アークナイツRTA参考資料「W姉貴のしっとり確率」ついでに「最強の伝説」トロフィーRTAの中途報告   作:W姉貴に負けたい人

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お姉ちゃんと呼んで欲しいので初投稿です


そうなったら誰が全力でお姉ちゃんを遂行すると思う?

どうも、一般投稿者です。大丈夫、今回は荒ぶらないよ! ここ最近はやたら怒り狂ってたけど、もう怒り狂わないよ! 私はもう鉄の意志と鋼の強さを手に入れたからね! 何があっても発狂しないよ! 本当だよ!

 

>片手の無い小僧を応急処置していると、心配そうに様子を見に来たミーシャはおずおずと頭を下げた

「あの……ありがとうございました。アレックスを、スカルシュレッダーを助けてくれて」

「自爆を阻止するために片腕は落としたが、大目に見ろよ。どんな手を使ってでも、と言ったしな」

「……それは、はい」

火薬を使い傷口を焼いておく。メフィストはメフィストでやることがあるのだろう。来れないと見るべきか

「ところで対価の話だが」

「っ!」

息を飲む声が聞こえる。ナニを要求されると思っているのやら……

 

え? 違うの? (違います)

私だったら金髪のウィッグと青いカラコンを付けてもらって──

アリスだ! 間違いない、愛しき少女──アリスだ!アリスは何処だ? 早く彼女を愛さなければ。

 

>「コイツの生き死にと、オマエのこれからを決めろ」

「──へ?」

「別にコイツのマスクを剥いで、自分がスカルシュレッダーになっても構わん。ロドスへ逃げ出して、少しでも安心できる生活を手に入れて構わん。近衛局へ自首して、知っている事を全て吐き出して監視の目もあるがそれでも守られた生活をするのも構わん」

「……」

「だが、オマエはオマエのエゴで小僧の命を拾った。小僧に死ぬなと呪いを刻んだ。ならばその責任を全うしろ。これから多くの命がオマエの為に死ぬ。オマエの存在は多くの屍の上に立つ価値があるのか?」

「そんなもの、無い」

「レユニオンは希望ではない。破滅への道だ」

俯いていたミーシャが顔を上げる

「──どうやったら、ここで苦しむ人たちへの希望になれる?」

「ロドスのようになれ。なると定めてなれ。それ以外にはない。同じ立場の存在を苦しめるという苦痛を受け入れ、何もできなかった自分たちの罪という過去を受け入れ、未来を創り出す瞳を持て。さすればなる」

なると決めたらなれるのだ。間違えようが迷おうが、一度決めた目標を諦めない限り必ずなれる。なろうと努力すれば報われる。もっとも、現実の報い方は残酷な形しかないのだが。オレのように

恐怖と向き合い、未来を創る──そうしなければ人は前に進めない

「きっとアレックスは、自分たちの怒りを知って欲しいから行動していた。だから過激な事をしていたと思うの」

「それがチェルノボーグの虐殺と同胞殺しでは随分と愚鈍なようだ」

「そうね。でも私も変わらない。見て見ぬ振りをして、この子を助けられなかったという傷を、他の感染者を助けることで慰めていただけ」

「なるほど。それで?」

意を決したミーシャは、まるでアーミヤのような決意と共にオレに宣言した

「──それを今から、現実に変える。私が……スカルシュレッダーという灯火になる。迷い傷付いた人に、安心を守護を約束する存在に」

「だったらさっさとレユニオンを出て行け」

「出て行かない。ここで戦う。今必要なのは、復活したスカルシュレッダー。だから私がやる。それに戦場に立てば──ロドスと話せる」

「だ、ダメだミーシャ……!」

小僧が目を覚ましたようだ。何処から聞いていたかは知らないが、マスクを外した顔は思った以上に幼い。やはり子供か、心身共に

しかしミーシャは、凛として言い放つ

「あなたこそ休んで頭を冷やしなさいアレックス。向こう見ずに走って間違えるのは、お姉ちゃんの特権なのよ。みんな迷う、みんな傷付く。だから迷いたくないと考えるのをやめて、傷付きたくないと動くのをやめる」

 

ん……? んん? なんだ? なんか……あれ?

 

>「ロドスはきっと安息の地。そこに行けば必ず一息つける、腰を下ろせる。でもそこに行くまでずっと迷い続けなきゃいけない。迷わないで行ける人は少ない」

ミーシャは噛み締めるように告げる。そもそも自分たちは始まりから間違えていたとも言う。それは何故か、それを過ちだと知らないからだと

「だから迷って傷付いて、後ろにいる人たちに正解の道を教えてあげる灯火が必要なの。私が正道を歩めばみんなはついてくればいいし、道を誤ればその道を避ければいい。諦めないで全力で生き足掻くことが、みんなのためになる」

ならば過ちを教える誰かが必要だ。ロドスは敵だからこそそれを示そうにも誰も理解しようとしない。レユニオンの側から、その過ちを教えて正道を考えさせる存在が必要だ

「ミーシャ! そんな苦難の道をお前が歩まなくていいんだ! お前は俺が守るから──」

小僧は叫んだ。守れもしないのに。しかしミーシャは

どきなさいアレックス。私はお姉ちゃんよ

 

なんか……ミーシャ姉貴が、変な方向行ってない……?

 

>は……? この女は何故姉だと主張しているんだ? そんな、堂々とした表情と雰囲気で、どうして姉であると本気で伝えている?

「今度こそ、私があなたを守る」

「違う、俺が──」

「私にお姉ちゃんを、やらせて」

「……なら、弟として……姉を支えさせてくれ」

「違うわ。あなたは私の背中を見て考えなさい。怒りも憎悪もその目から外して、私の歩いた道を見て、正誤を判断しなさい」

まるで、それは戦士のようで……いや、なんか違う。なんだこれ、違うぞ。色々違う。なんだ? 強いて言うなら姉としか言えないが……姉とは、こういうものなのか?

 

……んー……なんか、違う。これは覚醒じゃなくて、お姉ちゃんやってる。全力で遂行してる。なんでそうなるかなァ?

 

>「──G。装備の予備は?」

「Wに聞け」

「わかった。それと、感謝するわ。私にお姉ちゃんをもう一度させてくれる機会を与えてくれて」

なんだコイツは。なんなんだ、なんだっていうんだ。わからない。いやわかりたくない。助けてくれW。助けてくれモスティマ。助けてくれケルシー

「スカルシュレッダー。オマエの姉貴、なんでやたらとお姉ちゃんを連呼するんだ」

「知らない……」

「なんだアレ」

「ミーシャ……なんで?」

流石に小僧が不憫になった。確かに、一理はあるのだが……あるのだが……なんだ、これ。なんというか、違う。期待したものと果てしなく違う

「……あの、G」

「なんだW」

「あのやたらお姉ちゃんを主張してくる謎の生命体は何?」

「知らん」

困惑するWを尻目に、オレは小僧の治療を再開した

 

……ハイパーお姉ちゃんはもう放っておきましょう。スカルシュレッダーじゃなくてありゃもうお姉ちゃんだよ。違うよあんなのミーシャじゃないよ。

 

>「……G、俺は……ミーシャを助けたい」

「まだ戯言を言うのか小僧」

「いや違う。俺には、わかるんだ。あいつはスカルシュレッダーを愚かな存在としてレユニオンに見せつけて、意味を問う気なんだ。無駄死することで、本当にこれが正しいのかを問う気なんだ!」

「ヤツが決めたこと。それまでだ」

そう言い切ると、しかし先程までの愚鈍な男ではなく、はっきりと自分の意志を伝えてきた

「決めたこととは言え、スカルシュレッダーとして戦場に出てしまえばスカルシュレッダーとして死ぬしかなくなる! ミーシャはミーシャなんだ、ミーシャとして生きて死ぬべきなんだ! このままだと……」

「じゃあスカルシュレッダーとして死なせてやろう」

「違う! もし、だ。もし……もし俺の想像が正しければ──」

そして小僧は、オレに対して最も重要なことを告げて──オレは唖然とした。何だそれは……敢えて知ろうとはしていなかったが、つまりそれは……

「オマエはロドスへ行け」

「え?」

「オレの部下をつける。それを護衛にロドスへ行け。そこで匿ってもらえ。ミーシャはもはやどうしようもないが、少なくともアーミヤは殺そうとはしない筈だ。そこに賭けろ」

「何故だ? 何の為に──」

「ヤツの裏を掻く。ブラフの可能性もあるが──少なくとも、一般的な家庭ならば父親は息子にその手の事で嘘は吐くまい」

「……」

「いいかスカルシュレッダー。もしオマエにやってしまったことを、悔やんだり悲しんだりする心が少しでもあるなら今すぐにでも行け。もしもオレの考えがヤツの奇妙な行動と少しでも合っていれば、オマエとミーシャが鍵になる」

「……ロドスを、信用はできない。俺は少なくとも、俺を助けてくれなかった連中を──「四の五の言うな馬鹿者。このまま姉貴の名前を大量殺戮者にしたいか? かつてジェヴォーダンの獣と呼ばれた伝説のサルカズのように」……」

こんな風にオレの名前を使うことになるとは思わなかったが、この状況はある意味では好機だ。パスワードと鍵はワンセットでなければ使えない。逆を言えば……鍵の内どちらもブラフでも、パスワードさえわかっていれば最悪タルラを殺してでも真の鍵を奪えばいい。ヤツが例え事実を理解していても、人の過去に詮索したことはない筈だ。その中でも特に……トラウマとなるような出来事は

これが成功すれば、オレたちは今、組んでから長いが始めてアドバンテージを取ったことになる

「スカルシュレッダー、オマエは守ると言ったな。ならば全てを捨ててただのアレックスに戻ってでも、守り抜いてみせろ。オマエを無学と断じたオレを見返してみろ」

「……俺は、それでもタルラを……」

「姉を怪物にしたいのか! 杞憂に終わればそれでいいが、それですまないと薄々と感じているんだろう!? オレとWですら影に気付くんだ、オマエたちのような長い付き合いが気付かない筈も無い! 目を開けろ馬鹿者が!」

「……」

Wとオレは致命的なミスを犯しかかっている。コイツだ、コイツだったんだ本当にオレたちの計画に必要なものは。ミーシャともう一つの鍵はいくらでもどうとでもリカバリーは効くが、しかし……コイツを失ってしまえば、万一の時に取り返しが付かない

「この事は誰に?」

「Wにだけだ」

「……なあ、小僧。オレはオレの意志で多くの人間を殺してきた。それは何故か? オレの為だ。もしもオマエが、何かよくわからない陰謀の為に死ぬよりも、自分の為に生きて死にたいなら──今すぐにでもここを離れろ」

チェルノボーグの緊急動作キーの片割れの姉と、その緊急停止パスワードを知る弟。Wは色々とやり過ぎてしまうから、アイツの楽観視やオレの愚かな考えに囚われずに済んだ今しかない。大抵こういう緊急キーは分散するが、原本は必要な場所にある。そしてその必要な場所にいるのは……今タルラだけだ

万が一、億が一、あり得ないとは思うが兆が一。オレならば絶対にそうすると踏んだから……

オレがもしこういう立場で最強を成し遂げる為に戦場を必要とするならば。その為にチェルノボーグを制圧したならば──進路を操作し適当な都市にぶつける。ついでに都市コードも付けっ放しだ。止める必要が無い場合、停止パスワードは知らなくていい。仮に知っている者がいても来た時に殺せばいい

何をどうしようが戦争が起こるからな、そうした混乱を引き起こして見に徹して、敵に潰し合いをさせるのは常套手段の一つだから

そして鍵の真贋を理解していて、真をこの手に持っているなら、適当に飾り立てた理由で贋作探しに邪魔なヤツらを向かわせて、手に入れた鍵を真だったとか言えばいいのだ

 

ナチュラルに不死の黒蛇思考やめろ〜? まあ私もそれが最速ならやりますけどね、都市落とし

行け、チェルノボーグ! 忌まわしい記録と共に!(潰えた記録の憎しみ)

 

>……タルラが本当にそこまでするかはわからない。単に動かしたり止めたりするのに必要であるだけの可能性がある。しかしアレだけ薄っぺらい存在が、オレと同じ思考をできない筈がない。思い付かない筈がない。何故ならオレならするからだ。チェルノボーグのように全ての都市を焼き払うにしろ、仮にウルサスと連んで都市を焼き払うにしろ、それが効率的だから……ウルサス?

そうだ、チェルノボーグはウルサスの都市で、オレは疑問に思ったじゃないか。ウルサスは何故この都市を本気で奪回しに来ないのかと。そして他ならぬオレ自身が言った、ウルサスの下儲けをやるつもりはないと

チェルノボーグはウルサスの都市。都市コードを発信しながら適当な都市にぶつけようとして、それを適当に迎撃でもすれば宣戦布告も同然。そしてウルサスと他国を戦争状態に持ち込めば、いくらでも喰い殺し放題で──まさか、いや、まさか……

「……さっさと選べ。狂い出している龍に使われて死ぬか。それともせめて姉の名誉だけは守るか」

「……俺は……あと少しだけタルラを信じていたいんだ。自分自身ですら信じられないから、彼女の見せる希望が、歪んでいても、きっと正しいと……」

殴った。スカルシュレッダーを本気で殴った。胸倉を掴み上げて、怒鳴る

「まだわかっていないようだな。いいか? チェルノボーグの無益な殺戮と占領はそもそもテロ組織の行動としてはおかしいんだよ。それに、自分たちはここにいるって主張すれば一網打尽にされる。四方八方を武器で囲まれれば死ぬしかない。それとも? タルラならなんとかしてくれると思っているのか? だとしたら能天気にも程がある」

言葉を続ける。オレならするであろう行為、オレでもするであろう行為。杞憂に終わればいいが、それは絶対に起きるだろうというある種の同族嫌悪が語りかけてくるからこそ

「オマエがタルラを信じるのは勝手だ。けど最悪の状況に陥った場合、生き残るのは誰だと思う? タルラだけだ。ヤツの力は異常そのものだが、オマエたち全員を救えるほど強力なものじゃない。だからタルラを当てにして寝床を晒すなら、必然的にヤツ以外は全員死ぬことになるんだ。けど、今のアイツはオマエたちですら薄っすらと感じ取れる程に何かがおかしい。オレの考え得る最悪の中の最悪が発生すれば、非感染者は寄ってたかって感染者を迫害する……」

無差別テロはもはやテロではなくただの殺戮だ。テロを──感染者の待遇改善を過激な方法で要求するなら関係閣僚だのなんだのを暗殺すればいい話だ。実際それができるだけの人材が揃っているし、できるだけの協力者もいれば、パトリオットの爺さんがそれを思いつかない筈がない。多少なりとも良心のあるあの爺さん……いやジジイやフロストノヴァが、それをわかってタルラに頷いただけならば、それは──!

「オマエたちがタルラの裏を掻くしかないんだよ。オマエもわかっている筈だ、このままタルラの奴隷をやっているだけでは、オマエたちに未来などありはしないと」

「……それは……」

「何を躊躇っている! オマエには守るものがあるんじゃないのか!今オマエが抱いているミーシャを守りたいという意志も全て嘘なのか! 人の話を聞いて、少しくらい自分を顧みたんだろう!? だったら今すぐにでも本当にミーシャを守ってみせろ! このクソガキが!」

もう一度殴り飛ばし、口汚く罵る。俯くスカルシュレッダーの表情はわからない

「……撤退開始まで少しだけ猶予がある。また来るまでに決めておけ」

 

……さて、これで選んでくれるかなぁ。正直ロドスにぶん投げた方が楽でいいんだよね。保護してやるのも面倒だし。ミーシャが近衛局に確保されたとしても緊急停止パスワードを知っているのはW姉貴とアレックスくんだけ。ミーシャは切り札にはなり得ないから、例え龍門が確保しても結局起動するだけしかできない。それにウェイ兄貴はまともだから極秘裏にロドスに渡したりする筈。ウルサスの都市を悪用できる可能性を持った炎国がどれだけ敵視されるかを理解できない筈も無いから、死亡扱いにしてロドスに引き渡す裏取引くらいする。間違いなく。

ロドス択一ですな。ヤな面倒事はぜーんぶロドスに任せちゃえ〜(OJMJDRM)

 

>オレとスカルシュレッダーの口論は聴こえていたようで色々と聞かれたが、ミーシャの為に捨て石として隊を使い捨てろ、そうでもしなければ絶対に死ぬと言っていただけだと誤魔化しておく。最優先目標はミーシャの確保であり、理に叶っているのだから

Wの怪訝な瞳を無視しつつ、今ばかりは半身を騙すことに心苦しさを覚えた。そして古い部下を4人ほど集め、最悪スカルシュレッダーを強奪しレユニオンから脱走しロドスへ投げ込めとも命令しておく。口の立つ連中だ、義手を与えに昔馴染みに会いに行くみたいな適当な嘘も上手に言ってくれる

 

実際別ルートで幹部を逃すのはそんな不思議でもないですしね。

 

>……時間だ。答えを聞きに行く

「どうする」

「……何が正しいのかはわからない。でも俺は、家族を守りたいという気持ちに嘘をつきたくない。怒りや憎悪に支配されてたって、あいつに言った言葉は嘘にしたくない」

「わかった。──行くぞ」

スカルシュレッダーを連れて部下たちの元へ行く

「彼らが?」

「ああ」

「俺はこれから、同胞を見捨てるのか……」

「違うな。それだけでも流れる血が減る筈だ」

「G、ポイント指定等はあるか?」

「待っていろ」

携帯電話を取り出して連絡をかける。あのトランスポーターがもし、オレのこの電話に出るのならば……

「……はい、こちらペンギン急便」

「久しいな、モスティマ。出てくれるとは思わなかった」

「こっちこそ久しぶりだね、──。君から連絡が来るとは思わなかったよ」

声は変わっていない。が、なんだろうか、少しだけ柔らかくなったか? モスティマ

 

……そっかぁ。トランスポーターの個人連絡先持ってるのモスティマ姉貴だけだもんね、Gくん──待てや。エンカク兄貴にライン生命とエリートオペレーターが早期合流してるのに、そこにモスティマ姉貴参戦? ここで連絡通じるってことはモスティマ姉貴が電波状況いいところにいるってわけで……あははは、まだそうとは決まってない!

 

>「今はGだ。仕事を頼めるか?」

「位置と場所による」

「荷物の場所は龍門から少し離れた採掘場近くにある廃村、目的地はロドス・アイランドという製薬会社だ。オレの古い友人たちが積荷を守っている。安心しろ、条約とかに違反するようなものじゃない」

「……そっか。うん、いいよ。少し近いけど君と私の仲だ。受けるよ、その依頼」

「すまんな。報酬は高く吹っ掛けてくれて構わん」

「いいや──直接会って、話そうか。どうやら君は変わったみたいだ。また近いうちにお目にかかれるだろうし」

なんだその含みのある表現は

「また会おう、私の古い友人。……信奉者(おおばかやろう)

 

はいモスティマ姉貴参戦確定! マジかよわりとしっとりしつつあるし、これはマズイですよ! 下手したらGくんへの友情を煮詰めて死んでもらう理由にしているかもしれない! アップルパイという死の呪文から逃げ出したら堕天使が来ちゃったよ!? ミーシャはお姉ちゃんになるしなんだってんだァ!!

 

>「モスティマ? ……切れた。聞いての通りだ。合流ポイントは……ここで、そこでコイツをトランスポーターに拾ってもらいロドスに流す」

「扱いはどうする?」

「遺体、ということにしてやれ。遺族へ渡すとでも」

「了解。少し窮屈かも知れんが許せよ」

「構わない。……G、ありがとう」

スカルシュレッダーが頭を下げてくる

「利害の一致だ、気にするな。ミーシャの事については、死なせないように声はかけておく。オレもできる限りの努力はするが、ああなっては──」

「大丈夫だ。仮にそうなっても……彼女はそれを納得している。ミーシャは、そう生きてそう死ぬことを選んだんだ。そこに口を挟める程俺は……愚弟じゃない」

先程とはまるで違う雰囲気と視線……なるほど、これが本当のスカルシュレッダーか。最悪姉の名誉を守るだけになってしまうかもしれないが、それでも、と

「……ミーシャを頼む」

「任せろ」

その場から離脱する部下とスカルシュレッダーから背を向けて戻る。スカルシュレッダーをどうしたと聞かれたら、アイツはミーシャの支援部隊に回ったと言っておく。オマエたちを一人でも多く生かすために、怒りと憎しみを捨てて、オマエたちの為に戦うことを選んだと。ヤツの覚悟と命を無駄にしない為にも、早く離脱するぞと告げておく。こうすれば勝手に意味を見出してくれるから、末端は楽なものだ。その上で絶対に死なせるなと告げておけば、彼女を生かそうと全力を尽くしてくれるはずだ

何をしているのだろうか、オレは。さっきまで死ねばよかったとほざいた口で、やれ姉を守るという意志は嘘だったのか、オマエは生きろなどとほざく。コロコロと掌を返して、言っていることが一貫できない。これではただの詐欺師だ。Wを捨てることも受け入れることもできず、体のいい態度を取り続けてきた時と何も変わっていない。苦痛を受け入れたとしても、オレへ冷や水を浴びせかける現実はいつも通り無情だ

……Scout。これが友を殺したオレへの罰なのか? いや、Wはイネスとへドリーが気付くように仕向け、オマエを見逃そうと必死だった。本当は殺したくなかった。それでもオマエはオレたちに何かを伝えるために死を選び、イネスを通じて真実をオレたちに教えてくれたんだ

Scout、オレの古い友人よ。オレは──愚かなのだろうな。だがそういう風にしか、オレは生きられない。なあ友よ、教えてくれ。オレは……オマエを殺したくなどなかったし、Wを殺したくないと思う己もいるんだ

オレが目指していた最強は矛盾だらけの幻想で、そういう生き方しかできないからとしていればその生き方に痛みを覚える。どうしてオレは、傷だらけにしか生きれないんだ……

モスティマ、かつてオマエはオレに言った。『茨の道を進んでも、求める心は捨てられない。心を捨てた怪物になってしまったらもう、それは始まりすら捨て去ったも同然』だと

「……オレは、一体何者になればいいんだろうな」

メフィストの目標、Wの半身、ケルシーの弟子、モスティマの古い友人、そして未だ最強を目指す愚者。本当に思考を止めているのは、オレなのだろうな。Wとの間に揺れ動く心を認めて、真なる現実的な最強を目指そうとしても……それはただ、それがオレだからという昔に決めたことを追いかけているだけ。そういう風にしか生きれないから

オレは変われるのか? オマエたちのように……

 

Gくんはなんだかんだ言って、言葉を受けて変われる人たちが羨ましいんですよね。自分が如何に矛盾だらけの道を突き進んでいるかを自覚するようになっても、それでも変われない変えられないとして未だに走ってるんですから。その意味や正誤を問いながら、いざその機会が与えられると飛び付いてしまう……彼が何よりも憎んでいる、嫌っているのは、何かに寄りかかっていなければ生きていられない自分自身なのかもしれませんね。

 

>どうか解答(アンサー)を入力してくれと願いながら、それでも薄っぺらな幻想にはなりたくない……か。現実で傷付いて幻想ではない最強に生涯をかけてなってみせようと決意しても、結局幻想を求めているのではないかと疑問に当たる。そしてそれでもよいとしながら、それを認めるには器量は狭くて……なんと傲慢なのだ、オレは

「G、何処へ行っていたの?」

「スカルシュレッダーが殿を務めると。ミーシャと入れ違いだそうだ」

「せっかく拾った命を捨てるんだ、あの子」

「いや、アイツの使いたいように使うんだ」

「なるほどね」

Wは何か含みのある視線を向けてきた。それは何か企んでいるのはわかっているし、どうせ嘘なのだろうが黙って騙されていてやるという──そういう視線。ああまったく、自分のことより先に、Wのことが優先だったか。やれやれ、サービスでもしてやらないと機嫌は取れそうもないな

 

ということで今回はここまで。

ご視聴、ありがとうございました。おま◯けはお姉ちゃん関係の垂れ流しです。

 

────

 

両腕が健在のスカルシュレッダーの登場は、レユニオンの士気を大きく上げた。それがアレックスではなくミーシャだと気付いたのはアーミヤとチェンくらいなものだった。それだけ本物のスカルシュレッダーと同じだったのだ。短期間でスカルシュレッダーになってみせるというその凄まじい執念に、だからこそ何故? という疑問がアーミヤに生まれた。

 

「どうして、どうしてなんですか!?」

「どうして? それは単純……だ。誰かが先を進まなければならない。暗闇を切り開いて灯火となり、正道を示さなければならない……んだ」

「レユニオンで殺戮をすることが正道ではありません!」

「スカルシュレッダー! そいつらと話なんか「黙れ。今アーミヤと私が話をしているんだ。お前たちは黙って見ていろ」……!?」

 

有無を言わせぬ……なんというか、どっかの誰かに似てるような似てないような……物言いで部下を制止し、また攻撃を中止させると、ミーシャはアーミヤとしっかり向き合った。マスクの奥に隠された表情は何もわからない。ただこの場にいる全員が薄々と勘付いている。その覚悟、尋常ではないと。

 

「その通りだ。生きるならば必要以上の殺しなんて褒められたものじゃない。でも、それでも、彼らにはそれがわからない……だから誰かがそれが間違いだと背中で示さなきゃいけない」

「それがお前の役割だと? 何故だ、何故そのような愚行を……!」

「隊長さん。出来が良かろうと悪かろうと、常に年長者は後ろにいる人たちの見本になるの。『年長者だからこそ失敗できない』んじゃない、『年長者だからこそ失敗する』──私が正道を歩めばそれに倣ってくれればいいし、私が間違えたならその道を避けてくれればいい」

「待て、それじゃお前は人柱じゃないか!」

 

横にいたホシグマが思わず声を張る。マフィアに身を置いていた彼女は見せしめというものを見てきた。無論そのような行為は許されるものではないと知っているし許すつもりもなく、また許してきたこともない。するつもりも、やったこともない。だがそうした末路を示すのは、秩序における過ちをちゃんと示すということでもある。それを見て、学ぶ──暗黙の了解とはそうやって生まれるから。

 

「ええ……でもそれが諦める理由になる? 後ろにいる人たちのために、絶対に諦めないことが、年長者としてできる最良の行動なの」

 

しかしそれでいいのだ、と目の前の少女は選択した。そもそも感染者の大半は愚かしさがわからないのだと。誰かがこれは愚かであると示さなければならないのだと。

 

「ロドスもレユニオンも掲げる理想は変わらない筈なのに、どうしてこんなにもすれ違うのか。優しい人もいれば怖い人もいる。感染者の扱いが不当なところもあれば、精一杯保護してくれるところもある。でもそうやって判断できるのは、良いところと悪いところを知っていなければできない」

 

わからないから安易な答えに逃げてしまう。その場限りの選択で致命的な間違いをしてしまう。だから誰かが先にそれが致命的な間違いだと示して、それを見た人たちがなるほどと思えば御の字だと。

 

「それぞれに正義がある。ロドスにも、レユニオンにも、龍門近衛局にも。みんなが正しいと信じたことをやっている。けど正しいと信じるあまり、それが間違いかどうかに気付けない──だから私は、全力でお姉ちゃんを遂行する!

 

……いや待て。なんか、おかしくないか? ドクターは訝しんだ。なんでそこでお姉ちゃん? そしてなんでみんな気にしてないんだ? 戦闘態勢に入った全員を見て戦闘指揮を組み立てながら、それはそれとして色々疑問に思う。

 

よく見ておきなさい……アレックス。これがあなたの、お姉ちゃんよ……! 全員、生き残ることを優先しろ! 死ぬのは私だけでいい! 私の行く道を見て、正道に行くんだ!」

「ミーシャさん!」

「アーミヤ、その目に焼き付けなさい! これが私の正道(過ち)よ!」

 

血を吐くように叫び、単身で突撃してくるスカルシュレッダー(ミーシャ)。姉として、年長者として、後ろを歩く二人の者へ。スカルシュレッダーに付いてきてくれた者たちへ──そして相容れない正義を貫く龍たちへ、このような愚かだけは絶対に犯すなという戒めの石となるために。

 

「スカルシュレッダー……」

 

元々疑問を感じていなかったわけではない。本当にチェルノボーグの虐殺が感染者の未来に必要だったのか? 冷静に考えれば誰でも気付くのに、それを理想の狂熱で誤魔化してきて──そして今、自分たちが着いていこうと決めた少年の代わりに、象徴として彼の姉が、感染者を救うという無理難題に挑戦する者たちへ、この愚かさを刻み付けろとする。

 

ならば、もっと年長者である自分たちが為すべきことは? 少女が姉として頑張っているならば、子供を守り導く大人として、目の前の敵に──いや異なる正義を持つ者へ伝えるべきことは?

 

「いや、俺たちこそが示すんだ。安易な答えに逃げた、ダメな大人たちとして──!」

 

もはや迷いは無かった。

彼ら今、たった一つの真実の下に集う。

 

どうか我らの選択を愚かな選択として、より良い正道を歩んでくれ。そのために狂い哭く我らの末路を、何故どうしてと共に伝えてくれ。

もし仮にこんな愚かな選択に潰されるのであれば──その時は、お前たちこそ愚かであったと。

 

──後の事は語るまでもない。

彼らは大人を遂行した。それだけだ。

 

「……現場判断は間違っていない。私からはよくそこでロドスに預けてくれたと感謝するよ」

 

チェンから顛末を聞いたウェイは、割と頭を抱えていた。

誰が考えろというのか。レユニオンに確保対象の弟がいて、血族だからなのかなんなのか、とりあえずなんかよくわからない「お姉ちゃんだから」という理由でスカルシュレッダーとして参戦し、ロドスと近衛局を相手取って殺し合いをするなど。

……いや真剣にわかんねぇ。なんでお姉ちゃん?

ミーシャは鉱石病が悪化しており、まだなんとかなった先ほどとは異なり、精神力一つで限界を超えたアーツと身体能力を発揮した反動で一刻を争う状態になってしまった。龍門で感染者治療を行うよりも、ロドスに預ければとりあえずはなんとかなるという現場判断は何一つ間違いではないし、ウェイも現場ならそうしたであろうと己を理解している。横に専門家がいるなら専門家に預ければ良いし、諸々の事情を考えれば龍門で保護してレユニオンの余計な怒りを買うよりもロドスへ矛先が向いてくれればそれでいい。

 

「ややこしい話になってきたな……」

 

借りとか貸しとかそういう次元の話ではない。ロドスと龍門の方針が異なるのは互い承知の上であるし、ロドスのバックもこちらへ情報提供をしない筈がない。ミーシャの正体が向こうにも伝わっているのだ。政治的判断で考えれば、言わないという事はない。いや、言わないという選択肢は絶対に取れない。

ただそれはそれとしてなんでそうなったんだ……? レユニオンに着くなら別に力尽くで良くなるから単純だった筈なのに、死を約束された殿に自ら進んで参加してチェンやホシグマが戦慄する程の尋常ならざる覚悟で決死の戦いを挑んでくるとか想像もできない。挙句ロドスも近衛局も少なくない被害が出ているんだからなんかもう色々とアレである。

しかも全てのレユニオン構成員がうわ言のように「まだだ、まだだ。まだ俺たちの過ちを全て見せ切っていない」と叫び二重三重の覚醒を繰り返し、ミーシャも覚醒の影響で進行し過ぎた鉱石病で意識を失うまで凄まじい猛攻を繰り出してきたし、ミーシャが倒れれば即座にスカルシュレッダーを名乗る構成員が現れて……俺を殺せ。そうすれば全て終わると叫び出す。なんじゃこりゃあ、わけわかんねえ。

オチとして、その名乗りを上げた男の首をスカルシュレッダーとして持ち帰り、ミーシャは死んだこととしてロドスに保護させる……なんかもうあれやこれやと情報が凄まじい密度でブン殴ってきている。

 

「──しかし年長者だからこそ失敗し、間違える……か」

 

学びの本質を、僅かな経験で得てそれを実践するなどと──ウェイは私人として、ミーシャとそれに従った大人たちの答えに同意し、そして本気で実践してみせたその姿に敬意を表した。お姉ちゃんは理解できないけど。

自分たちが築き上げたこの龍門の秩序だって、多くの先人たちの失敗から学んだことだらけだ。失敗を認めることのできない存在は、破滅するしか道は無い。小さな傷すら嫌がるほどの潔癖症なら、それはもう生きることすらできない。

思えば自分は、チェンに正しいのはこうだとばかり告げていて、間違いはこうだとは告げたことも示したこともなかったのではないか? チェン・フェイゼの意志を無視した、ウェイ・イェンウーの理想とするチェン・フェイゼであってくれと幻想を押し付けていたのではないか? ぐるりぐるりと私人として……何よりも父としての思いが頭の中を駆け巡る。

 

「父親と執政者の狭間で揺らぐ男では、愛想を尽かされるかもな」

 

──だが、それもまた父親というものだろう。お前を育て鍛えた父親ですら、理想と現実と、そして何より心と感情に振り回される大人でしかないと娘に示すのも、父親の役目ではなかろうか。そう思った時、フッと笑った。

 

(チェン。お前が真実、お前の為すべきことを見つけたのであれば……私は、お前にとって最大の試練として立ち塞がろう)

 

しかしウェイにはもう一つ、関心を持って対処せねばならない事があった。レユニオンに雇われているサルカズの傭兵『G』──Wの腹心であり、チェンが守護する者全ての宿敵とまで断じた男。その男の告げた、単にレユニオンだけではなく政治の話だということ。

普段ならば適当な戯言と流すだろうが……確かに奇妙な話である。ウルサスがチェルノボーグを落とされて沈黙する理由が気がかりだった。そしてGは、自分たちはウルサスの下儲けをするつもりはないと。レユニオンの行動はあまりにもおかしいと明確に言った。

 

ウルサス……狂気の行動……そこでウェイはある古傷を思い浮かべて──

 

「まさか……お前なのか、コシチェイ──?」

 

記憶の中の最も忌まわしき古傷(最悪の狂人)が嗤ったような、気がした。

 

 

……ところ変わってロドス。

急ぎ搬送されたミーシャの容体確認と適切な処置の開始が行われた頃、アーミヤはドクターに尋ねた。

 

「過ちを過ちと知らなければならない……ミーシャさんは私たちもまた感染者の希望であるとしたからこそ、あのような行動に出たんだと思います」

「……そうだな。確かにそう思うよ」

 

でもお姉ちゃんは重要なのか? ドクターはやはり首を傾げた。

戻ってきたケルシーが告げるところによれば、精神力一つによる身体の酷使、鉱石病の進行などが相まって意識不明であるという。回復の見込みはあるし、鉱石病の進行抑制治療も行えばある程度は多少の不便程度で済む。しかし目覚めた時に、記憶が欠落していたり人格面に何かしらの影響がある可能性も否定できない──それがミーシャの状態だと。

 

「まるであの男のようだな……意志一つで、限界を超えるか」

 

ケルシーがそれに覚えがないわけではない。かつて目をかけていた、割と可愛げのある弟子であり、どうしようもなく愚かな男。今はWという半身と共にレユニオンに属しているGと同じ凶行。そしてこと戦争に関する嗅覚は異常とも言えるGからの警告。

ケルシーはアーミヤやドクター、その他のロドス職員とは異なり、彼女らの目的を理解しているし、極論は自分と重なる点があると見ている。チェルノボーグで何があったのかも、大体の予想は付いている。そしてWたちが、Scoutらを殺すことになったのは不本意であろうということにも。

 

「あのサルカズの傭兵……Gのことだな」

「G……」

 

アーミヤもドクターも、それはただの人間にできることではないとわかっている。あのGの如く突き抜けた狂人にしか許されない、究極の手段。チェルノボーグで見せた人間の限界値を遥かに超えた狂気の戦法は、誰に真似できるものではないと、ワルファリンは医学的に証明してみせた。

というよりも、そもそも生体電気を人間の致死量まで発電している時点で死亡するのは目に見えているのに何で死なないのかと彼女すら匙を投げて、ケルシーは「気合いと根性」の言葉一つで片付ける始末。あんな二人は初めて見たとアーミヤが唖然とするくらいのテキトーっぷりだった。

 

「……それでドクター、アーミヤ。私に聞きたいことがあるようだな」

「ええ。ケルシー先生、あなたはGと知り合いなのですか?」

「昔の、弟子のようなものだよ。奴は傭兵でありながら傭兵にあるまじき地頭を有していた。研究者としても大成できる素質があった……」

 

途端、ケルシーは無表情のまま、しかしその視線と言葉にへばりつくような湿度を含み出した。

 

「あいつは、死ぬ為に生きている。私はそれを認められない。エゴだと呼ばれても、あいつに人生を生きるという選択をさせたい。奴に恨まれようが知らん。私という医者の前で死にたいなどとほざいたあの大馬鹿者を、一度殴らねば気が済まない」

「ケルシー? どうした? 何か様子が……」

一人旅でもよかったろうに、また私の元へ来てもよかったろうに、結局はWを選んだのか。それはいい。だがやはり闘争こそ己の居場所だと? ふざけるなよ愚か者。あの慌ただしくも穏やかでもあった日々に安らぎや未練を感じながら、今更戦争だの最強だの混沌だの……ああ確かにそうだとも。認めるさ、そうしない君は君じゃないと。でもどうせ今頃あれやこれやと悩みに悩んでああでもないこうでもないと霧の中を彷徨い歩いて、Wを妬かせながら色々な奴らに変な影響を与えているんだろう? そしてWを思わせるような人がいればすぐに口説き出す。ああ、そうだろうな。W、お前が毎回のように私を睨み付けていたのがわかるよ。そしてW、お前はやはり止めないのだな。それがお前たちの関係性であるとは理解しているが生きて欲しいという思いは嘘ではないだろうに何故しない。それにしてもあの男はフラフラし過ぎだ。フラフラしているのにそれを嫌がって真っ直ぐ進もうとしてそれでいいのかと迷ってやっぱり夢を追いかけて──「ケルシー先生!!」……すまないアーミヤ。あの愚か者への恨み節が少し漏れた」

 

ぶつくさと何やら凄まじい勢いで語り出したケルシーに彼女らしからぬ雰囲気と、ケルシーの本音というか人間性の一部を垣間見ながら、でもなんか声も視線もちょっと怖いからやめてくれとアーミヤが声を張った。ドクターは「ケルシーも人なんだなぁ」とぼんやりとした感想が出てきた。

 

「話を戻そう。あの男とは本当に古い付き合いというだけだ。敵であっても問題は無い。確実に排除してみせよう。それにいい機会だ。一度死ねば目も覚めるだろう」

「割と過激なところあるんだな、ケルシー」

「ドクター。私をなんだと思っているのかは知らないが、私だって心と感情がある。理性で様々なことを割り切っているだけだ」

(ぜーったいあれは割り切れてないです……)

「何か言いたいことがあるんじゃないか、アーミヤ」

「別にありませんよ」

「あるのだろう?」

「ありませんってば!」

 

そんな風なやり取りをする二人を尻目に、ドクターは思考を回す。ケルシーの古い知り合いであり、記憶を失う前の自分を知っていて正反対の感情を向けてくるWとG。あの二人はレユニオンとは違う意図で動いていて、その片割れがレユニオンの奇妙さを指摘した上で陰謀とまで言った。

不思議なことに、嘘ではないと感じていた。なんというか、変なところで誠実であるというか……そこまで考えて、Wのことが浮かぶ。まるで家族のような、戦友のような、恋人のような、そのどれもが正しくどれもが異なるような視線を向け合う仲の存在。彼女の真の目的や意図にそぐわない展開となれば、半身の如き存在ならばどうするか……

 

「ケルシー。色々と調べてくれないか? この件、やはり引っかかる。チェルノボーグを占拠して、そこを拠点にしている理由がやはりわからない」

「……わかった。だが時間が必要だ。短期間ではあまり期待しないでくれ。それとアーミヤ、ペンギン急便のエクシアが弾薬費の件で呼んでいたと聞いたぞ。向かってやってくれ」

「はい」

 

ケルシーと別れて、二人はエクシアの元へ行く。と言って執務室なのだが。

 

「やっほー、待ってたよリーダーにアーミヤ。いやあ、思ったよりも弾薬使っちゃったからねぇー。契約範囲超えちゃってて」

「やはりそうなりましたか。勿論こちらで持ちます。ややこしい話に巻き込んだのは事実ですから」

「太っ腹〜、って言いたいところだけど……実際随分と話がややこしくなっちゃったよねー。でもあたしわかんないのが、どーしてあの子はやたらとお姉ちゃんを主張してたのかなぁ……?」

 

ドクターは知るかボケと内心毒吐く。言いたいことはわかるけど、どうしてああいう変な方向になってしまったのかは全然わからない。アーミヤが書面のサインをしていると、執務室がノックされる。開けてみれば、見知らぬ……というわけではないが、名前と顔だけは知っているサンクタが一人。エクシアは驚きのあまり、固まっている。

 

「モスティマ……!?」

「やあ、久しぶり。エクシア。積もる話もあるだろうけど、後にしてくれるかな? 今はペンギン急便としての仕事があるんだ。ロドス・アイランドの代表者宛に、この荷物を届けてくれって」

「私に……?」

 

アーミヤの前にいそいそと複数人が運んできたのは、子供サイズの寝袋のようなもの。なんだこれはと考えて、少しだけ警戒する。

 

「これは一体なんですか」

「曰く死んだある男。まああいつの事だし、格好をつけた表現だね。もっと言えば──」

「……俺だ……ロドス」

 

ひょい、と寝袋のようなものの中から起き上がったのは隻腕の少年。その声も体格も、忘れられなくて──

 

「スカルシュレッダー!?」

「……また、会ったな……」

 

極めて複雑な感情で表情をぐちゃぐちゃにしながら、スカルシュレッダーことアレックスはロドスに『遺体』として運ばれてきたのだった……




ミーシャ姉貴
どけ!! 私はお姉ちゃんだぞ! 全力でお姉ちゃんを遂行する! よく見ておけ、これがお前のお姉ちゃんだ!
WやGとの会話、連れ戻されたスカルシュレッダー、ロドスとレユニオン、近衛局の正義などを見て、何故か脹相と化してしまった……
心一つで鬼となり、部下たちと共に二重三重の覚醒を行って限界突破しロドスと近衛局を凄まじい能力で圧倒。しかし肉体が付いて来れず限界を迎え、現在意識不明
なんだお前……?

アレックスくん
お姉ちゃんとして覚醒したミーシャ姉貴の背中を見て、Gくんの悪辣な言葉と割とガチな説得から正道を選んだ。狂気の殺戮者スカルシュレッダーから、遂にアレックスへと帰還した
……でもシナリオ的にはW姉貴にパスワードを伝えた時点で既に用済みという。まあ、あれだよ……いいことあるって!

近衛局とロドスの皆さん
お姉ちゃんの輝きを見て、愚かを愚かと伝える大切さを改めて実感したけどやっぱりお姉ちゃんがわからない

ウェイ兄貴
ミーシャの謎行動に頭を抱えたり、もたらされた情報からコシチェイが浮かんだり、ミーシャたちに敬意を抱いたり、父親としての失敗をぼんやりと理解したりと大忙し
かわいそう

Gくん
掌モーターコイル、変われない自分の愚かさに嫌気が指しながら、どうか正しい回答を入力してくれと願いながら、幻想にはなりたくないしその回答は自分で見つけなければならないからと傷付き苦痛(W)を愛することを選んでも、それでも最強を目指してしまう
単純で純粋なのに、色々とめんどくさい男

W姉貴
なんか半身が黙って色々やっているので、ちょっと拗ねた。構って

ケルシー先生
存在意義をすぐに見出してみせて、「純粋さ」を持ったまま万物を平坦に見ていて、人らしさを捨てきれず学者としても大成する才覚があるGを彼女なりに可愛がっていた
怪物になれば一種の諦めが付いたろうが、完全に人になった上でWに着いて行く=結局はWと殺し合う運命からは逃れられない(生まれた時から他者を滅ぼすことでしか生きられない理性的にぶっ壊れた存在)ということを自主的に選んだGを諦めきれず、湿度が高い感情を向ける

モスティマ姉貴
遂に参戦する最強の堕天使にして実は一番影響力が高かった人
必要無いと割り切りつつも欲する自分とは異なり、心底から捨てられる素質を持ったGを羨みながら、自分に倣わせて捨てさせるのも忍びないと人になるように色々と現実を見せる言葉を投げかけていた。実は悩みの大半が彼女によってもたらされたもの。彼女と出会わなければ怪物コース確定だったとも言える

チェルノボーグ
ドクター暗殺RTA兄貴の常套手段。常に忌まわしい記憶と共に落ちるアクシズみてーなもん。これをかっぱらってロドスにぶつけるのが最速なのでそうしたのを学会で発表したところ、特定人物殺害RTAや特定都市殲滅RTAなどで都市特攻や都市自爆による走者たちのコシチェイ化が始まってしまったので、今では禁術とされている
今日も何処かで爆散したり衝突したりする哀れな都市
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