アークナイツRTA参考資料「W姉貴のしっとり確率」ついでに「最強の伝説」トロフィーRTAの中途報告 作:W姉貴に負けたい人
そろそろ本編を小話が超えそうなので、色々とお悩み中。
仮に新作を出す場合、スカジ姉貴がメインになるかと。
あ、プロファイルにステータスとか追加しました。
役に立たない感頑張って出したので、よかったら見てネ。
1組の男女が剣戟を繰り広げる。
チェンとGだ。
「……あいつ、荒れてるわねぇ」
「隊長もあの傭兵にはただならぬ感情を見せていますし、仕方ないことですよ」
それを見るのはスワイヤーとホシグマ。
一体いつ爆発するかわからなかった爆弾は、ある日唐突に爆散した。3カウントとかの前触れもなく。
「それ言ったらあんたも結構イラついてるんじゃない?」
「言われてしまうと否定できません。私はあなた達とは違って普通の育ちではないので、ああいう者を見てもそこまで感じるものはありません。ただ……」
それが相反する二人が訓練用の剣を片手にかなり本気でやり合っている理由だ。たったそれだけの理由であり、そのやり取りはひどいものだったので見ている二人も半ば呆れている。しかしそれでも目の前で繰り広げられる戦いは思わず息を呑んでしまうような、それほどにレベルの高い闘争であった。
「守ること、殺すことの違いを知っているし、その上で破滅的な選択を嬉々として選ぶあの男がわからない?」
「ええ。何一つとてわかりませんし、わかりたくもありません」
「同感ね」
破滅的な選択肢──ブラッドブルードの肉体ですら悲鳴を上げる程の負担を常に負いながら、理論上可能な行動を狂った方法で実現し、挙句友人だろうが恩師だろうが何の躊躇いもなく嬉々として殺せる。
そんなものを誰が理解したいと思うのか。
「それにしてもチェンの嫌いようも不思議ね。話したことは数えるほどしかないんでしょ?」
「守護する者全てと相反する存在だと一目見てわかった、とのことです」
「チェンってば、そこまで野生的でもなかったでしょうに。──でもGって言ったっけ、あの傭兵」
模擬戦という名の喧嘩に目を向ける。
チェンの卓越した剣技に喰らい付けないはずなのに、当然の如く限界を超えて喰らい付くG。
攻防は目まぐるしい。Gが一太刀振るえばチェンはいとも容易く弾き、受け流して切り返す。斬撃、刺突、柄での打撃、体術を絡めた攻撃……矢継ぎ早に繰り出しても、幼少より剣の道を行く龍には届かない。
(──何故だ?)
だがそれでもチェンは心中に疑問を抱く。こうして自分に喰らい付いてくる男の感情がまったくわからない。そもそもこんなもの、売り言葉に買い言葉で始まった喧嘩のようなものなのだ。言ってはなんだが、Gに挑発の意思はなかったとわかっている。だとしてもチェンには認められないことを言っていたので、遂に我慢の限界を迎えただけだ。
縦斬り──横にした剣で防がれる。すかさずそこに突きを繰り出して防御を崩し、続け様の横斬りで追撃する。それを返すことができず、防戦一方に追い込まれるG。これは明確な差だ。チェンの方が疾く、Gの方が遅い。いくらどれだけ限界を越えようとも、元来の才覚と向き不向きだけはどうしようも無い。
この理屈を不条理で踏み躙るのは彼にとって容易であるが、単なる喧嘩でそれをするほど馬鹿ではない。
押され気味の剣戟の中、不意に右の肘打ちが飛んでくる。懐に入り込む一撃に、彼女は真後ろに下がるしかない。間髪入れず脳を揺らすための顎狙いの掌底が繰り出される。2発の押し込み──ならばと判断したチェンは真っ直ぐに前へ進み、後ろに下がった一瞬を狙った背撃にタックルをぶつける。
密着状態、剣が振れない以上は離れるしかない。
(何のために……?)
息を吐く一瞬、彼女は考える。彼が何故この八つ当たりの喧嘩を買ったのか。
──だがわからない。
一方、眺めているスワイヤーとホシグマは冷静に分析する。
「向いてないわね」
「あなたもやはり?」
「ええ、どう見ても戦うべき人間じゃない。デスクワークに交渉とかが適任よ。彼は」
「……まあ、男の子には意地があるといいますし、我々が四の五の思っても何一つ無意味でしょうなぁ」
Gは近衛局の一般戦闘職員と比較しても、中の下程度。やはりというか、彼女たちの目で見ても所詮その程度に過ぎない。しかしそれを覆せるのがこの男であり──事実、本来倒すことは不可能であるはずの黒蓑を一人初見殺しとはいえ瞬殺している──その狂気と憧憬の異常さがよくわかる。
チェンと打ち合っても、7合打ち合えればいい方……そんな程度であるにも関わらず、本気でもなんでもない状況で当たり前のように喰らい付いている。
「……何故だ? 何故この喧嘩を受けた」
「うん? オマエはオレを殴りたかったのだろう。そしてオレはオマエと手合わせしてみたかった。利害の一致だ、いいじゃないか」
零れ落ちた疑問に返ってくるのはそんな答え。呆気に取られて動きが止まるが、律儀にこの男もまた止まり、続きを促してきた。
「本気で言っているのか」
「戯れ合うのもまた研鑽だろ」
「お前にとって運命とはなんだ」
「運命、か」
運命をあえて言葉にするという状況は無かったので、少しだけ言葉を考えてから──
「もう一人のオレであり、オレでは出せぬ答えを持ち、オレとソイツの間で相互理解が成立し、そして殺し殺されるならばコイツのみで、例え殺されても生死を超越し共に在り続ける──それが運命だろうな」
自分でも首を傾げるくらいに抽象的な言葉で告げた。案の定、チェンは飲み込むのにしばしの時間を必要としたが、それでもかなり早く飲み込んだ方であった。困惑した表情から納得の行く表情に変えた後、どのようにしてを問う。
「コシチェイのようにか」
「いいや。あの蛇ほど言葉通りではない。言うなれば、殺した相手こそが殺された相手の生きた証──」
そこまで言ってから、Gは自分が如何に愚かなことをしているのかを自覚した。そもそも人と人との関係など、全てを言葉で表すことなど困難な代物だ。一側面をピックアップして言うならばまだ可能であるが、「運命」はどという陳腐な一言でまとめ上げている関係を、どうして言葉で表現できると思ったのか。
「いや、やはり言葉などでは表せない。忘れてくれ」
「なら自分でどうやって運命だと判断しているんだ、お前は」
「運命とはそういうものだ」
判断するしないとか、そういうものではない。運命は運命なんだから本能的に理解できるし互いに自覚する。完全に全てを放棄した返答に、チェンはため息を一つ。
「……はぁ、理解できんな」
「させる気も無い」
ばっさりと切り捨て合いながら、さてと剣を構える。ただ気になることはまだ色々あるので、チェンは構えただけで何もせずに更に問う。
「私とお前は運命ではないのか」
「オレとオマエは不倶戴天というだけで運命にはなり得ない。相反するというだけで、運命になれるわけではないだろう。せいぜい気に食わないものというだけで終わりだ」
「……ふむ、確かに」
「そもそも、オレたちは互いを理解できるか? 無理だろう。根本からして相反するのだから、知ることはできても理解することはできん」
──不倶戴天であることは理解できる。
が、互い何故そういう道を選び、どうしてあのような行動を取っていて、そして傷付き続けるのか。そこはどうしても理解できない。万物を殺し尽くし最強の字を勝ち取ることはチェンには理解できないし、Gもまた龍門を守りたいのに感染者になったからと恥じてウダウダと内心で見て見ぬフリをし続けてコシチェイの陰謀でようやく吹っ切れたなど理解できない。
最強を目指すのはいいが森羅万象を血と闇で染め上げる必要は無いのに何故殺戮の旅路を進む?
理想と現実に苦しむのはいいが早くなると決めてなれば終わりだというのに何故そうなろうとしない?
そこに至るまで色々あったのだろう。我々は同じではないのだろう。その決断や道に羨望が無いとは決して言えない。しかしどうして──こんな簡単なことをせずにあえて困難な道を進む? 結局はそこなのだ。
「チェン・フェイゼに対するタルラ・アルトリウス……このような関係性こそ、運命になり得る可能性があるのだ」
「理解できて、尊敬できる。しかし道を誤ったなら殺し合うことができて、例え殺したとしても納得するし、殺されたとしても納得できる……」
「まあ、そういうことだ」
彼女は自分とタルラの関係をGとWの関係に当て嵌めてみて、視点を変えてみて、思いを馳せてみる。すると確かに不思議と、どんな結論に至ったとしても殺されてもいいが殺すのは自分以外あり得ないとは思えた。
「……ああ、確かに知れはしたな。理解はできんが」
しかしそれを是とできるか否かは別。
思えただけ、知っただけでやはり理解はできなかった。
「やはり……気に食わん」
笑みが浮かぶほどに気に食わない。
虚しいほどにGという男とは仲良くできない。チェンは静かに力を入れ始める。
そろそろお喋りは終わりにする──気迫でそう伝え返ってくるのは、切先を右に流した、ともすれば無防備にも見える独特の構え。
しかしチェンはその構えを見ても、もう少しばかり言葉を告げる。
「……実はお前に対する詫びを考えていてな」
「よせ。オレとオマエの仲だ」
「不倶戴天だろうが私の八つ当たりに付き合わせてるんだ。詫びの一つや二つ、しなければ示しがつかないだろう」
「ではまあ、聞こう」
何を言い出すやらと怪訝な顔をするG。
彼らしからぬ表情に、チェンは人間性を垣間見た。だからこそ余計に不快になるのだが。
「生憎と今の私たちは、認めたくないが同僚だ。組織という秩序に属する人間が、気に食わんとか殺し合いたいなどという理由だけで血を流し合うのはご法度というもの。だから赤霄を抜いてやれんが──殺す気で行くぞ」
「素直になったのか?」
「一度ぶちのめせば私は気が晴れる。そして殺す気の私と戦えればお前もそれなりに満足する。ほら、win-winという奴だ」
「……どうやらオレは、オマエのことが好きみたいだよ。チェン」
「お前のような人狼に好かれて有り難がる女などいない。吐き気がするな。もう少しナンパ術を覚えてから口説け、G」
空気が変わる。
目の前の何もかもが正反対の相手をぶちのめす建前が手に入ったのだから、内に燻る殺意の炎を曝け出さない理由がない。
「剣が折れても止めんぞ」
「望むところだ。殴り殺してやる」
「──最高だな」
ニィッと凶悪な笑みが浮かび、悍ましい怪物が姿を表す。龍と吸血鬼は同時に力を込めて、一秒後の爆発で枷を外す。殺してしまってもいいという同意があるのだ。
訓練中の不幸な事故として処理もされよう。
──そしてそれを見る鬼が、危険な領域に達した両者の戦闘欲を見抜けないわけがない。
「……ミス・スワイヤー。これから無許可で般若取ってきますから事後報告と弁明の手伝いをお願いできます?」
「チェンだってバカじゃないでしょ。そんな必要無いわ」
「あります。一度火が入れば数も数えられないようなバカになるのはご存知でしょう」
「心配し過ぎよホシグマ」
スワイヤーはそこまでチェンがバカじゃないと信じている。彼女が見てきたチェン・フェイゼは色々と問題こそあるが、訓練中の不幸な事故にかこつけて気に食わない相手を殺すなどという方法を取らない人間だ。
「バカは怖いですよ。なにせバカですからね、何をやらかすかわからない」
「それでも犯罪者や悪党、外道よりマシよ」
「あの傭兵は、そうした括りではありませんよ。あれは──人をバカにするバカの中のバカ。最悪最恐のタイプです」
チラリとホシグマが視線を変えた。スワイヤーも続けて視線を変えてみれば……
袈裟、逆袈裟。流れるような左右の横薙ぎからの背撃、体勢が崩れたところに強烈な一閃。たまらず押されたGに対して、チェンは剣を右に構えて突きを放つ。
それを踏んで飛び、背面に回る。刀剣を踏み台に飛ぶという訳の分からない解決法で刀身がへし折られるが、彼女は気にせず前へ進み折れた先端を空いている左手で掴み取る。その頃には、先ほどまで彼女の喉があった場所を剣が通り過ぎていた。
先端を投げる、弾かれる。しかしその瞬間と瞬間の隙間、踏み込んだチェンが切り上げの姿勢を取る。先ほどのような曲芸は通用せず、真っ向勝負を強いられると見たその時、逆手に持ち替えて剣を剣で絡め取る。ガッチリと噛み合った剣を動かすことができず、両者は一歩も動かずに殴り合う。しばし殴り合った後、Gが蹴り上げを放ちつつ側転で距離を取った。
しかし移動と攻撃の隙間は刹那的であるが、致命的である。素早く剣を捨てたチェンは格闘戦へと移行。Gの重心が戻り切るまえに剣を握る右手を掴み、適切な打撃と関節技で剣を落とす。そのまま最大接近距離での徒手空拳戦が繰り広げられる。
片方が関節を破壊しようと掴めば、片方が回り込むような動きと共に後頭部に肘を叩き込む。片方が投げ倒せば、片方は素早く蹴りを放つことで追撃を阻止する。投げ技には投げ技で返し、互いにクルクルと踊るように回る。建前すら忘れて殺人技をなんの遠慮も無くぶちかまし合い、あわよくば目の前の相手をぶち殺してしまおうという魂胆が見える。
それはまるで仲の良い男女の戯れに見えるが、しかし圧倒的なまでの殺意と殺意の交差が起きており、これらの本質が訓練という名の撃滅戦であることを見る者へ訴えかける。
「あれを見ても? スーお嬢様」
「……アタシが悪かったわ! とりあえず言葉で止まるとは思えないけど仲裁行ってくるから!」
「ではそのように」
どう考えても素手での殺し合いに移行した二人を見て、二人の女傑はバカ二人を止めるべく奔走することとなった。
チェン・フェイゼ氏があまりにもイイ女だったのでつい、興が乗ってしまった。オレはほどほどで抑えようとしたが、アイツがオレに対して熱烈なラブコールをしたのが悪い。オレは被害者だ。なのでWとケルシーへの報告はやめてくれアーミヤ。やめろドクター、それに手を伸ばすな……!! ──G
確かに事の発端は私だ。だが向こうも向こうで私をその気にさせるようなことを言い続けて、挙句断ればいいのにあんな子供じみた挑発に乗ってきた。あれは悪質な当たり屋としか表現できない。しかも途中で切り上げればいいものを、もっともっとと強請ってきたのは彼の方だ。原因という点では私が悪いが、事態が悪化したのはGが悪いと客観的に言わせてもらう。 ──チェン
アンタ、アイツのことになると自制効きづらくなるのはヤバいわよ。抑えなさい。子供じゃないんだから……あとでホシグマに謝りなさい。 ──スワイヤー
四の五のは言いませんよ。ただお二人とも反省してください。関係各所に迷惑がかかっているんですから。 ──ホシグマ
お二人の言い分はどうでもいいですけど訓練施設の修理費払ってください。 ──アーミヤ
私のバカ弟子がすまないな。 ──ケルシー医師
ウチの駄犬がごめんなさいね。でも色目使うのも問題じゃないかしら、龍女さん? ──匿名希望
え、私とはあれこれ付けて戦ってくれなかったのに!? ──ブレイズ
Gくん
無意識的にチェン姉貴を挑発してしまい、その詫びも兼ねて殴られることにした人。
しかし途中でその気になってしまい、半ば殺し合いに発展してしまった。
彼的にはチェン姉貴のことは好き。両成敗ということで訓練施設の修理費は割り勘しようとした。
チェン姉貴
Gくんの言動に我慢の限界を迎えてしまい、つい喧嘩ふっかけてしまったら何故か了承された人。
途中でやり過ぎる提案をすることで、いい具合にやめられるかと思ったが向こうがやる気になってしまい、建前も手に入ったことで彼女の方もだいぶやる気になってじった。
彼女的にはGくんのことが嫌い。訓練施設の修理費は原因として全額負担しようとした。
スワイヤー姉貴
チェン姉貴の常識力を信じたスーお嬢様。
思ったよりバカだったので困惑中。
ホシグマ姉貴
チェン姉貴の常識力を信じなかった任侠者。
Gくんには特に思うことはないが向いてないことをするスタイルは理解できない。
Gくんの飼い主二名
こんなところでもアピールしないでください。
暗黒CEO
それなりには常識があると思っていた二人に暴れられたので理性0に。
ドクター
無言でチクった。
ブレイズ
誘っても色の良い返事がもらえなかったのにチェンはいいんだぁ……と複雑な気持ち。