総ての力を纏う時の王者のヒーローアカデミア(凍結) 作:ルオン
とある世界
建物や道路は崩壊し、辺り一面が火の海となった街があった。そこに頭から血を流す1人の青年、怪人が立っていた
『いや~、時の王者って聞いて警戒してたんだが、まさかこの程度だとはな~?』
「ぐっ!?」
怪人の言葉を聞き、悔しく思う青年。
「ハァ・・・・ハァ・・・・・・お前たちの狙いは・・・・・・なんだ・・・・・・!?」
『簡単さ。あらゆる平行世界から仮面ライダー達を消すためさ!!』
「なにっ!?」
青年は怪物の言葉を聞いて驚く。
「何故そんなことをするんだ!?」
『
「(あの方?コイツより強い力を持った存在がいるのか!?だとしても!!)そんなこと、絶対に─────ぐっ!!」
怪物を止めようと、一歩踏み出そうとした青年であったが、怪物との戦闘で体に相当のダメージを負ってしまった為、膝をついてしまう。
『やめときな。さっきの俺との戦いで、あんたの命は風前之灯さ・・・・・・・・膝をついてるだけでも辛いだろ?』
「···············」
『安心しな。すぐにお仲間もあの世に送ってやるよ。お前が旅して知り合った奴等全員な♪』
「───ッ!!」
ブチッ!!
怪人の言葉を聞いた青年の中で、何かが切れた。
そして青年は、立つことさえ辛い体を立たせる。
それを見た怪人は、動揺を隠せなかった。
『バカな!?どこにそんな力が!?』
「─────ない」
『あ?』
「やらせない・・・・・・俺の仲間を・・・・友達を・・・・・・大切な人達を········殺させたりしない!!皆の命は・・・・・・俺が守る!!」
〔オーマジオウ〕
青年はそう言うと、時計のような物【ライドウォッチ】を取り出し、スイッチを押す。
すると、背後に巨大な時計が現れ、そこから無数のライドウォッチが飛び出し、上空へと集まる。
それを見た怪人は驚きを隠せないでいた。
「な、なんだこの数は!?コイツの力は、平成ライダーだけじゃないのか!?」
「世界で偉業を成し遂げてきた戦士達の力よ!!もう一度俺に、力を貸してくれ!!」
青年が叫ぶと、ライドウォッチが1ヶ所に集まり、1つのライドウォッチへと姿を変える。
そして青年の前に、1本の剣が現れた。
「ありがとう、来てくれて」
剣は、青年の言葉に答えるかのように一瞬だけ光、ライドウォッチへ吸い込まれていく。
青年はライドウォッチを掴み、腰に巻いていたベルト【ジクウドライバー】に、2つのライドウォッチを装填する。
「変身!!」
〔―――タイム!!〕
青年がベルトを回すと、青年の体が光に包まれる。
光が消えると、そこには金色のオーラを纏い、ライダーと書かれた仮面と鎧を身に纏った青年がいた。
そして青年の右手には、先程現れた剣が握られていた
『な、なんだよその姿は!?ジオウの最強にいたった姿はオーマジオウの筈だろ!?こんな姿はなかった筈だ!?』
「これは、世界を巡り手にした、絆の力だ!!」
『あり得ん!!こんなこと・・・・・・あり得ない!!』
「受けてみろ!!俺たちの力を!!」
〈フィニッシュタイム!!────タイムブレーク!!〉
「ハッ!!」
青年は一瞬にして怪人との距離を詰め、空中へきりあげる。
『がっ!?』
「これで·······終わりだぁあああああ!!」
『ふざけるなぁああああ!!』
青年は足にエネルギーを溜め、上空にいる怪人に向け、飛び蹴りを喰らわそうとする。
対して怪人は、ドス黒いエネルギー波を放つ。
が、青年のキックによりエネルギー波は避けていく。
そして
「ハァアアアアア!!」
『ぐうっ!?・・・・・・・・クソがぁあああああ!!』
─ドガァアアアアアアン!!─
青年のキックに当たった怪人爆発した。
青年は地面に着地する。
着地した青年は剣をその場で振る。すると剣から光の粒子が無数に飛び出していき、崩壊した建物や道路が直っていき、炎が消えていった。
剣を振るのを止め、変身を解除した途端、その場に仰向けに倒れる。
「ハァ········ハァ·······やっぱ·····無理······しすぎた····」
「「「総一(ジオウ/我が魔王)!!」」」
仰向けに倒れている青年の元に、3人の男女が駆け寄る。
「3人とも········怪我は········ない?」
「私達は大丈夫よ!!でもあなたが!!」
「俺は······平気······」
「どこが平気だ!!こんなボロボロで!?」
「あはは······」
「我が魔王·······もしや?」
「流石だね、ウォズ········もう····無理みたい」
「「ッ!?」」
青年の言葉に2人の男女は驚き、もう1人の男はその場で跪く。
「ウォズ?」
「我が魔王·····長い間、お疲れ様でございました。どうか······安らかにお眠りください」
「うん」
「総一·······」
「ジオウ······お前」
「ツクヨミ·······ゲイツ·······今まで······ありがとう·········あとは······お願い」
「えぇ······えぇ!!」
「任せておけ!!」
「お願い······ね?」
「········総一?」
「総一······総一·····!!」
「ジオウ·····」
「我が魔王·······」
この日、1人の戦士にして王である青年、
そして、仮面ライダージオウの、最高最善の魔王の物語が幕を閉じた
しかしそれは、一時的であった
「ん…………あれ?」
謎の怪人に最後の一撃を叩き込み、仲間に看取られながら死んだ総一は、真っ白な謎の空間にいた。
「ここは……俺は確か、死んだ筈じゃ」
「そうだよ?君は体がボロボロなのに、無茶してあの姿になって、必殺技を叩き込んだから死んだんだよ」
「こ、この声は!?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、すぐに振り返る総一。そこには、白い服を着た男性が立っていた。男性を見た総一は驚く。
「アルマ!?」
「この······おバカァアアア!!」
「あだっ!?」
後ろにいた男性、アルマに怒鳴られながら拳骨を喰らい、頭を抱える総一。
「いった~……何で殴るの!?」
「君が、僕を頼らないからだよ!!」
「…………え?」
アルマの言葉の意味が分からず、首を傾げる総一。
そんな総一を見たアルマは、ため息をつく。
「あのね?僕が怒ってるのは、君が僕を頼らなかった事に怒っているんだよ。言ったよね?もし君が困ってたり、ピンチな時は言ってって」
「いやだって……流石に神様に頼るのはな~って」
そう、アルマは数々の平行世界を管理する神の1人なのだ。総一が生前、異世界に旅立つ際に、何が原因か分からないが、アルマ達が住む天界に来てしまい、知り合った。
「あのね?僕は神様であるけど、神である前に君の友人だよ?」
「アルマ……」
「だから、僕は勝手ながら君の友人達に知らせて、あの怪人以外に現れた怪人達を相手してもらったよ」
「えっ!?マジで!?」
「うん。君が死んだ事で、世界との繋がりが無くなかったから、強制的に自分達の世界に戻ったけどね?あ、他の怪物達は倒してもらってるから大丈夫だよ」
「そ、そっか」
アルマの話を聞き、一安心する総一。
「さて、君には提案がある。転生してみないかい?」
「転生って、別の世界に行って生きるってやつだっけ?」
「まぁね。もっと言えば、力を持って別世界に生まれ変わり、生きるんだ。まぁ、中には肉体を再構築して、死んだ年齢からやり直す人もいるよ」
「へ~」
「で、どうする?」
「ふむ……」
アルマに言われ、考える総一。
「じゃあアルマ、転生でお願い」
「分かったよ」
アルマは頷くと、目の前に1つの扉を出した。
「そこを通れば、転生できるよ。特典は何か希望はあるかい?」
「それじゃあ、ジオウの力を使えるようにお願い」
「分かった」
「またいつか会おう、アルマ」
そう言った総一は扉を開け、光に包まれて転生する。
こうして時磐総一、仮面ライダージオウの新たな物語が始まるのであった。
という事で、投稿した活動報告に書いたように、セイバー要素を取り入れたジオウの企画参加作品です!!
次回は転生後の総一の話になります。
次回も是非読んでください!!