アークナイツRTA参考資料「W姉貴のしっとり確率」ついでに「最強の伝説」トロフィーRTAの中途報告   作:W姉貴に負けたい人

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展開に悩んだので初投稿です、


この竹達ボイスが聞こえた時がテメェの最期だ、ガバ走者!

 どうも一般投稿者です。

 ぶっちゃけエンジョイプレイできるかどうかもだいぶ怪しくなってきました。

 

 >「おい」

「……? なんですかチェン隊長」

 近衛局と合流し、ミーシャ奪還のため協同作戦に当たるという運びになった。一応、ロドス側の戦力も消耗していない人員を追加で出すように申請はしておいた。

 特にこういう状況では医療オペレーターがいるといないとでは話が変わってくるからな。

 ──そんな中であった。龍女に話しかけられたのは。

「貴様、何を知っている」

 ──

 惚ける

 >素直に聞き返す

 ──

「何故そのようなことを?」

「疑わしいものは疑わねばならないのでな」

 要するに、アーミヤの納得行った反応から推測し、視線の先からオレを導き出したというわけか。

「ただ推測しただけですよオレは」

「どうも、お前はロドスとは異なって見える」

「ご冗談を。オレはロドスの一員です」

 実際、オレという存在はロドスの一員なのだから。その一員が理由を推測し、それが当たっていただけのこと。そして可能性を黙っていること。

 ただのそれだけ。

 そして今現在、イニシアチブを握っているのはオレたちだ。仕事をやり遂げたオレたちとは反対に、連中はしくじった挙句、尻拭いをしてくれと頭を下げている。

 どれだけ何を言おうとも、情報を出し渋りコッチに矢継ぎ早に持ってこいとだけ言い放ち、いざ持ってきたら奪われましたってのは変わらない。

 睨み合う。──迷ってばかりの目だ。ロドスに助けを求めてきているヤツらと変わらない、ありふれた目。

「で、オレなんかに油を売っている時間あるんですか?」

「確かに。今は無いな」

 去っていく龍女。

 ……迷い続けている分際で迷いないように動きやがって。気色悪い。まだレユニオンのヤツらの方がマシだ。

 自分の何たるかも包み隠さず誇れないような、こんな女が龍門の守護者か。ウェイ・イェンウーめ、この出来損ないのトカゲに何ができる……

 

 迷うことの何が悪いんでしょうかね。

 そもそもそんな簡単に自分がどんな風に生きてどんな風に死ぬか見つけられますか? いや見つけられない。

 でもRTAには迷いなんていらないよネ! お前こそ俺の求めた操作キャラだよGくん! 

 

 >近衛局の別働隊と合流、レユニオンの追跡を開始。

 増援オペレーターの到着は遅れそうだ。まあ、元来彼らは戦場に立つことのない存在。そのための装備やら何やらは与えねばならない。ケルシーも今頃、あれやこれやと指揮をしているだろう。

 それからエリートオペレーターを一人呼び戻してくれと個人的に頼んでおいた。

 Wがいるのだ。互い目が合ったが最後、どちらかの命を喰らい尽くすまで止まることは決してない。Wの真なる目的の為にもストッパーは必要だろう。止めてみせると宣言したケルシーとの対決もまだなのだ。

 故にその点を考慮し、オレという存在が抜けてもフォローできる上に、オレを止められるオペレーター……エリートオペレーターの中でも武闘派を頼むと。

 ま、Wの戦闘スタイルの相性もある。ブレイズが来ることはないだろう。

 

 ……あー。

 実はですね、この応援イベントは、好感度の高いキャラが増援に来るんですよ。ロドスでのGくんへの好感度の高いキャラってなると、もうほとんどいないので自然と狭まってくるんですよねー。

 ブレイズ姉貴確定です。頼もしいけど今は帰ってお願いだから。あんた来ると被害大きくなって始末書書くのに時間かかるの。

 

 さてこの後はまあ……雑魚ばっかりですからねえ。近衛局強いし。はいはい加速加速。別にケントゥリオはそんなに強くないし、サクッと首を跳ね飛ばしましょう。

 いかんせん大剣形態から無理に変形させようとしたらエルガレイオンがぶっ壊れるのでできませんが、乱戦を利用して背後から近づきチェスト関ヶ原するのが一番です。

 

 >……下っ端が捨て石に使われているようだが、それにしては何かがおかしい。派閥、とでも言えばいいのか。何か信じるモノがあるヤツもいれば、怒りに飲み込まれた愚者もいる。それなりに戦えるヤツらからチンピラ崩れまで。戦術もバラバラ。数だけは多い。

「……不思議だな」

「何がです?」

「思想が一致していない。行動だけが同一なだけで、他は全てが噛み合ってない」

 リスカムの言葉に答えを返しつつ、戦場を俯瞰する。

「近衛局と駆け引きをそれなりにできているヤツらもいた。ということは軍事的思考がある程度共有されているが……意志が同一されていない」

 結局はそこなのだ。しかもあの戦法、オレの目に間違いがなければ──

「しかしウルサス軍の戦術に似ていた……」

 おかしい。ウルサス人中心の反乱者たちが何故、ウルサス軍の戦術と似た方針を取れる? いや待て、あの小僧……スカルシュレッダーとか呼ばれてたヤツの憎悪と憤怒を考えれば、何故これだけ生き残りがいるんだ。

「……ウルサス軍人が反乱でも起こしたか」

 ──統率、それも軍隊式。確固たる規律を以てして、最低限の殺しで済ませる。まあ済ませられたかは別だが。

 しかしそれは、同時に敵の強大さを知らしめることになる。一個師団……いやそれ以上の可能性もあるな。だが派閥が分かれている以上、頭を潰せばあとは有象無象。

「厄介だな」

「正規軍の一部が離反しているとなれば、龍門とロドスを合わせても厳しいようにも感じます。特に過酷なウルサスの装備ともなれば──」

「さてどうだろうな。単なる暴力装置の方が面倒かもしれんぞ。軍人は型にハマっているが、バカはなにせバカだ。何をするかわかったもんじゃない」

「……あなたもバカでしょう」

「否定はしない。だが、もっと気がかりなことがある。何故、サルカズの傭兵が仕掛けて来ないかだ」

 ヤツらに限っては切り札的運用をするものではない。傭兵は効率の良い戦争道具。ファーストフードよろしく腹が減ったら食って、要らなくなったら捨てるだけ。小腹を満たすも八分目まで食うも自由。

 だから本来なら、手軽に使える優秀な駒として運用するのが正攻法なのだが──

「Gさん、 サルカズ傭兵の実力はどれほどのものになりますか」

「端的に言って、レユニオンの中でも最大になる。こと戦争においてはヤツらの右に出る者は早々いない。そしてここにいるということは、あの内戦を生き延びてあの男に降ることなく、戦場を選んだということ。如何なる理由であれ、今まで生き残ってきたという点においては、やり合えば龍門とて苦しい戦いを強いられるだろう」

 近衛局の装備・実力・判断能力、それらは全て高レベルで練り上げられている。ウェイの隠し球もあるだろうし、総戦力としては申し分ない。正面から行けばロドスだろうが傭兵だろうが多くの犠牲を払うことになる。

 だが、ああやってレユニオンが入って来れる隙間があるだけで、それは十二分だ。テロリストという大義名分を得たあの傭兵どもが、民間人を盾にするやら居住区を囮にするやら浮かばないはずがない。

 ま、オレなら()()が。感染者の死体でも投げ込んでやれば、源石の船に生まれ変わるだろうさね。

「侮ってもらっては困るな」

「勝てないとは言っていないさ。ただ無事では済まないというだけだ」

 鬼女……確かホシグマとか言ったか。ソイツの文句に事実を返しつつ、この解せなさの真相を探らんと戦場に目を置く。

「そこまで重要ではないのか、ミーシャは」

 ドクターの不思議そうな発言に、その答えは明確なものではないにせよとしつつ、事実だけは返す。

「わからん。だが何にせよ奪われるのだけは阻止しなければならないのは事実だ。レユニオンがそれだけ血眼になって取り返すんだ。ヤツらにとっても、何らかの意味があるはず──もっとも、ヤツらの中の誰にとって意味があることかは知らんがな」

 風の噂で聞いていたが、ヘドリーとイネスはテレシス一派として迎えられたらしい。Wと連んでいる以上、心からというわけではないだろうが。相手はあのテレシス、テレジアの兄。そう考えてみると、サルカズ傭兵の9割はヤツの配下という線もある。

 ……ただ、ヤツだって無用な戦乱は好んでないはずだ。旧テレジア派を手中に収めていることから考えればそれは一目瞭然。そもそもカズデルが割れたのは、テレシスとテレジアの方向性の違いであり、その目的がカズデルおよびサルカズ統一であることは変わりない。

 ヴィクトリア辺りで王をやっているとも聞く。そんなヤツの息がかかった連中がレユニオンにいるということはつまり……泥舟かと思っていたが思ったよりもややこしい話になってそうだな。

 アイツ、孤立無縁もいいところだな。昔の仲間くらいしか金をぶら下げられても断ってくれるヤツいないだろ。

 大方、チェルノボーグでScoutと利害の一致から共闘し指揮系統は奪取したものの……ってところか。そうなるとその責任取りと報告にヘドリーとイネスがヴィクトリアに向かって──

 

 おっと、ここまで考え付くとは流石頭のいいバカ。3年間虐殺の旅を歩ませた甲斐がありました。

 

 >──待て。

 サルカズ傭兵を温めておく理由。このレユニオンの派閥めいたズレ。さほど重要でもないようなミーシャの扱い……厄介払いなのか? わからんが……

 ……本拠をチェルノボーグにしているならば、そういう使い方もできる。つまり、オレと同じバカなのか。ははは。

 まあいいだろう。そうであっても潰せるさ。いくらでもやりようはある。そう、いくらでもな。

「ボス」

「……? どうしたエルドス」

「いや、なんでも」

 なんだというんだ? ……まあコイツらのすることだ。何か考えがあるのだろう。

 

 ──裏切りか? 

 いや、ここまで着いてくるなら裏切りではない筈……なんだ、一体。

 

 >追撃を続ける。近衛局との共闘はオペレーターたちにもいい刺激になっているようだ。負けじと奮戦してくれるのは大いに助かる。

 さて、とりあえずはミーシャの奪還に……いや、尻拭いでもしてやるか。

 しかしこの指揮は身に覚えがありすぎる。まったく、食えない男だよオマエは。都合が良すぎる。ケルシーのヤツ、受け入れ切れるか? アイツだってテレジアの件でキレ散らかしてるだろうに。

 ……割り切れそうだが、さてあの女、あっさり風味に見えてその実中身はドロドロのこってりだからな……

 

 ん? このルートはケントゥリオが──しまった、ドクぴに任せっきりなもんだからルート取りミスったな。下手に勝手に動いて睨まれるのも面倒だし、ここはもう諦めましょう。

 別にやってもいいんですけどね、近衛局がやかましいんですよ。変に弱みを見せるくらいなら堅実に行きましょう。うん、やっぱりこのチャートボツだな……トロフィーと相性が悪過ぎる。

 ただ、序盤からさっさと強力な兵器が用意できるし、ちゃんとやれば効率的に回せるだろうことが判明したのは大きいですね。スペック欲しさにこのバカ使ったのが間違いだったか……

 

 >大剣に固定されてしまった以上、取り回しが悪い。武器の補給もままならない状態で出撃するものではなかったな。

 せめてサブウェポンくらい用意するべきだったか。

 

 ま、素直に雑魚を散らしてましょう。

 なんとかスカルシュレッダーだけはこの手で仕留めたいところですが──仕留められるかなあ? いや仕留めると決めれば仕留めるんだ。そう心の中で思った時にはって奴ですね。

 てな訳でペンギン急便のガンダムとテキサスに合流。更に負けなくなりました。じゃあ流しますね……

 

 >サルカズ傭兵が出てきても、それは囮としての役回りだった。それなりにやれそうだから、首を落としてみたかったのだが、まあ仕方ない。

 ……さて、Wがいるということはつまり──ドクターを狙ってくる可能性もある。警戒するに越したことはないな。

「敵がいない……!?」

「落ち着けフランカ。敵の痕跡が0なら、それは移動していないという線もある。退路は塞がれているのだからな。──アーミヤ、少しドクターから離れてくれないか? それからええっと……ホシグマだったな。ドクターを守って欲しい」

 不思議そうな二人だが、敵の手を知っている人間の発言である以上は一理あると思ったのか、まあそれはそれとしてというような雰囲気のまま少しだけ位置を変える。

「重装オペレーターはドクターの後ろに。近衛局の重装隊も同じようにしていただきたい。遠距離攻撃が可能な攻撃員はドクターを中心に左右に展開してくれ」

「私も?」

「エクシアはクロスボウ隊の前へ。火力が違うからな。前衛は適当にバラけてくれ」

 ──血気盛んな子供は、自ら手柄を立てることに非常にこだわる。特に嫌いなヤツがいれば、ソイツを殺したがるもんだ。獲物を逃がさないとは聞こえが良いが、それは行動の単純化の裏返し。それに、ホシグマならば受け止め切れるだろう。武器の質が違う。

 アイツが司令塔で一番槍なら、このままやれば。

「そのままドクターたちを先頭に中央に入っていくぞ」

「Gさん、それはドクターを──「黙っていろアーミヤ。これが一番早い。そのためのオマエだ」……」

 ゆっくりと歩いていけば、ほら。

「地面から!?」

「姑息な手を──!」

 そしてあの小僧が、ドクター目掛けて突っ込んでくる。まあそうだよなそうするよな。だからこそ狙い目なんだよ。突出してくるクセは見抜いたから。

 両翼に展開していた遠距離部隊が一斉掃射をかける。アーツが、矢が、弾丸が、それらに肉を食い千切られても全力で向かってくる。だからこそホシグマに防がれて──自爆するだろうことは読んでいたさ。ドクターを守りたいと強く思うことで強化されたアーツを放ったアーミヤに穿たれる姿を見る。

 ……やはり正解だ。ドーベルマンからAceが単身で立ち向かうまでのことは聞いていた。アーミヤのアーツは感情に応じて能力が増しているかもしれないと。

 ドクターが死にかければ、テレジアから受け継いだであろう力を覚醒させるに違いないと思っていたが──どうやら功を奏したな。あのアーツ、オレが見間違えるものか。

「──じゃあな」

「きさ……っ」

 ゲームオーバーだ、小僧。

 隊列の後ろから飛び出して大剣を振り下ろし、心臓含めて左半身ごと叩き切った。これで完全に殺した。あとは安全確認のために、頭でも撥ね飛ばしたいところだが、まずはこの包囲網を破壊するとしよう。

 

 はい、これでスカルシュレッダーくん討伐完了。

 やー、こうやって見抜けるとサクッと始末できるから俺は君が好きだよアレックスくん。世辞の句一つ読ませねえけどな! 

 

 >ホシグマたちを除いた全員は、何を言われるまでもなく殲滅に動き出した。また神輿を亡くしたレユニオンは統率を失い、敗走を開始する。怒りのままにぶつかってくるヤツらもいたが、何を言うまでもなく叩き潰されていく。

「……ほう」

 どうやら、コイツがそんなに欲しいらしい。どうにもホシグマを優先的に攻撃してくるのを確認すれば、嫌でも想像が付く。

 そうやって拘ることもまた隙になる。そんなに死体が欲しければ、くれてやるのもやぶさかじゃない。すぐに再会させてやろうか。

 ──そう、思った時だ。

「──ッ!?」

 すぐ真横が爆発した。そのまま爆発は続き、オレとドクターたちを分断する。

 狙いはオレだ。オレ目掛けて飛んでくる擲弾を認識した。爆発から逃れようとすれば離れざるを得ない。しかし、離れなければならない。近くにいると巻き込んでしまうのだから。

 この感覚……間違いない。W……!! 

 

 ……来やがったか。

 来ましたねW姉貴が。

 

 >完全に分断された。孤立した。しかしそれは向こうにも言えること。

 主戦場から外れたこの場所が、運命との再会となる。

「久しぶりね。運命(G)

「久しぶりだな。運命(W)

「あんたとのデートのために気合い入れた服にしてきたから、ちょっと時間かかっちゃった」

「気にするな。それだけおめかししてくれるなんてオレとしては嬉しい限りだ」

 互いに笑い合う。状況は最悪だが、同時にオレは()()()()()。我が身という時計に紛れ込んだ砂が除去され、ほんの少し油が差される。

 言葉にすればその程度。しかし僅かそれだけで十二分。何故かを敢えて説明する必要は無い。乾いた砂漠で与えられる一滴の水は、されど天よりの恵となるのだから。

 

 ……ん? 

 待てよ? 

 あれは、あれは──! 

 

 >ならばそれはヤツにも言えること。オレが回帰したならば我が運命が回帰していても何もおかしなことはない。

 右手に持ったグレネードランチャー。左手にはアサルトライフル。腰にぶら下げられた刀剣──全身にどれだけの武装を施しているかなど、見ればわかる。

 余すところなく、完全武装。爆弾だけでなくクロスボウまで装備している。

 

 ア……アッ、アイエエエエエエエエ!?!? 

 完全武装!? 完全武装ナンデ!? ゴボボーッ!! 

 いやおいどう見てもどう考えても現実見ても完全武装Wじゃねぇかァッ!? 

 いやおいふざ……ふざけんなよ!! いけねえいけねえいけねえ、なんてこった! 

 

 >ライフルが咆哮する。弾丸が迫り来る。更に擲弾が退路を立つ。さてどう対処するか。

 

 無理無理無理無理! 壊れかけのエルガレイオン大剣形態で完全武装Wは倒せないって! 大剣でやって失敗したのが最初の試走なんだからさ!! スペックガタ落ちしてるんだぞ!? 

 というか完全武装Wがここで出てくるのはどう考えてもおかしいだろ!? なんでだ!? チェルノボーグで暴れ過ぎたからか!? クソッ、Wについてはほぼ完璧に理解したと思っていたのに──!! 

 

 だが、しかし! 

 別に倒さなくてもいい! 

 ともなれば攻略法はある程度通用する! 

 

 >無論、前に出る。弾丸なぞ潜り抜ければいい。どうせ爆弾が擲弾が構えているだろうが斬り捨てればいい。最大接近距離での大剣で圧をかけていく。それしかない。

「やっぱり抜けてきたわね」

「せっかくだ、鼓動を感じたくてな」

「あら、情熱的」

 投げ付けられる源石爆弾と投げナイフ。片方に対応すれば──ということだろうが、何こんなものはな。

 投げナイフは左手で受けて、その勢いを利用して宙返りしつつ爆弾は蹴り送る。更にエルガレイオンを地面に当てて、棒高跳びのように上へ飛ぶ。

 そのまま縦に振り下ろしつつ落下──当然回避される。そのまま横に薙ぎ払い、爆発により生まれた煙幕を振り解く。

「悪いが乱雑にやらせてもらうぞ」

「趣味じゃない大剣振り回してるのはそれが理由? それにしても見えるわね他人の影が。デカブツの振り回し方が随分とサマになってるじゃない」

 擲弾と弾丸をくぐり抜けながら大剣を振り回していくが、やはりこの手の大物を相手取る経験はWの方が上だ。当たらん。というか、擦りもしない。どうにかして当てるとなると──血で盛り上げてみるか。

 当たらない剣戟を続ける中で、刃に指先を滑らせる。流血が弧を描き、それを媒介に雷撃がWを襲う。

「へえ……血を使ってそんなことできるようにしたの、ねっ!」

 オレと血が繋がっている僅かな時間、生体電気を増幅して血を介して感電を狙うが、刀剣を避雷針代わりに使われる。

 更にもう一本抜刀、そのまま大剣の範囲外を目指さんと接敵してくる。生物学的に当たり前の話、そう何度も連続して使えるわけではない。

「チィッ、インターバルを攻めてくるか」

 ──だが。

 エルガレイオンを逆手に握り、腕を思いっきり振り切る。更に振り上げる。

 刀剣を使い捨てるように防ぎ、そのままライフルを至近距離で発射……される前に空いている手でライフルの側面を押して射線をズラす。

 直後、腹部に衝撃。蹴って離れたか。追撃に順手に持ち替えて振り下ろす。見えるのは布の切れ端。掠めただけか。横に構えて踏み込む。

「あはっ、鼓動を聞きたいんじゃなかったの?」

「今のオマエは少しデカいからな、コンパクトにしてやるよ」

「いいの? 上半身と下半身別れちゃうわよ」

「はっ、繋げて治してやる!」

「怖いわねえ、あんたは!」

 振るう。横斬りなんぞ当たらないが、近づけないようにするには面での攻撃を選択しなければならない。止めた瞬間、オレは死ぬ。

 ──だが、Wも同じだ。電流の隙を突くべく接近戦を選択した時点で大剣の射程範囲内に踏み込んでしまっている。更に何に取り替えようが、それよりも早くオレが首を落とす。当たらない攻撃、できない攻撃……一瞬でオレたちは何一つできなくなった。

「なぁんて、ねっ」

 ──!! 

 刹那、ランチャーから擲弾が発射される。よく見ればあれは、空いた手で腰に触れ、そのままランチャーを向けて逆手で発射したのだ。

 至近距離、できることと言えば盾としてエルガレイオンを使うこと。

「くっ、……!」

 煙幕の向こう。音が聞こえる、この風切り音は──クロスボウか! 強引に素早く剣を振り上げて、なんとか逸らす。

 が、その僅かな隙を逃さぬと擲弾と時限式の爆弾が襲いかかる。時間差で爆発する上に、誘爆をするともなると、途端に予測不能の凶悪な攻撃となる。

 しかし、こんなところで固まっていて何になる? オレは何を黙っているのだ。そうだ、ここで燃え尽きてもいいのだ。何故ならば運命がいるのだから。

 技と経験と勘を費やしてなお届かないなら、全霊を注ぐとしよう。オレの前に立ち塞がるのは常に強敵だが……その全てを喰らい尽くして来たのだから。

 踏み出す。前へ前へと。エルガレイオンを担ぎ、全速力で被弾を無視して駆け抜ける。炎に焼かれるが大したことはない。アーツの強化は能力そのものの向上。再生能力もまた上昇する。

 無論、突き抜けてくるのはわかっているから目の前には爆弾の壁が用意されている。W自身も攻撃体勢、更にコッチよりも早く動ける。

 だが問題無い。跳ぶ、ただひたすらに。そして弾丸が掠める。擲弾を直撃させるための牽制か、あるいは他の本命か。どちらにしろ──オレには関係無い。肉を貫く弾丸を無視してWの後方に着地……しない。

 逆手に持ち替えたエルガレイオンを、地面に突き刺す。そしてそれに──()()

 手に入れた足場を蹴り、自らを一方通行の弾丸と化す。

 再びボルトが飛んでくる。右手で受けて引き抜く。これで武器は手に入れた。構えていたライフルとクロスボウが降りる。格闘戦に乗るつもりか? 全く、男に合わせる健気な女ではなかった筈だがな、オマエは──! 

 

 まだか! まだ来ないのか援軍! 助けてブレイズ姉貴! 

 

 >生体電気による感電は、金属から金属を通した時に最大限の効果を発揮する。素手ではこちらの被害が大きい。故に素手でやられると絡め手が封じられる。

 だからできることと言ったら、真っ向正面からの肉弾戦。拳を互い弾き合い、蹴りは当たってはならぬと避けあう。少ない隙を見つけてはその関節を破壊せんと技を向け合うが、百千、いや那由多の彼方程も互いの技を見合った間柄故に次に何をするかが手に取るようにわかる。

「なーんか、いつもと変わらないわねえ」

「手を知り尽くしてるんだし、仕方なくないか」

 こんな風になんともなく会話できるくらいには、格闘戦に関してはお互いに知り尽くしている。

「新しい先生でも見つけたの」

「弟子だ。デカブツの才能があるイイ女でな」

「ふぅん。イイ女、ね。それってあたしよりも?」

「いや、オレにとっては悪い女だ。自己主張を余りしないのでな。オマエと混同する」

「お邪魔虫……って訳じゃないわね。見りゃわかるわ」

「そう見えるか。ではなんだ?」

「かわいい妹分ってところかしら」

「……あり得んな。オレにとっては何者でもない」

「どうかしら?」

「どういうことだ」

「教えてあげない」

「つれないな」

「それよりも、このままじゃれあい続ける? あたしとしてはそろそろ仕事をしたいんだけど」

 ボルトが弾かれる。しかしそのまま接近戦を続ける。完全な膠着状態。さっきの大剣を使っていた時とは訳が違う。オレが詰めないと完封される。イニシアチブを握っているWが退屈そうに声をかけて来た。

「ていうか、あんたこっち来なさいよ」

「はぁ? オマエ正気か?」

「龍女の首を狙うと一人じゃ難しそうなの。だから手を借りようかと思って」

「寝返れとはな」

「組み敷いて理解(わから)せてもいいのよ」

「できるものならヤってみせろよ」

 取っ組み合い、睨み合ってから不敵に笑い合う。

 

 それ負けフラグなんですけど!? 

 メスガキに負けるルートなんですが!? 

 

 >刹那、感じ取る気配と騒音──このチェーンソーの音は、いや待て何故だケルシー!? どうしてここでブレイズを投入するという判断を──!? とかく急いで蹴って離れる。そんなオレから何かを感じ取ったのか、Wもまた防御に徹して下がる。互いの間に何かがド派手に落ちて来た。

 

 きた! 

 ベストコンブきた! 

 これで勝つる! 

 

 > 「──へえ、あんたが先生の運命なんだ」

 聴こえてきたのは、ゾッとするほど低いブレイズらしからぬ声だった。怒りとも哀れみとも取れるその声色は、一体何に対して儘ならぬ感情を示しているのか──

「生意気なフェリーンね。どっかのクソ医者思い出すわ」

 それに対してWは、一瞬にして雰囲気を変えた。先程までの楽しげな感覚は消滅し、鬱陶しいと声だけでなく全身から感情を表現している。

「悪いけど、これ私の先生だから」

「それはずっとあたしの物よ」

「オレはオレ以外の物にはなり得ないんだが」

「私の先生」

「あたしの物」

 ……いや、まあ、抑えてくれるのは助かる。エルガレイオンを取りに行くか……

 あっという間に激闘を繰り広げ始めた二人を尻目に、さっさとエルガレイオンまで戻って引っこ抜く。

「──気に入らないわその目。何? 遠巻きに見ているのが正しいって? 何者にもなれないからこそ、何者でもない自分が肯定し理解する必要があるって? あははは、その枠はとうに埋まってんのよ」

「だから何? 二番煎じだろうがなんだろうがなりたい自分になるのが大切なんじゃないの。そうやって運命だからって見下してると愛想尽かされるかもね。あとそれを決めるのは君じゃないと思うんだけど」

「ふふふ」

「あはは」

 微かに聞こえてくる内容は、なんというか耳を防ぎたくなるようなことばかり。エルドスたちを呼び戻し、ブレイズと共闘させてWを確保してしまおう。

「消し炭にしてあげるわドラ猫! あたしとこいつの間にあんたはいらないのよ!」

「燃やし尽くしてあげるクソ女! そんな風にしてるから先生にデレてもらえないんだよ!」

 激情のままに二人は闘争の目と化す。チョイスを間違えたかもしれん。さっさと戻って来い……! 

 

 ……レユニオン蹴散らしてさっさと部下拾いましょう。このままだとスカルシュレッダーを穢土転生できない。

 

 >「何者にもなれない端役風情が大きく出たものね」

「運命風情が端役に意見するの? 何者にもなれるのが端役の特権よ。そうなるしかない運命さんにはわからないだろうけど」

「何者にもなれない分際が!」

「何者かになるしかない分際で!」

 いや、あの……オレはオレのモノなんだが……

「こいつを奪わせないんだから──!」

「運命なんて言わせるもんかァ──ッ!」

 助けてケルシー。助けてモスティマ。

「本当に運命なら殺し合う以外にも何か道があるんじゃないの!? 君が先生に合わせる必要なんて何処にも無いわ!」

「そう生きてこう死ぬって決まってる男の運命たるばそうなるしか無いのよ! 知った風な口を聞かないで欲しいわね──特にこの、あたしの前では!」

 

 ロッチナみたいなこと言ってるW姉貴。愛に溢れてますねえ! 

 

 >「先生は確かにこう生きてそう死ぬということを選んでる。だってそれが先生にとっての幸せなんだから!」

「わかってんなら黙って見てなさい!」

「わかってるから文句垂れてんのさ!」

「君も幸せになるべきじゃないの!?」

「これでいいのよあたしは!」

「嘘つけ! 本当は普通に過ごしたいクセに!」

「何が!」

 

 天パとグラサンみたいな言い争いになってる……

 

 >「じゃああんたは何なのよ! こいつの何者かになりたいっていうのは殺し合いの舞台に立って当然でしょう!」

「そうならずとも問題無いっての! 先生の道楽に付き合う理由なんてないからね! 引っ叩いて納得させればいいでしょ!」

「はぁ!?」

「首輪付けて飼っちゃえばいいのに! 君なら飼い慣らせるんでしょ!?」

「そんなのは解釈違いなのよ、にわか!」

「それはそれで美味しいとか思ってんでしょ!」

「知ったような口聞くわねホントに──二度とそんなこと言えなくしてあげるわ!」

 

 あ、来た来た。

 

 >「ブレイズ! ドクターが危ない!」

「っ、わかったテラーン! 先生、任せていい?」

「そのつもりだ」

 ブレイズがWから離れていくのと同時に、オレたちは一瞬で包囲網を完成させる。……いや待て。何故テラーンは、ドクターが危険だと? 

 

 ──ん? 

 

 >どういうことだ、と聞き返す前に。

「ぐ──っ!?」

 後頭部に、強い衝撃。

 視線を送るとそれは、エルドスがクロスボウのケツで打ち付けた姿。

「──エル、ドス……ッ!」

「悪りぃなボス」

 全く謝罪の意も無さそうな一言。

 オレの意識が、閉ざされる……

 

 は? 

 

 は?? 

 

 は??? 

 

 えっ、まっ、は? 

 

 なにが、どうなってんの……?




Gくん
スカルシュレッダーくんをハメ殺したところが見せ場な人。
W姉貴といちゃつき、ブレイズ姉貴にチクチク言葉された後、部下に殴られた
Wゥ……(フルフルニィ)

W姉貴
まさかまさかの完全武装仕様で乱入してきた人。
まあ運命が張り切ってるからね、しょうがないね。なお張り切りすぎてGくんの勝ち目が育成失敗の野良レースに皇帝が出てきた時並みに薄い模様。
にわかに色々言われて怒り心頭。
走者のガバによって生まれたイレギュラーその1。

スカルシュレッダーくん
かわいそう。
今回は見せ場無し。ごめんね。

ブレイズ姉貴
乱入してくるとはとんでもない奴だ。
別にGくんの何者かになりたかった訳ではない人。純粋に見られてないのが不満なだけで、視界にさえ入れて貰えば特に文句は無い。
ただW姉貴のなんとも言えない態度には頭来てしまい、喧嘩を始めた。
Gくんの狂った理想は、本人の救いならまあ仕方ないんじゃない? と大目に見ている。ただ止められるなら殴って止める、そういうふうに決めている

部下四人衆
オンドゥルルラギッタンディスカ!?

走者
メ ガ ト ン コ イ ン
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