう言ってくれるのは嬉しいが……」
谷口は頬をコリコリとかき照れを隠す。
「一度……いや二度か? 野球を辞めようとした人間からすれば、今こうしてプロでやれているのが不思議なくらいさ。とても代表なんて考えられやしない」
谷口は、中学時代、王者青葉学院との再試合において、指を骨折。指が曲がったままになりボールを投げられなくなったことで一度野球をやめているが、結局復帰している。
また高校三年時には一度は野球を引退し、スッパリとやめるつもりだったのだが、周囲の説得で予備校にかよいながら母校墨谷の監督に就任。甲子園に墨谷を導いた後、大学へ進み現役復帰。その後の活躍もあり東京ミラクルキャプテンズの一位指名をうけプロ入りしている。
「ぶっちゃけカズマサはどう思う。この超日本代表」
谷口達と同じ部屋の片隅で固まって座っている三人組の一人。褐色の肌をもつ一人……デレック井慈田【おれはキャプテン】が流暢な日本語で尋ねた。彼の父はアメリカ人、母は日本人のハーフであり生粋の日本人なのだから当たり前だが。
「まあ俺は関係ないだろうが、デレックはあるんじゃないか。あと蝦名も」
問いかけにこたえたのは霧隠
「俺の見立てでは、ショートは人材難だ。……まあ、難は言い過ぎだけど、内野では一番層が薄いからな。各ポジションに人材がいる山田世代の弱点だな。まあ……俺のポジションであるキャッチャーは……山田太郎さんを初めとして、先輩達がヤバいからなぁ……」
霧隠がしるよしもないことだが、このポジションの偏りは、どうしようもない。
何しろ漫画の主人公が多いのは圧倒的にピッチャーで、あとはかつての四番サードの流れからサードに人材が集まる。
またピッチャーが主人公の場合、ライバル選手は同じ投手か、もしくは野手なら三塁か一塁の強打者というのが多い。
また捕手は投手が主人公の場合、相方となるため、出番もキャラ数も多いため比例して能力の高い選手も多い。
「それでは、超日本代表選手の発表を続けます。まず捕手から発表させていただきます」
この言葉に皆が画面に集中する。
「超日本代表、代表捕手一人目……東京スーパースターズ所属、山田太郎。背番号は2。なお、先程の岩鬼正美選手は背番号5となります」
やはり、呼ばれたのは山田太郎だ。
「やったな。山田」
「ああ」
里中とグータッチを交わし山田は微笑む。
「なんや。やーまだも選ばれるんかい」
「当たり前だ。日本一の捕手だからな」
岩鬼のいつも通りのセリフに里中も当たり前のように返す。
「ほうか。だが、や〜まだもまだまだやな。日本一じゃ小さい。ワイは世界一のサードやで?」
これもまたいつも通りといったところか。
二話時点の超日本代表
監督 岩田鉄五郎【野球狂の詩 他】
捕手 山田太郎【ドカベン】
三塁 岩鬼正美【ドカベン】
なるべく水島新司オールスターズにならないように組んでいきますが、一定数は入ります。