僕は世間で言われているほど凄い人間ではない。只、人より少し優れていただけでそれだけなのだ。別に特別な事があったわけではなくて…普通なのだ。そして多くの兵士たちは僕を見ると恐れをなして離れて行ってしまう。僕、個人的には何かをした訳ではないと思っているんだけど……何でこんなに離れるんだろう。そんなに僕って怖いのかな。
後、僕には妹が存在するのだけど………とても可愛い。正直、妹には戦争という面倒なものに巻き込みたくはなかった。だけど運が悪く実地訓練を行っている時に戦争に巻き込まれてしまった。すぐにでも加勢したかったけどその時は僕も色々と忙しい時期で加勢することが出来なかった。どうやら後々、聞いてみると妹はとても良い結果を残したようで『銀翼突撃章』を受賞した。
まさか妹も受賞するとは微塵も思っていなかった僕にとっては今世紀最大の驚きだった。それからも妹は順調に階級を上げている。このまま行けば僕に追いつくのも時間の問題かもしれない。妹にその話をした時は「そんなことあり得ません。私がいくら結果を残したとしても兄貴と同じ階級にはいけないよ」と言っていた。
僕の階級は軍の中ではかなり上の方で『大将』という地位に在籍している。ここまで地位が高くなってしまうと前線に出て戦うということはほとんど無くなってしまう。だからこそ、僕は自分の腕が鈍っているのではないかと最近は心配していたりする。さすがに最後に前線に出た時から時間が経ちすぎているからね。
まあ、そんな感じで今日も僕は適当に生きている。
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今、僕はある部屋に座っている。この部屋は決して大きくないし、見栄えのするような部屋とは天と地ほどの差があるだろう。その部屋の中央では二つの椅子が向かい合うように置かれている。
「ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ」
僕は一人の女子隊員の情報が載っている紙を見ていた。他にもテーブルには紙が散乱している。その紙、一つ一つに兵士の個人情報が書かれている。
この子の実力は書面上だけで全てが分かるわけではない。でも、少なくとも見ないよりはいい。この書面を見る限り、兵士としての才覚をあるようだ。まあ、そうでなければ一般人が兵士になることなんてない。
僕の目の前に腰を下ろしている者は僕がこんなものを見ているのが謎なのだろう。ずっと僕の方を見ている。この人物の名はエーリッヒ・フォン・レルゲン。階級は中佐。とても優秀な人物でこれからのこの国を背負っていく人物であるのは明白だ。妹のターニャも彼の賢さに関しては認めていると聞いている。
「それにしても大将のあなたが一般兵の情報なんか知ってどうするんですか?」
「あ、これは少し興味があってね、それだけだからそんな目で僕を見ないでくれ」
「…いや、別に変な目で見ていたわけでは」
「まあ、君が気にするのも分かるけどね。だけど本当に何もないから、強いて言うなら…選別かな」
「選別ですか……」
そのような会話がこの部屋では繰り広げられていた。