ホロのまったり日常   作:maximum

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力不足と役不足、ベットとベッド、琴線に触れると逆鱗に触れる…使いたいけど間違えると鼻で笑われるからできる限り書きたくなかった(手遅れな人)


現在、AZAZEL様作『趣味に没頭していたらいつの間にか囲まれてたって話』の番外編にて拙作とのコラボストーリーが掲載中です。ぜひご覧下さい。

作品:https://syosetu.org/novel/309276/

作者:https://syosetu.org/user/190744/


化学と恋の方程式

「ほう、眠りが浅いから寝不足と。分かるぞ、吾輩もそういう時期があったからな」

 

 

 自宅にて、同居人の1人であるラプラスが自分のぼやきを拾ってくれた。それだけなら良かったのだが、彼女自身の闇も垣間見えたので何とも言えない空気になってしまった。

 

 

「ああ、今は大丈夫だから気にするな。そういう辛さは共感できると言いたかっただけだ」

 

 

 平然とした顔で右手を振り払うようにしている様には影を感じられない。という事はラプラスは本当に乗り越えたのだろう。その手法をどうか真似出来ないものか。

 

 

「まー、吾輩も色々やったんだけどな。最終的にこよ……はかせに落ち着いた」

 

 

「はかせ? ああ、博衣さんか」

 

 

 脳裏に浮かぶはピンク色の髪と白衣が特徴の女性、博衣こよりだ。底知れぬ活力を持ち、放っておくと長時間作業をする習性がある。時折彼女からせがまれて通信でゲームをするが、終わりの合図を出すのはいつもだ。その都度残念そうな顔が幻視できるほどの声を上げるので、申し訳ないと思う。

 

 

「正直はかせのスタミナについて行けるだけ凄いと思うぞ。あいつもお前が長く付き合ってくれることに感謝していたからな」

 

 

「それは嬉しいが、博衣さんを完全に満足させられるようにはなりたいさ。──それで、なんで寝不足には博衣さんなんだ?」

 

 

 そこがよく分からない。遊びに長時間付き合えば寝落ちするという算段だろうか。確かに限界が来たら眠ってしまうだろうが、博衣さんに心配させてしまうし何より最初から約束を反故にする姿勢なのはいただけない。だが、ここでラプラスから出てきたのは意外な言葉だった。

 

 

「はかせは寝かしつけが得意なんだよ。耳かき、マッサージ、心音──色んなものを使って相手をリラックスさせ、気づいたら眠ってるってオチだ」

 

 

 博衣さんにそんなことができるとは。どんな経緯でその技術を手に入れたのかは知らないが、全然そんな素振りを見せなかった。能ある鷹は爪を隠す、と言うやつか。

 

 

「はぁ? お前、こよりにママ味を感じてなかったって言いたいのか!?」

 

 

「ま、ママ味? ラプラス、お前何言ってんだよ」

 

 

 ラプラスは途端に口調を荒らげ、『はかせ』なんて格好付けた言い方をやめて博衣さんの名前を出してしまった。意味の分からない言葉を出すし、自分は彼女の地雷を踏んだらしい。

 

 

「本当に能がある鷹は爪を隠しきれねぇんだよ。こよりから溢れ出るママ味をお前は本当に感じられなかったのか?」

 

 

「現状に対する理不尽感ならビンビンに」

 

 

 自分の言葉に天頂を穿く怒りを覚えたラプラスは地団駄を踏み始めた。あくあに迷惑がかかるからやめて欲しいのだが。

 

 

「よし、決めた。お前明日こよりのとこに行け。そこでこよりから産まれる感覚を味わってこい!」

 

 

「お前本当に何言ってんの?」

 

 

 

 

 

 

 

「こんこよー! 生で会うのは久しぶりだね、助手くん!」

 

 

 そんなこんなで今現在、自分は博衣さんの家にお邪魔している。──いや、なんで? 

 

 

『うーん、こよとしても是非力になりたいんだけど……ラプちゃんを寝かしつけるのに使った道具はお家にあるんだよね。結構種類あるし、そっちの家でやるのは難しいかなぁ』

 

 

 博衣さんに電話で聞いたところこのような返答が来たからだ。種類があると言えども人体の耳に使用する道具の大きさなどたかが知れてるのではとは思ったが、慣れている環境でやった方が良いだろうし、専門としている人の意見に従うのが最適解である。であるのだが──

 

 

「どうしたの、助手くん? なんかキョロキョロしてるし忙しないけど」

 

 

「異性の家にお邪魔することそうそうないから……あの、緊張してて」

 

 

 白衣を脱ぎ、ノースリーブ姿になっている博衣さんが目をぱちくりとしているが、事実だ。自宅には既にあくあとラプラスが居るし、彼女たちが家に友人を招くこともザラだから女性との交友関係はそれなりにあるが、そのお宅に伺えるほどではないのが殆どだ。

 

 

(あーでも、店で呑みすぎてルイさんに介抱された時は家にお邪魔したなぁ。一緒のベッドで寝てたのがわかった時は焦ったっけ)

 

 

 ルイさん曰く何もしていないようだが、酔い潰れて異性に迷惑をかける時点でもうやらかしている。こんなんだから彼女が出来ないんだよとかうるせえぶっ飛ばすぞ。脳内で知らない誰かに拳を振りかざしていると、目の前の少女が悪い笑みを浮かべ、後ろに手を組みながら顔を覗き込んできた。

 

 

「へぇ〜。じゃあ助手くんはクロたん風に言えばチェリーなんだね」

 

 

「うぐっ、アッ」

 

 

 終わった。終わったよもう。そういえばこの人頭ピンクコヨーテじゃん。女性関係とか揶揄れるタイプじゃん。女性相手に経験皆無だってバレたとかもう無理。このまま女子のネットワークに広められて出会い諸共消滅すんだよ。

 

 

「そんな主人公機に切り札をNTRた失敗作みたいな顔をしないでよ。別にこよは気にしないし、何ならこよが大人にしてあげようか?」

 

 

 ああ、優しさが滲みる。時には罵られた方がマシという言葉は本物だったようだ。

 

 

「いや、いいよ。気を使ってくれたんでしょ? ありがとう」

 

 

「こよは本気なんだけどなぁ……じゃ、早速だけど始めようか」

 

 

 手を握られて寝室の前まで連れていかれる。そりゃそうか、寝させるんだから寝具の上でやるよな、うん。じゃないよ、寝れないだろ。家主の前で、家主が普段使ってるベッドの上で、それも異性の方のものなのに。

 

 

「なんか細かいこと考えてそうだね。一々そんなこと気にしてたらずっとチェリーのままだよ。せっかく女の子に誘われたんだから、どーんと構えてればいいの」

 

 

 癒されるために耳を使うと聞いたが、最初に痛めつければより効果があるのだろうか。そんな下らないことが浮かぶ位には耳が痛い。

 

 

 博衣さんがベッドに腰掛けるよう言ったので従う。当の本人は引き出しから小さめの籠を取り出しベッドに置いて、それから別の部屋へ向かった。籠の中身を見てみると幾つもの種類の器具が有り、彼女の言は半分正しかったことが分かる。また、他の部屋からも取り出しに行ったことも考えると、もう半分も納得がいった。突然必要になる場合ができたら自宅の方が都合がいい。とはいえ、使用頻度が低いものまで全て持っていこうとすれば荷物は大変なことになるだろう。恋人が出来ないことの証明である配慮の不足を確認出来たところで博衣さんが戻ってきた。

 

 

「お待たせ。前仕舞ったのが何処か忘れちゃってさ、ごめんね」

 

 

「気にしてないから大丈夫」

 

 

 どちらかと言えばこの状態にされたことを気にしている。薄ピンクで統一された寝具からは博衣さんと同じ香りがする。そんな場所で1人放置されたのでもう心臓バクバクだ。果たして本当に眠れるのだろうか。

 

 博衣さんは手にしている道具も先程の籠に入れ、自分の左隣に座った。俗に言う女の子座りであり、一方自分は膝から下をベッドから出している。すると、博衣さんは彼女の太ももを軽く叩いた。

 

 

「それじゃ、耳掃除からやろうか。助手くん、横になって?」

 

 

 いきなりハードルが高いことを要求してくる。実行を一瞬躊躇ったが、あれだけヘタレだと言われた以上もう足踏みできない。無駄に高い志とは裏腹にのっそりと足をベッドの上へ投げ出し頭を博衣さんの脚へと乗せたが、これがいけなかった。

 

 顔の左側から伝わる心地よい柔らかさと温もり。シミ1つないその脚はいっそ美しさすら感じさせ、いつまでも撫で回したくなるような均衡の取れた形を保っている。また、寝具の匂いの元凶に身を預けたことで危険度100%、純度最大の芳香が脳を掻きむしった。触覚、視覚、嗅覚。五感のうち過半数が博衣こよりの放つ魅力に圧倒され、我が身にその存在を深く刻みつけた。これでは、コヨリニウム中毒になってしまう。

 

 

「おー、えらく素直になったね。うんうん、それでいいんだよ」

 

 

 じゃあ始めるねー、なんて気楽そうな声を上げた博衣さんは籠からガチャガチャと耳かきを取り出した。自分の耳が痛くない程度に引っ張られる感覚を覚えていると、耳の中に何かが入ったような感触が伝わった。他人に自分の耳を任せるのは久しぶりだなとコヨリニウムの摂取から注意を逸らしていると、頭上から唸りが聞こえてきた。

 

 

「うーん、助手くん。耳掃除サボってた?」

 

 

「え? あー……最近はしてない、かな」

 

 

 やっぱり〜、と言いながら耳かきを引き抜き、博衣さんが自分の耳に近づいてくるのが見えた。

 

 

「くんくん……くっさ♡‬助手くんくさいよ♡ちゃんと自分の耳も労らないとダメ!」

 

 

 男特効の即死魔法を2度も放たれ、自分の心はもうボロボロだ。博衣さんが獣人だから嗅覚が鋭いというのもあるだろうが、それでも人に言われるのは中々クるものがある。

 

 

「もう。助手くんには獣人のお友達だっているんだから、こういう所も気を使わないと。匂いに敏感な子ならすぐ気付いちゃうよ」

 

 

「そうだよなぁ……ごめんよ獅白」

 

 

 ここにはいない獅子の少女に謝罪する。講義の際隣にいることが多い彼女は、自分についてどう思っていたのだろうか。すると突然、耳から痛みが走った。

 

 

「いたっ! え、何?」

 

 

「減点。そういうところだよ助手くん」

 

 

 その原因は博衣さんが耳を摘む手に力を入れたことにあった。また自分は何かやらかしたようだ。ここまで来るともう心当たりしか残っておらず、何から修正すれば良いか分からない。

 

 

「ラプちゃんに言われたからとはいえ、こよを頼ってくれたのは凄く嬉しかったのに……優しくしようと思ったけど、今日は無理かなぁ?」

 

 

「えっちょっと待って……え?」

 

 

 

 

 

 

 結論から言うと、意地悪された。ただ、耳という繊細な器官を扱っていることを博衣さんは重々承知していたので、力加減を変えるなど傷を残すような行為は一切しなかった。では何を仕掛けたかというと、おあずけと罵倒である。

 

 普通、耳掃除というのは片耳だけして終わりにはならない。余程時間が無い場合を除き両方とも綺麗にするのが常識だと自分は思っている。ということは、だ。片方が汚れまみれなのに、もう一方が綺麗であるわけないのである。「うわ〜、こっちもくさ〜い♡」から始まり、ガリガリと自分の心を削っていく言の葉たちを博衣さんが唱えたものだから、そろそろ泣きそうだ。

 

 挙句、彼女はこちらが懇願しなければ浅い所しか触れなかった。垢が溜まっている奥底を敢えて無視し、自分が悶えている様を楽しんでいるように思われた。

 

 

『何か不満がある顔をしているね、助手くん。頼みたいことがあるなら然るべき頼み方をしなきゃ、ね?』

 

 

 自分にもプライドというものがあったらしい。そうでなければ、異性の友人の膝に頭を預けている状態であんな情けない請いをして羞恥を覚えるはずが無いからだ。何はともあれ、耳掃除は完了し、今ならよく聞こえる気がする。

 

 博衣さんは自分の耳の汚れを全てティッシュの上に集め、それを包んだ。そのままそれをベッドの近くにあった机の上に置いたのだが、何故捨てないのだろうか。もしかして自分の垢は汚すぎて自宅のゴミ箱にも置いておけないということなのか。つらい。

 

 

「助手くんはクロたんみたいな変態じゃないからあれじゃ喜ばないか」

 

 

「沙花叉? 何故沙花叉なんだ?」

 

 

「はいダブル減点」

 

 

 あまりの理不尽さにそろそろ目の堤防が持たない。だがそれはダメだ。タダでさえ自分の排出物が疎まれているのにこれ以上ここを汚せない。

 

 博衣さんは使っていた耳かきの先を透明な液が入ったトレーに入れた。この液体は消毒液らしく、ラプラスなど他の人にも使用することがあるから毎回このように綺麗にしているらしい。既にそのトレーには2本耳かきが入っており、それぞれ素材が違うようだ。柔らかさが異なることは感じたが、どんな意図で使い分けているかは測れなかった。

 

 

「さてさて。お耳は綺麗になったし、始めちゃおっか」

 

 

 博衣さんはカチリと何かの機械の電源を入れた。色つきの液体が入った容器が接続されているが、何の効果があるのだろうか。自分が理解出来ていないことを察したのか、博衣さんが補足を入れた。

 

 

「あれにはアロマオイルが入ってるの。時間が経てばすっごく良い香りが広がって気分も落ち着くから、今の状況にはピッタリだね。今入ってるのは……ベルガモットっていう柑橘系のものだよ」

 

 

 なるほど、香りか。自分には無かった観点だ。是非オススメのオイルや機械を教えていただきたい。今は博衣さんからも香りが漂っている。彼女の匂いは柔らかな甘さのあるものであり、柑橘とは相性が良さそうだ。旨いものに旨いものを組み合わせると旨くなる理論が現状にも適用されるかもしれない。すると、機械が起動したことを確認できた博衣さんがこちらに声をかけてきた。

 

 

「じゃあ、仰向けになってくださーい……そうそう。数十分ぶりのこよのお顔はどうですかー?」

 

 

 問い掛けが可愛い。が、このアングルは中々凶悪であり口を開くと何を言ってしまうか分からないので沈黙を貫く。

 

 星雲が広がったような色合いの瞳はパッチリと開かれており、整った鼻と瑞々しく柔らかそうな唇という単体だけでも美しく感じられる部分たちが黄金律を保ちながら構成されている顔。濡れたようにツヤがある髪はその魅力を増長させており、女と結ばれたいと願うものなら誰もが目を引き付けられるだろう。

 

 だが、視界を占めるのはそれだけでは無いし、視覚だけでしか楽しめない風景でもない。丈の短い白い服を艶やかでたわわに実ったそれが押し上げる事で眼前の景色には白、ピンク、肌色がどれも魅惑的に広がっている。後頭部にはどんな高級な寝具でも取るに足らない、世界で博衣こよりだけが提供できる枕があり、この辺りには博衣さんから発せられた優しい甘さを感じる匂いと、爽やかでスッキリとした果実の香りが合わさって、吸うだけで幸福になれる空気が出来上がっていた。たとえ人類未踏の地を我が身一つで制覇したとしても、これほどの充実感は得られないと断言出来る。

 

 

「顔はお口よりも素直だね〜、そんな風に可愛いところもこよは好きだぞっ」

 

 

 紅潮するのを止められなかった顔をまじまじと見られ、居心地が悪く感じる。恨めしげな視線を博衣さんに向けたが、彼女は慈しむような笑顔を返しただけだった。その余裕ある態度に敗北感を抱いてしまい、視線を言の葉に変えることしかできなかった。

 

 

「可愛いなんて言われてもあまり嬉しくないよ」

 

 

「こよにとって、可愛いは褒め言葉だよ? 勿論格好良いところも大好きだけど、人に惚気ける時は格好良いところより可愛いところの方が語っちゃうし」

 

 

 そんなことを恥ずかしげもなく語りながら、博衣さんはこちらの頭を撫でている。撫でられるなど何時ぶりだろう。心地良さという言葉で片付けられない、何故か懐かしく思われる感覚に身を任せていると視界が何かに覆われた。突然のことに驚いて、退けようと手で触れた。

 

 

「んっ。助手くんのらんぼー、へんたい。尻尾もちゃんとお手入れしてるんだから優しく触ってよね」

 

 

「しっ!? す、すまん」

 

 

 ふわりと柔らかい感触は博衣さんから生えている尻尾からであり、瞼に程よい温もりを与えてくれた。しかし、しかしだ。

 

 

 もふもふ。しゅりしゅり。ふさぁ。

 

 

 どうやらこのアイマスクは落ち着くことを知らないようで、先程からずっとその毛並みをこちらに味わわせてくる。自分的には役得だが眠るには少しノイズ気味なものだ。

 

 

「は、博衣さん。できればもう少し尻尾を落ち着かせてもらえると……」

 

 

「なぁっ、そーゆーことは思っても言わないでよ! 助手くんのえっち!」

 

 

 獣人とヒトは分かり合うことはできるけど、常識の擦り合わせは困難らしい。あまりにも地雷を踏み抜きすぎて友人が1人減りそう。これ以上友達を減らさないように今度フブキ達にその辺を確認しておかなければ。

 

 遅すぎる決意を抱いている間に尻尾の揺れが止まり、それと同時に人肌ほどの温もりがある何かが右耳の形をなぞった。しゅりしゅり、しゅりしゅりと音を奏で、こそばゆいと心地よいの境目の感覚が耳から伝わってくる。恐らくこれは博衣さんの指だ。随分手馴れているが、博衣さんは今までにラプラスを癒した回数を覚えているのだろうか。

 

 

「はぁ……伝えるのが遅くなっちゃったけど、こよは結構君に感謝してるんだよ? ラプちゃんの面倒を見てくれてるし、いろはちゃんとも仲良くしてる。勿論クロたんにも、ルイルイにも、そしてこよにも構ってくれてるしね」

 

 

 博衣さんはこちらの胸元をトントンと優しく、リズムをゆったり刻むように叩く。それにより段々と身体から力が抜け、リラックスした状態に近づいた。徐々に浮遊感に取り込まれ、博衣さんの言葉が遠のいているように聞こえてくる。

 

 

「みんな、君と遊んで楽しんでる。君が大好きなの。その好意にもう少しは寄り添って欲しいっていうのは、こよの我儘かな」

 

 

 言葉がとぎれとぎれにしか聞こえず、思考もまとまらない。ラプラスをいやしたちからは伊達じゃない、か。かおからちからがぬけて……あれ? いつのまに自分はわらっていたんだ? 

 

 

「今にも溶けそうな顔して〜、むっつりさんめ。何でも溜め込むわるーいお口をにんまりさせちゃってるんだから。お家にはラプちゃんにあくあ先輩、学校にはこよ達が居るのにその誰にも話せないぐらい大事なことなのかな? それか、こよ達が信頼できない?」

 

 

 はくいさんが何か言っている。なんでそんなにやさしい目でこちらをみているんだろう。

 

 

「それとも、女の子には言えないことで悶々としてる? 君も男の子だし、そういうことを考えるのも仕方ないし」

 

 

 ああ、ダメだ。どんどん遠くにいってしまうようなかんかくが──

 

 

「でもね、女の子は──こよは、君が思うほど無垢じゃないんだ。君から求められたら……多分皆受け入れちゃうよ。だから──」

 

 

 ──乱暴するなら、こよにしてね? 

 

 

 

 

 

 

 

 この日、自分は久しぶりに深い睡眠を味わうことができた。目覚めた時に身体が軽く感じられる程には、疲れがしっかり取れたのだ。ただ、一度の体験で治せるわけも無く、その後何度か博衣さんの力をお借りした。心優しい彼女は毎度協力してくれたお陰で、睡眠習慣の向上を成し遂げ、睡眠不足を治すことが出来た。ただ1つ、面倒……いや厄介なのは──

 

 

「先輩! 眠れないなら風真が添い寝してあげるよ! こよちゃんよりは下手っぴかもだけど……い、一生懸命頑張るから!」

 

 

「せんぱぁぁい! 何でこんこよばっかりかまうんですかっ! 沙花叉だってママになれますよ。ほら、こっち来て一緒に寝ましょ?」

 

 

「しまった、こよの家は私の『目』が届かないことを忘れてた……先輩、眠れないなら私とバー巡りしましょう? ほどよいお酒は凝り固まった理性とストレスを溶かすのに良いんですよ。どうですか?」

 

 

 いろは、ルイさん、沙花叉がどこからか聞きつけてだるがらみしてくることだ。気持ちはありがたいのだが、既に解決した時期からこうなったために未だにあれこれ理由をつけては自分と一緒に居ようとする。もう博衣さんにしてもらったことのようにはならないと思うと言えば、三人とも口を揃えて「「「こんこよめ~!」」」と叫ぶ。仲が良さそうで何よりだ。

 

 

「ふふっ。こよのことを甘く見てるから出し抜かれるんだよーだ。さて、次はどんな風に助手くんを骨抜きにしようかな~」

 

 

 

 

 

 






遅くなった理由は後半が思いつかなかったからです。もう少しで6000字をボツにする所でした。
アンケートの回答ありがとうございます。最近手に入れたパソコンで拙作を表示すると印象が変わったので皆様の意見が欲しかったのです。まだまだ受付中なので未回答の方も是非。

最近書いてると当初の予定文字数を大幅に超えるし投稿も遅れてしまう。他の人はどうやって予定管理してるんだろうか、気になります。

これでholoxは全員書けた(総帥、掃除屋単体の話がないね。いつか書く)。
次回は本編?周年話?

今使ってる機種/拙作が読みやすいか

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