ハリー・ポッターと日ノ本の死神   作:シオンカシン

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誓わせてくれ

貴女に

誓わせてください

貴方に

この想いと共に。




死神、自覚する。パーティーとパートナー 後編

 

 

大広間に行くまでに何人の人から見られただろうか?

 

俺に対する視線と雷華に対する視線は三:七ぐらいの割合だったが、それでも大半の生徒達の視線を総なめにしたんじゃないかと思う。

 

というか、雷華が凄く綺麗なのだ。

 

常に一緒に居た俺がこうなのだから、他の奴の驚き様はもっと凄いだろう。

 

いかん、こんな感じでは失態をしてしまう。

気をしっかり持て、緊張しすぎだ。

 

俺は息を少しだけ吸い、吐く。

 

「どうかしましたか?」

 

雷華が普段の様に聞いてくる。

 

「いやな、雷華があまりにも綺麗なんでね……」

 

俺がぽろっとそう言えば雷華は少し赤くなる。

 

「……ありがとうございます。でも、しょう君だって凄くカッコいいです!」

 

雷華の評価に、俺は「お互いにな」と答える。

 

「しかし、どうも不思議な感じだ。緊張かね……バジリスク戦の時だってこんなことは無かった」

 

「全くです。ここまで来るのにとんでもない数の視線がありましたし……」

 

俺たちがそう言っていると、大広間前のホールにも続々と人がやって来る。

 

そして驚いた。

 

代表選手で唯一情報が無かったクラムの相手が、なんとハーマイオニーだったからだ。

 

よくボサボサ気味の髪は滑らかになっており、頭の後ろでシニョンにしている。

 

雷華も気が付いたらしい。

 

「ハーマイオニーですよね ⁉ すっごく綺麗です!」

 

と言っていた。

 

「こんばんはショウ、ライカ!貴方達凄くお似合いよ!ショウ格好いいし、ライカはお姫様みたい!」

 

ハーマイオニーはキラキラな笑顔で言う。

 

「こんばんは、ハーマイオニー。一瞬、誰だか分からなかった……。驚いたよ」

 

「ハーマイオニー、すっごく綺麗です!秘密の理由が分かりましたよ、確かに秘密にしたい相手ですね」

 

俺たちがそう言えばハーマイオニーは嬉しそうに「ありがとう!」と言う。

 

[やあ、ショウ。凄く凛々しいな。隣のライカが姫なら、君はそれを守る騎士みたいだ]

 

クラムがハーマイオニーの会話の相手が俺たちだと気が付いたらしく、そう話しかけてくる。

 

[クラムか、そう言う君こそ騎士にふさわしいがな。お互いに姫を守るとしよう]

 

[ああ、そうだな]

 

俺たちがそう言っている中、言葉が分からない二人()は首を傾げる。

 

「あ、もうそろそろ行かないと。それじゃあ良いクリスマスを!特にライカ!」

 

「はい!そちらこそ!」

 

[ではなクラム。心配はしてないがちゃんとエスコートしろよ?]

 

[ありがとう。そちらも]

 

そう言って二人は先に大広間に向かった。

 

 

 

クラムとハーマイオニーとの会話が終わったら次はフラーがやって来る。

 

〔ショウ、ライカ、こんばんは!綺麗ね貴方達〕

 

〔フラー。そちらもな〕

 

〔こんばんはフラー!ありがとうございます。フラーも綺麗ですよ!〕*1

 

〔ふふ、ありがとう〕

 

〔それにしてもいいのか?パートナーのロジャー・ナントカを放置して〕

 

俺はフラーのパートナーになったという、ロジャーとやらをチラッと見る。

 

〔別に良いわ。彼はこの中じゃ一部例外を除いて一番マシだったから受けただけよ〕

 

フラーはやれやれといった感じだ。

 

〔マシって……〕

 

〔ちなみに例外とは?〕

 

雷華が半ば呆れたように言い、俺はフラーが言う例外が気になった。

 

〔ショウ、貴方とマホウトコロのヒツガヤよ〕

 

〔は?俺?〕

 

フラーは溜息をつきながら俺を指さす。

 

かくいう俺はその答えを全く予想しておらず、面食らう。

 

〔ライカ、大変ね貴方〕

 

フラーは雷華に同情するといった顔で言う。

それに雷華は少し苦笑いした。

 

 

 

【よう、お前ら】

 

【こんばんは、お二人とも】

 

フラーが離れた後は日番谷と雛森がやって来る。

 

日番谷は白を基調としたコートを着用を着ており、雛森は自身の色、薄い桃色のドレスが似合っていた。

 

【おう、冬獅郎。洋装も似合ってんな。しかし、お前にはやっぱ白が似合うな。桃も淡いピンクのドレスが似合ってるし、お似合いのカップルって奴だな】

 

【うるせぇ、てめーこそバッチリ決まってんな。お似合いだぜ。雀部も綺麗だな】

 

【ありがとう冬獅郎君。コート、カッコいいです】

 

【ありがとな】

 

【桃ちゃんもすっごく可愛いです!】

 

【ありがとう雷華ちゃん。雷華ちゃんだってお姫様みたいですよ】

 

【ありがとう!】

 

【それじゃあ先に行くぜ】

 

【行ってきますね】

 

そう言って、二人は大広間へと向かい始めた。

 

【しっかりな冬獅郎。ちゃんとエスコートすんだぞ】

 

【ふん、誰にものを言ってるんだ。そっちもな】

 

【頑張ってね桃ちゃん】

 

【緊張してますけど、頑張ります!】

 

その後も恋次とルキアのペアと一護と織姫のペアとも会い、お互いを褒め合った。

 

 

 

「やあ、こんばんはショウ。黒が映えてるな。ライカもすごく綺麗だね」

 

そうハンサムに笑いながら言うのは、セドリック・ディゴリー。

 

「こんばんはセドリック、君もバッチリだな」

 

「こんばんは、ありがとうございます。パートナーの方は?」

 

雷華の言葉にセドリックは肩を狭める。

 

「まだみたいなんだ。だから、ほら、この人だかりだから分かんないかもしれないからさ。二人には申し訳ないと思ってるんだが……特に目立つ君たちと話すことで分かって貰おうとね。すまない」

 

セドリックは俺たちと接触した理由を明かす。

 

本来なら言わなくても良い情報を、素直に話すことに好感が持てる。

 

セドリックとは去年知り合った仲だが、英国紳士とはこういう男なのかと毎回思ってしまう。

 

歳は一つ下だが、いずれ彼は優秀な魔法使いになる。

それと、是非ともあいつらの(ハリーとロン)手本になって欲しい。

 

「いや、そんなことならお安い御用だ」

 

「そうですよ。それにチョウならもう来ましたし」

 

俺たちがそう言えば、丁度その時チョウが来る。

 

「待たせてごめんなさいセドリック」

 

「いや大丈夫だよ。僕も今さっき来て、ショウ達と話していたのさ」

 

「まあ、ショウ。こんばんは!ライカも久しぶりね。二人ともお似合いよ」

 

「おう、こんばんはチョウ。ありがとうな」

 

「こんばんはチョウ。ありがとうございます。チョウもチャイナドレス、似合ってますよ!」

 

「ありがとうライカ!」

 

「それじゃあ行こうか?」

 

「ええ、それじゃあお先に!」

 

セドリックとチョウは幸せそうに大広間へと向かった。

 

 

 

「さて、俺たちもそろそろ行くか?」

 

「ええ、そうしましょうか」

 

「ショウ、ライカ!」

 

俺たちも大広間へと向かおうとしたら、ハリーがジニーを連れてやって来る。

 

ハリーは王道のドレスローブ。

ジニーは明るいオレンジ色のドレスだった。

 

「うわ……ライカ、君、凄く綺麗だね……」

 

「本当に……素敵よライカ……」

 

「ふふ、ありがとうございます。ハリー、ジニー、お二人とも素敵ですよ」

 

「うん、お似合いだな二人とも」

 

「「あ、ありがとう」」

 

そうやってお互いを誉めていると「代表選手とそのパートナーはこちらへ!」というマクゴナガル教授の声が聞こえてくる。

 

「呼ばれましたね」

 

「それじゃあ、行こうジニー」

 

「あ、ハリー、蝶ネクタイが曲がってるぞ?……完璧だ。頑張ってこい」

 

今まで見送ったペアとは違い、ハリー達は緊張でガチガチになりながら大広間に向かった。

 

「さて、それじゃあ俺たちもそろそろ行くか……?」

 

「ええ、そうですね行きましょう」

 

「改めてよろしくな、相棒」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

そう言い合って俺たちは大広間へと向かった。

 

 

 

大広間の壁はキラキラと銀色に輝く霜で覆われ、星空の天井の下に広がっているのは各寮のテーブルでは無く、ランタンの仄かな灯りに照らされた小さなテーブルだった。

 

先に呼ばれた筈の代表選手達はどうやら最後に来るらしく、まだいない。

 

俺と雷華は審査員テーブルの近くにあるテーブルに着席する。

 

そしてその後、代表選手がやって来る。

 

クラムのパートナーがハーマイオニーであることに、ここで多くの者が気が付いたらしく、特にロンの驚き様はパートナーであるパーバティを膨れっ面にさせた。

 

審査員テーブルには各校長とバクマン氏が居たが、クラウチ氏が座るはずだったと思われる席にはパーシーが座っていた*2

 

各テーブルには金色に輝く皿があったが、皿だけでご馳走はなく、小さなメニューが一人一つずつ目の前にあるだけだった。

 

「どうすれば良いんですかね、これ……?」

 

雷華が不思議そうに言う。

 

「さあな……あ、もしかして……」

 

俺はそこまで言ってメニューを見る。

 

「スシ」

 

そして書いてあったメニューの一つを呟く。

 

するとなんと、俺の予想通りに寿司が醬油も伴って目の前の皿に現れたのだ。

 

「マジか、どんな仕組みだよ」

 

「全くですね……。あ、私もお寿司を」

 

雷華もそう言うと、ちゃんと寿司が出てくる。

 

マグロ、イカ、サーモン等々。

 

十貫ほどの寿司は、十月末に出てきた寿司とは比べ物にならない味だった。

 

「彼らにレシピを教えて正解だった…」

 

「全くです…」

 

実はこの日の為に、俺たちは情報提供者(ウィーズリーの双子)司法取引(悪事を見逃す)をしてまでホグワーツの厨房の在り処を見つけ、彼らと接触したのだ。

 

全ては美味しい日本食の為に。

 

かつお節や昆布等、出汁の取り方。

味噌と醤油の提供と量産方法。

 

それらの事を厨房に居る屋敷しもべ妖精に伝授し、彼らはそれを習得してくれた。

 

「俺、ちょっと感動してる…」

 

「私もです…」

 

俺たちはその後も天ぷらと茶碗蒸しなどを堪能し、翌日には最大限の賛辞を厨房に伝えたのだった。

 

 

ディナーも食べ終わり、いよいよダンスに移る。

 

先ずは代表選手が踊りはじめる。

 

ハリーのギクシャク感は猛特訓の成果もあってかマシになっており、少なくともジニー(女性)にリードされるということ(醜態)は無かった。

 

セドリック達はごく普通。

 

クラム達は無骨な感じ

フラー達はロジャーが使い物にならない(惚けている)様子。

 

そして冬獅郎達は見事なコンビネーションだ。

若干あわあわ気味の桃を冬獅郎の奴がちゃんとカバーしていた。

 

そしてある程度終わったら、周囲の人たちも加わり始める。

 

「さて、俺らも行くか(踊るか)?」

 

「ええ、そうしましょう」

 

俺が問いかければ雷華は頷き、同じタイミングで立ち上がる。

 

「では…お手をどうぞ。レディ(雷華)?」

 

少し芝居がかってしまったしまったかもしれないが、俺はそう言って雷華に手を差し出す。

 

「はい……」

 

雷華は今まで見た中で最も笑顔で頷く。

 

ああ、最高の相棒だ。

 

俺はふとそう思い、雷華と共に前に出た。

 

 

 

 

 

ステップを踏む。

音に合わせてターンやリフトをする。

 

やがてそれはお互いが主導権(リード)を奪い合うかのようなダンスへとなり始める。

 

曰く、それは剣舞の様だったらしい。

 

そんなダンスが他のペアを圧倒したため、対抗馬(共に踊る人)が居なくなりつつあることを辛うじて認識してはいた。

 

だがそんなことは頭から追い出してしまう。

 

何といっても、目の前にいる雷華とのダンスが楽しいのだ。

 

冬獅郎以上にお互いの手の内を知り尽くしていると、互いが思ってる。

 

ダンスは特にだ。

お互いが練習相手だったから。

 

しかしそんな感じで踊り続けていると、あまり練習してない曲が掛かり始めた。

 

「ここまでか。引き時だと思うが、どうだ?」

 

「そうですね……そうしましょうか」

 

踊りながらそんなやり取りをし、曲が変わるタイミングで撤退する。

 

「楽しかった……」

 

「全くです……欲を言えば、ずっと続けたかったです」

 

「そうだな……全くだ」

 

近くのテーブルに座り、そんなことを言いながらフーっと息を吐く。

 

「とりあえずなんか持ってくる。何がいい?」

 

「あ、ではバタービールがいいです」

 

「了解。ちょっと待っててな」

 

雷華のリクエストを聞き、取りに行く。

 

そしてその道中。

 

「やあ、凄かったね。完全に君たちが主役だった」

 

セドリックにこう言われ。

 

「圧倒されたわ……。みんな、貴方達に遠慮し始めたの……分かってた?」

 

ハーマイオニーからこう言われ。

 

「分ってはいたが、てめーらが本気になると凄まじいな。あと、周囲のこと半分気にしてなかったろ。全部飲み込みやがって」

 

冬獅郎からこう言われた。

 

あはは……やっちまったな。

 

俺は頭を搔きながらこう思った。

 

 

そんなことがありながら、雷華の元にバタービール二つを手に戻る。

 

雷華はパアっと笑いながら持ってきたバタービールを受け取り、コクコクと飲み始める。

 

「生き返ります……」

 

そして半分ほど飲み干し、心底美味しそうに言う。

 

「聞きましたか?私たちのダンス、凄かったらしいですよ?先ほどフラーやルキアちゃんがやって来て、そう言ってました」

 

「ああ、俺もセドリックやハーマイオニーとかから、そう聞いた」

 

雷華の隣に座り、バタービールを俺も数口飲みながらそう答える。

 

「でも……私は楽しかったです。途中からなんか、主導権の奪い合いになった気がしましたが」

 

「確かにそうだな。俺も途中からそんな気がしてた」

 

「まあ、私が奪おうとしたからですが」

「奪われないようにしたからな」

 

「「あははは……」」

 

笑い合う。

 

そこからは飲み物片手に喋ったり、ちょっとダンスしたり*3をした。

 

雷華と二人っきりで過ごすのはいつ以来だろうか。

 

 

 

 

 

ゆっくりと踊りながら、ふと、雷華を見る。

 

本当に、最高の相棒だ。

 

改めてそう思う。

 

 

この人は。

 

美しく綺麗で可憐だ。

 

強く気高く背中を預けられる。

 

 

ずっと共に。

 

ずっと隣に。

 

ずっと後ろに。

 

ずっと。

 

ずっと。

 

そう思わずにはいられない。

 

 

やはりそうかと自覚する。

 

そうなのかと思う。

 

 

この人は。

 

雷華は。

 

俺の想い人なのだ。

 

 

 

 

「しょう君?どうしましたか?」

 

雷華がそう聞いてくる。

 

「いや、今更気が付くとは……。とな」

 

「?」

 

俺が思わず言った言葉に、雷華は首を傾げる。

 

「不意打ちみたいで悪いが……今ここで伝えたいことがある。いいか?」

 

「え、あ、」

 

いきなりそう言ったから、雷華は困惑する。

 

「いいか?」

 

「……はい、いいです。勿論」

 

雷華は少し涙を浮かべながら、それでもそうニッコリと笑いながら答える。

 

「ありがとう……」

 

少しだけ息を吸い、そして吐く。

 

(わたくし)刀原将平は、雀部雷華さん…貴女の事が好きです。願わくば生涯の伴侶となることを前提として、お付き合いをお願いしたく思います」

 

震えている。

それでもはっきりと伝えた。

 

それを聞いた雷華は涙を浮かべながら、微笑む。

 

「ずっと…ずっと待ってました。刀原将平君、貴方の事が好きです。こちらこそ、よろしくお願いします…」

 

その時、ちょうど曲が終わる。

 

俺はそのまま雷華を、思わず抱きしめる。

そうしたら雷華も抱きしめ返してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

パーティーもそろそろ終わりが近づいている。

 

そんな中生まれたばかりのとあるカップルは、向かい合わせで座っていた。

 

二人は刀を体の前に立てながら持ち、少しだけ刃を抜いている。

 

「貴女を、生涯を通して愛し、守ると誓います」

 

「貴方を、生涯を通して愛し、支えると誓います」

 

そう言ってワザと音を立て、刀を収めた。

 

 

 

 

 

*1
雀部はクラムの言葉は無理だが、フランス語は喋れる

*2
後にハリーから聞くことになるが、クラウチ氏の体調がどうやら芳しいものではないらしく自分はその代理で来たのだと誇らしげに語ったそうだ

*3
さっきの様な感じで無く、ゆっくりと





多くは語りません。

まあ、そういうことです。


ちなみに日番谷のコートは、滅却師のコートをモデルとしています。

またBLEACHサイドのドレスやスーツ等は、皆様のお好きなような格好でどうぞ。


感想、評価、お気に入り。
ありがとうございます。
そしてお待ちしております。


さて次回は

第二の課題

次回もお楽しみに。

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