ゲーマーと虹色の少女たち   作:一般紳士君

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いつもより文字数が多いので初投稿です。


今回は同好会メンバーを初めて見た時の作者のイメージを割とそのまま書いたのですが、主人公がしずくちゃんガチ勢になってしまいました。しずくちゃんが可愛いから仕方ないね。

あと、諸事情により次回の投稿は1週間後となります。22点でニャンニャンにならないように気を付けます。


第6話

 放課後。

 普段なら自宅あるいはバイト先に直行している時間だ。だが今日はスクールアイドル同好会に行くために部室棟に来ていた。そういえば部室棟に来るのは初めてだな。部活には初めから入るつもりがなかったから部活の見学に行くこともなかったし。

 建物を外から見てもデカいとは思っていたが、中から見るとさらにとてつもない広さに感じるな。壁一面に部室がずらりと並んでいる。それが3階も。ここは本当に学校か? 部室棟だけでこんなに広い学校見たことないぞ。ほかの施設も異常な広さだし。マジで何なんだこの学校は。

 1階中央にある案内板を見るとどこにどの部活の部室があるかが書いてあった。しっかしマジで数が多いな。サッカー部や野球部などメジャーなものから、流しそうめん同好会や魔法少女同好会などよくわからないものまで。案内板があって助かった。ていうか流しそうめん同好会実在したんだ。焼き菓子同好会やコッペパン同好会なる同好会もあるが、それは調理部じゃダメだったんですかね?

 

「あれ?」

 

 案内板を一通り眺めるがスクールアイドル同好会のという名前を見つけることができなかった。見落としたか? もう1回ちゃんと見るか。

 

「ないんだけど……」

 

 何度もじっくりと探したがやはり見つけることができなかった。何故だ? 実はスクールアイドル同好会は最近できたばかりの同好会で、まだこの案内板に反映されていない、とか? ありえるな。むしろそれ以外ありえないだろう。

 ふざけんなよ。なんで反映してないんだよ。ちょんと仕事しろよ。生徒意見箱に文句書いて入れるぞコラ。

 もしかして、部室をしらみつぶしに探さなきゃいけない系ですか? さすがにやばくね? どんだけ広いと思ってるんだ。どんだけ部室があると思ってるんだ。

 

「昨日高咲に部室の場所聞いておけばよかったなぁ……。探すのめんどくさいなぁ……。今日はもう帰っちゃダメかなぁ……」

 

 しばらく案内板の前でうだうだ言いながらうろうろいたが、こうやってうだうだ言っている時間が一番無駄だということに気が付いた。

 文句ばかり言ってても状況は何も変わらないか。口よりも先に足を動かさなきゃだな。

 

「あのー」

「よし、やるぞー」

 

 気の遠くなるような作業だが、根性があればなんとかなるだろう。天王寺の作ったゲームと比べたらヌルゲーだ。

 

「あのー……」

 

 まずは1階からだ。運良くこの階で見つかるといいな。

 

「あの、無視しないでください」

 

 早速1つ目に行こうと足を踏み出したが突然体を後ろに引っ張られる。どうやら誰かが俺の服を引っ張ったようだ。誰なのかを確認しようと振り返ると、そこには美少女がいた。

 

 腰まで届くほど長いダークブラウンの髪。その長い髪をお嬢様結びにし、赤いリボンでそれを纏めている。そして透き通ったライトブルー美しいの瞳。端正な顔立ち。黄色いリボンだから天王寺と同じ1年生か。

 特徴的なリボンによって一見子供っぽく感じるが、後輩ということもあってこの子供っぽさが逆に良いアクセントとなり、むしろ可愛さと美しさを両立させるためのアイテムとなっている。なんだこの美少女は。

 髪色も派手な色ではなく、制服もまったく着崩していない。立ち姿も背筋をしゃんとしており、まだ一言も交わしていないのに礼儀正しい印象を受ける。髪型がお嬢様結びということもあり、清楚系お嬢様というイメージが俺の頭の中で組み上がっていく。なんだこの美少女は(2回目)

 天使が舞い降りてきたのだろうか。思わず見惚れてしまう。これが一目惚れだろうか。しばらく彼女を見つめていたのだが、途中で彼女が頬をぷっくらと膨らませているのに気付き、可愛いと思いつつも我に返る。

 

「えっと、何か怒ってる? 俺、君に何かした?」

「しました。さっきから私が呼び掛けているのにまったく反応してくれませんでした」

「え、マジ? それはごめん」

 

 全然気が付かなかった。

 

「何か俺に用だった?」

「先輩が案内板を見て困っているように見えたので、もしかしたら目的の部活を見つけられなかったのかなと思ったので」

「ああ、実はそうなんだよ。最近できたばかりの同好会なのか案内板に書いてなくて困ってたんだ」

「やっぱりそうでしたか。どの同好会を探していたんですか?」

「スクールアイドル同好会っていうとこなんだけど、部室の場所知ってる?」

「なるほど、スクールアイドル同好会ですか……。もしかしてこの人が……

「どうかした?」

「……いえ、なんでもないです。部室の場所なら知ってますよ。よければ案内しましょうか?」

 

 当たりだ。部室の場所を知っていて、しかも案内までしてくれるようだ。なんて優しい子なんだ。でも、案内してくれるのはありがたいけどさすがに申し訳ないな。部室棟にいるってことは彼女もこれから部活だろうし。これ以上俺なんかに貴重な彼女の時間を使わせるわけにはいかない。

 

「いや、場所を教えてくれるだけで十分だ。君も忙しいだろ?」

「いえ、ちょうど私もスクールアイドル同好会に用事があるのでそのついでです」

「そうなのか。じゃあ案内お願いしようかな」

「わかりました。こっちです、ちゃんと付いてきてくださいね」

 

 彼女はニコニコしながら俺を先導する。ニコニコしている彼女はとても愛らしいが、何故そんなに楽しそうなのかわからない。人助けが好きなのだろうか? 天使か? それとも女神か? 俺とは大違いだな。

 

「先輩はスクールアイドルが好きなんですか?」

「いや、そんなに。そもそも見たこともないし」

「好きでもないのに同好会に行くんですか? いったい何の用で?」

「ボランティア活動かな。生徒会長の指示でしばらくの間同好会の手伝いをするんだよ」

「なるほど、そうなんですね」

 

 雑談をしながら彼女に付いていく。

 

「部室棟に来てたってことは君も部活に入ってるんだろ? 何部なんだ?」

「そうですね、演劇部ともう1つは……秘密です。いずれわかると思いますよ」

 

 もう1つ、ということは演劇部と何かを兼部しているのだろう。いずれわかるというのはどういうことだろうか。彼女が有名な部活の有名な選手ということだろうか。

 

「着きましたよ。ここがスクールアイドル同好会です」

 

 彼女が指差したドアを見ると『スクールアイドル同好会』と書かれたプレートが掛けられている。ここがスクールアイドル同好会の部室かぁ。

 

「先に入ってますね」

 

 彼女はそう言うとドアを開けて部室に入っていく。そういえば、彼女が言っていた用事というのはいったい何なのだろうか。案内板に書かれていないスクールアイドル同好会の部室の場所を知っていた理由も謎だ。生徒会にも彼女のような子はいなかったし……。

 

「しずくちゃん、おはよう」

「侑先輩、おはようございます」

 

 高咲の声が聞こえる。しずくというのは俺を連れてきてくれた彼女の名前だろう。なるほど彼女はスクールアイドル同好会の部員だったのか。いずれわかる、という彼女の発言の意味がわかったよ。

 

「例の人を連れてきましたよ。まだ入ってきていませんけど」

「ありがとうしずくちゃん。私迎えに行ってくるよ」

 

 部屋の中から高咲が出てくる。

 

「昨日ぶりだね、村上君」

「ああ、昨日ぶりだな、高咲」

「さぁ、早く入って入って。皆楽しみにしてたんだよ」

 

 同好会にはどんな人がいるのだろうか。1ヶ月程度(希望的観測)の短い付き合いだが、部員の皆さんとは是非とも仲良くしたいものだ。

 

 高咲に手を引かれてそのまま部室に入る。

 

「侑先輩、その人が昨日言ってたお手伝いさんですか?」

 

 部室に入って最初に目に入った人物は灰色のショートヘアーの可愛らしい女の子。

 

「うん、そうだよ。紹介するね。情報処理学科2年生の村上友紀君」

「よろしくお願いします」

「普通科1年、中須かすみで~す。友紀先輩、よろしくお願いしま~す。私のことは気軽にかすみんって呼んでくださいね~」

「よろしくな、かすみん」

 

 最初に目に入った彼女は中須かすみというらしい。本人がかすみんと呼んでくれと言うので、本人の希望通りかすみんと呼ぶ。多分可愛い系スクールアイドルとしてやってるんだろうな。

 

 次にかすみんの隣にいる俺を連れてきてくれた彼女に目を向ける。

 

「国際交流学科1年の桜坂しずくです。友紀先輩、よろしくお願いしますね」

「桜坂か、よろしく。さっきはありがとう。助かったよ」

「どういたしまして。私もいろんな話ができて楽しかったです」

 

 俺もとても楽しかったです。

 

「次はアタシかな? アタシは宮下愛、情報処理学科2年。よろしく!」

「よろしくな、宮下」

 

 金髪のポニーテールで、なんとなくギャルっぽい見た目の宮下愛。

 名前だけは聞いたことがあった。いろんな部活に助っ人として参加し、強豪校との試合に何度も勝っているようだ。その凄まじい活躍に『部室棟のヒーロー』とまで呼ばれている。特定の部活には入っていないと聞いたことがあったがスクールアイドルをやっていたのか。

 

「次は私。友紀さん、昼休み振り」

 

 声のする方を見ると見知った顔がそこにいた。

 

「天王寺? 天王寺もスクールアイドル同好会に入っていたのか?」

「うん」

 

 なるほど、昼休みに言っていたまた後でとはこういう意味だったのか。

 

「あれ? 友紀とりなりー知り合いなの?」

「うん、ゲーム友達」

「そうだったんだ。全然知らなかった」

「友紀さんと会ったのは昨日のことだから。これからは同好会の仲間。よろしく」

「ああ、よろしく」

「次は私ね。ライフデザイン学科3年の朝香果林よ」

 

 青みがかった黒髪でウルフカット、非常に良いスタイルをお持ちの朝香果林先輩。冷静沈着っぽい感じで、なんとなく勉強が得意そうだ。身長も俺よりも高く、立ち振る舞いも大人の女性といった感じだ。どこかで名前を聞いたことがある気がするのだが俺の気のせいだろうか。

 

「あなたが同好会の手伝いねぇ……」

 

 なんだか朝香先輩に値踏みをするような目で見られてる気がする。怖い。

 

「頼りなさそうな感じがするのだけれど大丈夫かしら」

 

 頼りなさそうでごめんなさい。頼りないなりに精一杯頑張るので許してください。

 

「もー果林ちゃん。いじめたらダメだよー」

「あら、私はいじめてなんかいないわよ。それより、エマは自己紹介しなくていいの?」

「うん、そうだね。私はエマ・ヴェルデ、国際交流学科の3年生だよ。よろしくね、友紀君」

「ええ、よろしくお願いします」

 

 赤毛で三つ編みおさげのエマ・ヴェルデ先輩。名前からして外国人、留学生だろうか。頬にあるそばかすが特徴的だな。朝香先輩とすごく仲が良さそうに見える。話し方がすごくおっとりしていて、なんだか聞いているだけで癒される。どこがかは言わないがデカい。すごくデカい。あと身長も俺より高い。けど朝香先輩よりは少し小さいか? 

 

「次は彼方ちゃんの番、昨日ぶりだね~友紀君」

「近江先輩もスクールアイドル同好会に入ってたんですね」

 

 俺の知り合い、スクールアイドル同好会に入ってる率高くない?

 

「これからは練習の後一緒にバイトに行けるね~」

「そうですね、よろしくお願いします」

「よろしくね~」

 

 昨日はあんなことを言っていたが、どうやらまた一緒にバイトに行ってくれるようだ。あの人の考えはよくわからないな。

 

「村上君、彼方さんとも知り合いだったんだ」

「ああ、バイト先が一緒なんだ」

「そうなんだ。なんか知り合い多くない?」

「多いな」

 

 俺が一番驚いてるよ。

 

「次は歩夢だね。……歩夢?」

「……え? もう私の番?」

「どうしたの? ぼぉーとしちゃって……もしかして体調でも悪いの?」

「ううん、大丈夫。なんでもないから……」

 

 歩夢と呼ばれる子を見る。ピンク色の髪で、特徴的なお団子ヘアー、そして可愛らしい顔立ち。忘れもしない、あの時の子だ。この学校に通っていたのか。あの時は服装なんかまったく見てなかったし、全然気が付かなかったな。というよりは下着が見えてたから見られなかっただけなんだけど。

 それにしても、こんな所で再会するなんて奇跡だな。久し振りの意を込めて小さく手を振ると、頬を少し赤く染めながらも微笑みながら手を振り返してくれた。可愛い。

 

「普通科2年の上原歩夢です。これからよろしくね、ゆ、友紀君」

「ああ、よろしくな上原」

「歩夢でいいよ。同じ学年だし、これからは同じ同好会の仲間なんだし」

「そうか、じゃあ……歩夢、これからよろしく」

「っ! うんっ、よろしくね♪」

「最後は私ですね。2年、優木せつ菜です。私のことはせつ菜と呼んでください。これからよろしくお願いしますね、友紀さん」

 

 黒髪のストレートロングヘアーの優木せつ菜。ペカーという擬音が似合う笑顔がとても素敵。話し方がハキハキとしていて元気いっぱいという印象を受ける。けど身長は天王寺の次くらいに小さい。

 せつ菜とは初めて会ったはずなのに何故かどこかで会ったことがある気がするんだよな。誰かに似ているからかな。でも誰に似てるかわからないんだよな。あとちょっとで出てくる気がするんだが……。

 

「あっ、わかった! 生徒会長に似てるんだ。だから初めて会った気がしないんだ」

「え?」

 

 髪型は三つ編みじゃないし眼鏡もかけてはいないがよく似ている。身長も顔立ちも黒い瞳も声質も生徒会長とそっくりだ。ここまで似てると生徒会長本人じゃないかとすら思えてくる。

 

「実は生徒会長本人だったりしない?」

「き、ききき、気のせいですよ」

「そうかー」

 

 うーん、これもう生徒会長でほぼ確じゃね? 昨日生徒会長が口ごもった理由はこれか。優木せつ菜という偽名を使ってまで正体を隠したい理由はわからないが、多分深い事情があるのだろう。もしくは単純に俺がちゃんと仕事をするか調べるために潜入しているか。どちらにしても変装のレベルが低くないか? 俺は割とすぐにわかったんだけど、他の人には気付かれていないのだろうか。

 

「まあいいや。せつ菜、これからよろしくな」

「はいっ、よろしくお願いします!」

 

 理由が何であれ、生徒会長……いや、せつ菜が正体を隠したいのであればそれに付き合おう。

 

「これで皆自己紹介が終わったね。それじゃあ改めて……」

 

『スクールアイドル同好会にようこそ!!』

 

「私たちは友紀君を歓迎するよ」

「ああ、ありがとう。俺からも改めてよろしく頼む」




前回前々回と小ネタ解説みたいなのを後書きでやっていたのですが、書くのがめんどくさくなったのでやめます()
実は評判が良かったりするなら再開したり再開しなかったりするかもしれません。
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