8月26日 木曜日 夏休み36日目。
8月も終わりに近づき暑さも和らいできたかと思ったが、今日はまた夏真っ盛りと言わんばかりに暑かった。
太陽は砂漠でも照らしているのかというぐらいギラギラしている。
そして、倫也と恵は部屋の中でうなだれていた。
恵は溶け切ったバニラアイスをつまらなそうにスプーンでかき混ぜている。もう食べる気が起こらない。
倫也は扇風機の前から動こうともしない。
「倫也くん。そこはどいてよ。」
「あー」
倫也の部屋の窓が開いていて、網戸越しに生暖かい風がはいってくる。
「これ・・・熱中症になるんじゃないの?」
「だったら・・・エアコンつけましょうか。恵さん」
「もうそろそろ最後だし、夏を楽しもうと思ったのだけど・・・」
「エアコンつけよう・・・」
「ダメだよ倫也くん。暑さがないと決意がつかないもん・・・」
「もう・・・好きにしてくれ・・・」
倫也が再び扇風機を抱えている。
恵の方が我慢強いがやはり限界がある。
今日はモスグリーンのTシャツに白いフレアスカートをはいている。ぴったりとくっついたTシャツは体のラインをはっきりと浮きだたせ、恵の大きな胸が協調されているようにみえる。色はわからないがブラの形も見てとれた。
「どうしよ・・・」
「夏だしな」
「プールと海、どっちがいいかな?」
「でかけるのか?」
「だって・・・水着回なんだよね」
「タイトルはそうなっているけど・・・無理はしなくていいぞ」
「水着・・・買いに行くところから始めるか迷っているのだけど」
「あれはどう?・・・黒と白のストライプのビキニ」
「ああ、あの深見先生に描いてもらってフィギュア化された衣装ね」
「そそ」
「一応、持ってきたけど」
「もってきてたんだ」
「ネタにつまったら、使うかもしれないなって思って」
「よし。じゃあ、とりあえず着てみろよ?」
「今?」
「おう」
倫也が恵の前に正座して目をキラキラさせている。鼻の下も伸びている。
「あの・・・」
「やっぱ夏のイベントといえば、水着だよな。やっと恵もそのつもりになってくれて、嬉しいよ」
「まだやるってわけじゃ・・・」
「じゃ、待ってるから」
「もう・・・強引だな」
恵が立ち上がって、隣の部屋へ移動した。
「って、冗談でいったのだけど・・・家で着るんだ・・・」
倫也は顔を赤らめながら独り言を言った。
熱さで頭おかしくなってないだろうか?
※※※
恵が部屋のノックをした。
「倫也くん。着替えたよ」
倫也が部屋の扉を開けようとしたがノブが回らない。どうやら向こう側で恵が抑えているらしい。
「恵っ」
「やっぱり恥ずかしぃよ。あと読者に媚びている感じもするし・・・」
「サービス回っていうのは、感謝の気持ちを込めてするものだぞ?」
「ねぇ・・・倫也くんも着替えて?」
「俺も!?」
「うん」
「俺が水着になったとこで需要なんてないと思うぞ」
「そういうんじゃなくって・・・わたしだけっていうの・・・恥ずかしいし」
扉の向こう側で恵がゴネはじめた。しょうがない。
「わかった」
「じゃ、わたし・・・リビングで待っているから」
「おう・・・」
倫也は水着なんてどこにあるんだっけと、部屋のガイドブック読みながら備品を探した。
※※※
なんとか半ズボンタイプの水着を探し出して着替えた倫也は、リビングへと向かう。
これまた、窓を開けているといえ都心の夏らしいどうしようもない不快な暑さが広がっていた。
恵が端っこの方に立っている。胸元から膝ぐらいまでの大きなバスタオルを体に巻き付けている。髪はアップにしてポニーテールに結わいていた。
「着替えたぞ」
「あっ、うん」
恵が倫也の貧相な体を上から下へと品定めする。股間のところで目線が止まった。
「うん・・・まぁ、しょうがないよね」
「・・・ただの生理現象だからねぇ!?」
「まだ、何も見せてないんだけど・・・?」
「・・・」
「想像しすぎなんじゃないかなっ」
恵の頬が赤い。やっぱりこういうのは緊張する。だいぶ2人でいちゃいちゃするイベントをこなして慣れてきたと思ったが・・・やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「恵っ・・・タ・・・タオルとらないと・・・水着回にならないぞ」
「そんなの・・・知らないよっ・・・」
恵がしゃがみこむ。
膝から下だけが見える。肌がきめ細やかで光を少し反射している。足の指の先の爪まで綺麗に形がそろっていて、神様は造形に手抜きをしていなかった。
「恵ぃ!」
倫也が我慢できなくなって、恵の方へ歩み寄る。
恵は立ち上がって、手のひらを前にだして倫也に止まるように頼んだ。
「自分で・・・とるからっ・・・」
「ゴクリッ」
倫也がツバを飲み込む。妙に暑い。気が変になりそうだった。
「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・」
恵の息も荒い。
「早く早くっ」
「そこは、『大丈夫か?無理するなよ?』っていつもみたいに気遣うべきなんじゃないかな」
倫也は少し前屈みなった。ソファーの後ろに下半身を隠す。あせりすぎた。
「もう・・・倫也くん・・・」
「ん?どうした・・・?」
恵は息を大きくすって、顔を真っ赤にして、頭から湯気を出して、目がグルグル@@になって・・・
「ちょ・・・ちょっとだけよぉ~」
と、照れながらいった。
「加藤ちゃんオチだとぉぉぉ!?」
「てへへ」と恵が頭にグーを置いて、照れてごまかした。
そう、この物語の恵はガードが堅いのだった。
(了)
「ふぅ・・・倫也くん・・・どうだった?」
「ん・・・まぁいいんじゃね?ちゃんとオチたし」
「うん・・・それにしても暑いね」
「せっかく水着着たし、水風呂でも入るか?」
「えっと・・・一緒に?」
「・・・もちろん、恵が嫌じゃなければだけど」
「えっと・・・うん」
恵がバスタオルを外して、折りたたんでいく。
見事なプロポーションが露わになった。
水着を着て、着やせするところがなくなると、出るところはでて、ひっこむところはひっこんでいる。服を着ている時よりも胸が大きく見えるのは、やはり水着で強調されているせいだろうか。造形の都合という解釈もあるようだ。
このビキニタイプの水着は隠しいてる部分が少ない。
『加藤恵 水着』でググれば、すぐに画像が出てくる。
もちろんフィギュアを持っている方には、今更説明する必要もない。
「さっさっ、いこう」
倫也が恵の肩に手をのせて、恵を押していくようにバスルームに向かった。
歩くたびに恵の胸が揺れている。
「もう・・・あんまりガっつかないでよ」
「それはもう、お前が悪い」
「なんでよー」
恵が非難がましい目で倫也を睨むが、顔はデレていて、口元は笑ってしまっている。
「だって、こんな見事なもの見せられたら・・・」
「もう・・・でも、倫也くんのも・・・なかなか」
「すでに限界を迎えそうだがなっ!」
「それ、偉そうにいうことじゃないから」
※※※
バスルームの扉を開ける。
恵がバスタブの栓をして、水をいれはじめた。
倫也がバスルームの扉を閉めた。2人きりになった。
恵が栓をするときに後ろを向いたまましゃがむと、水着で隠しきれない綺麗な丸みを帯びたお尻がみえる。
恵はそのままバスタブに座り込んで、足を伸ばして座った。
「冷たくて、思ったよりもずっと気持ちいいよ。倫也くんもはいったら?」
「・・・おう?」
立ったまま恵を見下ろすと、胸の谷間がすごいはっきりと見える。
くびれたウエストも、それから太ももと絶対領域も惜しげもなく見せている。
「ふんふふん♪」
恵は機嫌よさそうに鼻歌を歌っていた。
「倫也くんも入りなよー?」
恵はもう物語が終わったと思って油断しているようだ。
だいたいバスルームは禁制のはずだ。
倫也がバルタブに入った。恵の前で立っている。
「あの・・・目の前で立って、立っているのはどうかと思うよ?座って?」
「ああ・・・どこに座ればいいの・・・?」
バスタブが細長い。並んでは座ることができない。
恵は足を折り曲げ、体育座りに体制を変えた。
倫也が反対側に体育すわりをする。
水が10cm程度まで溜まっている。
倫也の目線から、恵の足がM字になっている。間から見える股間のぷっくらとしたふくらみが溜まった水の中で揺れてみる。こうなるといよいよ、倫也も我慢がつらい。誘われているようにしか思えない。
「はぁはぁはぁ・・・」
目がぎらついて、鼻息も荒くなる。
「・・・もう、せっかく気持ちいのに。男の子だなぁ」
「しょうがないでしょ!?」
「こっち・・・きてぇ」
恵が両腕を伸ばした。
倫也が膝をついて、恵に近寄る。
恵が両手で倫也を抱きかかえて顔を近づけると、キスをした。
「んぐっ」
そして、そのまま舌を絡めてくる。
倫也は不自然な姿勢で体を支えたまま、甘美な恵のキスに体蕩けそうになる。もはや理性はない。
「ぷはっ」
恵も呼吸を止めていた。顔が2人とも真っ赤だ。
「ねぇ、倫也くん。なんだか落ち着かないし・・・」
恵も我慢できなくなって言った。
「とりあえず、・・・ここで一回しよ?」
恵といちゃいちゃ過ごす夏休みもあと少し。
(了)