幽霊にセクハラしても罪にはならないですよね?   作:ボトルキャプテン

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第6話 ロリババア

俺たちはそのまま昇降口の鍵を開けて中に入る。中は当時のままの状態の木製の下駄箱、キシキシと音を立てる廊下、不気味な雰囲気が漂う空間だった。俺は懐中電灯、塩水入りの霧吹きを持って辺りを探索を始めた。八尺様とメリーさんは珍しいのか、辺りをキョロキョロと見渡す。

 

「これが学校なんですね、ちょっと低い気がしますけど」

「そうだねぇ、この不気味な雰囲気が良いね!」

「あんまり騒ぐなよ?あんたら怨霊が騒いだら花子さん逃げちゃうだろ」

 

俺は八尺様のスカートの中に隠れながら辺りを照らす。

 

「あの……どうして私のスカートの中にいるんですか?」

「え?なんでって、はーちゃんを守る為だよ?今日も白なんだね」

「こんな時にもセクハラするあんたの気が知れないんだけど」

 

ガタッ!

 

俺たちは物音に反応した。懐中電灯を照らすと図書室と記されていた。

 

誰かいるな、なんだ?幽霊……じゃなさそうだな。

 

「行ってみる?」

「そうですね、現地の方に挨拶をしたいですから」

「ネコとかタヌキじゃないの〜?」

 

バーン!

 

俺はホラー映画のように恐る恐ると引き戸を引かず、思い切り勢いよく開けた。八尺様とメリーさんは突然の音にビックリして思わずビクッと体を揺らした。

 

「ビックリした〜勢い良すぎでしょ」

「そうですね、古い引き戸ですからあまり乱暴にしないほうがいいですよ?」

「そっそうだね……反省」

 

そのまま中にはいると……。

 

「…………」

「ねぇ、どうしてここに石像があるの?」

「そうですね、これって外に置いておく物じゃないんですか?」

 

そう、俺たちの目の前には小学生の頃よく学校で見掛けた『二宮金次郎』の石像が何故か図書室に立っていた。

 

「勉強熱心だなぁ」

「そうですね、ここは本を読む場所の様ですから」

「邪魔しちゃ悪いね」

「他行こうか」

 

二宮金次郎が勉強中なので何も見なかったかのように、俺たちは図書室から出て先に進んだ。

 

その後ら図書室を過ぎて1階をじっくり探索を終え、2階に上がることにした。上がった途端……どこからともなくピアノの音が聞こえて来た。

 

ポロロン……

 

「今のは」

「空耳ではないですよね?」

「うん、ラ・ド・シ・レだったな」

「その顔で絶対音感持ってんの!?」

「その顔ってなんだよコラ」

 

カチンと来た俺はシュッシュッとメリーさんに向けて霧吹きを発射する。メリーさんは顔を手で防御しながら騒ぎ出した。

 

「や、ちょっと……やめ、やめて!しょっぱい!この水しょっぱい!」

「ケンカはダメですよ!とりあえず音が聞こえた場所に行きましょう?」

「そうだね、どーせ……幽霊が俺たちを脅かしに来たんじゃないか?」

 

ピアノの音が聞こえて来た音楽室に入ってみると、壁にはベートーベンやモーツァルトの絵が飾られており、窓際には年季が入ったグランドピアノが寂しく置かれていた。

 

「おー、ピアノだ」

「ぴあの?なんですかそれ?」

「ピアノだったらあたし知ってるよ、さっきの音もこれよ」

「いゃ〜懐かしいなぁ、小学生以来だよピアノなんて」

 

俺は懐かしい気持ちになりながら椅子に座りピアノを弾いてみた。

 

「ポロロン…ピアノ売って頂戴〜♪」

「それ曲じゃないでしょ、昨日テレビで流れてたヤツでしょそれ」

「あはは……ん?」

 

八尺様が辺りをキョロキョロ見渡すと、先程見たベートーベンやモーツァルトの顔が変化しており、露骨に嫌な顔になっていた。

 

「あの〜龍星さん。あの絵の方々が早く出てって欲しいと……」

「え?あー、そうだね。押し掛けたのは俺だし、行こっか」

「ちょっと、髪がガッピガピなんですけど?どうしてくれんの?」

 

音楽室から出て先に進むと、今度はドスドスと走ってくる音が聞こえて来た。俺は音の向こうに懐中電灯を向けると……。人体模型がこっちに向かって走って来ていた。ぶつかると悪いと思い、俺たちは道を開けると、人体模型も逃げると踏んでいたのか、俺を見つめながらそのまま暗闇に消えていった。

 

「あんなに走って内臓とかぶちまけないのかな?」

「さぁ……ちょっと生臭かったですね」

「あたしの気のせいかな?向こうも突然避けられてビックリしてたみたいだけど」

 

っていうか、なんで人体模型って走ってるんだろう?オリンピックでも目指してるのだろうか?

 

────────────────────────

 

そして、ようやく3階に上がった俺たちは目的地の女子トイレにたどり着いた。俺が女子トイレの引き戸に手をかけると、八尺様とメリーさんに止められた。

 

「何してんの?その手離せよ」

「あんたこそ何堂々と女子トイレに入ろうとしてんのよ」

「龍星さん、ここは女の子の厠ですよね?男子禁制ですよ?」

「いや、花子さんに会いに来たんだから入らなきゃ会えないでしょ」

「うわぁ……龍星気持ち悪い」

「幽霊に気持ち悪いって言われても何とも思わねぇよ。しかもここ廃校なんだから人間がいるわけないでしょ。ばーか」

 

引き戸を開けて女子トイレに入ると……中は真新しい設備になっていた。ボットン便所をイメージしていたのだが、普通に水洗便所にリフォームされたようだ。そして、花子さんがいるという3番目の個室トイレをノックして見た。

 

コンコンコッコン♪

 

「はーなこさん?」

 

しーん……。

 

ノックしても返事はなかった。気配は感じているのでいると確信した俺はしつこくトイレを叩いた。

 

ドンドンドンドン!

 

「花子さーん!!居るんでしょー!?居留守使ったって無駄だよ!」

「なんか昔見た事ある借金取りの人に見えますよ?」

「そんなやり方で出てくるわけないじゃん……」

 

うるさいのぉ!わしになんの用じゃ!

 

俺は4番目のトイレを見ると……白いワイシャツに赤い吊りスカート、おかっぱ頭の女の子が現れた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あっ、4番目だったんだ」

「場所間違えてるじゃないですか!」

「こんばんは〜」

 

俺たちはとりあえず花子さんに軽く会釈をした。花子さんはプンプン怒りながら腰に両手を添えながら訴え掛けてきた。

 

「近所めーわくじゃ、わしに用があるのか?」

「ええ、貴女に逢いに来たんですよ。花子さん……いや、花ちゃん!」

「初対面で馴れ馴れしい呼び方するんだね、気持ち悪い」

 

唐突に可愛らしい呼び方をされた花子さんは面をくらった様にタジタジになり始めた。

 

「なっなんじゃ、この人間は……”年上”に向かって」

 

ポロッと花子さんが言った言葉に俺は止まった。

 

「えっ?花ちゃんって小学生じゃないの?ロリじゃないの?」

「ろり?何を言っとるんじゃお主は……わしはとうに死んでるからな。数えると90過ぎておるぞ?」

 

うわぁ……ロリババアじゃん……。

 

「なんで龍星さんガッカリしてるんですか?」

「見た目によらず歳いってたからガッカリしてたんじゃない?」

「まぁ、久しぶりの客人だ。ゆっくりしていくが良い」

 

花子さんはフワフワと体を浮かばせながら俺に近付いて来た瞬間。俺は花子さんのスカートに手をかけた。

 

「なっ、何をする!?」

「90歳なんでしょ?本来の歳だったら即逮捕だけど花ちゃんは『合法ロリ』ってやつだよね?」

 

俺は両手でスカートを掴んで一気に捲りあげた。

 

「合法ロリは逮捕されなーーーーーい!!!」

 

スカートを捲りあげると、可愛らしいパンツが大っぴらに見えた。

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