魔法少女リリカルなのは〜ご都合主義な拳を持つ者〜 作:999の納豆
「……何処だここ?」
俺は一面真っ白な空間に、一人ポツンといた。
「てかっ、真っ白すぎて逆に眩しいな」
細目になりながら俺はそう言った。
ほんと何?この真っ白さ…。目が半分しか開けられない。
しかも、人が一人もいないから不気味に感じるぜ……。
「おーい! 誰かいないのかぁ!」
俺は大声をだして周りに呼び掛けたが、誰もいないのか返事がなかった。
「なんだよ。誰もいねぇのかよ……」
俺はそういい、地面?に横たわり寝ようとした瞬間、
「いやー。すまなかったのぉ、お主」
ポンッと突然なにもない所から、白いローブを着た爺がでてきた。
「うおぉ!? 誰だてめぇ!?」
俺はいきなりの事にビックリして、その爺に何者か聞いた。
「ワシか? ワシは神じゃ!」
デデーン!!
そんな効果音がつきそうな程のドヤ顔をした。ちょっとイラッときたが、まぁそれぐらいでは俺は怒らない。
「で、その『髪』が俺に何のようだ?」
「『髪』ではない! 『神』じゃ! このスカタン!」
あれ? 違ったの? だってあんたの頭、毛が一本もねぇじゃん。
「そんなの仕方ないのじゃ! 年がとるにつれ、毛が無くなっていくんじゃ!」
へー。でも、鼻のしたや顎の方なんてモッサモサじゃねぇか。
ダンブルドアもビックリする程の長さだぞ。
「うるさいやい! いいもん、ワシはダンブルドアよりも年上だから仕方ないもん!」
ヤメロ、キモチワルイ
「…グスッ(泣)」
泣いている爺はあまり見ても気持ちのいいものではないと俺は思う。いや、状況が状況だったら話は変わるが、泣くマネをするんだったら話は別だ。
……まぁ、どうでもいいかそんなこと。
「どうでもいいから早く本題に入れ」
「おぉ! そうじゃったわい! 危ない危ない」
ダルそうに言う俺とは逆に、神と名乗る爺はテンションが上がりながらそう言った。
どうにも人を殺した態度だとは思えないが……そこはやっぱり神様だから、人間如きなんぞに! とかなのか?
「で、早く本題に入れ」
「まあまあ、そんなに急かすな。順に説明するぞい」
「簡潔に頼むぜ。」
「分かっておるわい」
「お主はワシの手違いにより死亡。だからお主に転生の権利を与える。以上」
「簡潔にまとめてくれてありがとう。とりあえず、一発殴らせろ」
「えっ? ちょ、おまっ、待ってくれ!まだ話しに続きがグボラァ!」
爺を無視して俺は今撃てる渾身の一撃を爺の顔面にかましてやった。
鼻血とヨダレをぶちまけながら吹っ飛ぶ姿は、なんとも醜い姿なのだろうか……
「……お主! いきなり何するんじゃ!?」
ムクッとゾンビのように起き上がったあと、鼻血を出しながら涙目でそう叫ぶ神様。
おぉ、復活早いな。結構きまったと思ったんだけどな。さすがは神か?
「よせやい、照れるじゃないか」
しわくちゃな顔を赤く染めながら照れる
気色悪いったらありゃしないが、まぁこれで、手違いの事はチャラにしてやるよ。
「それで、続きを聞かせてくれないか?」
「すまんの……それで続きなんじゃが、さっきも言った通りお主には転生してもらう」
「へ~。あれか、二次創作とかのあれか?」
よくあるテンプレな展開だな。やっぱ能力とか貰えんのかな?
「そうじゃ。ついでに転生場所は『リリカルなのは』の世界じゃ!」
「お~。でもあそこって、かなり死亡フラグが立つような……」
PT事件とか闇の書とかあったけど、アレって原作の中でも主要人物たちだったから死ななかったけど、それ以外の人って死んでたよな?
……あれ? そう考えると結構危ない世界じゃね?
「大丈夫じゃ。特典は与えるし、容姿は別じゃ」
「やっぱ貰えるんスね特典とか」
ドンピシャな展開で喜んでいる俺が心の中にいます。
それに、特典貰えるって聞いてなんか安心したわ。まさかあんな危険な世界で何も貰えないで転生しろとか言われたら、俺絶対に原作関わる気なくなってたわ。
「といっても、一つだけじゃがな」
訂正、やっぱ関わる気なくしたわ。
なんで一つだけなんだ? テンプレだったら4つや5つ、普通に貰えるはずだと思うが……
「それについてじゃが……お主が来る前に、三人ここに来たんじゃ。それでそ奴らに特典を与え過ぎてしまっての……」
「三人って……(汗)」
この神様は何人自分のミスで殺したんだよ! お前その
あと何でソイツらだけにいっぱいあげたんだよ!? それじゃあ不公平だし俺の勝てる見込みが大幅に下がっちまうだろうが!?
「し、仕方ないじゃろ! ワシだって色々考えたりするんじゃからミスぐらいするわい!」
「あとさっきから心読まないでくれる!? 口に出していないのに質問に答えるとか反応してくるとビビるんだけど!?」
「仕方ないわい。だって神様じゃもん♪」
テヘッとぶりっ子みたいなことをしながらそう言う神。
うん。コイツ全然反省してねぇな。もう一発殴るか?
「スマン調子に乗りすぎた。だからその震える拳をどうか抑えてくれませんか?」
コンマのスピードでドケ座をする神はコイツぐらいだと思う。
「……はぁ。もういいよ。さっさと話を進めろこの駄神が」
「だ、駄神って……それはちょっと言い過ぎ…」
「生憎、俺はミスばっかする奴に敬意を表することはしねぇ。つまり、お前じゃダメだ。尊敬するに能わない」
「な、なんちゅー人間じゃこやつ……最初の態度とは全然違うわい」
俺の言ったことにたいして愕然としている神。
当たり前だろ。お前はミスばっかする奴とか下手な奴に~先輩とか言いたくねぇだろ。先輩っていう時は、それは尊敬している人にたいしてしか言わねぇんだよ。
つまり、お前には敬語を使う必要もないってことだ。
あーなんかもう心の中で喋ろっかな。どうせ心を読むんだし、そっちの方が楽だわ。
「どこで間違ったんじゃ…人間たちはいつこんな血も涙もない奴らになってしまったのじゃ……」
床に手をついて考え込む神。
そうだな、間違っていることと言えば、お前が『神』という役職についていることだな。うん、断言してやる。全部お前のせいだ。
「……もう嫌じゃ。こんな血も涙もない奴と一緒にいたくない」
「だったら早く話を進めろ。えーっと、なんだっけ、特典を決めるぞ最初に」
「カモンじゃ! さぁ、どんな素晴らしい能力でもお主に与えよう!」
「うおっ!? い、いきなり脅かすんじゃねぇよ!」
「ふぁふぁふぁ! まぁ、とりあえず言うてみ」
高笑いしながらそう言う神。
なるほど、よほど自身があるのか。ならdies iraeの全能力とか、白ひげの能力とかもいけるのか?
「そ、それは勘弁してほしい! 宇宙そのものが滅びてしまう!」
「冗談だ」
流石にそんな化物じみたものをご所望する気はないし、天下を取る気も戦争を起こす気もないしな。
「まぁ、もう決まってるから、今更考える必要もない」
「ほぉ、もう決まっておるのか! なにが欲しいんじゃ?」
そう言い、腕を組みながら俺の言葉を待つ神。
俺は息を吸い、数秒開けてから口を開いた。
「『
「……は?」
「えっ?」
俺のご所望に対しアホ面で対応する神。
なんでこいつこんなに驚いてんだ? なんでもいいって言ったじゃん。
「いや、たしかにそう言ったが……お主、本当にその能力が欲しいのか?」
「だから言ったんだろうが」
大体、これ以外欲しいものは今の俺にはねぇよ。
「えーそれはちょいと無理があるんじゃが……」
「うるせぇ。お前バカでも神なんだから、それぐらいどうにかしろよ」
唯一無二の死を得たいという渇望はない、永劫破壊もない、そんなことは百も承知だ。
でも俺はこの能力がいいんだ! この能力こそ、総てを終わらせることのできる絶対な力なのだ! というか、マキナ卿カッコ良すぎるからいけないんだ!
「できないでもないが……お主用に作らんといけなくなるから、少々時間がかかるぞい?」
そ、そんなもん、力を手に入れるためだったら10年でも100年でも1000年でも待ってやるよ! だからお願いします神様! どんだけ時間かかってもいいんで作ってください!
「まぁ大体30分ぐらいじゃがのwww」
「俺の一世一大の決断を返しやがれ!」
なんだよ30分って!? てかっ、カップラーメン六個できる時間で作れんのかよ!? お前まさかマキナ卿を……ミハエルさんをナメてんのか! もしそうだったら、俺のご都合主義の拳で……
「別にナメてはおらん。逆に神が30分もかからないと作れないとんでもない代物、ということじゃ。ちゅーわけで、早速作成にかかるからそこら辺で寝っ転がっとくとかするのじゃ」
それだけを言い残し、神は瞬間移動でもしたかのように、目の前から姿を消した。
ゴメンだけど、前の会話をした後に神が時間かけて作るものと言われても、いまいち神様パワーのスゴさが分からんのですよ。
「……とりあえず、半分だけ期待しといてやる」
どうせまるっきり同じ物になるとは期待してないし、まぁ精々オリジナルの10分の1ぐらいと思っときますわ。
そう思いながら、俺は大の字に寝そべってボオ~ッと、あるのか無いのか分からない天井を見上げた。
~30分後
「おぉーし! 完成したぞい!」
「やっときたか」
俺は起き上がりながら、若干ダルそうにそう言った。
だって30分間なにもしないで、ずっと天井見上げてたんだぞ? 疲れて当然だわまったく。
「なんじゃ、随分と反応が薄いのぉ」
「だってそこまで期待してねぇし……でも一応、お礼は言っとくぜ。ありがとう」
「一応が余計じゃが……まぁいいわい。お礼を言うだけでもマシだわい。
まぁそれはさておき、これがお主がご所望した『
そう言い、神は両手に持っていた物体を差し出してきた。
それは黒曜石のように黒色だが、ところどころ毒々しい紫色が光っているガントレットだった。
それも騎士用のガントレットで、大きさは大体肘と同じくらいの長さがあり、全体的細身のある形状だった。
「か、かっけぇ! むちゃくちゃカッコイイじゃんこれ!」
俺はあまりの感激に思わずそう叫んだ。
いやだってホントにカッコイイんだもん! 最初はもうちょっとゴツくて重たそうとかそんな考えだったけど、このガントレットってなんか全体的にスマートだけど、どことなく力強さが溢れてて、しかも色が黒だけど若干毒々しい紫色に光っている部分があって……神様、なんかバカにしてごめんな。
「ふぁふぁふぁ! いやいや、気に入ってもらえたみたいで何よりじゃ」
「いやマジで。ホントにありがとう……あと中々センスがいいな」
「よせやい、照れるわい」
顔が赤くなる神様だが、今の俺の感激にくらべれば気にすることなんか一つもない。やっべ、なんかもうこれでご飯三杯はいけるわ。
「それともう一つ、お主にいい知らせがある」
「いい知らせ?」
いやもうこれだけでいい知らせですよ。これ以上に興奮することって何もないですよ俺?
「それも今のうちじゃわい」
まるで悪奉行のように微笑む神は、再び消えたと思ったら今度はホワイトボードのようなものを、せっせと運んできた。そして、グルッとそのボードを逆向きにした。するとそこには、なにか書かれてあった。
「今から説明することは、特典が一つしか貰えないお主へのサービスじゃ」
「サービス?」
「うむ。それでは、一気に説明するぞい」
そう言い神はボードの右端っ子の方へと行き、懐から指示棒のようなのを取り出し、パチンッ! とボードの一番上に書いてある文章を指示棒で指した。
「サービス特典その一
渇望・永劫破壊が無くても発動できるようにしといた。
サービス特典その二
創造は発動できないが、詠唱さえすれば『覚醒』という形で創造位階を再現できる。
サービス特典その三
自分の意思で能力を発動させたい物を選択できるようにした。
――以上!」
「ま、マジか……」
あまりのチートさに逆に引いてしまった。
でも、このサービスはかなりいいな。これでもし、渇望と永劫破壊が無ければ初ドンできない、とか言われたら一生戦場の中で暮らさなければいけなくなるからな。
しかも、自分の意思で選択できれば周りを気にしないでも能力をフルで使うことができるからな! いや、例え偽物で弱体化していても、単体で
「と、いうわけじゃ。なにか言いたいことはあるかの?」
「んにゃ、なにもないぜ」
まぁ結論を言うと、文句なしってことだ。これなら特典一つでも、他の三人の転生者と互角に戦える。
……相手の特典や実力によるけどな。
「あい分かった……最後にじゃが、容姿はどうする? アニメキャラでもオリジナルでも、お主の好みにしてやるぞい」
「いいよそんなもん。あんたの好きに決めていいよ」
強いて言うなら、日本男児の平均ぐらいがいいかな。
「いいのかそれで? 上の上のイケメンにすることもできるんじゃぞ?」
「イケメンはイケメンで結構大変なんだぞ? 俺楽しく暮らせればいいから」
俺はヘラヘラと笑いながら、そう言った。
だって考えてもみろよ。イケメンは確かにいいかもしれないけど、結構大変なんだぜ? 女子からキャーキャー言われるし、男からは嫉妬されるは、いいことはそんなに無いと俺は思う。まぁ、俺も死ぬ前は大してモテもしなかったし、顔も平均より少し下ぐらいだったけどな(笑)
「……なら、本当にワシの好きなようにしてよいと?」
「あぁ。だからといって、ブ男にはするなよ?」
ブ男もブ男で、結構大変だからな……普通でいいよ普通で。普通が一番だ。
「(これはまた、欲がないのぉ。三人の内二人は銀髪だの金髪だのと、煩悩に塗れた奴らじゃったのに……なんか、こやつともう一人が可哀想に見えてきたわい)」
「それじゃあ、もう転生するのか?」
「!? お主が望むならすぐにでもできるぞい」
すぐにでもか……なら、早速行こうかな。貰ったものは貰ったし、これで他の転生者と互角に戦うことができるだろう。
でも、原作はそこまで関わりたくないかも……めんどくさそうだし。
「……まぁ、今後の予定は後でもいいか」
「ということは、早速行くということか?」
「おう! 頼むぜ神様」
「分かった。では転生後の説明を軽くするぞい」
そう言うと、神は転生後の説明を始めた。
転生後は俺が住むであろう家にいるだろうから、すぐにリビングへと行くこと。
原作の三年前に送られ、私立聖祥大附属に入学すること。
他の三人の転生者もその小学校に入学すること。
成人するまでは生活には困らないようにすること。
そして、原作に関わるかは自分次第ということなど、大して聞く必要もないことだったが、注意事項で三人の転生者の内二人は危険だということを念押しされた。
どんだけ危険なんだよ、その二人って……
「分かった、肝に銘じとくぜ」
「うむ、では二度目の人生を楽しむのじゃ」
すると、俺の体が光り始めた。
そして数秒後には、俺はこの空間から姿を消した。