我らは語らぬ
我らは示さぬ
我らは明かさぬ
その結果も、成果も
その邪悪さも、末路も
我らは口を閉ざしたまま
ただ警告するのみ。
先日の
記憶の中でのスラグホーンは何も教えてなさそうだったが……その記憶が改竄された代物である以上、ほぼ確実に教えてしまったのだろうと刀原は断言し*1ダンブルドアも「そのつもりで動くべき」と判断した。
と言うか。
ダンブルドアはほぼ確信しており……その信憑性が欲しかっただけらしい。
ーーーーーー
「ハリーが二年生の時に破壊した『トム・リドルの日記』と、わしが発見した『マールヴォロ・ゴーントの指輪』は……。これらは分霊箱に違いない」
「……先に言えアルバス!」
ーーーーーー
ただし、問題が一つあった。
『いったい何個作成したのか』である。
これについてダンブルドアは「おそらく七個じゃろう」と言った。
魔法界にとって七と言う数字は強い力を持つ……と言うのが根拠らしい。
「一個作るだけでも業が深いのに、七個もかよ」と刀原は呆れるように言うが……「現に二個もあった事を考えると、七個も作っててもおかしくないな」と考えを改めた。
尤も、根拠があるだけで確証は無い。
そこでハリーには、『スラグホーンから真実の記憶を貰うように』と言う指令が出されることになる。
なお、この情報は刀原によって日本にも共有され……即座に技術開発局や日本魔法省神秘部では、分霊箱に関する情報の収集や研究等が開始されることになった。
一方、分霊箱に関する情報を共有されたハーマイオニーは、その圧倒的な読書量をもってホグワーツの図書室にある本を漁りまくった。
そしてようやく見つけたのが『最も邪悪なる魔術』と言う闇の魔術に書かれた本の一文だけだったのだが……。
『分霊箱、またはホークラックス。魔法の中で最も邪悪な発明なり。我らは其を語りもせず、説きもせぬ』
あまりにも短く、書いてある通り何の参考にもならなかった。
「え、それだけ?」
ハリーは思わずそう言ってしまった。
「それだけね……。ウラハラさんとアイゼンさんだっけ?良く分霊箱の存在を見つけたわね?」
「あの人たちの読書量ははっきり言って異常だしね。それに大霊書回廊の存在が大きい。あそこには日本魔法界が、その長い歴史を掛けて収集した情報が入っているからな」
「でも凄いわ」
ハーマイオニーは感心するように言う。
そんな中、刀原は内心で大変だったなぁと思いだす。
大霊書回廊の最奥に眠る、封印指定され閲覧に魔法大臣と総隊長の許可が必要な情報。
それが分霊箱についての情報が書かれた『深い闇の領域』と言う本だったのだ。
この本自体が、非常に邪悪な闇の魔術や忘れ去られた秘術について詳しく書かれているというヤバい本のだが……。
その中でもとびきりヤバい内容が分霊箱だった。
分霊箱……闇の魔法使いたちが己の不死性を得るために自身の魂を切り取り、閉じ込めるための物体で……分霊箱がこの世にある限り、例え肉体が破壊されようとも魂は現世に残り続けられる。
作成には明確で殺意でもって、故意に殺人をする必要がある。
そして破壊するには非常に強力な魔法でなければならない。
現在まで分霊箱を作成したのはただ一人、古代ギリシャの魔法使い『腐ったハーポ』のみ。
発明者もこの魔法使いらしく、刀原達は腐ったハーポに『
なお、浦原や藍染は「八十番台後半以上の鬼道か、始解あるいは卍解した斬魄刀で破壊出来るだろう」と推察したが、別にサンプル実験をした訳ではないため確定ではない。
「出来ればサンプルを手に入れてほしいっす」
「チャンスがあれば耐久実験をしてほしい」
二人は刀原にそう言った。
"出来るか!"
刀原はそう思った。
そしてとりあえず「
分霊箱に関する調査が日本や図書室で始まった頃、ハリーには新たな難問が降りかかった。
ダンブルドアから依頼された『スラグホーンから分霊箱に関する記憶を得る』方法だ。
これはハリーの頭を大いに悩ませた。
偽りの記憶を渡すぐらいには隠したい
「スラグホーンを奇襲して、記憶を回収すればいい」
相談を受けた
バカ正直に交渉するなんて面倒だと思ったからだ。
刀原はこの問題に関して「今は有事だ。手段は選んでられない。理屈と理論は揃っているのだから、
しかしそんな
「開心術の達人であるダンブルドアが駄目だったのです。おそらく自発的にさせる以外、無理でしょう」
と言う、雀部の冷静な指摘があったからだ。
刀原はしばし考えたあと……雀部の指摘に同意し、温厚な策を立てる方へシフトすることになった。*2
まず、今まで以上にスラグホーンと親しくなる。
ーーーーーー
「先生、実はちょっと分からないところがあって……」
「どこだねハリー?」
「はい、えっと……」
ーーーーーー
チャンスを伺う。
ーーーーーー
「ハリー、焦らないで下さい。確実に、好機は必ず来ます。後は何かしらのきっかけや閃きがあれば……」
「やっぱり
「しょう君は黙ってて下さい!」
ーーーーーー
だが、どんなに慎重になろうとも……良い手段は見つからなかった。
業を煮やしたハリーは、ハーマイオニーや刀原、雀部に改めて意見を聞いた。
「策を練る……やっぱりこれしかないわね」
ハーマイオニーは何らかの策を構ずるしかないと言う。
「だが、そんな策があるなら苦労はしない……だろ?」
刀原がそう言えば、三人は「確かに」と頷く。
「やっぱ、正面突破しかねぇ」
「あー、まあ、もうそれしかないですよね」
「待って、武力制圧は「それじゃない。正面から、面と向かって言うんだ。下さいってな」
ハーマイオニーの反論を遮って、刀原は真面目な顔でそう言った。
「そんな簡単な話じゃないわ」
ハーマイオニーは顔をしかめながら言う。
「ああ、何も考えずに言ったら間違いなく貰えないだろうな。だから……言い方を考えて、スラグホーンを調略するんだよ」
「言い方を考える……」
「情に訴える。メリットを提示する。泣き落としでも良い。スラグホーンが喋りたくなるような喋りをするんだ」
「なるほど……」
刀原の言葉に、賛同したのは雀部だけだった。
「上手くいく筈がない」
「ハリーは貴方みたいに交渉が巧くないわ」
ハリーとハーマイオニーは否定する。
「そりゃあそうだ。ハリーのあれは下準備が無いからな。交渉ってのは下準備をしてからやるもんだ」
「ハリーのやつは……行き当たりばったりですからね」
刀原はカラカラと笑い、雀部も苦笑いしながらそう言った。
「じゃあ、どうすればいいの?」
「それはハリーが考えろ」
「それはハリーが考えて下さい」
「え」
「え、じゃねぇ」
「え、じゃないです」
「ハリーよ。俺はお前に、結構色んな事を叩き込んできた。その結果の一つが、この前のロンだったと思う。ハリーは今後も、あれをしなくちゃならん。俺や雷華抜きでだ」
「ショウや、ライカ抜きで?」
「ああ。いまいち自覚してねぇと思うから言うが、俺や雷華は護廷十三隊の隊長だぞ?」
刀原はそう言うが、ハリーやハーマイオニーはピンと来ていない。
「ずっと
雀部が答えるように言えば「あ……」と二人は反応する。
良くも悪くも、刀原たちの影響が大きくなりすぎたのだ。
「その通り。ハーマイオニーにも言っておく。近いうち、お前たちはこういう事態を独力で乗り越え無くてはならない。俺らに頼る時期は、お仕舞いなのさ」
「最後は私達が何とかしてくれる……なんて思うのも、もうお仕舞いです。ちょっと寂しいですけどね」
「そう、だよね……」
「そうよね。いつまでも頼っている訳にはいかないわね……」
ハリーもハーマイオニーも自覚したのか、ゆっくりと頷く。
「さて……じゃあ、最後にヒントだけやろう。良く聞いとけ?」
「うん」
「1、ハリーが持ってる物。2、雰囲気を作れ。3、2回目を本番にしろ」
「僕が持ってる物。雰囲気。2回目が本番……」
「後はお前らで何とかしろ。結果を期待してるぞ?」
「幸運を」
刀原と雀部はそう言って去っていく。
「ヒントは貰ったわ。後は私達で考えましょう」
「うん。そうだね」
ハリーとハーマイオニーは不安に駆られる気持ちを押し殺し、策を練りあげる事にした。
二月になった頃から、ハリー達六年生は『姿現わし』の練習をし始めた。
『姿現わし』は、習得すれば空間移動が出来るようになる魔法なのだが……。
『
『
『
と言う三つを意識していなければ成功しない。
そして心が充分に『どうしても』と決意していなければ……『ばらけ』と言う身体があちこち分離する現象が起きてしまう。
故に高難易度の魔法であり、使用には魔法省からの免許が必要となる。
だがそんな高難易度であるにも関わらず、ハリー達によるこの魔法の習得は比較的順調だった。
『闇の魔術に対する防衛術』の授業にて「戦闘においてあの術は大変有効だ。分かりやすく言えば……生死に関わるぐらいには」と言う、刀原の発言を聞いており……彼の授業で考え方や理論、術の有効性などを
その為、ハリー達は合同練習を繰り返す度に上達していき、監督官はその度に歓声を上げた。
そんな感じで、二月はあっという間に過ぎた。
相変わらずロンとハーマイオニーの仲は最悪だったが、この頃になると流石にハリーは慣れていた。
そして三月一日、ロンの誕生日に事件は起こった。
その日の朝。
ロンにプレゼントを渡したハリーと刀原は、朝食になるまで最近の話題である姿現わしの話をしていた。
「ショウ達も習得しているんだろう?」
「まあ、習得してはいるが……ほぼ使わないなぁ。ほら、俺らには瞬歩があるだろ?姿現わしの範囲なら、瞬歩で充分だからさ」
「ばらけのリスクもないんでしょ?」
「おう。ただ瞬歩の練度が低くければ、姿現わしの方が良い場合もある。使い分けが大切だな」
ハリーと刀原がそんな話をしている間にも、傍ではロンがプレゼントを開封しては歓声を上げていた。
今は大鍋チョコの箱を思案顔で見ながら、誰かから貰ったであろうそれを食べている最中だ。
これから朝食だと言うのに「お腹が空いてちゃ『姿現わし』なんて出来ないぞ!」等と言って三個目に入っている。
そんなロンをおいて、ハリーは姿現わしの難易度に嘆いていた。
「聞いてはいたけど、やっぱり難しいよ。ばらけも怖いし。僕もショウみたいに瞬歩?を使えたら良いのに」
「失敗したら壁に激突するぞ?しかも思いっきり。俺も習得まで何度壁に激突したか……。後はランニングとか、走る技術とかもいる」
「……やっぱり僕は姿現わしで満足するよ」
「その方が良いだろう」
刀原は笑いながらそう言うと、ポケットの懐中時計を見て「そろそろ朝食に行くか?」と二人に言う。
そう言われたハリーは頷き「ロン、行こう」と声をかけた。
そうして刀原とハリーは動き出すも、ロンはボケッとした奇妙な表情のまま微動だにしなかった。
「どうしたロン?」
刀原は妙だなと思いながら、ロンへ声をかけた。
「腹減ってない」
「……はい?」
「……え、どうした?」
ロンの言葉に刀原は首をかしげ、ハリーは目を丸くした。
「……だから朝食まで待っておけと言ったのに」
「大鍋チョコの箱を半分も食べちゃったもんね?」
「そのせいじゃない」
ロンは溜め息をつきながらそう言った。
「君たちには……理解出来っこない」
俺はお前が理解出来ねぇよ。
刀原はその言葉を鋼の意思で我慢し、「分かった分かった。じゃあ二人で行こう」と言ってハリーと一緒に行こうとした。
「ハリー!ショウ!」
出し抜けにロンが叫ぶ。
「何だい?」
「どうした?」
「僕、我慢出来ない!」
「……何を?」
「……何が?」
ハリーは何かがおかしいと思いながら言い、刀原は半ば呆れながら言った。
「どうしてもあの
ロンは二人の
そしてそれを聞いた二人は今度こそ唖然とした。
最近ラベンダーから『ウォン‐ウォン』と呼ばれているロンだが、こいつの思考はまだまともだった筈だ。
無論、ロンとは確かに友達だ。
だが彼がラベンダーの事を『ラブ‐ラブ』などと呼び始めようと決心したのなら……ハリーとしては断固たる態度を取らねばらないと思ったし、刀原としては『遺憾の意を示す』か『付き合いを見直す』ことになるかもしれない。
「だとしても朝食は食べろ」
「なんでそう思ったんだ?」
二人は何としても常識の感覚を奪還せねばと思い、極めて冷静にそう言った。
「あの
駄目だった。
「いや、気付いているも何も……なあ?」
「うん……しょっちゅうイチャついているだろう?」
二人は盛大に戸惑いながらそう言った。
ロンとラベンダーが四六時中イチャイチャしていることは、『今年の冬も寒かった』ぐらい皆が知っていることだ。
「……誰の事を言ってるんだ?」
ロンは目をパチクリしながら言った。
「君こそ誰の事を言ってるんだ?」
「ラベンダーの事じゃねぇのか?」
「ロメルダ・ベイン。彼女の事さ!」
ロンは高らかにそう言った。
「「………………………………………………………………?」」
沈黙。
その間、およそ一分。
「…………
あまりの衝撃で思考が
「ショウ、日本語になってる」
ハリーが額に手をやりながらそう言った。
「あーすまん、ちょっと分かんなくって……」
「うん、分かる。僕も分かんない」
二人は頭を抱えた。
誰か助けてと願い、周囲を見た。
クソ、誰もいない。
「ロン……冗談だろう?冗談と言ってくれ」
ハリーがなんとか言葉を絞り出してそう言う。
一か月早いエイプリルフールだと思ったのだ。
「僕……あの
どうやら冗談ではないらしい。
「……本気か、ロン。ラベンダーもハーマイオニーもいいのか?」
刀原も何とか絞り出して言う。
「僕は本気だ!」
どうやら本気らしい。
「…………冗談は止せ。冗談じゃねぇなら何かに取り憑かれてるぞ」
刀原はパニックとエラーを起こしている脳を何とか稼働させ、事の真相を探る為に周囲を見渡し始めた。
「ショウ!」
するとハリーが警告を発した。
「なん…!?」
ロンがパンチを繰り出していたところだったのだ。
だが、そんなパンチを食らう事も無く……。
「せりゃあぁ!」
刀原は華麗に一本背負いを決めた。
ドテーンとロンは床に叩き付けられる。
「一体どうしたよ?」
刀原が冷静にそう聞いた。
「冗談じゃない!僕は本気なんだ!」
ロンはそう言って、もう一度刀原に突進しようとした。
「縛道の一『
だが敵う筈もなく、あっさりと取り押さえられる。
「無理だよロン……」
ハリーは呆れるように言った。
しかし、ロンは怒り心頭のままだった。
そんなロンを放置した刀原は、先ほどまでロンが食べていた大鍋チョコの箱を検分し、そして真相を突き止めた。
「ハリーが以前、ロメルダから貰っ「ロメルダ?ロメルダって言ったか?紹介してk「『
「うん、でも怪しくて食べなかったけど……」
「ちゃんと処分したか?」
「いや、してない……って、まさか!?」
「そう、そのまさか。多分惚れ薬が仕込んであったんだろうな。そしてハリーがたまたま落とした物を、ロンが拾って食べた」
「ええ……」
事の真相を聞いたハリーは、今だ懸命に藻掻いているロンに申し訳なさと哀れさで一杯になった。
「とにかく、どうにかしないとな。このまま解放すると、どんな奇行に走るか分からん」
刀原は腕を組みながらそう言った。
確かにこのまま解放すれば……またショウに無謀な突撃を行うか、ロメルダに永遠の愛を誓うために突撃するかの二択になると、ハリーは思った。
そりゃあ、ここ最近はハーマイオニーへのくだらないツンデレや、ラベンダーとのイチャイチャにイライラしていたのは事実だ。
しかし何といっても、僕らは友達じゃないか。
ロンは正気ではないのだ。
このままショウにフルボッコにされる光景や、ロメルダや周囲に変な目で見られた挙句、ラベンダーやハーマイオニーからの評価が地に落ちる瞬間を見物するのは……するのは……辞めてあげるのが友達だろう。
「スラグホーンの部屋に行こう」
ハリーは友達として最高の決断をした。
「どうしたんだねハリー、ショウも。土曜日は遅くまで寝てるんだが……」
「すみません。でも友達のロンが間違って惚れ薬を飲んでしまったんです。解毒剤を調合して頂けませんか?誕生日を医務室で過ごすのは少し……」
眠そうなスラグホーンにハリーはそう言った。
「いや……ふむ、分かった。入りなさい」
ロンは今もなお刀原の鬼道によって拘束されたままだったのだが、それが逆に事態がヤバそうであることの証明になったらしい。
「あの
「分かった分かった」
「あの
「分かった分かった」
ロンは相変わらず奇天烈な言動のままだ。
奇天烈な発言に真面目に答えるのは馬鹿らしいと思ったのか、刀原はさっきからそうとしか答えてない。
そんなやり取りをしている間に、解毒剤を調合し終えたスラグホーンが透明な液体が入っているグラスを持ってくる。
「さあ、これを飲みなさい。神経強壮剤だ。そのままだといけないからね」
「凄い」
スラグホーンの言葉を信じたロンは、戒めから解放されたこともあって勢いよくそれを飲み干した。
そして暫くは三人にニッコリ笑ってそわそわしていたが……やがてニッコリは引っ込み、恐怖の表情へと入れ替わった。
「どうやら元に戻った?」
ハリーはニヤッと笑い、刀原とスラグホーンはクスクスと笑いながらそれを見ていた。
「ふむ、気付け薬が必要みたいだね」
打ちのめされたような顔で椅子に倒れ込んだままのロンを見たスラグホーンは、そう言って近くにあった飲み物が沢山置かれているテーブルへと向かう。
「バタービール、ワイン……。オーク樽熟成の蜂蜜酒……うーむ、これはダンブルドアに贈るつもりだったのだが……。まあ、貰っていなければ残念とは思わんだろう。これでミスター・ウィーズリーの誕生祝いをしよう!」
スラグホーンは嬉しそうに瓶を見せる。
「おお。それ、美味しい奴ですよね?この前、総隊長達に贈りました」
銘柄を見た刀原が感心するように言った。
「そうだろうとも。これは私も贔屓していてね……。かの有名なヤマモト総隊長殿に贈る品にはピッタリの筈だ!」
スラグホーンは上機嫌に言い、グラスを取りに棚へと向かう。
「実際は総隊長じゃなくて、
刀原は
「さあ、祝おうじゃないか!出だしこそあれだったが……誕生日おめでとう、ルパー「ロンです」ロン」
幸いにもスラグホーンはそれに気が付かず、三人に蜂蜜酒が入ったグラスを渡し、自身のグラスを掲げてそう言った。
名前が間違えられていたが……それが耳に入らなかったらしいロンは、とっくに蜂蜜酒を飲もうとしていた。
刀原も間違えてんじゃんと思いながら、飲もうとしたが……ふと、匂いが気になった。
この蜂蜜酒って、リコリスとチェリーの風味がする筈なんだが……。
「スラグホーン教授、この蜂蜜酒は……」
刀原が指摘しようとしたその時、ロンの手からグラスがポトリと落ちた。
そしてバッタリと倒れ、手足が痙攣し、口から泡が吹き始める。
「ロン!」
「ッ!毒か!?」
ハリーと刀原がロンの元に駆け寄る。
「先生!なんとk「俺が回道で和らげる!ハリー、キットだ!教授はマダム・ポンフリーを!」
ハリーがスラグホーンに助けを求めようとするが、それを遮って刀原が指示を飛ばす。
スラグホーンが衝撃のあまりに唖然としていて、役に立たないと判断したからだ。
指示を聞いたハリーは、キットと言われた瞬間にスラグホーンの魔法薬キットの元へ駆け出し、そして重たいそれを持ってこようとはせずに中身を漁った。
ゼイゼイと言うロンの恐ろしい断末魔の様な息遣いが聞こえる中、ハリーは遂に有効な物を見つけた。
前の魔法薬の授業でスラグホーンに見せた、萎びた肝臓の様な石。
ハリーはロンの元へ駆け戻り、処置をしている刀原に見せ、彼の頷きを確認してから即座に、ロンの口にベゾアール石を押し込んだ。
ロンは大きく身震いして息を吐き、ぐったりと静かになった。
「良く思いついたなぁ。上出来だ。多分、もう大丈夫だろう」
刀原は額の汗を拭いながら、ハリーの頭をクシャクシャに撫でた。
その愛は
真の愛か?
色々変えた影響で、この先どうするかを考える今日この頃。
原作追随は何処へやら……。
それとは別に……忙しくなるので、次の投稿が若干遅れるかもしれません。
どうかご了承を。
感想、ご意見、評価、お気に入り登録。
ありがとうございます。
そしてお待ちしております。
では次回は
葬儀、そして真相の記憶
次回もお楽しみに。
ハリー達が分霊箱捜索旅をしている間に、刀原達は賊軍と戦ってる予定です。ハリポタの登場人物が一切出ませんが……要りますか?
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1『要る!』vs賊軍→ホグワーツの戦い
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2『要らない!』vs賊軍は全部カット
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3『後にしろ!』終了後、おまけとして
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4『お前も同行!』刀原も旅に参加する