幽霊にセクハラしても罪にはならないですよね?   作:ボトルキャプテン

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第10話 小さいおじさん

お化け三人衆に責め立てられた俺は、塩水霧吹きを片手に猛抗議を始める。

 

「冗談じゃないよ、俺は確かに女の子のパンティは大好きだが、幽霊のパンティを盗むほど落ちぶれちゃいないよ?甘く見ないで!」

「こいつ、ぶっちゃけたんだけど。本音だだ漏れなんだけど」

「龍星さん……」

「はーちゃんが引いとるではないか、お主はやはりケダモノじゃのう?」

 

ガタッ!

 

突然、押し入れの方から物音がした。

 

「え?何?」

「何でしょう?」

「ネズミでしょ?ここボロだし」

「ネズミかのぉ?妙に変な気配を感じるが……?」

 

俺達は声を出さずにしーんとしていると、微かに声が聞こえて来た。

 

「うひひひひ、女のパンティはいつ見てもええのぉ!」

 

なんだ?どこから聞こえるんだ?

 

4人で辺りを見渡すと、押し入れの隙間から聞こえて来た。花ちゃんはしーっと指を口に当てながら片方の手で隙間に指を指した。俺らはアイコンタクトをしながら左右の入口を固めた。俺は意を決して押し入れを開けた。

 

「おらぁっ!誰だコラァ!」

 

スパーンッ!と押し入れを開けると……。

 

「ムホホホホホホいい匂いムホホホホ」

 

なんかいた。

 

俺の目の前には、頭に農協の帽子を被り、ポロシャツにジャージ姿の中年男性がいた。ただ、おかしいのが……大体10cm位で体が小さい事だった。俺はパンティに夢中になっている【小さいおじさん】をつまんで引きずり出した。

 

「いでででで!何すんだ!あんちゃん!」

「何すんだじゃねぇよ!なんだ”チミ”は!」

 

俺はつまみながら怒鳴ると、小さいおじさんは……。

 

「なんだチミはって、そーです、わたすが小さいおじさんです!」

「あっ!あたしのパンツ!ちょっと返しなさいよ!」

 

メリーさんが小さいおじさんを睨み付ける。すると、小さいおじさんは。

 

「あいーやっ!嬢ちゃんのだったのかいっ!いや〜すまねぇな!」

 

メリーさんは小さいおじさんからパンツを奪い取った。

 

「龍星、どーするのじゃ?」

「どーしましょーか?」

「ちょっと!なんか湿っぽいんですけど!?アンタ何したのよ!」

 

さて、どーしようか。

 

俺はとりあえず捕獲用の入れる為の箱を探し始めた。

 

「なんかねぇかなぁ〜。あっちょっとはーちゃん、コイツ持ってて」

「あっはい」

「おっ、今度はでっけぇねーちゃんか!?どーせならそこの谷間に入れてくんねぇかな!?」

「えぇっ!?」

 

はーちゃんが小さいおじさんからセクハラを受けている間に俺は押し入れを漁り始めた。

 

「龍星〜?どーしたの?」

「何か捜し物か?」

「えーっと、確かこの辺に……おっ、あったあった!」

俺は押し入れの奥から、【ハムスターの檻】と、はーちゃんと花ちゃんのパンツを出した。

 

「あっ!私のパンツ!」

「ワシのも!!貴様だったのか!下着泥棒はっ!?」

「龍星?何それ?」

「これ?ハムスターって言う可愛いネズミを飼うための入れ物だよ。だいぶ前に死んじゃったんだけどね?」

「ふーん。それで?どーするの?」

「こーするのさ」

 

俺ははーちゃんから小さいおじさんを再び掴み取り、ハムスターの檻にぶち込んだ。

 

「あたぁっ!おいっ!出してくれ!」

「うっさいわボケ、勝手に住み着きやがって!今からオッサンの家はここだ!」

「勘弁してくれよっ!こんな牢屋見てぇなとこ御免だ!これじゃ留置所の犯罪者じゃねぇかよっ!」

「現在進行形で犯罪者だろうが、窃盗罪、住居侵入罪してんだろ」

「うっ……」

 

小さいおじさんはハムスターの餌箱に座り込む。俺はその間に小さいおじさんを携帯で調べ始めた。

 

【小さいおじさんは身長が8cm〜20cm程の怪人で人間と同じような生活をしていたり、遊んだりしている】

 

ふーん、なるほどね。

 

「ねぇ?それでコイツどーするの?飼い殺しにするの?」

「川に捨てるか?」

「猫ちゃんに食べさせますか?」

「言い方が怖ぇよ、このまま放っても小さいホームレスと変わらないからねぇ……落ち着くまでここで暮らしてもらうか」

 

捨てられると考えていたのか、小さいおじさんはぱあっと明るくなる。

 

「ホントかあんちゃん!ここに住んでいいのかっ!?」

「ああ、いいよ。このまま猫に食われても困るからな」

「へへっ、すまねぇ」

 

小さいおじさんは農協の帽子を脱いでハゲた頭を見せながらペコペコと頭を下げる。

 

「とりあえず今日はその檻に入ってる巣箱あるだろ?それ、ハムスターの寝床だった所だからそこで寝ててくれ」

「ほぅ、こりゃ暖かそうだな!ちょっと失礼して」

 

小さいおじさんはゴソゴソと巣箱の中に入り、巣箱穴から顔を出した。

 

「あったかい……」

「そっ、そうか」

「なぁ、あんちゃん。すまねぇが競馬の新聞とラジオを用意してくれねぇか?競馬で勝って稼ぐからよ!」

「すげぇアテにならない事言い出したなコイツ」

「ねぇ龍星、けいばって何?」

「私も気になりますね」

「ワシも気になるの、馬の何かか?」

 

お化け三人衆が俺に聞いて来た。

 

「まぁ、簡単に言えば賭博だな。馬同士が競って1番を予想してお金を稼ぐ賭博だよ」

 

そう答えると。

 

「クズね」

「クズじゃの」

「あはは……」

 

すごい言われよう。

 

「なんとでも言え!小娘共、俺は働きたくねぇんだ!」

「とんでもない事言い出したんだけどコイツ」

「働かないって宣言してる時点でもうクズじゃない」

「じゃの」

 

俺の家に新たな住人、小さいおじさんが住み始めた。

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