幽霊にセクハラしても罪にはならないですよね?   作:ボトルキャプテン

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第2章 大型商業施設編
第46話 警備員、商業施設に行く!


 人面犬が去った翌日。俺は3ヶ月ぶりに勤めている病院に出勤した。俺が顔を出した途端、警備部長が声を掛けてきた。俺は警備部長に頭を下げた。

 

「部長、おはようございます」

「やぁ、おはよう龍星くん。新人研修ご苦労さま!研修はどうだったかな?退屈だったでしょ?」

 

色んな幽霊連れ込んだって言ったらどうなるかなぁ。

 

 頭にそう過ぎったが、俺は何食わぬ顔で、

 

「ええ、1人だったのでテレビが恋人でしたよ」

「そうだったんだね。けどもうそんな寂しい思いはもうないから大丈夫!これからは1人前として扱うからバリバリ働いて貰うよ!」

「はーい、そこはかとなく頑張ります」

「頼りにしてるよ!」

 

 タイムカードにカードを挿して今日1日の作業が始まった。ふと監視カメラに目を向けると、カッシーことカシマレイコと婦長がチラッと映った。

 

あっ、2人に顔見せてなかった。勤務時間終わったら顔出すか。

 

 監視カメラから視線を外し、淡々と仕事を進めた。

 

8時間後。

 

 勤務時間が終わる直前、俺は施錠確認の巡回の合間にカッシーと婦長の元に向かった。誰もいない廊下の椅子に腰をかけていた2人に声をかける。

 

「こんばんは、2人とも久しぶり♪」

「なんだ、もう帰ってきた来たのか」

「向こうにもっといれば良かったのに」

 

 冷たく接するカッシーと婦長の間に座り、2人の腰に手を回す。

 

「つれない事言うなよぉ、本当は寂しかったんだろ?」

「寂しくなんかなかったわ!気安く腰を撫でるんじゃない!!」

「触らないでくれる?足を刈り取るわよ?」

 

 婦長は俺の左手、カッシーは包丁を片手に右手をつまみながら俺に言ってくる。

 

「嫌よ嫌よも好きのうちって言うだろ?」

「そんな訳ないだろ」

「100パーセント嫌に決まってるでしょ!?」

「んじゃ、足はやれないけど靴下欲しい?」

 

 ため息を吐きながら靴下を脱ごうとカッシーは慌てて俺を止める。

 

「いらないいらない!いらないから脱がない くっさ!」

「うぇ…………おぇ」

 

照れちゃって可愛いなぁ。

 

 カッシーと婦長は吐き気を催しながら俺から離れようとする。だが、俺は2人の手を掴んで離さなかった。2人は逃れようと必死に俺の手を必死に叩く。

 

「離してよっ!」

「は、離さないか貴様っ!」

「分かった分かった。止めるよ ごめんね」

「な、何よ…………急に大人しくなるなんて不気味ね」

「いや、久しぶりに顔を見ると嬉しくてねつい」

 

 俺はてへっとはにかむとカッシーと婦長は何故か頬を赤らめた。

 

「きっ、急にそんな事言っても信じないぞ」

「そっ、そうよ!また変なこと企んでるんでしょ!?」

「別に何も企んでないんだけどなぁ…………」

 

 俺はしゅんと落ち込みその場でしゃがみ込んだ。すると、反省したのかカッシーと婦長は俺に近付いて来る。

 

「別に本気で言ってる訳じゃないんだけど、そんなにショックだった?」

「何もそんなに落ち込む事ないじゃないか、その…………悪かった」

 

 婦長が近付いた瞬間、俺は素早く婦長のスカートを掴んで、

 

「よいしょぉぉっ!!」

 

 俺は婦長のスカートを一気に捲り上げた。

 

あっ、紫。

 

「な、な、な、なっ!?」

「ちょっとあんた、何やってんの!?」

「婦長ベージュパンツやめたの!?すんごいセク─────」

「貴様ぁぁぁぁぁっ!!」

 

 激昂した婦長は俺の横っ面を張り手でフルスイングした。婦長は慌ててスカートを戻す。

 

「良い歳してスカートめくりをするんなんて、お前はガキか!?」

「おお…………?」

「自業自得ね、こんな奴ほっといて行きましょ」

 

 カッシーは婦長を連れて暗闇に消えて行った。その場に取り残された俺は頬を擦りながら警備室に戻った。

 

「さぁて、帰ろ帰ろ。今夜の晩御飯何にしようかなぁ」

「お疲れ様、明日もよろしく頼むよ」

 

 警備部長と別れようとしたその時、

 

プルルルルルル!

 

 突然、警備室の電話が鳴り響いた。警備部長はパタパタと走って受話器を取る。

 

「はい、〇〇病院警備室…………。お疲れ様です、はい…………え?」

 

 受話器を耳に当てている警備部長の顔が徐々に険しくなって行く。それを見た俺は足を止めていると、警備部長が帰るなと言わんばかりにジェスチャーをする。

 

何かトラブルだろうか?

 

「応援ですか?ええ、なら佐藤君を向かわせましょうか?」

 

応援?どこに?

 

「ちなみに現場は何処です?…………ええ、隣町の?〇〇支店ですか?佐藤君じゃダメ?何故です?…………ええっ!?」

 

 先輩ではダメと言う言葉を聞いた途端一気に嫌な予感がした。ただ事じゃないと悟った俺は荷物を置いて警備部長の電話をただ聞いていた。カッシーと婦長も気になったのか、ドアの隙間から覗いていた。

 

「福島くんを…………ですか?ええ、ですが彼はまだ研修から戻って来たばかりですよ?経験が少ないですよ…………分かりました」

 

 警備部長は諦めた様な顔をしながら受話器を置いて俺に顔を向けた。俺はフラグ回収をする為に声をかけた。

 

「〇〇支店って大型商業施設ですよね?そこに行けって事ですか?」

「ああ。どうやら向こうで人手が足りなくなった様だ…………何が原因かは分からないけどね。帰って来て早々申し訳ないね」

 

 本部からの話だと隣町の大型商業施設で警備員が次々と辞めてしまい人手が足りなくなったらしい。なのでこの病院から応援を1人だして欲しいとの事だったが、勉強を兼ねて俺を推薦して来たとの事だった。

 

「一生そこって訳じゃないですよね?」

「勿論さ、派遣会社などにも声を掛けて人員を補充するまでだってさ」

「まぁ、隣町ですから通えますしね  良いですよ?俺行きます」

 

 自ら志願すると、警備部長の顔はぱあっと明るくなった。

 

「本当かい!?流石は龍星くんだ、交通費奮発するように本部に頼んでみるよ」

「そうして貰えると助かります」

「明日から来て欲しいとの事だから頼んだよ」

 

 俺は研修明け早々大型商業施設に行く事になった。

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