時を越えて繋がる双子の魔王 ~史上最強の魔王の兄と史上最恐の魔王の妹の二人が転生して子孫達の学院に通う~ 作:龍姫★サキ
アノス様にクレハ様、更にはミーシャにアリス様にどやされて、早く俺達の物語を書けと夢にまで出てきて本当に辛かったです。というわけで、待っていたであろう後編。
短いながら楽しみください。
内容をもし忘れているのならこの物語を最初から読んだ方がわかるかもしれません。
…前書きか長くなりましたが、存分に楽しんでください。
「クククッ…そうか、そう言うことか?成る程、なかなかどうして我が妹はこの俺を驚かせることが好きなようだな?」
俺は、敬意を込めた口調でクレハとアリスを褒め称えた。
その光景にドン引きながらもクレハとアリスはアノスの質問に返答した。
「…どう言う意味?」
「クハハハッ!!謙遜するな。俺に嘘は通用しないぞ?長年見てきた妹だからな。癖やその顔だけで一目瞭然だからな」
「はぁ…。アノス?貴方は主語と述語の意味がわかっていますの?貴方が話した事がどういう経緯で私達を誉めている様に見えた訳です?私達に分かりやすく!お願いしますわ!!」
「ふむ?解りやすく…と?ではお前達に解りやすく解説するとしよう。」
「お前達が使用した魔法は、分離魔法とは程遠いも似て非なる術式を使用していた。俺には使用できぬ。しかし、それも含めて俺は勝てぬ道理はない訳だが、その理屈として一つ。この術式自体がもし俺が未だに判らぬ状況が続くなら、お前達に勝利の軍配は上がっていたのだ。そういう意味を込めた経緯だ」
アリスがアノスに向けた口撃は、何の意味も持たずアノスに伝わったらしく先程よりも難解な説明になり帰ってきたのであった…
「…意味が全く解りませんわ。そもそと解りやすくと言ったのに更に難しく話す事は無いでしょう!?」
するとアノスはクックッと静かに笑い出した後に、その理由をすぐに述べた。
「クックッ…。いや、済まないな?今の回答から得ようとするとはまだまだ未熟な様だな?未来の魔王に始祖の魔王よ?…結果が全ての俺には関して言えば、言葉で説明するのは野暮で有ることから、俺は実際に試すとしよう。…お前達の弱点とやらを体で覚えて貰った方が分かりやすいかもな?」
何やら、『そっち』の方は俺の読みに勘づいた様だが、それをさとられぬようにわざと強気で返すのだった。
「…え、えぇ。その気なら寧ろ望む所ですわ!」
「…これで、もしも私達の弱点が知られていたら…私達の完敗は必須かぁ…」
一方クレハの方は完全に自分達の作戦を読まれてしまったとばかりに表情と声に出ていたのだった。
其処へ俺が一言加えた。
「…ん?クレハよ。…言いたいことが有るならはっきりと言ったらどうだ?そんな小声ではなく、この俺に聴こえるようにはっきりと伝えたらどうだ!」
と、渇をいれるように伝えるとクレハはそれにやっと気づいたようで、顔を紅くしながら俺に向けて返答した。
「―あ…。~っ!!!!な、何でも無いから!!あぁ~っ!…もういいよ!分かった!わかりました!!この際、アノスがどんな策を使ってきたって関係ないよ!全部その策全て私達で打ち砕く!!覚悟は良いよね?」
ようやく、『あっち』の顔になったようだ。それならこの俺もそのつもりでいこうではないか。
「よくぞ言った。では、その敬意を称してお前たちの策とやらを全て返り討ちにしてやろう」
その言葉がトリガーになったのかいきなりあちらから先手をとってきたのだった。
「策がバレてもバレなくても関係ないよ!その前に決着すればいいんだし!」
「…まさに頭がキレて策がばれたとしても結果的には倒すことが出来ればその意味も為さないわ。これでお仕舞いにしてあげるわ!!」
フッ。
言葉その通りだ。
確かに俺がクレハ達の作戦を暴いたとしてもそれを行動に移す事が出来なければ水の泡で終わる。
だが、それはあくまでも『移せなかった場合』である。
俺が短時間でその行動を起こす事が出来ないと思ったか?
「…その言葉。…お前達にそのまま返してやろう。これでお前達の敗けだ。【魔接反鏡(ディレイラース)】!」
俺が魔法を唱え終わる頃にはクレハ達の攻撃は既に俺の背中と胸横に到達しており本来なら自分に攻撃が当たり負傷していてもおかしくも無い。
だが、その攻撃は到達する事すら叶わなかった。
「なぁっ!!??」
「くぅっっぅなん、でぇ……!?」
何故ならクレハとアリスがその攻撃をしたと同時に後ろへと大きく吹き飛び同時に両方に大きな切り傷を負っていたのだ。
俺が編み出した反撃魔法の魔接反鏡は、相手が何らかの魔法にて強化状態で俺にその攻撃が当たった瞬間に魔法詠唱を丁度良く発動し終えなければならない特殊な反撃魔法だ。
効果は相手の攻撃自体をそのものを改竄、自分自身にへと振りかざした自傷攻撃へと置き換える事が出来る唯一の改竄魔法でもある。
俺が即興で編み出したので、使い勝手がかなり悪いもののそれが決まれば一発逆転もあり得る強力な魔法である。
そもそもクレハとアリスの攻撃は、それぞれ俺の死角上に有った為俺がどうしようとも回避することは不可能であったのだ。
もしも真面に受けたのならこの俺が致命傷を負うくらいには彼女の攻撃速度と威力は尋常では無かったのだ。
しかし、その攻撃にはとある致命的な欠点が存在したのだ。
その欠点こそ自分自身が受ける被弾や被撃は倍加してしまう事。
アリスとクレハは一心同体。
―それなら、どちらかが攻撃を受けるともう一方にも攻撃が連動して負傷してしまう。
―それだけならまだ良いのだ。
問題はその魔法使用後だ。
メリット内容の良さの数が溢れ過ぎているのだ。
メリットが有るなら当然それに対するリスクのデメリットが比例して大きくなるのがこの世界の理。
即ちクレハ達の受けた恩恵はかなりのメリットが付随していたがその代わりの代償こそが『本体が攻撃を貰えば分身にダメージが通った後それが反復して自身に二回返ってくる』事と『分身にダメージが入ると連動する回数が四回に増えてしまう』事だ。
どういう事かを簡単にするなら、どんな攻撃でも食らえばすぐさま致命的に陥ってしまう可能性が極大である。
逆に捉えるなら、相手を一撃で追い詰めたり仕留めたりできるだろう可能性を持った極大のリスクとメリットの両方を携えた諸刃の魔法である。
「―せめての情けだ。その魔法の代償の対価が、どれだけ恐ろしいのかを学習する機会を与えてやろう。全く…。俺が知らない間に成長したと思っていたのだが、どうやら逆だったらしいな。今回帰ったら反省文を書いてもらうぞ。」
俺の言葉にクルハは…
「うぐぐぅ……くる、しいぃ……。この体は死にはしないけど…これ、は…予想よりも、痛すぎるぅ…敗けた上に、は、嫌いな反省文を書かされるはめになるなんてぇ…うぅ…。二兎追うもの一兎も得ずとは、このこと…い、いたたぁ……」
「……屈辱と呼ぶしかないわ…。この、私が、不覚を…やはり、まだまだ本領を、発揮できないわ…。覚えてなさいぃ…。つ、次こそはぁ…あなたに…敗北を、プレゼント差し上げますわ……。痛い…くぅ…。この幻想の身体が完全に修復するまで、はこのすがたでいなきゃいけない、なんてぇ…。うぎゅぅ~…はんせい、ぶん…やですわぁ…うぅ~」
一方でアリスもクレハに似たような声で嘆き始めた。若干精神が幼い様な気もするが…それはその魔法で産み出した身体が馴染んでしまった証拠でもあり、その魔法はまだ未完成だということなのだろう。
こうして、この勝負は俺に軍配が上がった後、クレハとアリスを治療した後に幕を閉じた。
因みにアリスの方が負った傷は俺が治療にて癒えるものの失った大量の魔力と体力までは回復出来ない様で、暫く幻想の身体を持ったまま俺達と一緒に過ごすようだ。
一方で、ミーシャはこの勝負が終わった途端に走って近付いてきて戦闘後の傷を心配してくれたのだ。
俺が大丈夫と促すとミーシャは安心したようで俺の右腕にしがみついて離さなかった…。
クレハとアリスは、その光景を垣間見た後、
静かに俺としがみつくミーシャを少しの間見た後ボソッと一言。
「モテるって恨めしいよ…妹としてなんだかイライラするよ」
「ほんにんは、これでむじかくなんだし…ねたましいですわ」
「なにか、言ったか?」
「別に…なにもいってないけどー…」
「なにもはなしていないよ~きのせいではありませんの…?」
「そ、そうか。なら良いが…」
…クレハ達が言っている事が俺には良く解らない事だったので、俺はそれ以上追求はしなかった。
気を取り直し、俺は転移の魔法を使用した。
当然、他二名と転移を使用して俺の事を追う。
ミーシャと共に母さんと父さんが住む我が家へと飛ぶのだったのだが、其処でも一波乱が巻き起こる…。
そんな予感が俺の頭隅で横切ったのだった…。
短いながらも完結させました。
お次の投稿は来月となりますが…まぁ、程ほどに頑張っていくので宜しければ感想をいただけたら幸いです。
…ただし、文句はアノス様にいってほしいです。
書いているのはあくまでもこのifの世界のアノス様とその仲間達が歩んだであろう物語をアノス様に言われた通りに書いているだけなので…。
兎に角、感想を貰えたなら書く気力も回復するので宜しければ書いて欲しいです。