幽霊にセクハラしても罪にはならないですよね?   作:ボトルキャプテン

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第36話 テケテケに下半身を!

 思い切っり駆け出して社宅まで数メートルまで差し掛かった時。

 

「待てぇぇぇっ!!」

 

しつこい奴だ、まだ追ってくる。

 

 社宅の玄関に手をかけ、慌てて閉める。すると、ガシャン!とぶつかる音が響き渡った。

 

「いったあ…………。ちょっと、開けなさいよ!ぶっ殺すぞ!!」

「嫌だよ。一体何をそんなに怒ってるんだい?」

 

 引き戸越しに女子高生に尋ねると、ガラスにバンと手を叩く。

 

「あんたが逃げたからでしょ!?ちょっ、鍵掛けたわね!?」

 

 その隙に俺は携帯を取り出して【足のない女子高生 妖怪】で検索を掛けてみた。

 

「『テケテケ』?」

「何?あたしの事調べたの?」

 

 テケテケというワードに反応し、ピタリと叩くのを止めた。どうやら彼女の名前らしい。

 

「君の名前、テケテケって言うの?」

「そ、そうだけど?」

「なんで足ないの?事故で無くしたの?」

「そうだよ。あの時はとても寒い冬の時期でさ、電車に轢かれたのよあたし。その時、死ぬのに時間かかってね その時に化け物になったの」

「そうだったのか」

 

 重い雰囲気が漂う中、俺は閃いた。

 

下半身がないなら、下半身あげればいいじゃない!!

 

「なぁ、テケテケ」

「な、なによ」

「1週間後、またここに来てくれないか?」

 

 俺がそうもちかけると、テケテケは引き戸をバンと叩いて威嚇して来る。

 

「またそう言ってあたしを騙すんでしょ?」

「今度こそ信じてくれ、今度はテケテケにもメリットがある事だから」

「メリット…………あんたの足くれるかな?」

「まぁ、そうとも言えるかな?」

 

 そう言うとテケテケは納得したのか、引き戸を叩くのを止めた。

 

「分かった、1週間後またここに来るから残りの人生楽しみなさいよ。もし、逃げたりしたら必ず殺すからね?」

「逃げたりしないさ」

「んじゃ」

 

 テケテケは捨て台詞を吐いてその場から姿を消して行った。俺はため息を吐いてAm○zonのアプリを開いた。

 

「えーっと  あったあった。購入っと」

 

 俺はある物を購入して、1週間後に備えた。

 

1週間後。

 

 研修の帰り、テケテケと出会った時間になった。俺は届いた荷物と共に玄関で待っているとテケテケがどこからともなく現れた。

 

「へぇ、逃げなかったんだ」

「言ったろ?逃げたりしないって。まぁ、玄関じゃアレだし中に入りなよ」

「何?今更命乞いでもするつもり?」

 

 テケテケはゆっくり這うように玄関から入ってくると、大きなダンボールに行く手を阻まれた。

 

「ちょ、なにこのダンボール?邪魔なんだけど?」

「おいおい、それは君にあげるモノだよ?」

「あたしに?」

 

 テケテケが首を傾げると、俺はダンボールを開けた。すると、ダンボールから右足が現れた。右足を目の当たりにしたテケテケは、

 

「あ、あんた!?まさか人を殺したの!?」

「違うよ。これはリアルドールさ」

「リ、リアルドール?何それ?」

「細かい事は気にしないでくれ。足触ってみな?本物のようだろ?」

 

 テケテケは恐る恐るリアルドールの足を触り始める。あまりのクオリティの高さに驚きを隠せなかった。

 

「すっごい!本物の人間の足みたい!」

「だろう?」

「けど、なんでこんなのあたしに?別にあたしは自分の足を探してる訳じゃないんだけど?」

 

 テケテケの言葉を聞いた俺はお茶を飲みながら口を開いた。

 

「実はな、テケテケが帰ってから色々考えたんだよ。セクハラもいいけど、どうにかしてあげれないかなと」

「どうにかってどういう事?あたしを退治するとか?」

「それも考えたんだけど、退治なんてしたら可哀想じゃん。お前ら幽霊は未練があるから彷徨ってるんだろ?」

 

 突然真剣な目指しで見つめられたテケテケは咄嗟に顔を逸らした。

 

「ま、まぁ…………あたしもそうなんだけど」

「そこで、俺考えちゃいました。成仏出来るように協力してあげようって」

「成仏!?別にあんたがやる事ないんじゃない?」

「関係ないけど、これも何かの縁だろ?その手始めにテケテケの成仏の手助けになると思ってこのへそから下の下半身リアルドールを買って見ました」

「頼んでないんだけど!?」

「お値段はなんと2万5000円」

「値段とかも聞いてないんだけど!?」

 

 テケテケの言葉も聞かずに俺はリアルドールのへそから下の下半身を引っ張り出して畳の上に置いた。

 

「いいからほら、くっ付けて!!」

「はぁ!?あんた何言ってんの!?くっ付く訳ないでしょ!!」

 

 試してもいないのに拒むテケテケ。そんな中俺はリアルドールの太ももを擦りながらテケテケに言い返す。

 

「大丈夫!幽霊だってやれば出来る!スポーツ根性だ!」

「いや今スポーツ根性とか関係ないんだけど!? 擦りながらいうのやめてくれる!?気持ち悪い!!」

「ほら、ちゃんとスカートと靴下それに青と白のボーダーのパンティも付けてあげるから」

「なにその偏ったオプション!?」

 

 全く言う事を聞いてくれないテケテケに俺は遂に奥の手を出した。

 

「分かった!そこまで言うなら、賭けをしよう。もしこのリアルドールがくっつかなかったら俺を殺せばいい。だけど、仮にくっ付いたら…………ごにょごにょ」

「最後なんて言ったかわかんないんだけど!?まぁいいさ、のってやるよその賭け!」

「グッド」

 

 賭けにのったテケテケは仰向けに寝転んだ。俺はリアルドールをテケテケのちぎれた部分にくっ付けるようにしてみた。

 

「どう?くっ付いた?」

「そんな訳ないでしょ」

 

やっぱりダメかなぁ…………。

 

 俺は適当にお経をとなえながらリアルドールの上に手を置いてみた。すると、テケテケが顔を青ざめ始める。

 

「う、うそ…………かっ、感覚がある!?」

「えっまじ!?適当にお経唱えてみたんだけど?」

「ほ、ほんとにくっ付いてるのかな?」

 

 テケテケは恐る恐る足を動かしてみると、足がピクピクと動きだし、次第に関節まで動かせるようになり、遂には立ち上がって社宅の庭を歩き始めた。

 

「すごい…………あたし、また歩けてる!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「歩けてる…………ね」

 

 テケテケがはしゃいでる中、俺は自分の体に何が起こっているのか不思議でならなかった。

 

俺は幽霊に触れたり見えたりするだけじゃなく、失った所も治すことが出来るのかな?

 

 ブツブツ首を傾げながら考えていると、テケテケが声を掛けてきた。

 

「あーあ、賭けはあたしの負けかぁ。で?何して欲しいの?」

「え?あー、賭け?」

 

 真剣な顔をしながら、

 

「スカート捲ってくれ───────」

 

ズドン!

 

 有無を聞かずにテケテケは俺に前蹴りをした。

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