ハリー・ポッターと日ノ本の死神   作:シオンカシン

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彼らこそ最後の希望

故に託す

この身を対価に。








死神、会議をする。結婚と陥落と

 

『親愛なるハリーへ

 

無事か?

大丈夫か?

 

そちらの情勢が日増しに悪化していることは、報告を受けている。

 

隠れ穴に行っているし、ハーマイオニーやロン、シリウスやリーマスとかも一緒だから、大丈夫だとは思うんだが……。

 

警戒と用心を怠るなよ?

 

 

マッドアイの件は、一心さんや砕蜂さんから報告を受けた。

 

戦争だから犠牲はやむを得ない……とは言わないが、まあ、悔しいところがあるよな。

 

荷物が無事であれば、花が同封してある筈だ。

 

二つある内の一つを、出来ればマッドアイの墓に手向けて欲しい。

 

俺と雷華の代わりにな。

 

 

でだ。

 

 

ビルとフラーの結婚式は聞いた。

 

こんな情勢下だからこそ、おめでたい話は良いこと。

 

もちろん行きたいのだが……。

 

この手紙が来てることから察していると思うが、残念ながら俺も雀部も行けない。

 

丁度その日に、護廷十三隊と星十字騎士団との合同会議が行われる予定なんだよ……。

 

英国方面担当として、絶対に参加しないといけない。

 

同封している花束や品々と『結婚おめでとう』の言葉を、これもまた俺たちの代わりに渡して伝えてくれ。

 

あ、あとご祝儀も同封しているのでな。

そちらも頼む。

 

 

ちなみに、俺は今年ホグワーツに行けない。

というか、雷華や冬獅郎も行けない。

 

如何せんこっちに本腰を入れなくちゃならないんでね。

 

でも、こっちのことは心配すんな。

 

ハリーは己の職務を全うしてくれ。

 

……日本での戦いが終わり次第、そちらに殴り込むつもりだ。

 

もちろん、ほぼ総戦力でな!

 

クックック、あの夜は取り逃がしたが……次は必ず叩っ切ってくれる。

 

悔いるがいいヴォルデモート。

俺たちに喧嘩売ったことをな!

 

 

ハリーは分霊箱探し……と言っても、ロケットと髪飾りの二つだが……捜索を行うんだろ?

 

俺の勘が当たっていれば、一つはホグワーツ内にある筈だ。

 

ハリーが今年ホグワーツに行くかどうかは知らないが……行かないのであれば、行く面々にそれとなく捜索を依頼すると良いだろうな。

 

それと、他の捜索も決して無理はしないこと。

 

有事の際には、これも同封している黒くて細長い紙がある筈だから、それをちぎれ。

 

そうすりゃ、あっという間に日本への旅が始まるから。

 

そうそう、ハーマイオニーやロン、騎士団の面々によろしく言っといてくれよ?

 

では、次の再会を楽しみにしてる。

 

 

君の友人 刀原将平』

 

 

ーーーーーー

 

 

こんなご時世だというのに、いやこんなご時世だからこそ……必要なんだろう。

 

一週間前だ言うのに早くも結婚式の準備を始めた女性陣を横目に、ハリーは刀原から来た手紙と同封されていた荷物を確認していた。

 

『マッドアイへ、哀悼と感謝を込めて』と書かれたカード付きの花束。

 

『祝 結婚おめでとう。二人の道に幸多からんことを。護廷十三隊三番隊隊長 刀原将平 五番隊隊長 雀部雷華』と書かれた分厚い封筒と花束。

 

そして『使い時を誤るなよ?』のメッセージと共に入っていた、黒く細長い紙。

 

ハリーは手紙に書かれている内容に色んな反応をしながら、ビルとフラーの元に向かった。

 

 

「まあ、素敵な花ね」

「ハリー、その花と箱は?」

 

「ショウとライカからだよ。行けないから代わりに渡してくれって」

 

結婚式の準備に余念がないビルとフラーに、ハリーは刀原から送られてきた品を渡した。

 

黄色と白の花で構成された花束はハリーの目から見ても美しく、結婚式の会場に飾るにはピッタリだった。

 

そして……一緒に贈られてきた品々もだが……如何にも最高級の物だった。

 

また分厚い封筒(ご祝儀)中身(金額)について、ハリーは最後まで知らないが、ビル曰く「とんでもなかった」フラー曰く「ショウ達って、実は貴族なのかしら?」と言っているのを聞いた。

 

なお、そうなった理由は……刀原たちの参考相手が相手だったためである*1

 

「とんでもない」

「本当にいいのかしら」

 

ビルとフラーは箱の蓋を開ける度にそう言いあっていたあと、達観したような顔で頷き「ありがとう、ショウにお礼を言ってくれ。僕たちも後で書くからさ」と言ったのだった。

 

 


 

 

新郎新婦が善意の爆弾を受け取っている頃。

 

日本の瀞霊廷では日米合同会議に向けて、着々と準備が進んでいた。

 

取り仕切るのは三番隊(刀原)

 

日本魔法省外務部が英国や欧州方面で手一杯のため、護廷十三隊の外交担当である刀原にお鉢が回って来ていた。

 

そして、その刀原は……。

 

「日本へようこそ。ユーグラム・ハッシュヴァルト団長殿」

 

「お出迎え、痛み入ります」

 

遂に来日した『星十字騎士団』の団長であり最高位(グランドマスター)、ユーグラム・ハッシュヴァルトを出迎えていた。

 

「ああ、やっと着いたか」

「いやはや、中々に遠いですね」

「全くだ。老骨には堪えるよ」

「そんな歳でもねぇだろ」

「そうですよ」

「んなことより腹減った」

 

そしてハッシュヴァルトに続いて出てきたのは、星十字騎士団の隊長格と言える聖章騎士(ヴェルトリッヒ)のメンバー。

 

米国防衛の要である彼らが出張って来たことからも、この合同会議が重要なものであることが伺える。

 

しっかし自由だな、どいつもこいつも……。

まあ、バンビから容易く想像出来たが。

 

刀原は「こいつらは爆撃お転婆娘と同類」と判断した。

 

そして、刀原が内心で呆れていることを察したハッシュヴァルトは咳払いをし、全員を名乗らせた。

 

「アスキン・ナックルヴァールだ。う~ん、君とは……うん、戦いたくないな」

 

「キルゲ・オピーです。私も、貴方と戦うのは避けたいですねぇ」

 

「ロバート・アキュトロン。ふむ、中々に手ごわそうだ」

 

「キャンディス・キャットニップだ。バンビが言ってたヤベー奴ってお前か」

 

「ミニーニャ・マカロンです。バンビエッタちゃんから話は聞いてます」

 

「リルトット・ランパードだ。……なんか飯ねぇか?」

 

なんなんだこいつら。

 

飄々とした物腰だが、実は冷静かつ慎重に行動するタイプ。

 

紳士を気取っているが、中身は多分変人で狂人。

 

なんかどっかで聞いたことのある声。

でも多分まとも。

 

ヤベー奴?話は聞いてる?

バンビの奴……こいつらに何を吹き込んだんだ?

 

飯なら用意してもらうから、後でな。

 

刀原のなんとも言えない表情を察したハッシュヴァルトは、申し訳なさそうな表情をする。

 

きっとこの人は、日々胃痛と戦っているのかもしれねぇな……。

 

刀原は深い頷き(ご苦労様です……。)で返した。

 

ーーーーーー

 

「なあ、腹減った」

 

「後でって言ったろ?」

 

「今欲しいんだよ」

 

「ったく。ちょっと待ってろ、確か……ほれ、飴玉でいいならやるよ」

 

「お、サンキュ。お前、良い奴だな。気に入ったぜ」

 

ーーーーーー

 

「あの、英国に親戚とか居ます?」

 

「いや、いないが……」

 

「では、魔法薬学の教授とか?」

 

「いや、そうではないが……。ああ、イルヴァーモー二ーで教鞭を取ったことはあるがね」

 

「教授って言葉が妙にしっくりくるな……新宿、アーチャー、ダディ……う、頭が」

 

「だ、大丈夫かね?」

 

ーーーーーー

 

「ヤベー奴とは聞いてたが、イケメンじゃねぇか」

 

「バンビエッタちゃん、まさか嘘ついた?」

 

「……あいつ、貴女たちになんて言ってたんだ?」

 

「「『あたしの爆撃を弾いたヤバい奴』」」

 

「……確かに弾いたけど」

 

「やっぱお前、ヤベー奴だわ」

「バンビエッタちゃんは正しかった」

 

「え?」

 

ーーーーーー

 

「俺の見立てじゃ……致命的なまでに相性最悪だぜ」

 

「同感ですねぇ。閉じ込めようとした瞬間、それごとぶった切られる気がしてなりません」

 

「いやいや、別に戦いにきた訳じゃないでしょ?」

 

「だから俺は安心して、この旨いカフェオレを飲めるんじゃねぇか」

 

「そうですとも。この紅茶を堪能できるのも、そのおかげ」

 

ーーーーーー

 

やっぱ濃い面子だった。

 

まあ、とにもかくにも……。

史上初めてとなる合同会議は始まったのだった。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、突然のこと……ではなかった。

 

一部の知恵者は予測していたことだった。

覚悟していたことだった。

 

覚悟していたことだったのだ。

 

だが……極一部の者達を除いて……誰もが来てほしくないと思っていたことだった。

 

 

何が起こったのか、順に見ていこう。

 

 

ーーーーーー

 

その時、英国魔法省では一日の業務が終了しており……残っている者は残業か所用がある者しかいなかった。

 

警備が手薄になる時間だった。

そこを狙われたのだ。

 

魔法大臣スクリムジョールは、つい先日の戦いでマッドアイが戦死したという一報にやるせない気持ちを抱きながら、まだ残っている仕事を片付けようとしていた。

 

しかし、警備部からの襲撃の一報を受ける。

 

彼はまず、残っている職員に脱出を命じた。

そして帰宅済みの職員にこの一報を通達、多くの心ある者たちが事前の決め事に沿って移動を開始する。

 

自身は、機密資料などのヴォルデモートの手に渡ってはいけない書類を近くの暖炉に全て放り込む。

 

そしてそれを終えると、少しでも時間を稼ぐためにヴォルデモートに戦いを挑んだ。

 

しかし、相手はあのヴォルデモート。

 

数週間前に受けたダメージが回復しきっていないとはいえ、規格外な実力は健在。

 

奮戦虚しく、捕らえられてしまったのだった。

 

「私は……知らん」

 

スクリムジョールは息を荒くしながら、言う。

 

「知らんわけあるまい?貴様は魔法大臣だろう……?ならば、知っている筈だ。小僧の居場所を吐け!『クルーシオ(苦しめ)』!」

 

ヴォルデモートはハリーの居場所を何としても知るべく、スクリムジョールに『磔の呪文』を掛けていた。

 

しかし、スクリムジョールは吐かない。

 

既に状況は最悪。

自らの命は風前の灯。

 

だが、彼は既に己の職務をほぼ達成していると考えていた。

 

後は……『選ばし者』と『極東の死神』に任せ、自分は何も言わずにこの世から去る。

 

スクリムジョールの覚悟は、既に決まっていた。

 

「貴様の手を……彼らは分かっていた……今に後悔するだろう」

 

後は、頼んだ。

 

スクリムジョールはそう思い、緑の閃光を受けた。

 

ーーーーーー

 

その時、ビルとフラーの結婚式は大賑わいだった。

 

既に一定の儀式は終了しており、会場はパーティーに変わっていた。

 

モリーは終始泣き、アーサーは終始笑顔。

 

チャーリーやパーシー、フレッド・ジョージ、ロンやジニーたちはビルに対し歓声を上げていた。

 

フラーとの縁で来ていたクラムや、戦いが終わったら結婚を考えているというセドリックとチョウも来ていた。

 

シリウスなどは双子やルーナと交じって、宴を盛り上げていた。

 

ハーマイオニーも笑っている。

 

この光景を、ハリーは噛みしめていた。

 

ここ最近は思い詰めているような表情をしていたリーマスは、トンクスと共に幸せそうに笑っている。

 

実は……去年の夏ぐらいから、リーマスとトンクスは良い仲になっていた。

 

両者はお互いに両想いの関係だったが、リーマスの体質(狼人間)などが話を拗らせる。

 

約十三歳という年齢の差。

リーマスの体質故の差別、貧困。

 

リーマスは「自分は彼女に相応しくない」と考え、自ら危険な任務に行ってしまう。

 

トンクスはというと、自分が原因で死の道に進んでいることに絶望し、塞ぎ込むようになってしまう。

 

しかも、その影響で七変化の能力が使用できなくなり、性格も別人のようになってしまった。

 

このままでは誰もハッピーになれない。

 

しかし、あることがきっかけで二人は接近する。

 

ビルがグレイバックに噛まれ、人狼の影響が出るだろうと予想されても、フラーの想いは変わらなかったのだ。

 

トンクスはこれに勇気づけられ、リーマスに再度告白。

 

リーマスはその場ではまた断っていたが、親友であり盟友でもあるシリウスが拳を振るい(「ばっかやろーが!」)「お前はいつまで、そんなふわふわした問題に囚われてるんだ!いい加減、彼女を見てあげろ!」と説得をした。

 

目撃したハリー曰く「何処かで見た魂の説得(物理)」と言った説得だったが……多分功を奏し、二人は結ばれたのだ。

 

このような経緯もあって、二人は幸せそうだった。

 

他にも、色んな人に会えた。

 

ショウとライカが来れなかったのは、本当に残念だったけれど。

 

ハリーがそのように平和を噛みしめていた時、青白い何かが空から降って来た。

 

ハリーはそれが守護霊(パトローナス)だと直ぐに分かった。

 

そして、大きな不安と嫌な予感に襲われた。

それは正解だった。

 

「魔法省が陥落した。スクリムジョールは死んだ。連中がそっちに向かっている。警戒を……」

 

キングズリーの声だ。

 

魔法省が……陥落⁉

 

さっきまで浮かれていた会場は大パニックになった。

 

「ハリー!逃げろ!」

 

シリウスが叫ぶ。

 

「「ハリー!」」

 

ハーマイオニーとロンが叫ぶ。

ハリーは二人と合流する。

 

直後、死喰い人達が会場に乱入する。

 

「行け!行くんだ!」

「我々のことは気にするな!」

 

シリウスとリーマスの言葉を背に、三人は姿晦ましをした。

 

ーーーーーー

 

運命の一報が届いたその時、日本では日米合同会議の真っ最中……では無かった。

 

日本とイギリスとの時差は八時間。

 

その為、例えばイギリスの二十一時に騒動が起きた場合……それが即座に日本に伝わったとしたら、その時日本は朝の五時なのだ。

 

それに起こった事が起こった事。

 

その情報の精査や、そもそも現地が報告するのに最低でも一時間は経過する。

 

これでもし国際フクロウ便でも使おうものなら、時間は更にかかる。

 

もっとも、情報の発信者は英国魔法省に駐在していた日本魔法省の外務部の人間であり、彼らは日本魔法省へ国際電話という形で発信したが。

 

兎にも角にも……。

 

「一大事にございます!」

 

「ふぁああ、おはよう。どうしたの?襲撃?」

 

「英国魔法省、陥落とのことです!」

 

「な、なんだと⁉」

 

刀原が第一報に触れたのは、朝の六時だった。

 

 

 

「詳細は?」

 

「現地の情報によりますと……。ロンドンにある英国魔法省が、ヴォルデモート率いる連中の襲撃にあったとこのこと。また、具体的な死者等は不明ですが……英国魔法大臣、ルーファス・スクリムジョール殿は亡くなったとのこと」

 

「うむむ……」

 

「予想自体はしていたけど……こりゃあ、えらいことになったね」

 

朝の八時だというのに開かれた緊急会議は、重苦しい雰囲気に包まれていた。

 

日本を代表する知恵者……刀原、京楽、浦原、藍染にとって、英国魔法省の陥落はありえる話として考えられていた。

 

しかし、まさかここまで早いとは思わなかった。

 

「しかし……どちらにしても今は動けないのでは?我々は賊軍の相手をしなくてはいけませんから……」

 

「左様、今は向こうの出方を伺うしかあるまい」

 

卯ノ花の言う通り、護廷十三隊たちは賊軍という敵がいる。

 

油断ならぬ敵であるが故に、英国へ主力を送る訳にはいかない。

 

だから元柳斎の言う通り、向こうの出方を伺うしかない。

 

なんの結論が出ないまま時間は過ぎ……二時間も経てば、続報が次々とやって来る。

 

「英国魔法大臣の後任はパイアス・シックネスとのこと」

 

「英国魔法省から『国内情勢悪化に伴い、今後の派遣は取り止めるよう』とのこと」

 

どうやら英国の新政権は、ヴォルデモートの傀儡になったらしい。

 

「おそらくホグワーツへの派遣は切られるね。それどころか、手出し無用と言われかねない」

 

「新大臣はヴォルデモートの息がかかった者だと考えられます」

 

そう言った京楽と藍染の指摘が当たった証拠だった。

 

「不干渉の原則を盾にされては……アタシらだけじゃなく、各国も手出し出来なくなるっす」

 

「そうやって各国が手出し出来ない状況を利用して……ヴォルデモートは内部の敵対者達、ハリーや不死鳥の騎士団を殲滅する腹かと。そうすればヴォルデモートの打倒はめんどくさくなります」

 

護廷十三隊の知恵担当達が頭を捻る。

 

「英国に関する例の備えは?」

 

「首尾が上手く言っていれば、今頃準備をしてるとは思います……。せやけど、如何せん昨日の今日の話なんで、時間がかかると思います」

 

元柳斎の問いに市丸は言う。

 

「問題はハリー少年だね。ダンブルドアがこちらにいる以上、ヴォルデモートは絶対に彼を消したい筈だ」

 

「彼とてそう簡単にやられるような実力ではありません。初動さえ間違えていなければ、姿を隠せるだけの準備はあります」

 

浮竹が心配そうに言えば、雀部が多分大丈夫だと思うと言う。

 

彼にはハーマイオニーを始めとした頼れる友がいるし、シリウスやリーマスと言った大人たちも付いてる。

 

そう易々とやられるような奴じゃない。

 

「おめおめと構えていれば、いずれ英国が蹂躙されてしまう。そうなれば世界の危機。出来るだけ早急に動くべきだと、私は思う」

 

「白哉の意見にに賛成じゃ。破面の連中のこともある。手が出せるのは、わしらだけじゃろう」

 

「そうは言うがな四楓院隊長、賊軍のこともある。日本を疎かには出来ぬ」

 

「狛村隊長の言う通りです。ですが、我らが動かなくてはならないのも事実……。ここは外部の動きも聞いてみては?」

 

「それもそうだねぇ……ハッシュヴァルト殿、米国の動きは?」

 

「米国もかなり混乱しているとの報告です。それと……米国魔法議会は、とりあえず静観の構えとのこと。向こうから派遣に関する要請が無い以上、魔法議会や我らは動けません」

 

「そうだよね……」

 

会議は進むが、結論は出ない。

 

 

 

 

「…………よし」

 

考えをまとめていた刀原が決心したかのように頷き、前に出る。

 

「皆様方。ここはやはり、賊軍を先に仕留めるべきです。賊軍と決戦をし、これを撃破。その後、最小限の者を日本に残したうえで欧州に移動。主力でもってヴォルデモートと破面を倒す。これしかないかと」

 

刀原がそう言えば、多くの者が頷く。

 

「彼らが決戦に乗ると思うかい?」

 

浮竹が聞く。

 

「奴らの主導者は腐った貴族です。奴らはプライドだけはいっちょ前なので、挑発すれば必ず乗ってくると思います」

 

「乗って来るじゃろうな……じゃが、入念な下準備が必要じゃ」

 

「こちらの準備も考えると、決戦は十二月あたりになるかと」

 

「そのくらいじゃろうな」

 

夜一が刀原の答えに頷きながら考える。

 

「英国はどうする?その間にハリー少年等がやられてしまうのでは?」

 

「ハリー達や不死鳥の騎士団も、そう簡単に倒れるような人達ではありません。例の組織が発足すれば、ですが……」

 

狛村の問いに刀原は多分大丈夫だと答えつつ、市丸の方をちらりと向く。

 

「それについては問題あらへんで。さっき、僕のとこに連絡があってな。最終調整に入ったらしいわ。正式発足は二週間後らしいけどな」

 

「それは良かった」

 

市丸は側にいる松本から貰った紙を見ながら言う。

 

「例の組織?」

「なんだそれは?」

 

詳細を知らされていない者達が疑問する。

 

「いやぁ……本当はこうならないで欲しいとは思っていたんだけどね?僕たちはこの事態をある程度、予測していたのさ」

 

京楽は腕を袖にいれながら言う。

 

「そこでアタシらは……英国魔法省と仏国魔法省と連携して、こうなった時の為の組織を構想してたんす」

 

「京楽隊長、浦原隊長、私、市丸大臣、刀原隊長、そしてダンブルドアとスクリムジョール大臣で考えたのです。フランスはダンケルクに、ある組織を作った方が良いとね」

 

「お陰で外務部はてんてこ舞いやったけどな」

 

浦原、藍染、市丸が順に言っていく。

 

「この事態を考えて作った?まさかそれって……」

 

雀部が答えを察する。

 

「そう……『亡命政権(自由英国魔法省)』だよ」

 

刀原はしたり顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
流石の刀原達も、結婚式に参列したことはなかった。

 

しかし、だからと言って下手な物を送っては、二人の沽券やメンツに関わる。

 

そのため、それなりの格を持っており……結婚している人物や、その手の話に詳しそうな人に話を聞くことにしたのだ。

 

花や贈る品に関しては、四楓院家や朽木家御用達の店を紹介してもらい、見繕ってもらった。

 

ご祝儀を幾ら出せばいいのかに関しても、結婚している朽木白哉や、経験豊富な京楽などに聞いた。

 

二人は失念していた。

 

参考にした人は、いずれも上級貴族だったり五大貴族だったことを。

 

彼らの金銭感覚は麻痺していた(常識ではない)ことを。

 

また、刀原も雀部も隊長職に就いている以上……金銭的余裕があったからだ。

 

「喜んでもらえただろうか?」

「多分、大丈夫だと思いますけど」

 

なお、この数年後。

 

ハリーたちの結婚式で、二人は再び色んな意味でやらかすことになる。






戦争に勝つために備えるなんて

みんなやってること

負けたら死ぬ

死なない為に頑張るなんて当たり前でしょ。



この小説もいよいよ最終章。

ハッピーエンドを迎えるべく突き進みます。


アンケートにご協力頂き、ありがとうございました。

刀原参加ルートが想像以上に多かったので……どうしようかと、まだ悩んでます。

と言うか……。

既にカップ破壊してグリンゴッツ行く必要無いし……そもそも旅を行う必要あるのか!?

うーん……刀原君、君やりすぎ。


この小説でも映画でもいまいち影が薄いですが……原作では、ルーピンとトンクスの仲はかなり拗れます。

ハリー側だと分かりづらいですが、狼人間は迫害されますので。
そして漸くくっついたと思った矢先……。

でも大丈夫。

君達を倒す敵は、既に逝ってるからね☆


アニメで動く零番隊、マジカッコ良かったです。
この小説でも出番の検討を……。

でも親衛隊、テメーらはダメだ。

ホグワーツが滅茶苦茶になるだろうが!
絶対に英国には行くなよ!

絶対だぞ!フリじゃないぞ!

あとユーハー、オメーもな。
間違っても「この隙に……」とか思うなよ。



感想、ご意見、評価、お気に入り登録。
ありがとうございます。
そしてお待ちしております。



では次回は

亡命とロケット

次回もお楽しみに。




おまけ

で、ロケットどうすんの?
カエルは既に死んでるぜ?

殺さなきゃ良かったか……?
でも殺りたかった。



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