ホロのまったり日常   作:maximum

7 / 31
リクエストされたので初投稿です


白狐の治癒魔法

心を安静にしたい。

 

先日のノエルとるしあの件を思い出し切実にそう思う。

 

 

今日のゲストはそういう心労もないだろうし、安心だ。

ゲームの準備を終え、この後の至福の時間に心を寄せながら、自分の研究を進める。

 

 

最近は液体金属研究の第一人者になった。

2年前に復讐者の無限大戦争という映画を見て、インスピレーションを受けて創ったものだ。

主人公がナノマシンテクノロジーなるものを使っていたので真似しようとしたところ、何故か液体となってしまった。

金属の定義たる展性(叩けば広がる)延性(引っ張れば延びる)金属光沢(磨けば光る)があるので金属と名乗ることは一応できる。

 

 

 

 

最近はメガネのガジェットによる脳波制御で硬化、軟化、形成ができないかのテストを繰り返している。

これができれば、名誉が得られて、ノエルやるしあの隣にいて恥ずかしくなることもなくなるだろう。

彼女たちと遊ぶことができるよう、努力を欠かすわけにはいかないのだ。

魔法と化学のハイブリッド(ナノマシンの失敗作)をいじっていると、ベルが鳴った。

 

 

 

 

今日、居候は家にはいない。

何でも猫の獣人の家に遊びに行くんだとか。

「あてぃしがいなくても寂しがらないでね!」なんて言われたが、そろそろ追い出してやろうか。

まあ、そんな訳で応対は自分がしなくてはならない。

自分の客だから仮にいたとしても自分が出るが。

 

 

「はーい、ちょっと待っててくれ」

 

そう答え、急いで玄関に向かう。

メガネを外す手間も惜しい。

 

 

鍵を外し、ドアを開ける。

 

 

するとそこには――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんばんきーつね!朝なのに夜の挨拶をする白上がき…来ました……よ?」

 

 

 

 

―――――何故か顔を赤く染めた、白上フブキがいた。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

やばいやばいやばい、すごい眼福だこの光景!

 

なんてことだろう、まさかメガネ姿を見れるなんて、白上の今までの徳はこのためにあったんですね!

 

 

彼の姿に見惚れながらぼーっと突っ立ってしまう。

 

 

 

 

「どうしたフブキ?顔を赤くして突っ立って、何かあったか?」

 

 

 

 

おっと、少し夢中になりすぎたようだ。

 

 

 

 

「えっと、そのメガネは?」

 

 

「ん?ああ、これか。研究のためのデバイスだよ。まだ試作段階だけどな」

 

 

研究というのはあの金属のことだろう。

あれは何ともすごい発明だ。

魔法によって、物理法則を無視した容器の作成は容易になった。

そんな容器にあの液体金属を大量に詰め込んだら?

それを自在に操れたら?

そんなことになれば彼はとてつもない力と財を手にするだろう。

何せ即座に剣や槍、果ては銃やビーム兵器を作成し、設計さえインプットしておけば、アーマーすら作り出す。

魔法が使えるこの世界では、治安維持のための武力の向上は必須、なのでそうなれば彼の技術にはとてつもない需要が生まれる。

今はまだ夢物語だが、彼なら数年で実現してしまうのだろう。

 

 

 

1度だけ、何故研究を続けているのかを聞いたことがある。

なんでも、ノエルたちと並び立てるように、自分にも何か実績が必要だから、だそうな。

なんて健気なんだろう。

世界的に見ても進んだ技術を開発しているというのに、理由はなんとも可愛らしい。

 

 

 

「白上ちょっとそれ気に入っちゃったので、今日1日それつけていてくれませんか?」

 

 

「え?別にいいけど…似合ってる?」

 

 

「ええ、それはもう!白上が保証します!」

 

 

「そっか、フブキがそう言うなら安心だ」

 

 

なんとも嬉しいことを言ってくれる。

これでは尻尾を押さえるのが大変だ。

 

 

「さ、上がってよ」

 

 

「はい!お邪魔しま〜す」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

今日彼の家に訪れたのはゲームを一緒にするためだ。

大人気のハンティング系のゲームに大型アプデがきたので、それをやろうと白上から誘ったのだ。

彼はあまりゲームや映画といった、娯楽に時間を使わない。

見たとしてもほとんどが彼の研究の参考のためだ。

そんな中、例外として彼がハマったのがこのゲームであるため、よく一緒にやっている。

 

 

「もうフブキは攻略したのか?」

 

 

「いえいえ、せっかくなので君と一緒にやりたいな〜と」

 

 

「へえ、いつもならその日中に隠し要素まで遊び尽くすのに」

 

 

「このゲームだけは別ですよ〜」

 

 

 

だって一緒にドキドキワクワクしたいんだもん。

 

 

 

 

「ん、少し待っててくれ、準備する」

 

 

そう言って彼はゲーム機を起動し、UIを立ち上げる。

 

 

「うわぁ、1週間ぶりなのか、時間の流れは早いなぁ」

 

 

「えっ、1週間!?1週間もやらなかったんですか!?」

 

 

そんな状況など考えられない。

1週間ゲーム禁止など白上からすれば拷問だ。

 

 

「ああ、研究ばっかりやりすぎたな」

 

 

「…なんで、そんなに時間を研究ばかりに費やすんですか?」

 

 

「…何度も言っているだろう、ノエルやフレアにるしあたち、それにフブキと一緒にいても恥ずかしくないようにだ」

 

 

実際、白上を含めて彼の周りの人は皆、戦闘科ではかなりの好成績をおさめている。

また、白銀ノエルや宝鐘マリンなど、文字通り次元が違う存在もいる。

前者はその実力と位が、後者はその実績が。

本人たちからそんなこと気にしていないと言われても、やはりどこか遅れを感じるのだろう。

 

 

そんな彼が可愛くて、思わず後ろから抱きしめる。

 

 

「――何をしている、フブキ」

 

 

どこか突っぱねるような声色。でも、その奥にある感情など分かっている。

 

 

「無理、してないですか?」

 

 

耳で囁く。

彼の弱点は耳だ。

そっと囁くことで、より彼の心に言葉が染み渡る。

 

 

 

「この研究はある意味自分の趣味だ、没頭できてるんだから無理してやっているわけじゃ「違いますよ」―は?」

 

 

 

「少し、思い詰めてませんか?」

 

 

「そんなわけないに「ではなぜ、そんなに焦っているんですか?」…え?」

 

 

きっと、無意識なのだろう。

ゲーム、映画、漫画…どれも、アイデアの宝庫だ。

いつもこれらを見て、発想を求めると同時に心を休めていたのに。

もちろん、ゲームを点けていないだけであって、漫画や映画を見ている可能性はあったが賭けた。

やっぱり白上は幸運きーつねなのだろう。

 

 

 

「…また、白銀聖騎士団が成果をあげたんだ。るしあも最近、新しい魔法への糸口を見つけた。フレアやラミィだって、精霊との結びを強めてる。自分だけが足踏みする訳にはいかないんだ」

 

 

 

彼はメガネを外し、目をこする。

きっと泣いているのだろう、自分の無力さに。

悔しいのだろう、親しい者に置いて行かれたように感じて。

 

 

 

 

 

 

 

まったく、しょうがないですねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思い床に座り、太ももを軽く叩く。

 

 

 

 

「おいで。白上が癒してあげます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いっぱい泣いてください。

 

 

 

いっぱい悩みを言ってください。

 

 

 

いっぱい弱みを見せてください。

 

 

 

全部、皆の前では見せれないこと。

 

 

 

でも、白上には見せてくれること。

 

 

 

そのことが白上をちょっぴり優越感に浸らせる。

 

 

 

 

たくさん頑張ってほしい、かっこいいところを見せてほしい。

 

 

 

でも、辛くなったら、その時は――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――白上を頼ってください。いつでも、君を癒しますから。

 

 

 




これちゃんと白上フブキかな?不安です。


次回のホロメンは多分マリンメイドです。


感想、リクエスト、お待ちしております

今使ってる機種/拙作が読みやすいか

  • パソコン/読みやすい
  • パソコン/読みにくい
  • スマホ/読みやすい
  • スマホ/読みにくい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。