魔法少女リリカルなのは〜ご都合主義な拳を持つ者〜   作:999の納豆

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第三話 人は見た目じゃない!大事なのは心だ!とか言ってるけど、医学的に人は見た目で相手の90%を判断するんだって。知ってた?

ルサルカと散歩して早3時間。

初めて見る建物や町並みに心躍らせながら見るのにも大分飽きた時、ちょうど日が落ちる一歩手前だった。

 

「にしてもいざ町に出て歩いてみると、ホントに転生したんだなオレ」

 

「なに今更そんなこと言ってるのよ?」

 

「だって俺の世界での転生ってさ、アニメや小説の世界だけかと思ってたもん。

それが今や、俺自身が転生者としてこの世界に生を得たんだ。そう簡単に信じられるわけないじゃん」

 

脳内で作り出す小説ではなく、俺という存在が一つの生命としてリリカルなのはの世界へ転生したこと。

そう思うと、生きるってのにこんなに感動するもんなのか、とつくづく考えてしまう。

 

「『私は今、生きているッ!』」

 

「ちょ、なにいきなり叫んでのよアンタ!?」

 

っと、あぶねぇ。感動しすぎて獣殿のセリフを言っちまったぜ。いや、もしくは『生きてるだけで最高さ!』にすればよかったか?

 

「『生きてるだけで最高さ!』」

 

「だから黙りなさいっての! 周りの視線がイタイから!」

 

おっといけねぇ、また心の中の言葉を言っちまったぜ。

 

 

 

「なんて清々しい笑顔をする子なんだろう……」

 

「生きてることがこんなに嬉しいって子も珍しいわね……」

 

「このまま純粋に育ってほしいわ……」

 

 

 

すると、なんか周りにいる奥さん方からヒソヒソとそんなことが聞こえてきた。

あーそういえばここって、町の商店街の中だったな。

……じゃあ俺って、人がたくさんいる中であんなこと言ったのか?

 

「やっべ。ちょーハズいんだけど……」

 

「隣にいる私だってちょーハズいわよ!」

 

顔をお互い赤面しながらそう言い合う俺とルサルカは、どこか微笑ましい光景だったと、後々噂として俺たちの耳に入ってくるとは今の俺たちが知ることもなかった。

 

そして俺たちは、赤面させながら商店街の中から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩くと、俺たちは綺麗な川が流れる川原へとやってきた。

 

「なんか商店街に行きにくくなったな」

 

「どうしてくれるのよ! ユウのせいであの商店街に幾度に「生きるって素晴らしいわよね」とか温かい目で言われるかもしれないのよ!?」

 

「そうか? 逆に、魚屋とか八百屋のおっちゃんからは「おい坊主! 今日も楽しく生きてるか!」とか言われて「これおっちゃんのサービスや! 持って行きな!」とか言われるかもしれないじゃん」

 

「そんなことあるわけないでしょうが!」

 

そんなたわいの無い会話を二人でして歩いていると、川原の傍で同い年ぐらいの男の子が、とても子供が出すとは思えない憂愁のオーラを纏わせながら、体育座りをしている光景が目に入った。

 

「な、なんだアイツ? とても子供が出すオーラじゃないぞ……」

 

「なにかあったのかしら……」

 

暮れる夕日を背後に体育座りをするって、あれが大人だったら悲しくてしょうがないぞ……

 

「……ちょっくら見てくるわ」

 

「はぁ!? なに考えてるの、っておいていかないでよ!」

 

ルサルカを無視して俺はその子供の方へと歩いて行った。

暮れる夕日を背後に体育座りをする子供はなんとも表現のしようがない光景だった。

しかしその少年は、自身が放つ憂愁のオーラとは裏腹に、百人が百人見ても将来イケメンになるだろう顔立ちに、銀色に輝く美しい、そしてトドメの赤と青のオッドアイ。

……うん。コイツ絶対に転生者だわ。

 

「おい、なにしてんだお前?」

 

だが、俺はそのまま銀髪の少年に話しかけた。

たとえコイツが神の言っていた要注意人物だとしても、今のコイツには誰かの助けが必要だ。だってもし俺がコイツの立場だったら、そうしてもらいたいもん。

故に、俺はコイツに話しかけた。

 

「……ん?」

 

短くそう言った銀髪はコチラに顔を向けたが、その美しい赤と青のオッドアイからは生気を感じ取ることはできなかった。

 

 

いったいお前に何があったんだ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――銀髪side

 

 

どうも皆。こんにちは。俺の名前は『天宮(あまみや) 劉牙(りゅうが)

一応、リリなのに転生した転生者だ。

ん? なんでそんなに元気がないって? ……色々あったんだよ。そう、色々と。

まぁそれだけじゃわからないと思うから、回想でもしてあげるよ。

 

 

それは今から数時間前のことだ……

 

 

 

 

~数時間前

 

 

俺は自分の嫁であるなのはを助けるために、なのはのいる公園へとやってきた。

しかし既にそこには、金髪赤目の英雄王似の男がなのはを口説いているところだった。

俺はすぐにそいつが転生者だと分かったため、俺はなのはを守るためその英雄王似の奴に食ってかかった。

 

「俺のなのはに手だしてんじゃねぇよモブ野郎!」

 

「それは貴様のことだろうが!」

 

しかし中々退かない英雄王似の転生者に、俺は苦戦した。無論、口論はどんどんヒートアップしていき、とうとうなのはが半泣きの状態になってしまった。

そんな時だった。

 

「おい君たち、彼女が怖がっているだろ? もうその辺にしたらどうなんだ?」

 

コードギスに出てくる『枢木スザク』にの幼少期に似た少年が、俺たちの間に割って入ってきてそう言ったのだ。

するとなのはが「助けて!」と言いながらその少年の背後に隠れたのだ。

それにより、俺と英雄王似の転生者はなのはに話しかけた(今思えば勘違いしていた)ことに頭に血が上り、そのスザク似の少年に殴りかかっていった。

 

 

――しかし、

 

 

「もう彼女に関わるな!」

 

結果、俺と英雄王似の転生者は惨敗した。

おまけにスザク似の少年は、なのはの手を引いてあろう事か一緒に公園から出て行ったのだ。

そこでまた、俺と英雄王似の転生者の喧嘩が始まった。

 

「お前が邪魔するから、なのはが行っちまったじゃねぇか!」

 

「はっ! それは貴様のせいであろうがモブ!」

 

ギャーギャーピーピー! と、今思えば非常に喧しかったが、その時はそんなことも考える暇もないくらい英雄王似の転生者に俺はキレていたのだ。

そして、もう口論ではお互い退かないと思った俺たちは、とうとう戦闘体制に入ったのだ。

 

「もう我慢できねぇ! ここでお前を潰して、二度と原作に関わらないようにしてやる!」

 

「はっ! やっぱり貴様も転生者だったか! なら話は早い!」

 

俺たちはお互い後退し、向かい合うような形になった。

そして、神から貰った能力をお互い発動した。

 

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)!」

 

投影開始(トレース・オン)!」

 

俺は無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)。英雄王似の転生者は王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)と、お互いfate系の能力でもトップランクだったことには驚いたが、俺は「原作でもエミヤの能力が勝ったんだ。お前の負けだ!」と叫びながら、投影した『干将・莫耶』を両手に持ち王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)に突っ込んっでいったのだが……

 

「ふはははッ! 命はだけは助けてやる! その代わり二度と原作に関わろうと思うな! ふははーはははっはははははッ!!!!」

 

「……」

 

これまた無様に負けてしまった。それもそうだ、士郎だってこの能力を使いこなすのにどれくらいの時間と修行をしたと思っているんだ。

 

そう思いながら地面の上で寝そべっていたら、英雄王似の転生者はいつの間にか公園から退出しており、公園の中には俺一人しかいなかった。

 

「……帰ろ」

 

それからだ。俺のテンションが下がったのは。

俺は自分でも分かるくらいの負のオーラを出しながら歩いていき、そしていつの間にか河原があるところにまで歩いて来ていた。

 

 

――そして、今にいたる。

 

 

「(ボ~ッ)」

 

もうかれこれ2時間もボ~ッとしている。日もだいぶ落ち、そろそろ帰ろうと思った。

 

 

 

 

その時――

 

 

 

 

『おい、なにしてんだお前?』

 

「……ん?」

 

声のした方に顔を向けるとそこには、首元まで伸びている黒い髪と黒くて鋭い目が印象的な幼い顔をした少年が俺に話しかけてきた。

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――悠也side

 

 

 

銀髪の少年に話しかけた俺は、少年の目の前に突っ立ったまま返事を待ったが、少年は再び川の方へと顔を向けた。

 

「……別に」

 

「そんなことないだろ。なんかあったなら話せよ。どーせお前も『転生者』なんだろ?」

 

俺は敢えて少年に転生者だと言ったが、少年はコチラに顔を向けようともせず、ただボーッと夕日で染められた川を眺めるだけだった。

 

「……あぁ」

 

数秒だけ間をあけてから銀髪はそう言った。

あれ~? コイツ容姿から見るに、踏み台と思ったんだけど違ったか?

いや、俺が転生者ということも今のコイツにとっては、どうでもいいということなのか。いったい誰に何をされたらこんな風になっちまうんだよ……

 

「驚かないのか? 俺が転生者だってことに?」

 

「驚いてどうなるんだよ? 俺もうやる気失せたから、俺に話しかけんな」

 

「失せたって、原作に関わることをか?」

 

「……そうだよ」

 

俺は軽く少年と会話しながら、少年の姿を観察した。

よくよく見れば、少年の衣服は汚れているとこが多々あり、少なからず破れている箇所もあった。

イジメにでもあったのか?

 

「その服、ボロボロじゃねぇか。転生者同士なんだし話だけでも聞いてやるよ。少しは楽になるぜ?」

 

「……それもそうだな」

 

俺がそう言うと、銀髪はコチラに顔を向けないまま口を開き、服がボロボロな理由と憂愁のオーラを出している理由を話してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうわけなんだ」

 

「なるほど、そんなことがあったのか」

 

確かにやる気が失って当然かもな。好きなキャラは取られ、戦った相手に惨敗して、さぞ悔しかったろうに……でも、初対面の人にいきなり俺の嫁発言するのは良くないと思うぜ? 『あんたが言える立場じゃないでしょ!』……なんかルサルカの声が聞こえたような……って、なんでアイツは木の上にいるんだ?

別にどーでもいいけどよ……

 

「笑えるだろ? なのはは取られ、喧嘩を売った相手に負け……もうやる気がでねぇんだよ。どうやって原作に関わればいいんだよ? 関わったら関わったで、またあの英雄王似の奴に潰されちまうのがオチだろ」

 

そう言い、銀髪は目から涙を流した。

……やっぱ悔しかったんだなコイツ。わかるぜ、その気持ち。俺も前世でよく味わったからな。

 

 

 

 

だからこそ――

 

 

 

 

「……笑わねぇよ」

 

「……え?」

 

俺の言葉に素っ頓狂な声をだす銀髪。

しかし、それを無視して俺は自分の思いを銀髪に訴えた。

 

「たしかに、お前の言い分にも酷いところもあった」

 

「……」

 

主に、踏み台がする俺の嫁発言とかな。

しかし銀髪は、反論するかと思えば俺の方をジット見て、俺の話を黙って聞いていた。

 

その時、俺は思った。「コイツは踏み台なんかじゃない」と。

 

「だけどな、どんな形だろうと『悔し』かったんだろ? 好きな人を取られ、戦いに惨敗したその悔しさ。俺にもよぉぉぉく分かる!」

 

野球部の最後の大会で、俺は怪我をしていたため出場することはできなかった。好きな人をどこの馬の骨かも知らない奴に取られた。負けたことだっていくらでもある。

だからこそ、お前の気持ちに心底同情できるんだ。何の偽りのない、同情の思いが!

 

「だけどな、そこで諦めたら終わりだろうが!?」

 

「――ッ!」

 

諦めたらそこで試合は終了。あの有名な言葉だ。

誰にだって負ける時はある。だけど、問題は負けた後『なにを』するかだろうが!

 

「今からだろ!? 原作まであと三年もあるんだ! この三年間で死に物狂いで努力すれば、きっと勝つこともできるし好きな人に好意を寄せられるかもしれないんだぞ!?」

 

前世の俺たちは力がなかった。どんなに努力しても越えられない壁があった。

だけど、今の俺たちには神から授かった『力』があるッ!

努力と力、この二つさえあれば俺たちはどこまでも強くなれる!

 

 

 

だから――

 

 

 

「原作が始まるまで、一緒に頑張ろうぜ?」

 

「――!!!」

 

 

そう言い、手を差し出す俺。

 

 

すると銀髪は……

 

 

「う…うぅ……」

 

あろうことか突然泣き出した。

たしかに今は感動するところだが、そこまで泣かなくてもいいんじゃないか?

さっきよりも泣いてんじゃねぇかこれ?

 

「ど、どうした? いきなり泣き出して?」

 

俺がそう言うと、銀髪はポツリポツリと嗚咽混じりで一言ずつ喋りだした。

 

「ヒグッ…だ、だっで、おれ、こんなに励まされたこと…ヒグッ……今までなかったから…うれしくて……お、おれ、転生前で…イジメられてたから……」

 

「……そうか」

 

イジメられていた、か……たしかに、そんなんじゃ泣いても仕方ないか。

 

「だけど、今は違うだろ? 前世でどんなことがあろうと、俺たちは新しい人生を歩むことができる。前世の失敗は今世の成功に活かせばいい。そうだろ?」

 

「……うん」

 

そう言い俺の手を掴む銀髪。俺はその手を引っ張り銀髪を立たせる。

そしてハッキリ見えた銀髪の目にはもう迷いはなく、力強い『意思』が瞳の奥にはあった。

 

 

「俺は大嶽(おおたけ) 悠夜(ゆうや)。お前は?」

 

「……天宮(あまみや) 劉牙(りゅうが)だ!」

 

目をゴシゴシと拭きながら、自分の名を言う『劉牙』。

やはり厨二病が少々入ってるけど……まぁそれはそれで、癖があって面白いか!

 

 

 

「んじゃ、これから宜しくな劉牙!」

 

「おう! 一緒に原作に参加して、美女ハーレム作ろうぜ!」

 

 

 

――暮れる一歩手前の夕日を背後に、俺と劉牙はかたい握手をした。

 

 

 

――それは誰も切ることのできない『友情』であり『絆』

 

 

 

――今ここに、『最高』で『最強』の『タッグ』が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今のうちに言うけど、俺ハーレムとか興味ないから。あと原作に関わるのも気分次第だから。そこんとこ4649!」

 

 

「えぇぇぇ!?!?!?」

 

 

『最後の最後でムードが台無しだわ……』

 

 

ルサルカ。重要なことだから今のうちに言ったんだよ。あと念話使わなくてもこっちに来て言えばいいだろ。

 

 

『……K(空気)Y(読めない)D(男児)

 

 

そこまで言わなくていいだろ!? なに、俺が悪いの!? 今のうちに言わないと後々に面倒なことになりそうだから、ムードをぶち壊してまで言ったんだよ!?

俺の気持ちを察してくれてもいいだろ!

 

 

『……』

 

 

頼むからなんか言ってくれ! ルサルカァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺と劉牙は若干冷め気味になりながら、それぞれの自宅へと帰っていった。

 

 

その途中で、俺はルサルカと一緒に近所のスーパーで買い物をした。

 

 

そしてルサルカが作った手料理を食べ、風呂に入って、俺は眠気に従うままベッドへと直行した。

 

 

……あと、ルサルカの手料理がめっちゃ美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




テストがあったもので更新がかなり遅れました。
申し訳ありませんm(_ _)m

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