ハリー・ポッターと日ノ本の死神   作:シオンカシン

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逃げようにも

忘れようにも

逃れられない破滅の道。








死神、○○○○○。さらば○○○○○ 後編

 

 

 

アンブリッジは自棄になっていた。

 

あれだけ苦労して集めた皿を叩き割りまくる程に。

 

畜生!畜生!

 

その奇行には酒の力(やけ酒)も含まれていた。

 

そして閃く、ある一手。

 

こうなったら……戦いだ!

 

戦いだ!

 

決意したアンブリッジはマルフォイを呼んだ。

 

彼はポッターを捕まえた張本人だ。

 

少なくとも、信用出来る。

 

「お呼びですか、アンブリッジ教授」

 

「雀部雷華を捕えます」

 

部屋に入った瞬間、目の前に広がる惨状に顔をしかめたマルフォイにそう宣言した。

 

「はい……はい?」

 

全く予想外の選択に、二度聞くマルフォイ。

 

「そして彼女を人質に刀原を支配下に加えます」

 

「え、は、えっ?」

 

困惑しているマルフォイ。

 

それを無視し、行動を開始する。

 

が。

 

「では、仲間を呼んで来ます。無策では勝てませんから、教授はその間に作戦を練って下さい」

 

と言ってマルフォイが足早に部屋を出る。

 

アンブリッジはそれに満足し、回らない(酒が入った)頭で作戦を練ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

阿保か、あのカエルは!

 

勇み足ではなく、千鳥足じゃないか!

 

マルフォイは猛烈に怒りながら、ずんずんと歩く。

 

ササキベを襲う?

 

そんなことをすれば、ササキベに返り討ちになるだけだし……それに、もし()()()()()()()()()……。

 

死ぬ。

 

確実に。

 

間違いなく。

 

怒れるトーハラがそれを躊躇するとは思えない。

 

味方には死ぬほど甘いが……敵には一切の躊躇なく、損得勘定抜きで殺しに来るのが奴ら(日本人)なんだぞ。

 

絶対に死ぬ。

 

加担した僕もついでに死ぬ。

 

ならば、躊躇う必要などない。

 

マルフォイは数ヶ月前を思い出す。

 

 

ーーー

 

 

「寝返った時の保証。特に、お前も含めた家族の保護を確約する内容が書かれてるが……これを渡すのは……お前が俺の要望に答えると誓った時だ」

 

「よ、要望……?」

 

マルフォイは家族と自身を守る為、刀原と交渉した。

 

そして刀原にそう言われ、何をするのかとたじろぐ。

 

「ああ。まず……近いうちにハリーが、反アンブリッジを兼ねた防衛術を自習する組織を作る予定だ。お前は心ある……こちら側に来たがっている奴らをまとめて、それに参加するんだ。ってか、参加したいだろ」

 

「……ああ、それは言われなくても参加したいところだが。……まず、ってことはそれだけじゃないな?」

 

「お、察しがいいな。そのとおり。あまり考えたくないが……おそらくアンブリッジは、ダンブルドアを一時的に失脚させる。それに失敗しても、ホグワーツを支配下に置く」

 

「そんなことが本当に可能とは思えないが……」

 

「罪を適当にでっち上げるとかしてな」

 

「なるほど……」

 

「そしてあの女がホグワーツを掌握した時、おそらく自分の戦力を生徒側に持ちたがる筈だ。例えば……親衛隊、とか言ってな」

 

「おい、まさか……」

 

「それに参加しろ、出来ればリーダーになれ。スパイとしてな。お前にしか出来ない。これが本命だ」

 

刀原はそう言って黒い笑みを浮かべる。

 

「そして、ここぞと言うところで裏切れ……と?」

 

「ああ」

 

「………………よし、分かった」

 

マルフォイは刀原の要望に青くなったり呆れたりしていたが、やがてしっかりと頷く。

 

「よし。では契約成立だ」

 

刀原とマルフォイは握手をした。

 

 

 

「これでお前は、あの女が絶望に染まるのを間近で見れるぞ?」

 

「……君も趣味が悪いな、僕は見ないよ」

 

 

ーーー

 

 

よし。

 

マルフォイは決意した顔で、ある場所に向かった。

 

「ふーん、そうか……残念だ」

 

そして会った男は、怒気を隠さずにそう言った。

 

「記憶……消していいな?」

 

そう言われたマルフォイは、これから起こることを何と無く察する。

 

「ああ、そうしてくれ」

 

察したマルフォイは頷く。

 

「それと……ご苦労だったな、約束の物だ」

 

手紙は渡しながら男はマルフォイを労う。

 

「確かに貰った。ありがとう」

 

「では」

 

「ああ」

 

「『オブリビエイト(忘れよ)』」

 

 

 

 

 

 

 

その日、いくら待ってもマルフォイは来なかった。

 

しかし、一人で行っても勝てないのは明白。

多分今頃、他を説得してくれているのだろう……。

 

そうアンブリッジは思っていた。

 

やがて酔いが回って眠くなり。

眠りに就こうした。

 

 

その時。

 

 

「ずいぶんと……舐められたものだな。俺の最愛の人、相棒に手を出そうするなんて」

 

と言う声で跳ね起きる。

 

「え、何故……」

 

そこには予想外の男がいた。

 

何故バレたのか……。

 

「ん?何故、露呈したかって?マルフォイが教えてくれた。愚かだな。彼が俺の協力者だとも知らずに」

 

「きょ、協力者……ですって?あ、あり得ないわ!だって彼は!」

 

「お前に協力するように言っていたのさ。信用を得るためにハリーを捕えるようにもね。お前はまんまと騙され、彼を親衛隊のリーダーにした」

 

「そ、そんな」

 

「それに、お前は『S・R』からの手紙を(助言で)動いていたな」

 

「え」

 

「あの時、お前はあの手紙を証拠として利用しようとしたみたいだが……真っ白の紙切れになっていて慌てていたな?」

 

「何故それを!」

 

「あれには……一定時間が経過したら、書かれていた全ての内容が消えるように細工してあった。だから、ただの紙切れになったんだよ」

 

「な……」

 

「そもそも……『S・R』の指示が、やけに的確だと疑問に思わなかったのか?ハリー達が組織を作ったことを知らせ、その対処方法を教えたことに、お前はなんの疑問も持たなかった」

 

男はニヤリと笑いながらそう言った。

 

「それだけじゃない。教授達を骨抜きにする策、クィブラーの禁止の策、親衛隊の創設案。そして……DAと言う組織名とその会合の日時。誰かが裏切らないと、絶対に手に入らん情報だ。まあ……あの時、虚と破面が現れたことは流石に計算外だったがな」

 

男は嘯くように言う。

 

「ま、まさか……貴方が……」

 

「そう、俺こそが『S』。お前に助言をし、ハリー達(DA)双子や他の連中(ホグワーツ解放戦線)に入れ知恵していた黒幕だ。ちなみに……相棒が『R』な。まあ結局、お前は全て俺達……主に俺の手の平で踊っていたに過ぎないんだよ」

 

Rの名を借りたのは俺だとバレないようにするためだが、相棒だと思われなくて良かったよ。

 

そう男が続けて言ったが、私はそれどころではなく、殆ど聞こえなかった。

 

 

 

「んじゃ、冥土の土産もあげたし(種明かしもすんだし)……」

 

男がそう言いながら、少しずつ近付いてくる。

 

腰には刀が差してあり、今にも抜きそうだ。

 

「だ、誰か……」

 

切られる、殺される。

 

死ぬ……。

 

助けを呼ぶために声を出そうとするも、喉がカラカラで声が出ない。

 

「誰も来ないよ。結界を張ってある」

 

男が無表情でそう言い、迫ってくる。

 

「い、いや……」

 

「諦めろ、無駄な抵抗もすんな。心配はいらん、一瞬だ。傷みもない。あっという間に……その頭と胴体は、泣別れだ」

 

「私が死ねば、貴方が犯人だと……」

 

僅かでも時間を稼ぐため、必死になってそう言うが。

 

「ああ、心配ご無用。既に手は回してる」

 

相手にしてくれない。

 

「じゃ、さようなら。アンブリッジ教授殿」

 

「ヒッ、あ……」

 

その瞬間。

 

私の首は切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

翌朝、私は目が覚める。

床で寝ていたらしい。

 

そして咄嗟に首を触る。

 

だ、大丈夫だ。

 

ついてる。

 

切られてない。

 

ゆめ、夢だったのか。

 

周りを見渡す。

 

散々に壊した皿なども、壊す前のままだった。

 

全て夢だったのか。

 

魔法大臣が来たのも、自棄になったのも。

 

全て、全て……。

 

安堵する。

 

やはり、私が悪いなんておかしいのだ。

 

しかし……。

 

それにしても喉が乾いた。

 

そう思っていると。

 

机に紅茶があるのが見えた。

 

そしてその近くには小瓶があり、黄緑色の中身からは仄かに林檎の香りがした。

 

たまにはアップルティーも悪くない。

 

そう思って紅茶に小瓶の中身を入れ、全て飲む。

 

ああ、美味しい。

林檎味が良く効いている。

 

しかし、何故か眠い。

 

 

 

 

という、か。

 

 

 

 

頭が、回ら…ない……。

 

 

 

 

つ、つくえに…ふうと、うが…おいてあ、る。

 

 

 

 

 

い、い…しょ?

 

 

 

 

 

な、んd……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ドローレス・アンブリッジが発見された。

 

死体として。

 

死因は毒。

 

責任を感じての、自殺と思われた。

 

それを裏付ける遺書も発見された。

 

また目撃証言が無く、他殺の可能性も無いとされた為、その説に拍車をかけた。

 

そしてその結論には、魔法省が『そういうことにおきたかった』という事情があった。

 

クビになる予定だったとはいえ、彼女は魔法省高官だったのだ。

 

しかもここ最近の疑惑に関する最重要人物。

 

そんな彼女が誰かに殺されたとなれば、犯人を吊し上げなくてはならない。

 

『見つかりませんでした』では済まされないのだ。

 

しかし、吊し上げるにふさわしい人物はいない。

 

ダンブルドアの所為にするには、余りにも信憑性が無さすぎる。

 

ハリー・ポッターの所為にするにも、彼の実力も合間って不可能。

 

日本の彼等(刀原と雀部)の所為には、絶対に出来ない。

 

第一、ホグワーツ内(英国魔法界一、安全な場所)で行われたので外部犯でもない。

 

証拠も皆無だし。

 

 

かくして、魔法省は自殺と断定したのだった。

 

 

だが……魔法省(ファッジ)への信用が無くなっていた民衆は、それを信じることは無かった。

 

全ての責任を彼女に押し付ける為に、魔法省が暗殺した可能性が指摘されたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






題名。
死神、ネタバレする。さらばアンブリッジよ永遠なれ


年は跨げたね。


新年明けましておめでとうございます。

今年も当小説を宜しくお願いいたします。

それと、新年早々ちょっとダークな物になってしまったことを深くお詫び致します。



では次回は

過去と神秘部の戦い

次回もお楽しみに





補足説明。


刀原は当初からアンブリッジを何とかするべく、策を講じてきました。

主なものとしては。

ハーマイオニーに対して

・対抗組織を作るよう唆す。(本人も乗り気だった)

・クィブラーを使うことを提案する。


アンブリッジに対して

・協力者『S・R』として情報を渡す。

・DAが設立したことを教える。

・教師を骨抜きにする策を教える。

・クィブラーの禁止策。

・権力を示すように言う。(ただし、トレローニーが追い出されかけたのは想定外)

・DA会合日時の密告。

・親衛隊創設案。

・マルフォイをスパイに送る。


世間に対して

・『Secret contents(暴露本)』をばら蒔く。


ホグワーツ生に対して

・双子達を唆し、悪戯をおこなわせる(黒幕(フィクサー))。

・脱獄に関する情報と、自身の見解をばら蒔く。


まあ、これくらいでしょうか……。


……マッチポンプかな?


 

アンブリッジの末路。どうしましょうか……?必ずしも反映するわけではないのですが……宜しければお答えください。

  • 1『問答無用!』物理的に抹殺ルート
  • 2『人生終了宣言 』社会的に抹殺ルート
  • 3『我らは慈悲深い』救済ルート
  • 4『原作通りに……』原作追随ルート
  • 5『容赦無し!』社会的+物理的抹殺ルート
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