ジャンプヒーローズ (集英社系)
サンデースピリッツ(小学館系)
ザ・マガジンオールスターズ (講談社系)
なお東京ミラクルキャプテンズは、出版社の枠を超えた存在としています。
「捕手は山田さんか」
「まあ、納得ですよね。岩鬼さんもそうでしたが、もう別格ですからね」
「高校時代は甲子園で四度優勝の明訓高校の四番打者で、ドラフトではなんと十球団が一位指名。捕手としても打者としても、超一流中の超一流。間違いなく代表の四番だろうな……ポジションは指名打者って可能性もなくはないだろうが……まあ捕手だよな」
最強捕手の山田太郎。欠点は超鈍足というところくらいだ。そんな彼からポジションを奪えるのか? 次に呼ばれる二人目の捕手は……。
「超日本代表、捕手二人目……サンデースピリッツ、佐藤寿也【MAJOR】背番号22」
右投右打の強打の捕手、佐藤寿也が二人目として発表された。所属チームではクリーンナップを任される選手で不動の扇の要だ。
「左の山田太郎に右の佐藤寿也か。まあ文句なしの選出だナ、カズマサ」
「そうだな。俺が監督でも二人を選ぶだろうよ。まあ、うちの海堂タケシさん【名門! 第三野球部】でも良かったとは思うんだけどな。打者としても捕手としても山田さんは無理でも佐藤寿也とは互角の勝負になると俺は思っている。同じ右打だし」
東京ミラクルキャプテンズの一軍捕手は、31歳になるベテランの強打者海堂タケシ、安定感のある二番手捕手で29歳の倉橋、そしてカズマサの三人だ。
まだカズマサはチームでは第三捕手に過ぎない。正捕手の海堂はクリーンナップを打つ強打者であり基本メンバーからは外れない。カズマサは蝦名の登板日以外は出番はなかなかない状況だ。
「なあ超日本代表って捕手二人かね?」
さっきから黙っていた蝦名富一【俺はキャプテン】がボソッと呟く。
「そこなんだよなぁ。第三捕手を置くのか、それとも捕手をできる野手を入れるのか……それによって変わるから。まあ、今後の発表待ちだな」
たとえば明訓五人衆の微笑三太郎は元々捕手であり、緊急事態時の捕手とする方法もあるだろう。
「今発表した山田太郎と佐藤寿也の捕手二人は同時に使いたいと思っているでな。そのつもりで用意してくれ」
岩田監督からチーム構想の一端が語られた。山田太郎と佐藤寿也の両捕手を同時に使いたいという。 山田太郎がスタメン捕手なら、佐藤寿也はスタメンで指名打者ということだろうか。その逆も当然あるだろう。
「これ、第三捕手あるんじゃね?」
「いや、捕手をできる控え野手って線も捨てがたい。次に誰が呼ばれるかだな。まあ、捕手なら海堂さんだろうけど……」
次の選手に注目が集まるところだ。
「次に内野手を発表します」
しかし、風間強化委員はいきなり内野手を発表するらしい。
「まずは、ジャンプヒーローズより、山田太一【ペナントレース やまだたいちの奇蹟】背番号96」
先程カズマサが指摘した層の薄いというショートの選手が呼ばれる。
「ショートはイガラシかと思ったけど、やまだたいちかー」
「山田太一は、ショートで30本を超えるホームランを毎年打っているからな。率は高くないが、一発のある打者はやはり怖いし、勝利への執着心も素晴らしい」
「それに守備範囲も異常に広いですよね。あと、リリーフも兼任していますからそこも込みかと」
野球漫画の登場人物には投打の二刀流選手は少なくない。
たとえば東京ミラクルキャプテンズでは、サードと投手を兼ねるキャブテン谷口、ショートと投手兼任のイガラシ、時には内野を守るサウスポーの井口【キャプテン、プレイボール】さらには高校時代の経験をいかして外野を守る蝦名……と言った具合に二刀流選手がいる。
チームは違うが山田太一は、プロ入りから投打兼任を十年も続けており、その事実が投打に置ける能力を示している。
ちなみに、岩鬼は二刀流ではないが、投手としては最高158キロを計測した事があるらしい。ウワサでは163キロもでるとか出ないとか。
「もう一人のやまだは、投げる可能性もあるからな。どっちの準備も頼むぞい」
当然岩田監督の構想にはリリーフやまだたいちも入っている。普段から二刀流なのだから当然だろう。
「続いて、内野手……東京スーパースターズ、殿馬一人。背番号4」
既に発表されている岩鬼、山田太郎に続き東京スーパースターズから三人目となる選手が呼ばれた。
殿馬一人……音楽の天才であり、その才能から生み出される数々の秘打を操り、また卓越した守備を誇る名セカンドである。
「多くを語るまでもない。殿馬には殿馬らしいプレイを期待している」
シンプルなコメントに信頼が現れている。
「セカンは殿馬さんか」
「ま、当然の人選ですね。殿馬さんは凄すぎるから」
「一番サード岩鬼、二番セカンド殿馬、四番キャッチャー山田太郎……まんま東京スーパースターズというか明訓。やはり明訓は凄いな……」
谷口の頬を冷や汗がたらりと伝わる。谷口が選手として届かなかった甲子園。その甲子園に五度出場し、四度優勝の明訓高校。
「優勝するわけだ……」
その凄さを年月を経た今、改めて感じる谷口であった。
「次はファーストかな」
「いいバッター多いけど、実績的に四国アイアンドックスの犬飼武蔵さんあたりかな?」
巨漢の強打者でありながら、複数のポジションを守る器用さも持ち合わせているのが、犬飼武蔵である。
「内野手……ザ・マガジンオールスターズ 結城哲也【ダイヤのA】背番号25」
しかし一塁手として選出されたのは大卒二年目の若手スラッガーであった。意外な選出に報道ブースがどよめく。
たしかにルーキイヤーだった昨年いきなり三割30本100打点をクリアし、将来が嘱望される選手ではあるが、かなりサプライズな選出と言えた。
「おっ、山田世代崩し。たしか元青道の四番」
「……結城哲也って冷静すぎて若手って感じがないけどな」
カズマサ達とは地区が同じだが、高校時代に対戦経験はない。
「将来は代表の四番打者となる逸材じゃと思うとる。山田世代が元気なうちに一緒にプレイしてもらいたい」
岩田監督からはそのようにコメントが出された。
「これは若手からの抜擢あるかもしれないな」
「そうですね。うちの若手もさっきまでとは違ってソワソワしてます」
「……イガラシ、お前も若手だろ……」
まるで人事のように言うイガラシに谷口は苦笑する。
「あっ、イケね」
高卒ルーキーから入っているせいか、元々のキャラゆえか。イガラシは年齢より老けた言動が多い気がする。
ここまでの作品別
【野球狂の詩】岩田鉄五郎(監督)
【ドカベン】山田太郎、岩鬼正美、殿馬一人
【MAJOR】佐藤寿也
【ダイヤのA】 結城哲也
【やまだたいちの奇蹟】山田太一(登録名はやまだ たいち)