バカとナルシは混ぜるな危険っ! 作:あsdfs
◯月◯日
く、くそ。今日、試験を終えて家に帰ってきたら机の上に山積みの参考書とこの日記帳が置いてあった。恐らくこれは我が母による犯行だろう。この俺様に勉学を要求してくるとはいい御身分だなおい。俺様にくれよ。……余談だが、この家のカースト最下層は親父である。それでいいのか企業戦士。
当然俺様はこんなものやってたまるかと放棄しようとしたが、机の端の方にベッドの下に隠してあったエロ本が鎮座しているのを見て、こうやって渋々日記を記している。
別に、無言の圧力に屈したとかそういうんじゃない、じゃないのだ。
◯月◇日
いやぁ、日曜日って最高だよね。
何故か試験が休日にあるという学校側の策略には激怒した俺様だったが、日朝の魔法少女アニメを見て怒りは消火された。うーむ、ピンクの子のスカートの裾、もう少し短くてもいいんじゃないだろうか。
そんなことをリビングのソファを陣取りながら我が妹(中学生)に言ったら、生ゴミを見るかのような目で「いいわけないでしょ」と返された。そうかなぁ、小さい子どもたちに夢を与えるという意味では実に合理的だと思うのだが。それと、あのファンシーなスカートの中には希望も詰まっているし。
そしたら今度はグーでビンタされた。あれかな、反抗期かな。そういうお年頃だからね。うん、お兄ちゃん別にこの前のテストの点数を母親に密告されても怒らないからね。
あはは―――――おっと、シャーシンの芯が折れてしまった。力を込め過ぎたのかな。ははは。
◯月×日
振り替え休日とは知らずに学校に登校してしまった。
家族の前で堂々と学校に行く準備をしていたのに、誰も教えてくれないとはひど過ぎるよな。我が母なんてPTAの会長だから絶対知ってるはずなのに。きっと血も涙もないのだろう。そして俺様は拾われた子供のはず。だってあんな地球外生命体のお腹の中から俺様が出てくるわけがない。似ているところだってほとんどないし。
弁当もつくってもらった手前―――――ちゃんと愛情が籠った弁当だ、ただし父の―――――すぐに家に帰るのは気がひける。
朝食代わりに屋上で弁当を食べてると、演劇部のホープと呼ばれているらしい可愛い女子と遭遇した。話を聞いてみると、そろそろ学園祭が近いので練習しているらしい。ほえー、休日ってのに楽しいのかねぇ。しかも学園祭ってそんなに近かったっけ。よく覚えてないな。
○月☆日
流石に今日は学校あるだろ、と向かったらなかった。
ち、ちくしょう……!わざわざ予定表まで確認したのに、あれはフェイクだったのか?ふふふ、ここまできたら流石だなと褒め称えてやろうではないか。
ちょっと騙されやすいイケメンの方が味が出そうだし。
そんなこんなで、暇すぎて屋上で日向ぼっこしていたところ、またもや演劇部の女子と遭遇した。あらやだ、これって運命……?気分は、少女漫画に迷い込んだイケメンだ。
それから夕方まで待って、その演劇部の女子と一緒に下校した。へっへ、俺様ってばヤリ手だな。その道中は実に有意義なもので、なかなか楽しめた。
今日は良い一日だったなと家に帰宅すると、妹が狭いリビングの中にてボクシングゲーム(中古)を遊んでいた。まさかだと思うが、スペースを空かせるために俺様を家から追い出そうとしたんじゃないだろうな。なーんて思ったが、俺様はそんなこと気にしない。そう、俺の心は琵琶湖よりも広いのだ。
痛ぇぇぇ!?バカ、拳を振り回すな!俺様の国宝級の顔に当たるだろうが!外の無料Wi-Fiでやれ!
○月×日
流石に今日は学校あるだろ、と向かったらなかった。
く、くそ……またしてやられた……!つっても、家にいてもリビングでゴロゴロしてるだけなので、せっかくだし二年生の教室を見ようと校内を散歩することにする。
すると、周りとは一際違う教室を二つ見つけた。一つはホテルのロビーのような豪華な教室?だ。よく見ればノートパソコンもあるし冷蔵庫も見えた。なんだろう、俺様の屋敷よりも設備が整っている気がするんだが。1LDKの六畳で、台所付きのトイレ、浴室なしの俺様の屋敷よりも。
ちなみにもう一つは俺様の屋敷よりも酷かった。見た目は屋敷と変わらないのだが、臭いが凄い。もしも、俺がこの教室に入ることになった場合のためにマスクを常備するようにしよう。
てか、今日は演劇部ないんやな。
◯月△日
はあ……学校でしたよ。ええ、逆さまのてるてる坊主を吊るしておいたんだけど、効果はなかったようですねはい。絶望です。我の妹(今年で丁度高校一年生)は真っ白に燃え尽きてました。背負って学校に行ってやりました。
そしてなぜか、俺様は最下層のFクラスだった。この学校は本当にどうなってやがる。学園長とやらがトップらしいが、ソイツの頭には脳みそが詰まっているのだろうか。学費が安いからという理由で入ったが、これは選択をミスったか……てか、その場合俺様は中退ってことになるけど。去年一年は、ほぼ一匹狼だったからな。強い男は群れないのだよ。
愛用している百均の眼鏡とマスクを身につけ、イヤホンで音楽を聴いていたが、一向に授業が始まる気配はなく、どういった経緯でかは分からないが戦争をすることになった。戦争といっても、試験の際の点数が反映された召喚獣を操作し、他クラスの大将を討ち取るという簡単なゲームなので俺様は無視することにした。
なのに、なのに……ライオンのたてがみのようにツンツンした髪の男が俺を戦争の前線に連れ出しやがったのだ。アイツ、顔は覚えたからな……!
まあ、もちろん俺様の活躍により見事大勝利したが(ドヤ顔)
オリ主 「趣味はサーフィンだ」と皆に言っているが、実際にはビート板なしでは浮くことすらできない。夏のプール授業のときには必ず休む。