ハリー・ポッターと日ノ本の死神   作:シオンカシン

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瞬きすら許さぬ

死の恐怖

平穏の夜が

阿鼻叫喚。








幕間『かの者』

 

 

 

フクロウの試験も目前に迫り、ハリー達は天文学の授業中だった。

 

星空を見ながらあーでもないこーでもないと思っていた一同は、とんでもないものを目撃してしまう。

 

ハグリッドの小屋が炎上し、その小屋の主(ハグリッド)も襲撃されていたのだ。

 

誰もが不快になる金切り声(「捕まえろ!」)を上げながら襲撃者達に指示をしているのは……誰あろう、アンブリッジ(みんなのターゲット)だ。

 

アンブリッジは気に入らないハグリッドをホグワーツから追放するべく、闇祓い達を率いて襲撃をしたのだ。

 

だが、彼らはハグリッドを嘗めていた。

 

ハグリッドは巨人の血を引いている。

そんな彼を失神させるなど出来る筈もないのだ。

 

失神呪文を浴びながらも、ハグリッドはファング(ペットの犬)を守りながら誰にも反撃せずにいた。

 

「あなた達、一体何をしているのです!」

「止めなさい!」

 

ハリー達が固唾を飲んで見守る中、騒ぎを聞きつけた者達がやってきた。

 

「マクゴナガル先生よ!」

 

「それと……あれはライカか!」

 

マクゴナガルと雀部が現着した。

 

「やめなさい!何の理由があってハグリッドを攻撃するのです!」

 

マクゴナガルは何とか静止させようとそう叫ぶ。

 

「その行いを正当化する理由などなにも」

 

その静止を嘲笑うかのように、四本の失神呪文がマクゴナガルに放たれる。

 

不意打ちで、なんの警告も無しに発射された失神呪文は……マクゴナガルには当たらなかった。

 

「危ない!」

 

雀部がマクゴナガルを庇ったのだ。

 

これが昼間だったり、敵対者が死喰い人や虚だったり、不意打ちだったり、マクゴナガルの静止に従うだろうと思っていなければ……雀部も防げた。

 

だが、あまりにも咄嗟の事だったため……無対策で庇うほか無かったのだ。

 

あるいは、数年とはいえ良くしてもらった恩師の危機に身体が動いたというべきか。

 

出来たのは庇うことだけだった。

 

つまり……マクゴナガルの代わりに、四本の失神呪文は雀部の背中に命中した。

 

「「「「ライカ!」」」」

 

雀部に命中したのを見たハリー達が悲痛な声を上げる。

 

「ササキべ!ミス・ササキベ!」

 

雀部に庇われたマクゴナガルはそう必死に声を掛けるが、返事は弱々しく唸るだけで終わる。

 

四本もの失神呪文は、霊圧が高い雀部をノックアウトさせることは出来なかったが……大ダメージを与えるには充分な威力だったからだ。

 

「マクゴ、ナガル……教授。だ、大丈夫で、すか……?」

 

弱々しくもマクゴナガルを労わるように言う雀部。

 

「ええ、貴方のおかげで…!」

 

マクゴナガルは泣きそうな声で雀部に感謝の声を出す。

 

「そんな、こんなことが……だが、これは」

 

事の原因であるアンブリッジは、目の前で起きてしまったことに最初こそ戸惑っていたが……やがて『これは好都合』とでも言わんばかりの声を出す。

 

だが、その思いは直ぐに終わる。

 

おい……なにしてんだ?

 

その言葉が響いた瞬間……ハリー達を含めたその場にいた全ての者が、心の底から恐怖を味わう。

 

特大の殺気と、何よりも濃密な霊圧が辺りを……いや、ホグワーツ城全域を覆ったからだ。

 

だが、これを発している者にとっては……そんなこと些細な問題だった。

 

ゆっくりと、だがその一歩一歩が大地を揺らしているように感じさせる足取りで……霊圧の持ち主は現着する。

 

「雷華の霊圧がいきなり弱くなったから……何事かと思って来てみれば、一体何が起こったのかなぁ……これは?」

 

無表情の顔をした(明らかに激怒している)刀原が、ゆっくりと現れたのだ。

 

あ、終わった(死んだ)

 

アンブリッジが、マクゴナガルが、ハグリッドが、雀部以外のその場に居合わせた全ての者が等しく思った。

 

安全圏にいるはずのハリー達ですら思った。

 

 

 

 

「雷華……大丈夫か?」

 

今すぐに、即座に、即刻に、直ちに、速やかに、迅速に、サッサと、あっという間に、サクッと。

 

一刻も早くガマガエルを処したい。

 

そんな思考を何とか抑え込みながら、刀原は雀部を労わる様に声を掛ける。

 

そしてマクゴナガルの腕の中にいる雀部の頭を撫でながら、回道で彼女の傷を癒していく。

 

「トーハラ、申し訳「マクゴナガル教授、謝罪よりも感謝を。そしてそれは雷華に」ええ、そうですね……ありがとうササキベ」

 

思わず詫びの言葉を言おうとしたマクゴナガルを静止し、刀原はゆっくりとそう言う。

 

「ああ、お前らはそこから動くな。立つことだけ許してやる」

 

そして刀原は振り返らずに冷たくそう言う。

 

「指一本、足一歩。数寸でも動かしてみろ。殺すぞ

 

その瞬間、アンブリッジを含めた襲撃者全員に『首を斬られた』と錯覚するかのような感覚が襲う。

 

「分かったな?」

 

脅しでも、警告でもない。

 

『動いたら殺す』

 

それを伝えるだけの通達。

 

そしてこれを無視すれば……本当に死ぬ。

 

「……はい」

 

仮にも優秀だとされる闇祓い達だが……彼らがピクリとも動けなくなるには、それで充分だった。

 

 

 

 

誰も動けなかった数分間に回道で雀部を癒した刀原は、彼女をマクゴナガルに託す。

 

マクゴナガルは最愛の人に付き添いたいと考えている刀原が託したことに目を見開いた後、信頼に答える為に医務室へと向かった。

 

ハグリッドもそれに同行する。

 

そして現場に残ったのは刀原とアンブリッジ、そして四人の闇祓い達だった。

 

さあて、どうすっかな。

 

刀原は冷えてきた頭を回転させる。

 

処すの(全員抹殺)は……容易い。

 

攻撃したのは命令だろうから……少し同情するが、それでも同罪として四人の闇祓いごとクソガエルをこの世から消すこと(死神式フォトショ術をする)など、容易いことだ。

 

死んだ、斬られたなど思わせることなく消すこと(即死させる)など、容易いことだ。

 

この一件の関係者(マクゴナガルやハグリッド)や多分天文台の塔から見ているハリー達も……無かったことにしてくれる(何が起こったのか知りませんと言う)だろう。

 

だが、それでもだ。

 

巻き込まれた形となった(カエルと一緒に消される予定の)闇祓いは公僕(命令に従っただけ)であり、彼らにも家族が居るのだ。

 

遺体も残らず消えた(永久に行方不明)』など……いくら何でも可哀そうだろう。

 

本人達も、家族にとっても。

 

それに、誤射した可能性も捨てきれない。

 

事件発生から『死刑!』『処すべし!』『慈悲はいらぬ!』『斬れ!斬り捨てぇ!』とヒートアップしていた脳内会議も『待て!落ち着け!』『先ずは言い分をだな…』と穏健な言葉が出てきた。

 

刀原は鯉口を切っていた(いつでも抜刀出来る体勢だった)刀を収める。

 

その瞬間、放たれていた殺気と霊圧が収まる。

 

刀原が現れて十分も経っていないが、一時間が経過したかのように感じた闇祓い達は大きく深呼吸する。

 

「……雀部が心配なので事情聴取は後日。逃げるなよ

 

刀原はそう言い、一先ずその場は収まった。

 

 

 

そして翌日、大広間で昨日に起きたことを全生徒達の前で言い「どうしてこうなったのか…言い訳してくれるか?」と、刀原は言った。

 

「こ、これは不幸な…そう、不幸な事故なのです!」

 

その刀原に震える声でそう言った(言い訳した)のは、当然アンブリッジだ。

 

「ええ、そうですとも。武力行使の最中、マクゴナガル先生とミス・ササキベが静止の為に接近。暗闇の中だったため、声がする方へ思わず呪文を放ってしまい…それが()()ミス・ササキベに当たってしまった。それだけなのですよ」

 

ペラペラ(ゲコゲコ)とそう言ったアンブリッジ(ガマガエル)

 

これで何とかなると蜂蜜ヌガーよりも甘い思考をしていた。

 

だが、刀原はそんな甘い思考など持っていない。

 

刀の鯉口を収めた。

 

つまり、斬るつもり()無いという事。

 

だが……刀原は控えめに言ってキレていた。

有り体に言えば、舐められたと思っていた。

 

 

身の程知らずのカエルを抹殺するため、かつて裏から操っていたのは(手紙で助言をしていた『S・R』とは)確かに俺だ。

 

だがDA軍団が露呈した時に今までの手紙は真っ白になり、その段階でS・Rの信頼も真っ白になった。

 

だからもう、S・Rは助言をしてない。

 

それゆえに焦って行った行為がこれなのだろうが……俺とハグリッドが友好関係にあることは分かっている筈。

 

それに雷華が攻撃を受けた時、こいつニヤッと笑ってなかったか?

 

まさか、雷華を人質にとか思ってねぇだろうな?

 

斬りはせん。

そこまで蛮族(頭薩摩ホグワーツ)ではない。

 

だが、鼻っ柱は叩き折ってやる。

 

俺を敵に回せばどうなるか教えてやるよ(全生徒の目の前で完全論破してやる)

 

 

「その武力行使とは、ハグリッドを襲ったことか?ハグリッドは警告など無かったと言っていたぞ?いきなり襲われたと。それに、先ほど英国魔法省に問い合わせたら「そのような命令は出してない」と言う返答だった。法執行部長であるスーザン・ボーンズ殿が言っていたんだ。間違いない。ということは……だ。今回の襲撃に正当性など無いよな?それとも誰かから秘匿の命令でも受けたのか?誰の命令で、なんの理由で逮捕……というか、奇襲したんだ?」

 

 

「静止の声を聴いたら、即座に攻撃を中断すべきだろ?まあ、その静止の声に聞き覚えが無いのであれば分らんでもないがな。声を発したのはマクゴナガル教授だ。ここにいる誰もがお世話になった素晴らしい教授だ。かの教授の静止なら、よほどの悪戯小僧でもない限り従うだろう。にも関わらず放った……ということは、最初から静止する気など無いと言っている様なものだ」

 

 

「うちの雀部に命中した際、お前らは介抱する素振りすら無かったらしいな。誤射とか事故とか言っていたが、それなら杖を下し、即座の謝罪と介抱をするべきだろ。相手が他国の人間なら猶更だ。にも関わらず、行う気配すら無いってことは、半ば故意だったと言う事だ。違うか?」

 

 

「ああ、既に闇祓い諸君には事情を聴いている。『嘘ついていた分かったら殺す』と言って聞いたら、『上級次官(ガマガエル)の命令で動いていました。静止の声があったとしても、気にせず攻撃せよと言われました』と言っていたぞ。半泣き……というか殆ど命乞いしながら言っていたし、雀部に当てたことは土下座する勢いで謝ってきたから放免としたがね。もしかして、彼らが嘘ついているのかな?」

 

 

「そもそもお前が率いていたんだ。どう見てもお前が指揮官だよな?みんなお前の命令で実行された。違うか?上級次官殿(あの場で最も立場が上な人)?」

 

 

「第一、お前に命令出来る奴なんて限られてるよな?英国魔法大臣ぐらいだろ。この一件がお前の独断でないとなると、必然的に魔法大臣の命令となるなぁ。さんざん『魔法大臣の名の下に』とか言ってたし。今から魔法大臣に問い合わせしようか?「どういうつもりだ?日本の者に手を出しておいてどういう了見だ?」ってな。チキンファッジはなんて答えるかねぇ?」

 

 

「あ、そうそう。俺の権限で本国に連絡はまだしてない。一応な。したら国際問題待ったなしだからな。だがお前の態度、答え次第では……当然だが本国に申し奉る必要が出てくる。国際問題になることを理解しろよ?俺たちの撤退ならまだマシ。もしかしたら同盟破棄もありうるぞ?約九十年続く日英魔法同盟を潰す覚悟……もちろんあるよな?責任取って魔法省クビになる…だけじゃ済まないかもな?」

 

 

「で、どうなんだ?」

 

「…………」

 

「黙ってないでさっさと答えろ」

 

「…………」

 

「やっぱ殺すか」

 

「ま、待って下さい!」

 

「なら答えろ。今ここで。直ちに」

 

促されたアンブリッジは醜い言い訳を始めるのだった。

 

 

 

結論から言おう。

 

アンブリッジは明確な答えを用意出来なかった。

 

独断だったら責任を追及される。

 

上からと言えば大臣に問い合わされ、尻尾斬りで責任を追及される。

 

そうなったら……アンブリッジはアズカバンに行くことになるかもしれない。

 

アンブリッジは必死に言い訳を綴ることしか出来なかった。

 

そこに外聞もへったくれも無かった。

 

 

ハリーを始めとする生徒達は、刀原が許す筈がないと確信していた*1

 

ここでカエルの解体ショー(うん、やっぱ今死ね。直ぐ死ね。ここで死ね)はしないだろうが、息の根を止めるだろうと確信していた。

 

昨夜に膨れ上がったあの霊圧がその証拠だ。

 

だがその予想に反し、刀原は此処での処分を止めた。

 

ピーピー泣き喚いたアンブリッジに対し、冷たく淡々とした声で「ああ、もういい。聞くに堪えん。沙汰はいずれ下されるだろう」と言ったのだ。

 

「呆れてものが言えなかったのよ」

 

ハーマイオニーの推察は、皆を納得させた。

 

だが、ハリーは気づいていた。

 

刀原の目が「生かす価値は…もう無いな」と言っているのを。

 

近いうちに……アンブリッジは消される。

 

ハリーはそう判断した。

 

 

 

 

 

「傷は?まだ痛むか?」

 

「大丈夫です。それより本国は何と?」

 

「『鉄槌を下すのは良しとせず。が、汚辱は注ぐべし』とさ」

 

「英国魔法省を完全論破して追い詰めて轟沈させるのはダメだけど、報復として個人の抹殺ならヨシ……ですか」

 

「まあ、想定通りだな。例の雑誌は?」

 

「先ほど隠密機動の方に渡しました」

 

「良し、後はカエルの出方次第だが…あの小瓶の出番になるかな?」

 

「そこまで自暴自棄になりますかね?」

 

「…なるだろうな」

 

 

 

 

 

その三日後、ある雑誌が日刊予言者新聞に挟まれる形で出回った。

 

Secret contents(秘密の中身)』と題された雑誌。

 

その内容は魔法省やアンブリッジが行った事実(悪行)の数々を書いている物だった。

 

ハーマイオニーが出した自習会(DA軍団)の申請を頭ごなしに却下したこと。

 

杖をロクに使わせてくれないこと。

 

言論統制をしている事。

 

悪逆非道の体罰をしている事。

 

トレローニーを追い出そうとした事。

etc.etc(他諸々)……

 

全部事実だ。

この雑誌に嘘は書かれてない。

 

しかも、証拠とばかりに写真やら証言なんかが掲載されている。

 

クラムやフラーのコメントも記載されている。

 

そして雑誌の最後に書かれた警告にも似た文章。

 

『魔法界の未来は憂いに満ちている。これは警告に過ぎない。魔法省がなんの動きも見せない場合、英国魔法界の未来を憂いる者として次なる行動を開始する。具体的に言えば、『ホグワーツで先日発生した重大事件の公開、この夏に発生したハリー・ポッターに関わる事件の黒幕の公開』である。これは今の魔法省をひっくり返す情報だろう。魔法省の理性ある行動を望む。S・R 』

 

こんな情報を握れる者。

こんな芸当が出来る者。

 

ハリーは、いや…ホグワーツの生徒はこれらが出来る者を一人しか知らない。

 

「「「ねえ、まさか『S・R』って…」」」

 

「「なんの話?」」

 

「「「いや、だから『S・R』って」」」

 

「「『S・R』?知らない子ですね」」

 

キカナイホウガイイコトモアルンダゾ(聞かない方が良いこともあるんだぞ)?」

 

イヤーシカシ、ダレナンデショウカネ(いやーしかし、誰なんでしょうかね)?」

 

 

 

 

 

ちなみに余談だが、ハグリッド襲撃事件における最大の被害者は……ホグワーツ城にいた何も知らない者だろう。

 

平和な夜だったはずなのに、いきなり阿鼻叫喚の恐慌(SAN値直葬)状態に墜とされたのだ。

 

のほほんと過ごしていたのに、いきなり首に刀を突き付けられた(命を握られた)のだ。

 

生きた心地が全くしないとは正にこのこと。

 

ある程度の自力がある七、六学年生ですら膝を付いて震えが止まらず、五、四学年生はへたりと座り込んで息をするので精一杯、経験も魔法力も未熟な一、二、三学年生はその場で失神するか過呼吸になった。

 

各教授ですら気力で何とか立ち、生徒達を見に行くことしか出来ない。

 

そんな阿鼻叫喚の中、教授たちに交じって生徒達を介抱出来た生徒たちがいた。

 

DAの面々である。

 

これは、彼らが優秀であることに加え……刀原の霊圧に慣れていたことが大きかった。

 

それはハリー達も同じである。

 

爆心地に近いにも関わらず観戦出来たのは、慣れていたからだ。

 

そして慣れていた者、恐慌状態に陥らなかった者は即座に察した。

 

刀原が激怒したと。

 

温厚で、誰にでも親切で、少し変わった所もあるが、真面目で、強い人。

 

その彼が激怒したと。

 

 

『日本から来た留学生』

 

『寮とか関係無い人』

 

『グリフィンドールの最終兵器』

 

『ホグワーツ最強の留学生』

 

『正に最強で無敵の留学生』

 

などと言われていた刀原に、異名がまた増えた。

 

畏怖や親愛を込めこう言われるようになった。

 

 

 

『かの者』と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1

刀原に対して、ホグワーツの生徒は暗黙の了解を身につけていた。

 

1.友達への攻撃は絶対に許さない。

2.温厚に接すれば温厚に接してくれるが攻撃すれば必ず反撃される。

3.日本への侮辱は絶対に許さない。

4.身内には厳しくも甘いが、裏切って敵と認識されたら一切容赦無く反撃される。

5.食い物を粗末にするのは許さない。

 

大半の者の結論は

『友好関係を結び、絶対に敵対しない』

だった。







カエルは、所詮カエル

海には行けず

もがくだけ

鳴ける声も

既に枯れ果て。




本来ならば即刻首ちょんぱ案件な本件ですが、踏みとどまりました。

踏みとどまった理由は、ただ単に国際問題になるからですね。

いくら護廷十三隊といえど、他国の政府高官を公衆の面前で斬り捨てるのはマズいです。

マクゴナガルやハグリッド、ハリー達は黙ってくれるかもしれませんが、同行している闇祓い達は報告しなくてはならないですからね。

そのため刀原の脳内会議では、目撃者である闇祓い達も消すべきだと言う者もいました。

しかし、命令されたから仕方なく攻撃するしかなかったと思われる(刀原はそういう認識)哀れな闇祓い達を、「命令されたから攻撃したっていう理由で許されると思っているのか!ああん?」と言って粛清するのは流石に可哀そうと判断し止めました。

あと、雀部に深刻なダメージが無く、治療が容易に出来ると判断したからでもあります。

え、もし雀部に深刻なダメージがあったら?

愚問ですね。
『黒棺』で一発ですよ。


なお、本編でアンブリッジが雀部を襲うと判断した理由はこれが遠因となります。

集団で不意打ちすれば、雀部なら何とか捕らえられると思ってしまったんですね。

まあ、そんなことないんですが。

確実に雀部によって返り討ちとなりますね。

また、刀原が生かしたことも誤解させてしまいました。

「結局、日本の連中はお人好し」

といった感じで、もし失敗しても生かして許されると思ってしまったんですね。

まあ、そんなことないんですが。

協力した者は半殺しで済むでしょうが……。
アンブリッジは死に、首はファッジに送られます。

抗議文と共にね。

『お宅のカエルにうちの者が襲撃を受けた。幸いにして怪我は無かったが、もし成功して、もし死んだ場合……その落とし前はどうしてくれる?貴様の任命責任を問うのは簡単だが……ここはカエルの独断による暴走とし、こちらが処分して貴様はこれを認めたとしよう。その方が互いの為になるだろう?受け入れないのであれば……しょうがない。この一件を国際問題にする他ないな。我々と大使館の撤退、そして同盟破棄かな?あるいは、責任を取って自殺したと見せかけてやろうか?まあ、好きに選ぶがいい。くれぐれも懸命な判断を頼むぞ?俺だって、宣戦布告文を渡したくないんでな』

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