ホロのまったり日常   作:maximum

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前回から1ヶ月以上経過したので初投稿です。


エタったと思いました?私はそう思いました、許して(震え声)

10万UA突破ありがとうございます。
今までに貰ったお気に入り登録、評価、感想も感謝します、これからも頑張りますね!



欠落だらけのコンソメ

 

 

うまくいったと思っていた。

テロ組織を潰して、その頭角を捕らえた。

ノエルも、あくあも、フレアも、フブキも、ラミィも、るしあも、あやめも、マリンも――友達は、皆死ななかった。

 

 

 

 

でも、両親は殺された。

憎悪のままに敵を殺そうともした。

ココ会長にぶん殴られ、無理やり止められなければ多分殺っていただろう。

 

 

 

 

でも、あやめの心に大きな傷を負わせた。

奪還した後もその心は荒んでおり、叩かれ、引っ掻かれ、罵詈雑言を浴びた。

友達に励ましてもらえなかったら、あやめの心をこじ開けることはできなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――いったい、俺は自分だけで何を成し遂げたのだろう。

 

 

 

 

 

自己修復、治癒力増幅、ビーム兵器、変形、金属量の無限化――ありとあらゆるロマン、チートを液体金属(失敗作)につぎ込んだ。

 

 

 

 

 

星を喰らう竜と創る竜、そのどちらの力も掠めとった。

 

 

 

 

 

 

なのに、どうしてこんなにも…手から零れ落ちたんだ…

 

 

 

 

 

 

その原因に気付かぬまま、勝った――勝ってしまった。

両親の喪失を受け入れてしまった。

あやめの心が、開いてしまった。

 

 

 

 

全部、終わってしまった。

 

 

 

 

 

 

『ご主人ッ!』

 

 

 

 

 

終わった――つもりでいた。

目の前で赤く染まる従者に、何もしてやれなかった。

治癒魔法をかけることができたはずだ、液体金属による応急処置をすることも出来たはずだ。

何故、俺はその名を泣き喚くことしかできなかった?

なぜ、何故、ナゼ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今なら分かる。

結局、俺は成長していなかったんだ。

強くなれたのは、外付けの力と技術向上のおかげ。

戦えたのは、支えてくれたみんなのおかげ。

そして、あくあを守れなかったのは俺のせい。

あの瞬間、今まで積み上げてきた何かが崩れる音がした。

 

 

 

 

 

 

だから、仕方がないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノエルたちがおかしくなったのは、俺のせいだから。

 

 

 

 

 

ラミィたちと爛れた生活費に溺れたのは、俺のせいだから。

 

 

 

 

 

そして今――

 

 

 

 

 

 

「ぶっ…ぐ、お」

 

 

 

 

「どうしたー?もう限界か?」

 

 

 

 

 

――あやめに嬲られているのは、俺のせいだから。

 

 

 

 

戦いたいと言った後、あやめは丈夫な木刀を4本用意して、庭に出るよう言った。

それから、張り付いたような笑みで鏖殺が始まった。

久しぶりの戦闘、1本では防御が間に合わないと思い二刀流で構えたが、それも無駄だったよう――

 

 

 

 

「早く立ちなよ」

 

 

 

「がァっ!」

 

 

 

 

綺麗に生え揃った芝生を血で染めながら吹っ飛ぶ。

視界が涙で滲み、耳鳴りで音はほとんど聴こえない。

灼けるような痛覚が、口腔に、腕に、胸に、足に…

上体を起こして痛覚が走り、腕に力を込めて痛覚が走り、右足を出して痛覚が走る。

立ち上がろうとするのを邪魔するのは痛覚であるし、朦朧とした意識を飛ばないようにしているのも痛覚であった。

 

 

 

 

「ほねは――いようちょう――なー。た――しけんも――だろ?う――しをき――な――ら、も―――ほざ―――たん―――ょ?」

 

 

 

どこからか雑音が聞こえる。

腕を撫でる芝生の感触も、音が耳にねじ込まれるのも、全部全部痛かった。

目の前の女を見るのも、自分の血で汚れた木刀を見るのも、草と土の匂いも、口に広がるちのあじも……

もうなにもかんじたくない。

にげたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こらー!みんなでよってたかってなんてひきょうだぞーー!』

 

 

 

声が幻聴()こえた。

全ての始まりとも言える声が。

 

 

 

 

『そんなにだれかをきずつけたいなら、いつかだんちょうになるわたしがあいてだあ!』

 

 

 

姿が幻視()えた。

いつも俺を照らす銀色の輝きが。

 

 

 

 

 

 

ノエル。

なぜ君は俺を助けてくれたんだ?

 

 

『だってわたしはきしさまになるもん。わるいひとからみんなをまもるのはあたりまえだよ!』

 

 

 

ノエル。

なぜ君は俺と一緒にいてくれるんだ?

 

 

『えっ!?だ、だってそりゃあ…幼なじみじゃん?』

 

 

 

 

ノエル。

なぜ君は俺と共に戦ってくれるんだ?

 

 

 

『だって…どうしようもないくらい、好きだから』

 

 

 

ああ、なんて尊いんだ。

友情、親愛、慕情。

そのすべてを彼女に抱いたように、彼女もまた俺を…

 

 

 

皆を羨んだ。

鎧で着飾る必要も無い容姿に。

他より秀でた才能に。

人を魅了する性格に。

でこぼこな個性を持った彼女たちは、平凡な俺よりも輝かしかった。

そして、その中でもずっと、ずっとずっとずっと一緒にいたノエルを…

俺は、ノエル██████████

そ██████かった。

彼女のことが、████たんだ。

その██も、██、██―――。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

立ち上がろうともがく男に、鬼はどこまでも冷たく暖かかった。

 

 

 

「骨は折れないよう調整して殴ったからなー。立てもするし剣も持てるだろ?腕や足を切り落とすのはみんなに止められちゃったから、もう二度と戦いたいとかほざかないように心を折ることにしたんだ!余、優しくてえらいでしょ?」

 

 

 

あやめは優しかった。

男の闘志を折るために攻撃箇所に気を使っていた。

腱や靭帯を損傷してしまうと立ち上がれなくなったり、剣を振り回せなくなる。

力尽きる最後まで足掻けるよう、丁寧に立ち回っていた。

あやめは冷酷だった。

負傷して戦えなくなるのは仕方ないの一言で片付けられてしまう。

言い訳ができる負けを認めるつもりはなかった。

骨が折れないように、しかし痛みを十分に与えられるように手加減していた。

避けられる太刀筋もしっかり受け止め、力任せに吹き飛ばす。

行動を先読みし、潰す。

気を失いそうになったら蹴り飛ばす。

多彩な手段で男を弄んでいた。

赤く染まる男を見て、あやめは紅潮していた。

 

 

 

(これは、フブちゃんが言ってたことが分かるかも)

 

 

 

あやめが動く度に増える傷に痣。

立ち上がろうとする時にあやめを睨む瞳。

そのすべてが嗜虐心を煽る。

ベッドの上ではあれだけこちらを鳴かせて、ぐるぐる回して、気を失ったあとも使ってくるぐらい横暴なのに、今はこんなにも弱々しい。

そのギャップに、これ以上ないくらいに体が熱を持った。

まぐわっている時よりも、はるかに――

 

 

 

 

瞬間、木刀が放たれた。

 

 

 

 

刹那の間、あやめは考える。

速度はプロのソフトボールのピッチャーぐらい、切り払うのは容易だが、その後ろに居たはずの彼は追尾するように駆け出していた。

こちらは二刀流、迎撃後もそのまま攻撃できる。

あやめは和服を着ているので、切り払う瞬間は袖によって視界が狭まる。

その間に彼がどう出るか――

 

 

 

 

考える。

 

 

 

 

 

 

考える。

 

 

 

 

 

 

そして―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッ、と空気を断つ音。

 

 

――あやめは、左手の得物で切り上げることを選んだ。

彼は利き手も利き足も右であった。

もちろん、彼だってテロ組織と渡りあった戦士。

利き手利き足に縛られない戦い方ができるが、今は生命の危機の最中だ。

無意識に右手右足を主軸とした立ち回りになるだろうと言う読みであやめは動いた。

右足で踏み込んでくるのなら右腕のリーチ内だ、問題はない。

何より、あやめにはプライドがあった。

剣を全く持っていなかった彼に負けるわけが無い、反応できないはずがないという、プライド。

傲慢不遜な心は、より感覚を鋭くさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ、と後ろにあしお―――断たれる。

神速の一閃が鮮やかな弧を描いた。

張り詰めた空気、強者という自負、想い人の血を見た高揚感。

そのすべてが、あやめをもう1つ上の次元へ押し上げた。

体を半回転しながらの右足踏み込みによる左袈裟斬り。

この一閃、過去のものを超えた最上級の御業だ。

しかし――

 

 

 

(…いない?)

 

 

 

 

そこに彼はいない。

踏み込みの瞬間には既にいなかった。

だが、刃は止まらない。

彼を凌辱したいという思いは空振り、その存在すら見失った。

 

 

 

(どこに行ったんだ?切り上げた時に回り込んだのではなかったのか)

 

 

 

生き物は一般的に背後からの攻撃に弱い。

だからこそ、攻撃する側としては相手の背後を取ると少し油断してしまうのだ。

相手の振りよりも早く穿つ、その見積もりは失敗した。

顔に滴ったナニカを拭き取り、辺りを見回し、て――

 

 

 

 

――滴る?何故?何が?

 

 

 

またの刹那、あやめは思考する。

 

 

 

 

(汗はかいていない。滴るのなら――切り上げた刀から?違う、刃は空気に拭われたはずだ)

 

 

 

瞬きの間に浮かぶ考え、その発想の早さは歴戦の戦士だからこそだろう。

判断の速さは生存に直結する。

だからこそ、知るべきだ。

 

 

 

あやめの前に立つ男もまた、テロ組織を相手に駆け抜けた猛者であり――

 

 

 

 

(ッまさか、うぇ―――)

 

 

 

 

 

――刹那もあれば、十分だということを。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

庭を見て、血まみれになった2人を引きずって治療してから2時間が経った。

あやめ先輩は随分と派手にやってくれたようだ。

彼の怪我は両腕と両足の骨に1箇所ずつ罅が入っており、口も切っていて頭から血を流していた。

一方、今回の主犯たる悪い鬼も額から血が溢れていた。

木刀で戦ったと聞いていたが、もし真剣でやろうものなら確実に2人とも死んでいただろう。

あまりの怪我の具合のせいなのか、治癒魔法をかけたあとも2人ともぐっすりであった。

本当は今、あやめ先輩の時間なのだが、彼女はもう今日は目覚めないだろうしあたしが彼の面倒を見る。

後日小言を言われそうだなぁ…

 

 

 

 

外傷を治して汚れを拭き取った後、台所に行った。

あれだけボロボロになって、血もいっぱい流していたから体に溜まった疲労は相当だろう。

しっかりした食事を準備するのも良いが、彼がどれだけお腹を空かせているかは分からない。

とはいえ、何も食べさせない訳にはいかないので玉ねぎたっぷりのコンソメスープを作っている。

具材も調味料も全部入れ終わったのであとは煮込むだけだ。

透き通った黄金色のスープ、その透明さが私を辟易させる。

昔は何もかもを純粋に楽しんでいた。

 

 

 

『長いおみみだあ、かわいいね』

 

 

 

初めてだった。

エルフだとか、ダークエルフだとか決めつけずに私と関わった人。

その後で種族を暴露したら、はーふえるふって何?なんて返すものだから、その間抜け面に思わず笑ってしまった。

学生時代はよく彼とつるんでいた。

エイプリルフールでノエルやマリンにドッキリを仕掛けたり、ハロウィンではお互いに脅かし合ったり。

どれも、透き通った大切な記憶だ。

あの時感じていた見えない繋がりは、彼とひとつなぎになった時よりも強い絆だったと思う。

あれだけ望んでいた瞬間、恋人としての1つの終着点。

何故、あの瞬間の幸せは冷たかったのだろうか。

 

 

 

 

「あれ?フレア、キッチンでなにしてるの?」

 

 

 

「…ノエル」

 

 

 

 

 

 

白銀ノエル。

私にとって一番仲のいい親友だった。

この箱庭の財源の八割はノエルから出ている。

提案者もノエルだし、彼女には感謝している。

 

 

 

 

「その様子だと彼の治療は終わった?」

 

 

 

「うん、今はぐっすり寝てる。起きた時に軽く食べれるものがあるといいかなって思ってね」

 

 

 

負い目を感じ始めたのはあの日から。

彼にも休養日が必要だ、という意見から日程をズラしてノエルと一緒に抱いてもらった日からだ。

先に果てて、腕を挙げることすらできない脱力感と満足感に包まれた。

いつも通り、空虚な快感だった。

 

 

 

 

『はッ…ぐ、おごッ…あァ!』

 

 

 

しかし、その包みは破り捨てられた。

真横にいた2匹の獣が互いを慮ることなく貪り、息を荒くすればするほど剥がれていった。

私の時とは違う、体が壊れてしまうような激しさの彼とそれについていけるノエルを見た。

空っぽな中身を引きずり出され、そこにとある感覚をねじ込まれた。

肉と肉がぶつかる音に合わせて膨らみ、女の嬌声の度に濃くなった。

この感覚はなんだろう?劣等感?敗北感?

 

 

 

 

「そっか、じゃあそのお鍋の中身はご飯なの?だんちょもお腹空いた」

 

 

 

 

「ノエルの分はまだだよ、それにスープとパンだけじゃ足りないでしょ?あの子が起きた時に軽く食べられるように準備してるだけ」

 

 

 

「そんなぁ、団長もフレアの手料理食べたかったのに…」

 

 

 

 

ノエルの態度はあの日からも変わらない。

きっと、気にもとめてないのだろう。

 

 

 

「食いしん坊さんには作ってあげられないかな〜」

 

 

 

「ええ!?それはご勘弁をー!」

 

 

 

――ああ、羨ましい。

私もあれだけぐちゃぐちゃにされれば余裕を持てるのだろうか。

劣等感に敗北感、屈辱感で満たされた包み。

 

 

 

私はそれを、嫉妬と呼んだ。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

トレイに湯気が立ち上るコンソメスープが入った器とパンの下敷きになった皿をのせて、彼の自室に戻る。

どこか嫌な予感がするが、頭を振る。

予感じゃない、確信だ。

ドアノブを握り、わざと音を立てて扉を開ける。

ビクリと動く影、分かってた。

 

 

 

「なにしてるんですか、あくあ先輩」

 

 

 

「ヒッ…え、えへへ、フレアちゃん…」

 

 

 

湊あくあ。

彼女もまた頭を悩ませる原因だ。

ここ最近の彼女の動きは目に余る。

一言で表せば、抜け駆け。

当番制だというのに、こちらが会議など外せない用事で彼の元を離れている時にコソコソと逢瀬を重ねている。

ハグやキスは当たり前、時によっては添い寝やそれ以上のことまでする。

処罰を下そうにも、あくあ先輩の体は脆いから攻撃はできないし、拘束しようとすれば屋敷の家事は円滑に回らなくなる。

何より、そんなことをしたと彼にバレたらどうなるかは想像に難くない。

それをすべてわかっていてこの行動、なんて強かな女なのだろう。

 

 

 

「えへ、えっと…もうご主人は大丈夫なの?」

 

 

 

「ええ、もう診てもらう必要はないですよ」

 

 

 

トレイを近くのテーブルに音をたてて置く。

卑屈な笑みを浮かべたあくあ先輩は、気配を薄くして扉へ向かっている。

私はスプーンを器に入れて持ち運びやすいよ――「ねえ、あくあ先輩」

 

 

 

「?」

 

 

口が脳を先走る。

 

 

 

「どんな味でした?」

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

 

――ああ、妬ましい。

私はどうしたら、彼女のように大切に愛されるのだろうか。

羨望に嫉妬、欲望と叶わない現実。

 

 

私はこれを、絶望と決めた。

 

 

 

 

 

 

 

あくあ先輩が出ていって少しした後。

 

 

「んんぅ…」

 

 

 

「あっ、起きた?」

 

 

 

息を吐きながら彼は身をよじった。

傷ば全部塞いだから痛みはないだろう。

 

 

 

 

「んぅ?フレア?」

 

 

 

「そう、あたしだよ?スープとパン持ってきたんだけど、食べれる?」

 

 

 

「食べるぅ」

 

 

 

死闘を繰り広げた戦士様は随分なお寝坊さんのようだ。

今もスープを口に含んではだらしない顔をしている。

ここに来た当初より彼はかなり感情豊かになった。

もちろんあの時と比べるとまだまだではあるが、目標達成に向けた進歩を成したと言っても過言ではないだろう。

 

 

(目標、か)

 

 

 

皆でここに来た時に決めたこと。

彼がまた、元通りになるように。

その願いは、果たして本当に私のモノなのだろうか。

彼が元に戻った時、果たして今と同じように頼ってくれるだろうか。

女として、扱ってくれるのだろうか。

自主性のない彼は彼ではない。

でも、私を犯し、1つのベッドで眠ってくれるのは今の彼だ。

あの時見れなかった一面を見せてくれたのは今の彼だ。

私は、どっちの彼を欲しているのだろうか。

そもそも、今の彼をあの時と同一視しても良いのだろうか。

 

 

 

(テセウスの船か…難しいな)

 

 

 

彼を彼たらしめるものは何か。

その答えはこの箱庭でも千差万別だろうし、統一など出来そうにもない。

では、私にとっては何なのだろうか。

心か?体か?顔か?仕草か?

分からない、分からないけど、欲しい。

心でも感じ取れないものが、欲しい――

 

 

 

 

「ねえ、フレア」

 

 

 

「ん?なあに?…んむっ!?」

 

 

 

彼の唇と私のそれが重ねられる。

自主性はない癖にこういう事だけは…!

 

 

 

 

「んん、んう…うぁ、はっ」

 

 

 

彼の舌が口腔で暴れる度に四肢から力が抜ける。

媚薬も麻薬も飲まさせていないのに、私は何に酔ってるのだろう。

 

 

 

 

「ぷはっ…はあ、はあ…んっ」

 

 

唇を重ね、膨らみに手を伸ばされ、足を絡められる。

体をこれだけ近づけられるのは、今の彼だけ。

今の…酷い夢の、彼だけだ。

たとえ気を失った後まで、どれほど酷く体を使われようとも今はそれでよかった。

 

 

キスは、冷めたコンソメの味。

今の関係性にピッタリだった。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

随分と荒れてるなと呼び出し場所を見て思う。

警戒する必要もないとは思うが、この話が一般人に漏れては困るし、用心に越したことはない。

愛銃を引っさげ、呼び出し人からの指定地にやってきた。

 

 

「お、獅白さん」

 

 

「ん?ああ、ラプラスか」

 

 

 

そこにいたのはクソガキ代表のラプラス・ダークネス。

集合時間より早くくる真面目さは相変わらずだ。

ラプラスと世話話もそこそこにし、新しく来た人にも挨拶する。

紫咲シオン、癒月ちょこ、天音かなた、鷹嶺ルイ、風真いろは。

随分と実力者ばかり集めたものだ。

まあ、呼び出し人からすればこれぐらいの武力が必要なのだろう。

実際、あたしにとってもこれは好都合。

姿をくらました雪花ラミィ、その居場所が掴めた。

この知らせで飛んできたのだ。

失敗はできないし、仲間は多いほどよい。

 

 

 

「時間通りだな」

 

 

 

瞬間、空気が凍る。

止まらない怒りを腹に飼う狂竜。

彼を死に物狂いで探していた人物。

裏切られるのも想定通り、そう冷たく笑った女。

 

 

 

「じゃあ、はじめるか」

 

 

 

桐生ココ。

最強の龍は、動き出す。

 




幼なじみが敗北フラグとか認めない。



今筆者の中でホットな作品のリンクを掲載しました。
めっちゃ面白いのでぜひ読んでみてください。


憧憬の白狐:おじまる様作
https://syosetu.org/novel/277609



そろそろ連載開始から1周年。
せっかくだし記念話でも書いてみようかと思います。
予定ではホロの好感度MAX生活です。
今まで出してなかったホロメンとか、恋愛ルートなしのホロメンの好感度MAXの様子などを書いていきたいですね。
間に合うよう頑張ります…
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