幽霊にセクハラしても罪にはならないですよね?   作:ボトルキャプテン

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エピローグ

 ───────翌朝。テレビのアナウンサーがとある事件の報道をしていた。

 

《昨日未明。○○港倉庫付近で指定暴力団○○組の組員と思われる数十名と霊媒師の山口五狼さんが遺体となって発見されました。捜査の情報に寄りますと五狼さんは○○組と共謀し、詐欺行為を行っていたそうです。警察は他の暴力団との抗争が原因と断定し、捜査を進める方針との事です》

 

 それからさらに数ヶ月後、俺は傷を癒し現場に復帰するが職場や家にもマスコミなどが押し寄せた。職場に迷惑をかける訳にも行かない為、俺は警備員を辞めて街を離れる事にした。その間ずっとメリー達を探したが一向に現れる事は無かった。メリー達が成仏出来たんだと考えるようになるまで随分時間がかかった。更に数年が経ち、俺はとある島に行き着き、ひっそりと正式な霊媒師となり、なんとも珍しい元寺院物件に移り住んで新たな生活を送っていた。

 

 毎朝の日課で俺はメリー達の位牌の前に座り、線香を備えてから位牌に向かって話し掛けていた。

 

「そんでさぁ、昨日は○○県警が来て指名手配犯の行方を探って欲しいって依頼が来ててさぁ、大変だったんだよ?」

 

 グチグチと位牌に向かって愚痴っていると、呼び鈴がなった。

 

「龍星さん、ご依頼の御一家が来ましたよ」

 

 俺の後ろで顔と体に包帯を巻いた女が立っていた。

 

「え、まだ約束の時間じゃなくない?【リリーさん】」

 

 リリーさん。トイレに現れる女の都市伝説の幽霊。トイレの鏡の前で「リリーさん、リリーさん、こっちへ来て。一緒に遊ぼうよ」と唱えた後に指を3回鳴らすと現れる。リリーさんはこの○○島の廃校のトイレに住み着いていたのを発見した俺はスカウトし、今は俺の助手をしている。

 

「いえ、もう約束の時間です!」

「はぁ……もうそんな時間か。今日は除霊の依頼なんだよねぇ……。じゃっ、行ってきます!」

 

 俺はそう言って玄関に向かう。玄関を開けると、女子高生とその父親と母親が立っていた。親子3人は同時に頭を下げて来た。

 

「おはようございます。福島龍星先生、今日はよろしくお願いします」

「おはようございます。では、お話を伺いますので中へどうぞ」

 

 俺は一家を応接室に通し、お茶を出して話を聞いた。聞く話によると、娘の同級生が自殺をしてから金縛りや自殺した同級生が部屋に現れるという霊障に悩まされているという。

 

このパターンか……。

 

 俺は両親が事情を話している間に透視をして原因を突き止めた。原因を知った俺は、両親の話を遮った。

 

「はい、話は分かりました」

「では、どうすれば……金ならいくらでもお支払いします!」

 

 父親が慌てて俺に言ってくる。だが、俺は首を横に振る。

 

「いえ、今回は相談料の5000円だけで構いません」

 

 俺がそう言うと、一家は首を傾げた。

 

「先生……どうしてですか?」

 

 母親が恐る恐る俺に尋ねる。俺は毅然とした態度で答えた。

 

「答えは簡単です。帰ったら直ぐに自首してください」

「じ、自首とは……?」

 

 父親が顔を引き攣らせながら俺に尋ねる。俺は父親の目を見ずに娘である女子高生の目を見て言った。

 

「心当たりあるよね?言えないなら俺が言おうか?」

 

 図星なのか、女子高生は顔を青ざめながらガタガタと震え始めた。異変に気付いた母親が女子高生に声を掛ける。

 

「○○!?どうしたの!?」

 

 苦し紛れに女子高生は、

 

「えっえ?、あたし、知らないし……なんも関係ないし」

 

そんな事を言い出した。

 

 俺は溜め息を吐きながら畳み掛けた。

 

「はぁ……。『キモイ』『学校に来るな』『死ね』『話し掛けんな』このワードに心当たりあるよね?とぼけても無駄だからね?」

「先生、一体なんの話をしているんですか!?」

 

 父親が俺に言う。俺は仕方なく真実を教えた。

 

「お父さん、まだ気付きませんか? 原因は娘さんにあるんですよ」

「─────っ!?」

 

 ここでようやく両親は自分の娘が同級生を自殺に追い込んだんだと察した。

 

「○○!お前、まさか!」

 

 父親が女子高生に尋ねると、

 

「ち、違う……あたしは冗談で言っただけで……あたしが悪いんじゃ」

 

 この期に及んでまだ言い逃れをする女子高生。俺は堪らず声を上げた。

 

「今更遅せぇんだよ!このままだと君も自殺する事になるぞ!なんでもかんでも幽霊のせいにしやがって!悪霊なんかより君みたいな子の方がよっぽど怖いんだよ!さっさと帰って自首しろ!そして悔い改めろ!」

 

 一家は相談料を支払い、そのまま帰って行った。姿を消していたリリーさんが俺に声を掛けてくる。

 

「良いんですか?あんな言い方して?」

「あれぐらいで良いんだよ。あー疲れた……」

 

 そう言いながら俺はリリーさんの尻を力強く撫で回す。

 

「ちょっ、何やってるんですか!止めてくださいっ!」

「スキンヒップだけど?」

「スキンシップですよね!?やめ、止めてくださいっ!ほら、自殺した子も見てますから!」

 

 リリーさんが指を差す方向に目を向けると、眼鏡をかけてワイシャツからでも分かる程の巨乳の子が物陰に隠れていた。

 

「そんな所にいないでこっちおいで、何もしないから」

「そんな手付きしながら手招きしても来ませんって」

「あっあの……」

 

 眼鏡っ娘は奥手なのかビクビク怯えながら俺に近付いてくる。

 

「大丈夫、あれだけ脅せば自首するでしょ。あーリストカットで自殺したんだっけ……ちょっと切った方の手を貸してくれる?」

「あっ、はい……」

 

 眼鏡っ娘が恐る恐る手を差し出すと、俺は優しく手を取って。

 

パクッチュゥゥゥッ!!

 

口に咥え、吸った。

 

「きゃぁぁぁっ!!」

「何してるんですか!?離してくださいっ!」

「まむまむ……」

 

 リリーさんに慌てて弾き剥がされると、眼鏡っ娘は俺から離れた。

 

「なにやってるんですか!幽霊とはいえまだ未成年ですよ!」

「幽霊に未成年もあるか!この子は今後永遠にJKなんだよ!」

 

 眼鏡っ娘は俺の言葉に何故か嬉しそうな顔をする。

 

「永遠に……えへへ」

「得した気分にならないでくださいね?」

「どう?傷口消えてるでしょ?」

 

 俺がそう言うと、眼鏡っ娘が傷口を見ると傷口が綺麗さっぱりなくなっていた。あの事件以来、俺はアラスタッタピィーアを唱える事無く無詠唱でも幽霊の傷を癒す事も出来るようになっていた。

 

「えっ、綺麗になってる!?」

「どうだい?胡散臭いお経より信憑性あるっしょ?」

「女子高生の手を舐ったらプラマイゼロですけどね?だったら私の顔の傷も直してくださいよ」

「だってリリーさん、初めて会った時拒否したじゃん。んじゃもう舐め回していいって事?」

「やっぱりいいです」

 

 仕切り直し、俺は眼鏡っ娘に尋ねる。

 

「で、どうする?良かったらここに住まない?たまに心霊スポットの除霊とか手伝ってくれると助かるんだけど?」

「えっ、良いんですか……?」

 

 眼鏡っ娘は不安そうに俺に言う。

 

「全然いいよ。リリーさんだけだしね?」

「ええ、この人の暴走を止める人が居てくれると私も助かります」

「んじゃ……お言葉に甘えて……よろしくお願いします」

 

 眼鏡っ娘は丁寧にお辞儀をすると、

 

「これからもよろしくね。んじゃ初仕事に、パンツ見せて貰える?」

「え……えっ!?」

「良いから見せろ!5000円、いや、5000円上げるから!」

 

 俺は眼鏡っ娘のスカートを掴みながら言い放つ。眼鏡っ娘は慌ててスカートを抑えると、

 

「また始まった!止めてください!」

「見せろぉぉぉっ!」

「きゃぁぁぁっ!!」

「離しなさいっ!なんて力なのこの人間!?」

「どけ包帯女っ!」

 

 俺は畳の滑りを利用してリリーさんを転ばせる。その隙に眼鏡っ娘に襲いかかる。

 

「おじさんといい事しようよぉ」

「いや、止めてくださいっ!」

「そおおおいっ!」

 

 お構い無しにスカートを捲ると、ハーフパンツが目に入った。俺は思わず舌打ちをする。

 

「ちっ、なんだハーフパンツかぁ……」

「あ、あの……こんな事して捕まらないんですか?」

 

 眼鏡っ娘の言葉に俺はあっけらかんと答えた。

 

「えっ?だって、幽霊にセクハラしても罪にはならないですよね?」

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