ホロのまったり日常   作:maximum

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初めて見た時お嬢をひゃっきあやめと呼んでいたので初投稿です


今更ですが液体金属の元ネタはスーペリア・アイアンマン、ナノマシンの元ネタはアイアンマンマーク50です。



刀を持つのは人じゃなく鬼らしい

『仮初の平和の上で停滞し、成長しようともしない愚民どもに、我らは絶望を与え、闘争本能を目覚めさせにきた』

 

 

よく分からないことを放送でたれ流すテロリスト。

 

 

自分たちが必要悪だとでも言いたいのだろうか?

 

 

だが、無差別攻撃をしでかした時点で絶対悪に認定された。

 

 

それがどういうことか―

 

 

『我々は現在の人民すべての愚考と怠慢を破壊するために、攻撃を始めた。治安維持組織の解体を求めるなど、言語道断だ』

 

 

その言葉は、自分の心に響いた。

 

 

『諸君らが抱く平和や安定という思想はもはや宿痾(しゅくあ)だ。そんな思想のために自ら武器を捨てるなど愚か以外なんと言えばいい?』

 

 

以前、ノエルが金策について憂いていたのを思い出した。

 

 

というのも、彼女たちの基本的な仕事は、人々が暮らす世界にモンスターが入ってこないようにすることだ。

 

 

もちろん、犯罪者を捕まえるといったものもあるが、どちらも成果を立てることは難しい。

 

 

前者については、無闇矢鱈に殺すわけにはいかないのだ。

 

 

そんなことをして、天変地異を引き起こすドラゴンや天使を呼び起こしては被害がどうなるかなど想像できない。

 

 

後者についても、被害が先に出ることがほとんどなので、結果はどうしても負の面に目がいってしまうのだ。

 

 

目に見える成果を立てないと分からないような人がいるのだ、残念なことに。

 

 

そんな人に、怒りを覚えたことがないわけではない。

 

 

ノエルやマリンがどれほど苦心してるか知らないで…

 

 

だが、こいつらの目的は違うだろう。

 

 

 

『牙を研ぐのを忘れ、ましてや牙を抜くという行為を求める愚か者に、我らがそのツケを払わせよう』

 

 

(結局、ナノマシンのデータが欲しいんだろうな)

 

 

最近よく起きている違法ナノマシンの犯罪。

 

 

恐らくだが、魔界などの手が届かないところで開発された正規品では無いものだ。

 

 

ナノマシンを戦闘行為で使用したい際は、現在は許可を貰わなければならない。

 

 

といっても、行為ごとにでは無く、免許のようなものだが。

 

 

兵器としてのデータを収集し、事件が解決されたら闇市場で回すための行為だろう。

 

 

クライアントが何かは知らんが、どうせそんな考え方だ。

 

 

ふざけるな。

 

 

そんな考えのためのナノマシンでは――

 

 

 

 

ドオォォォン!!

 

 

 

瞬間、目の前で紅蓮が咲いた。

 

 

同時に響く悲鳴、炎が人も、建物も喰らう。

 

 

燃えたぎる音と相まって最悪の音楽だ。

 

 

いや、これは前奏(プレリュード)だ。

 

 

あいつらは実力者とぶつかることを望んでいる。

 

 

きっともっと被害が拡大する。

 

 

いや、それで済めばマシだ、ここから紛争が勃発するかもしれない。

 

 

それも、国際法を無視した民間人を含めた殺戮を始めるだろう。

 

 

そんなもの、許せるわけが……

 

 

 

 

 

そう思う心とは裏腹に、足が震える。

 

 

これは、さっきの獅白さんとの特訓や、マリンとの訓練とは違う。

 

 

 

命の奪い合いだ。

 

 

相手は殺しのプロだろう、なにせテロ組織として名を轟かせているのだし。

 

 

 

 

――俺に、何か出来るのか?

 

 

周りの人と同じく、逃げた方が良いのではないか?

 

 

そうだ、俺が動かなくても何とかなる、白銀聖騎士団が…

 

 

その瞬間、脳裏にノエルの顔が浮かんだ。

 

 

ノエルだけじゃない、マリン、フレア、るしあ――みんなの顔が想起される。

 

 

 

――ならば、何故液体金属を使い続ける?

 

 

皆に、劣等感を抱いていたからではないのか?

 

 

少しでも、追いつきたいからではないのか?

 

 

肝心な場面で、怖気付くのか?

 

 

そんな中途半端な考えなど……

 

 

 

「ノエルたちなら、思いつきもしないだろうにッ!!」

 

 

意思に呼応し、アーマーが纏われる。

 

 

モノアイが、力強く輝いた。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

メガネ型ガジェットがいらなくなって良かった。

 

 

フブキには不評だが、あれを着けてると全身鎧なんて着れない。

 

 

そう思い、爆発した場所まで走ると二人いた。

 

 

1人はショートソードに小さめの盾を、もう1人は槍を持っていた。

 

 

(連携に向いた組み合わせではあるが…爆発させたのは誰だ?)

 

 

爆弾を用いたのかもしれないし、もう1人が魔術師や重火器持ちで居るという可能性もある。

 

 

ロングソードを2本先に精製し背中に背負っておいたので、右手に1本持つ。

 

 

双剣を扱えるほど器用ではないが、手数も減るし、これで勝てるかは―――ガンッ!!―速ッ!?

 

 

剣持ちが盾で殴ってきたので、左手で抑える。

 

もちろんこの一撃で終わるわけがなく、そのまま剣による連撃が始まる。

 

 

だろうから盾を蹴り飛ばしスラスターを吹かせて距離を開く。

 

 

このタイミングで遠距離攻撃が飛んでこないということは、もう1人という線は薄そうだ。

 

 

「なかなかやるな。反応速度、筋力がそこそこあるし、そのアーマーはナノマシンか?」

 

 

身体能力に関してはマジックアイテムのバフです。

 

 

そんなことを素直に言う必要もないし、何より余裕がないので剣を構える。

 

 

多分2人同時に来られたら身一つではしんどい、液体金属の力を使っても五分だろう。

 

 

槍持ちも構え始めた。

 

 

来るか。

 

 

左腕に無反動の銃を精製し、剣を構える。

 

 

こっちから仕掛けたって2人にボコボコにされる。受け身にして、片方ずつ相手しな――「余ぉぉぉぉ!」――は?

 

 

 

ガキィィン!!

 

 

 

その鬼の少女は突如現れ、敵の槍を切り落とし、槍持ちを蹴り飛ばした。

 

 

今だ、仕掛ける!

 

 

剣持ちが動揺している間に一気に距離を縮める。

 

 

だが、しっかり反応し、盾を構えられた。

 

 

なので、剣の先をピッケル状にし、盾を引っ掛けて飛ばす。

 

 

それでも剣持ちは剣を振り下ろしてきたので左腕で弾いたあと、右手で相手の顎先を殴る。

 

 

ふらついてくれたので、そのまま相手の顔を掴み、引き寄せながらその顎に膝蹴りをくわえた。

 

 

「うっわ、容赦ない余…」

 

 

鬼の少女に引かれたが、蹴りだけで人を吹っ飛ばした人には言われたくねえなぁ。

 

 

ヘルムを解除する。

 

 

どうせさっきの戦闘で液体金属を使ったと分かるだろうし、もういいや。

 

 

 

「おぉー、凄いな。ナノマシンとはまた違っていて面白い余」

 

 

 

「それは良かった。君のおかげで助かったよ、ありがとう」

 

 

 

「いい余いい余、お互い様だし。余は百鬼あやめ。よろしくな人間様!」

 

 

そう言って彼女は刀を鞘に仕舞い手を差し出す。

 

 

「ああ、よろしく!」

 

 

ガントレットも解除し、握手する。

 

 

 

(今どきって人が鬼を刀で討伐するのが流行りじゃないっけ…)

 

 

そんな間抜けなことを考えながら。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

「それにしても人間様のそれはすごいな。他に何ができるんだ?」

 

 

そう百鬼様から言われたのは、2人で一緒に行動して6人くらい倒した後だ。

 

 

はっきり言ってめっちゃ強い。

 

 

ノエルとサシでやっても勝てるんじゃないだろうか。

 

 

 

「ビーム兵器以外ならほとんど作れるぞ。コンロとかでも」

 

 

なので、遠距離に切り替えてチクチク援護をした。

 

 

殺すわけにはいかないので、麻痺弾やら睡眠弾やらを空から撃って隙を作ったり、魔術師の攻撃を引き受けたりした。

 

 

 

「百鬼様もすごいと思うぞ。多数相手にあれだけ圧倒できるなんて」

 

 

 

「あやめでいい余。余は一対多を得意とするからな、人間様の援護も相まって大分楽だった余。剣や銃など色々使えるし、人間様は何者なんだ?」

 

 

「ただの器用貧乏なやつさ」

 

 

実際そうだ。

 

 

自分は何か1つを極めることが苦手だった。

 

 

それはどうやら戦闘センスにおいてもそうだったらしい。

 

 

だから、色んな武器に触って、複数の人に鍛えてもらっている。

 

 

まあ、創造や修復に長けた液体金属の使い方とマッチしているからよかった。

 

 

(というか、ナノマシンを使っていてそんな人物がいないなんてことあるのか?)

 

 

今まで戦った相手全員が得意武器を持っていて、武器が壊れても修復するとか、そういったことにしかナノマシンの利点を活かしてなかった。

 

 

もちろん、一点特化となるのはほとんどの戦士の定めだ。

 

 

とはいえ、それではナノマシンを使う必要など―

 

 

「危ない!?」

 

 

あやめに押し倒される。

 

 

 

次の瞬間、青い閃光が視界を染め上げた。

 

 

あっぶねぇ、当たったら消し炭にされたんじゃないか?

 

 

あやめに感謝の意を伝え、立ち上がると片手が大砲になっている全身鎧が来た。

 

 

人間だ、身体能力は亜人種より低いからまだマシだ。

 

 

そう思っていると、腕のキャノンが解除され、普通の手が出てきた。

 

 

つまり――同類だ。

 

 

『鬼族に…ナノマシンか?まさか正規のやつが来るとはな』

 

 

機械的な音声だ。変調しているのだろう。

 

 

「お前が今回の首謀者か?」

 

 

『いかにも。』

 

 

うわぁ、強そう…

 

 

自分よりも遥かに技術を極めているのだろう。

 

 

 

『君たちもなかなかの実力者のようだが…私の放送には何も感じなかったのかな?』

 

 

思うところはある、あるがこれで「なあなあ」―ん?

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「放送ってなんのことだ?」

 

 

 

「え?爆発の後に流れてただろ?」

 

 

 

「…やっべ余何も聞いてなかった」

 

 

 

マジかよ、この空気どうしてくれるんだ。

 

 

『フハハハ。肝が据わってるな鬼族よ。まあよい、私から聞きたいことはただ一つだけ』

 

 

そう言って手を差し出される。

 

 

 

『私と共に来ないか?この堕落した世の中に、鮮烈な革命を吹き起こそうではないか』

 

 

「やだ余」

 

 

「断る」

 

 

『だが、冷静に考えてほしい。学生の時は戦闘科を優遇しておきながら、いざその能力を活かしたポストにつけば肩身の狭い思いをするのはおかしいと思わないか?』

 

 

それはそうだ。

 

 

警察組織が成果を上げないことこそが最高の結果ということに気付かない人が多い世の中が嫌になることもある、が…

 

 

「あんたみたいな人が居たら、きっとそんな人達も重用されると思うぞ?」

 

 

『そう、危険がその場に来て初めて理解するような馬鹿達がな。だからこそ、この世のつくりを変えるため、一緒に来いと言っている』

 

 

くそ、こいつの言っていることは正論ばかりだ。

 

 

間違ってないことが多いのが厄介――「余ぉ!」―またかよ。

 

 

もうあやめが斬りかかっていた。

 

 

が、その斬撃を盾を持った片手で止めていた。

 

 

やっぱりこいつ、遥かに強い。

 

 

 

「難しいことゴタゴタ言われても分かりづらい余。それに、真っ当な手段をとってない人に心が傾くことなんてないし」

 

 

『…そうか、残念だな』

 

 

そのまま盾であやめを吹き飛ばす。

 

 

自分も攻撃しようとした瞬間、音が聞こえた。

 

 

何かを溜めている音。

 

 

 

そして―

 

 

 

 

 

ズガガガガガッ!!

 

 

 

『ほう。ナノマシンではなく、液体金属、か』

 

 

 

「にっ、人間様?」

 

 

 

チャージからの連射。

 

 

あやめに向けられた射線を遮り、アーマーに使っていた液体金属を全て壁として使用した。

 

 

が、耐えきれず、顔を守るためその前で交差させた両腕は火傷し、腹も灼ける様な熱さを感じる。多分出血してるな。

 

 

『ふむ、これは思ってもいなかった収穫だ。全隊、撤退せよ。もういい』

 

 

地面に倒れてしまう。

 

 

「人間様!しっかり!人間様ッ!」

 

 

『中々面白いものを見せてもらったよ、それに免じて退いてやる。次が楽しみだ』

 

 

なにをいってるか――き――ない―

 

 

 

い――しきが――もたな――

 

 

ごめ――さい―――れは――やっぱり――

 

 




戦闘描写へったくそ…全然かっこよくねえな…

あと亜人種ってのは人間、エルフ関連を除いた人型の生き物(獣人とか)を指します。

次回の更新日は大分遅いと思いますが、甘めに作る予定なのでお楽しみに!

というか、魔法がある世界で病院にぶち込む方法がボコボコにするしか思い浮かばなかった。

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