アークナイツRTA参考資料「W姉貴のしっとり確率」ついでに「最強の伝説」トロフィーRTAの中途報告 作:W姉貴に負けたい人
いたい
「何その顔」
「W……奴は何者だ?」
「ドクターのことかしら」
「いや────サルカズだ。ロドスのサルカズ」
チェルノボーグ陥落後。
クラウンスレイヤーはWを訪ねていた。
理由は一つ、恐るべき戦闘能力で暴れ回ったGを知るためだ。
「あぁ……あれのことね」
『あいつは元気だぞ。今ここにいる』────なんて教えてもらった時はついその気になりかけたが、グッと堪えて本来の目的を遂行した。ただクラウンスレイヤー隊が化け物に襲われていると聞き、もしやと思って精鋭部隊を差し向けたが……誰一人として帰って来なかった。
「お前を探しているようだが、何処で恨みを買った。あんな奴の」
思い返すだけでも身震いする。悍ましい怪物のこの世ならざる視線、あり得ざる力。戦いの申し子としか形容できない凄まじさ。そんな相手に探されているとは、という同情を込めた発言だったが、一方Wはそんな言葉を聞いて何を勘違いしているやらと呆れる。
「あんた、あいつの態度見てよく恨みだと思えたわねぇ」
あれは恨みではなく歓喜なのだ、などと解説してやるつもりもないが、そういう誤解は頂けない。複雑な乙女心である。
が、クラウンスレイヤーからすればあれが恨みでなくてなんだというのだというわけであって、怪訝な視線を投げ付けつつゲンナリとした表情をするしかない。
「あれは本当にロドスの一員なのか。私にはもっと悍ましく恐ろしい何かにしか見えなかった」
「ま、心はロドスには属してないでしょ」
あんな奴が『感染者みんなを助けるんだ!』とか言ってたらWは笑い死ぬ自信がある。そして笑い死ぬ前に殺す自信もある。
そこまで言って、どうせ理解されないのだから本当のことを言ってはぐらかしているように見せかけてみようと思い立った。
……別に惚気とかじゃないからね、と内心でケラケラ笑ってる半身に言い訳しながら。
「何者か……だったわね。いいわ、教えてあげる。あれはあたしの半分よ」
「何の冗談だ? 自分の部隊員を殺した存在が半分だと?」
意味がわからない。半分とは? そもそも敵ではなかったのか?
クラウンスレイヤーが、リュドミラが知っているあらゆる人間関係に当て嵌まることの無い返答に、彼女はただ困惑することしか出来ない。はっきり言えば────気味が悪かった。
半分だと断言する熱を帯びた声と異常な雰囲気。臭気さえ感じられる悍ましい感情と共にある深い親愛の感情。なれば理解する気も失せるというもの。
そんな態度をしっかりと感じたWは、しかしストッパーの無いGと戦ってよく腕の一本や二本を失わずに無事で済んだものだと話題を変えることにした。
「いいのよあれは。あいつら、色々複雑だから。それにあたしの半分とは言ってもあのくらいで死ぬようならそれまでだし。けど流石ね、散々暴れ回った挙句チェルノボーグから逃げおおせるなんて。腕は鈍ってなくて何よりだわ。……しっかし、よくあいつと戦って五体満足で持ち堪えられたわね」
「敵の戦術が確かだった。実力はそれほどではなかったように見えるが……結果だけで言えば片手を潰された。迅速な治療がなければ間に合わなかったよ。────メフィストに感謝することになるなんて」
サルカズ傭兵隊に救出された後、応急処置を受けながら自分の隊と共にメフィスト・ファウスト隊に急行。そこで迅速な治療を受けて戦線に復帰することができた。
傷は治ったが、あの恐ろしさは深く刻まれた。多種多様なアーツを使い、致命傷以外はほぼ全て無視して殲滅する。自身の必殺の二段構え、その隙間を狂気の防御で通り抜けて反撃。それすらブラフに本命を撃ち込むなど……ロドスとの戦闘でそんなことをする奴がいなくて少しホッとした。
「ふぅん……弱っちく見えるんだ。そういえばあんた、出身は?」
「────ウルサス」
はて、このサルカズはいきなり何を聞いているのだろうか。それにあまりいい気はしない。感染者に出身を尋ねるなどと。そのほとんどが感染者というサルカズだからこそなのか、このデリカシーの無さは。
などとは感じたが、別にそういう意図は無いようだ。Wとの付き合いは極めて短いが、ふざけているようでふざけている時と、ふざけているようで真面目な時の区分は一応付くようになっていたのが理由だ。
「なるほどね。じゃあカズデルの内戦については全然知らない感じかしら」
「噂に聞いたくらいだ。あのサルカズもそこに?」
「あいつ、ちょっとした有名人なのよ。ある狂人を殺したね」
────さて、嘘だらけで行こうか。
Wはニコニコとしながら、あることないこと吹き込んだ話を始めた。
「その狂人の名はジェヴォーダンの獣。カズデルにいたサルカズの大半が、名前を聞いただけで嫌な顔をするくらいの化け物。レユニオンに雇われてる傭兵も例外じゃない。あのブラッドブルードを知る人は最悪の異端者や真実の怪物とか、好き勝手呼んでるわ。ここで問題。彼は一体何をしたでしょうか?」
「……すごい偉人を殺したとか」
「残念。でも殺したは正解」
……大将首だったか? と考えたのは束の間。
「三年でカズデルに潜むブラッドブルードを数百名をたった一人で殺し尽くした。文字通りありとあらゆる方法で、老若男女、善人悪人、一切の差別無く皆平等にね。……しかもその全てが実力者と名高い連中だった」
Wの発言で全てが凍り付いた。
つまり、つまりそれは種族の根絶を考えていたということであり、現実的には到底不可能なことだ。
倫理や法からの明らかな逸脱。
途方もない企てであり、ブラッドブルードを知る者や常識的な存在ならば、嗤い出すか投げ出すであろう目標。それを躊躇いなく実行するなど────いくら何かと悪魔扱いされがちなサルカズとてあり得ない。
何故ならそれは、幻想の中の怪物だから。そんな、魔物のような存在がこの世にいていい筈などない。
「目的は不明。けれどその行動がブラッドブルードの根絶に繋がるということだけは、後ろに広がる血の河と屍の山が証明していた。史上最悪最凶の同族殺し、稀代の殺戮者として一部の阿呆どもには神格化され、あらゆる倫理や掟さえ通用しない模倣犯まで生み出してるとかなんとか。ま、大抵は足元にも及ばないけど」
「流石に、作り話だろう」
「あはは、そうよね。あり得ないわよね……でも事実なの。あたしの部隊に討伐依頼が来て、多大な犠牲を払いながら7日7晩続いた死闘の末に、あるブラッドブルードの男がその首を落とした。かつてのあたしの相棒、Gよ」
Wの言葉はまるで嘘のような話だ。
だが実際に相対したあの男の圧倒的な戦闘能力は、その化け物の影をチラつかせる。
「次は負けない。私が首を落とす」
だがどうした。次こそ勝つのは私だと吼える。
そんな彼女を見てWは精々頑張りなさいな、と心にも無い応援を呟いた。
────
>「Gさん、もう一度説明を」
「Scoutたちが音信不通になった上に、レユニオンの武装蜂起が重なった。奇襲により戦死したものと判断し、隊を救出隊の補助に回らせてオレは単身でレユニオンの暗殺部隊を強襲。隊の半数を削り、幹部にそれなりの手傷は負わせたもののサルカズ傭兵部隊の精鋭に包囲され幹部は取り逃した。その後は傭兵を全滅させ突破。天災の影響もあって本隊への合流は断念し、単独でチェルノボーグから脱出した」
ポカンとした顔をするアーミヤを筆頭としたロドス上層部。またか、と言わんばかりの表情をした生き残りのオペレーターたち。意味不明過ぎて理解の追いついていない行動予備隊たち。そして呆れた顔のケルシー。
まったくわかりやすい反応だ。
……どうも、一般感染者です。
流石に死ぬかと思いました。
リュドミラ姉貴をハメられたのは幸いでしたが、初手で『W』を切らされた上に『R』まで使わされることになるとは。流石潜在能力が極めて高いだけのことはある、と言ったところでしょうか。
更にその後、元部下たちに包囲された挙句にそれを強行突破。天災降り注ぐ中で安全なルートをうろ覚えかつW姉貴と遭遇しないように行動することになるとは……
そもそも天災降り注ぐチェルノボーグで行動すること自体がロスofガバなのでリセなんですけどねえ本当なら!!
ああクソあれもこれもロクな情報のねえレイジアンが悪りぃ! チェルノボーグ落としてやる!! チャート通りならマルチウェポンが間に合ってロスモンティス姉貴のアーツを宿した指輪が作れてたのに!!
>「つ、つまり……孤立無縁かつ絶対絶命の状況から逃げ延びたと」
「まあ、慣れているんでな。要は広域殲滅攻撃持ちを避けて雑魚を丁寧に殺していけば問題無いということだ。その為にレユニオンに変装したりなど色々やったが……」
「慣れ、てる?」
「ん? あぁ……部隊の半数が死に、部隊の半数が残って包囲された戦場から生還したことくらい多少はある。それと同じようなものだ」
あれは地獄でした……精鋭部隊の中の精鋭部隊────剣士、狙撃手、攻撃術士、補助術士のフルパーティに地の利の無い市街地で囲まれ、初動で半数を落とされた状況からヒーヒー言って逃げ切りましたよ。ええ。
>「あらゆる条件を考えれば、君が生還することは予期していた。君にとってはあの状況こそが最高のコンディションが発揮できるだろうからな。その様子だとひと目見ることすら叶わなかったようだが。君が欠けるとクロージャが潰れかねん。帰ってきて早々で悪いが、治療完了後は管理人として仕事をしてくれ」
いつも通りのオレに対して、ケルシーはいつも通りに声をかけてくる。しかしそんなことを言われても、運命がいるとわかって様々な運用データも揃ったのだ。研究開発を優先したい。
それに……人の上に立つのは、適任がいるだろう。
「ドクターにやらせりゃいい。どうせ暇してんだろ」
「あの、ドクターは記憶喪失なんです」
「知るか。激務に放り込んでおけば勝手に戻……なんだと? アーミヤ、冗談はやめろ」
「本当なんです! 戦術指揮はそのままなんですけど、その他の記憶は全て忘れてて……」
迫真の様子から、それが偽りではないとわかるのだが……あの男が記憶喪失、だと? しかもケルシーの微妙そうな顔から察するに、人格の方にもメスが入ったか。
「────はっ、なんだそれは」
つまりなんだ? ヤツらは記憶喪失の寝ぼけた戦闘マシーンの為に死んだってワケか。屍で出来た椅子に座るのが白痴の殲滅者とはな。まるでファルスだ。
「あなたがドクターを認めない、というのであればそれは仕方ないことだと思います。しかし彼は十分にそれに報いるだけの存在であると、私は思っています。もちろん、その為に命を懸けてくれた人たちも」
そんなオレを見て、ドクターに対する不審を募らせているのではと思ったであろうアーミヤは、真剣な表情で月並みな言葉を並べ立てる。普通ならばその言葉に納得が行くのであろうが……
「決めるのはオマエたちではない。これからのヤツだ。そしてヤツのことなどどうでもいい。興味も無い。どうせ初対面だ、顔を出す義理も無い。オマエらのタイミングで勝手に来い。手が空いてたら紅茶くらいは出してやる」
どうでもいい。
テレジアの死の真相が知りたいだけで、それが語れないヤツなど興味が無い。仕事以外で話す気も無い。知れないということがわかった以上、オレがここにいる意味がほとんど無くなった。
「……使わないティーカップが増えたことだしな。二人分調達するのもわけない」
「っ」
物言いたげに、しかしその言葉に思うところがあるのか俯くアーミヤ。テレジアならばこの程度で俯くことはなかった。未熟すぎる。2年もあれば百を殺して慣れるなど簡単だろうに。
仕方ない、話題変えてやるか。腹の決まってないヤツなど所詮そんなものだ。
「アーミヤ」
「はい」
「次にレユニオンとかち合うなら、オレも前線に呼べ。特にサルカズ傭兵どもの手口は熟知しているんでな」
「いいんですか?」
「スマートにやれるオレを出し渋るワケにもいかんだろ。なあケルシー」
「最終判断はドクターだ」
「ふん……」
まあ戦果としては十分か。あの男がそのままであれば、オレを使わないという選択はあり得ん。
さて、これから治療を受けます。
サクッと治るのでいいのですが、残念なことに会話イベントが挟まってしまいます。しかもW姉貴と関わりがあるため、アドナキエルくんとの会話イベントが固定されてしまっています。
……まあいいでしょう(良くない)
>そんなこんなで治療室に運ばれ、色々と聞かれる。差し障りの無い辺りで答えて、自傷に関しては無茶せざるを得なかったと言い訳しておく。
「それで騙せると思うなよ」
「黙ってろよワルファリン」
「……はぁ」
諦めたようなため息。コイツ相手にはどうせバレてるからと気にする必要は無い。ワルファリンには後でいい血液を渡さねば。口封じに。
「……先生もボロボロですね」
「オマエほどじゃないさ、アドナキエル。それよりも爆発をモロに食らったと聞いたが、よく四肢が残ってたな」
「あくまでも撤退戦でしたから。下がりながらやってたのが功を奏しましたよ。でも、この程度の傷でみんな生還できたんですから」
「流石と言ったところか。オマエもそうだが、退き際を解しているジェシカたちもな。どーせやる気無かっただろうが、ヤツを前に全員残して脱出してみせるのは中々にいないぞ」
「ヤツ……? 知っているんですか、あのサルカズを」
驚いた様子のアドナキエルだが当然だろう。敵を知っている、などと伝えられては。
……しまったな。口が滑った。ええい、どうする……
────
誤魔化す
>有る事無い事混ぜて言う
本当のことを言う
────
8割の真実に2割のウソを混ぜて相手を信じさせる手法こそが最強なのでここは真ん中ですね。
>……仕方あるまい。ヘドリー仕込みの煙の巻き方。とくと味わえよ。
「ああ。ロドスに流れるまではフリーの傭兵でな。ヤツ……Wとは何度も戦場で出会った。時に敵として、時に味方として。だからお互いに手の内はよくわかっている。オレもアイツも、言うなればライバルの関係だった」
「先生って、傭兵だったんですね。てっきり学者が先で趣味で身体を鍛えてるのかと」
趣味で身体を鍛える学者ってなんだオマエ……ま、まあいいけどな。何であっても。ただアドナキエルの言うことももっともだ。オレがケルシーだけが動かせるエリートオペレーターという眉唾物の存在である以上、オレが戦えるとは新参には信じられてもいない。
「カズデルの内戦が終結した以上、食い扶持を求めてのことだろうが。ここで再会するとは因縁を感じずにはいられんよ。傭兵とは因果なものだな」
などと感慨に耽っていると、カルテ片手にアンセルが険しい顔をしてやってくる。
「でもその因縁の相手とは会えてないんでしょう? ワルファリンさんがホッとしてましたよ。このカルテが文字いっぱいで埋め尽くされずに済んだと」
「……余計なことを」
「G先生は我が身を削り過ぎです。皮どころか肉、その先の骨まで削り落とす人が何処にいるんですか」
「ここにいるが?」
「あなたという人は……とにかく、ドクターの容態の確認や権力構造の再分配が完了するで前線には出ないでくださいよ。訓練もダメです。デスクワークしててください」
「チッ」
「……ケルシー先生に言い付けますからね!」
「待て、ケルシーはやめろ。ヤツの説教は長くてオレの研究時間が無くなるんだ。ワルファリンも適当な血で黙らせる予定なんだ。これ以上自由時間は失いたくない」
「ほーぅ? ならば妾の言いたいことはわかるなバカ男よ」
「ワルファ……っ!?」
このあと滅茶苦茶説教された。
前々から感じてましたけどGくんってたまにボロが出ると途端に年相応になりますよね。こういうところがW姉貴にかわいいと言われる所以なんでしょうか。
さて時は少しだけ流れて、マルチウェポンが完成しつつあります。ミーシャ争奪戦にはギリギリ持ち込めるようになるでしょう。アーツ指輪は間に合いませんが。予備も少ないし、無駄遣いできません。
>渋々とデスクワークをこなす日々。そんな日常に変化があるとすれば────
ノックの音。
「どうぞ」
誰でも構わないが……
さて、ドクター訪問イベントです。
普通ならここで色々と好感度を高めたりしますが、Gくんは紅茶とポエムで追い返します。
……まー、何の思い入れも無いもん。今のドクターに。
>「失礼します」
アーミヤとドクター。そうか、暇になったから来たのか。
「ドクター。こちら、ロドスの総合研究部門の管理人でありエリートオペレーターでもあるGさんです」
「……G? コードネームか何かなのか」
「然り。その通りだよドクター」
「君の本名はなんだ?」
誰だコイツ……このとぼけた男が、あのテレジアの横に立っていた伝説的な戦略家だと? 本名を聞く? ふざけているのか。ますます相手する気が失せた。記憶が無くなればこうも変わるのか。それともそういうフリなのか。気色が悪い。ケルシーがあんな顔をするわけだ。
ちょっと遊んでやる。
「そも、本名とは何を以て本名と成すか? 名前とは即ち記号。如何様にでも自らを飾り立てられるものであり、他者がそう呼ぶだけのものである。オレはこのGという名こそが己を示す記号であるとする」
「???」
「オレのことなど知る必要が無いということだ。まあ、かけたまえ。アーミヤもだ。淹れたばかりの紅茶がある。飲んでいくといい」
────まあなんにせよ、せっかくの客人だ。紅茶くらいは出してやるか……
正直幹部が最高権力者に対して「勝手に顔出せ」「知らなくていい」とかほざくのは大問題だと私思うんですが。
まあ古参メンツでケルシーの弟子、そして結構な権力持ちだから多めに見られてるんでしょうな。アーミヤCEOも物言いたげに見てきてますし。
>かけた二人に黙って紅茶を出す。
スコーンは……いらんか。
「美味しい……」
本当に美味そうに飲んでいるドクターだが、コレがアレと同じだとは全く思えんな。アーミヤは、まあ黙って飲んでいる。というか意外そうだ。本当に出てくるとは思ってもみなかったのか。
さて本題に入るか。
「良い香りがする茶葉と美味しい茶葉は全くの別物だ。紅茶という一括りではあるものの、本質的には全くの別物になる。今のオマエのように」
「……」
「そのティーカップは誰のものか知っているか? ────チェルノボーグの戦死したオペレーターの中でも、オレの部屋に入り浸ってた友と呼ぶに相応しい者たちの物だ」
「っ、!」
……ここまでとぼけているとはな。アーミヤは前の言葉で予想は付いていたからそこまで何かを感じるものもないようだが、そこの男は別だ。
「特にScout……あの男ほどオレを理解している人間はこのロドスには存在しなかった。そしてもう二人ともいない。ドクター。オマエは屍で作られた玉座に座り、瓦礫で作られた王冠を被ってなお人を納得させられるのか?」
「それはこれから行動で示す」
「ならば犠牲の上に立つ者として相応しい行動を取らねばな」
「覚悟の上だ」
……気色悪い。これがあの戦闘マシーンか。
「どうだか。時にアーミヤ。きっとオマエも言われたのだろう? オマエは犠牲の上に立つに相応しいのかと」
「何故それを……」
「アレとは少し面識があってな」
まあ、少しどころか濃密な面識しかないが。
「だからですか。あの提案は」
「然り。話を聞くに相も変わらず生き抜いていると見える」
……羨ましいな。オレは会えなかったってのに。
「話を戻そう。いずれ最大の敵が現れる。ロドスがロドスたる所以であり、そうなるべくして捨てた苦痛の記憶……その象徴」
少々驚いたような顔をするアーミヤ。そういやコイツとはバベルだった頃に会ってないし、更に言えばそこまで話すこともなかったしな。知らなくて無理も無い。どいつもこいつも、苦痛を受け止められずに────いや、過去を受け入れられずに目を背けているだけに過ぎん。
それにしてもケルシー、言ってたって構わないんだが、なんで黙ってたのか。まあいいか。
苦痛、過去を受け入れる……モスティマの真似事でもしてみるか。
「嗚呼、苦痛よ。汝は決して我から離れぬ故。我は遂に汝を敬うに至る。我は漸く理解した。汝は在るがままに美しいことを。さあ、茨の森で過ごすがいい。その棘に塗られた毒がオマエを蝕むとき、自らの忘却が幸福であったと知る。果てに見えるは怪獣かそれとも……」
ポエムしか話さねえな!!
そうするようにしたの俺だけどね!?
>「塔の瓦礫で出来た明日の方舟は、もう知り尽くしたかね」
「ロドスのことなら、まだあまり。職員なら覚えたけど。というよりもその喋り方やめてくれないか? 煙に巻く理由もないだろう? それにコミニュケーションの妨げにもなる」
「上に立つならば装飾の奥に潜む形を見つめてみることだ。あらゆる知識を捨てて在るがままに万象を見る。今までに得た物を捨ててただ在るがままのオレを見てみたまえ」
自分で気付いてみろ、とはぐらかして言ってみるも、向こうはそう言われてもといった態度。だがオレの言葉でオレを説明してやる理由など無い。勝手に気付け。気付けぬならばそれまでだ。
それにしても、面影だけしか似ていないな。これではまったくの別人だ。
「謎かけをしたいんじゃないんだ、私は。君たちの上に立つ以上、君たちのことを理解しなければならないと思っている」
……オマエ誰だよ! オレの知ってるドクターを返せ!
「タペストリーを彩る糸は、作るものによって定まる。先程と言うことは変わらんよ。在るがまま、それを見なければ理解するという土台にすら立てん」
蕁麻疹出そうだ。さっさと帰れ。気持ち悪りぃ。Wに会いたい。
私もW姉貴に会いたいよぅ……
というかGくん記憶喪失ドクターへの反応面白いね?
>「G! 私は……!」
「茶を楽しんだら、次を巡りたまえ。オレは多忙故な」
「Gさん。何故そこまで煙に巻くんですか。あなたは別に、普通に喋れるでしょう?」
「だからこそだよ。オレにはそうする理由がある。紅茶の香りが恋しくなったらまた来るといい。そのときは話し相手になってやろう」
「……ドクター、他のところに行きましょう。今はその時ではないということです」
……やっと静かになったか。
いや本当になんなんでしょうねこいつ。
ルート一つでここまで変わるんかいって感じで。こんなウザい奴でしたっけ? 腹立つ奴なのは熟知してますけど。
>……さて、アレの各パーツは完成したとクロージャから連絡があったし、組み立てはオレが行うとするか。テストは────まあブレイズにでも付き合わせよう。
ひゃあ、ブレイズ姉貴に殺されても文句は言えませんねクォレワ……
>ケルシーはアレとどう向き合うのか気になるところではあるが、はてさて。オレはWと再会できることを楽しみにするだけだ。
「……結局殺ししかできない男……か」
焦がれた女を殺したがり、カッコいいと思った男を殺したがり、現実に現れた英雄を殺したがり────今も昔も判断基準はそれらを殺して我が魂の一部として、最強を形作るピースとしたいと思うか否か。最強に対して一片の足しにもならなければ塵屑と断じ、相応しいと見れば喰らうべき獲物とする。
「────アンタならどうする、G」
自分の心は────と再会できることを喜んでいるのか、それとも運命と刃を交わせることを喜んでいるのか。その判断に困り、偉大な先人に尋ねても、彼は「んなもん自分で考えろや」と笑うばかり。
それにしても何故、オレはあの女の事ばかり考えているのか。話を聞いてからというもの、考えるのは────ばかり。運命だからか? いや、ブレイズだけがその存在を感じ取っていたことを考えれば、ブレイズくらいでしかその残影を見れなかったということ。それくらいにはオレは彼女から離れていた。
しかし今になって、途端に浮かび上がるのは────。
「……会いたいな」
鼓動を再び感じたい、その命の温もりを感じたい。まったく、これでは初恋のようではないか。
いや待て、初恋……?
……恋、か。
テレジア。オマエはわかっていたのか? 無粋な問いか。わかっていなければあのようなことは言うまい。
だが、オレの望みは変わらない。たった一つだけを、最強を……全て殺し尽くして、求める。ただそれだけ。
……ホンッッット現実を認めない人だねお前は。
これ、またW姉貴に殺されるんじゃねえかな。
さて、今回はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。
クラスレ姉貴
鳴き声を頼りにW姉貴に会いに行って、稀代の殺戮者「ジェヴォーダンの獣」を知った。
まだ流石にGがそれだとは気が付いていない。次こそはと意気込んでる
W姉貴
疼いちゃったり、惚気たりした人
あることないこと吹き込んだりと元気に活動中。
Gくん
血塗れで帰ってきた人。
医療スタッフからはその頭のおかしい状況のカルテのせいで疫病神扱いされがち。しかも黙らせるために賄賂送ったりするからワルファリンは怒る。
最高権力者相手に「勝手に来い」「茶飲んだら出てけ」「会話するつもりないよ」とか抜かしやがるアホ。いっぺん殴られろ
W姉貴に早く会いたいが、その会いたいという思いはどうなのかを考えて、殺意が塗りつぶした。
アドナキエルくん/アンセルくんちゃん
割と仲良い子たち(当社比)
Gくんが戦闘できるとはまったく思ってなかった。何やら謎めいている彼に少し興味が湧いた。
ドクター
人が変わり過ぎて塩対応された人。
気分は1話のリリーナ様
アーミヤCEO
血塗れで帰ってきたバカを見て心底驚いた人。
気分は1話のリリーナ様
ケルシー先生
どーせ帰ってくるだろうと思ってた人。